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SCP-547-JP

登録日:2026/02/25 Wed 23:37:00
更新日:2026/04/02 Thu 12:22:15
所要時間:約 8分で読めます






その想いはきっと空まで届く。



SCP-547-JPはシェアード・ワールドSCP Foundation に登場するオブジェクト.である。
オブジェクトクラスEuclidからのNeutralized
メタタイトルは「とんで、おてがみ。ずっととおくえ」。


……子供関連の作品は不穏な雰囲気だよなと思ったそこの財団諸君、今回は安心していいぞ。まあ 家に帰れなかった可哀想な子とか笑えないアイスヴァインちゃんとかがいるから気持ちはわかるが。

初めに、このSCPはNeutralizedのオブジェクトクラスが示すようにすでに異常性が失われたものである。そのため、以前用いられていた特別収容プロトコルはすべて取り消し線で消されたものとなっている。内容としては

  • 職員は絶対に直接SCP-547-JPに触れちゃだめだよ
  • SCP-547-JPは小型オブジェクト収容コンテナにて収容されるよ
  • SCP-547-JP-A群という集団は中型人型オブジェクト収容セルに収容されるよ
  • それらの移動については現在検討中ね

となっていた。

そして現在の特別収容プロトコルは下記の一文。
  • それらの異常性はすでに失われているので、SCP-547-JP自体は小型オブジェクト収容コンテナ入れといてね」


概要


SCP-547-JPは一般的な紙飛行機に見える物体に二本の足のようなものがついたものである。そのでかい図体の割に足はか細く、また紙飛行機全体の質量バランス的に飛行は難しいらしい。

そしてこの SCP-547-JPの異常性はそれ自体を視認した時点で発現する。 SCP-547-JPを見た人物(以降、 SCP-547-JP-Aと表記)は視認した時点からSCP-547-JPを飛ばしたいということに強い執着を持つようになる。

そしてそれ以後 SCP-547-JP-A群はSCP-547-JPを飛ばすための活動に従事するようになる。これにはそこまで強い強制力はなく、今まで個々人が有していた常識や倫理観、生理的欲求を覆すほどではないらしい。しかし、彼らにとってのメインの仕事は財団勤務なのだ。ところが SCP-547-JPに関連しない事柄となると集中力の低下、また睡眠食事に対する欲求もある程度は減少する結果となってしまっている。

あくまで全体的にやる気が増えるわけではないのね


しかしここからがこのSCPのヤバい所。 SCP-547-JPに曝露してしまった彼らはその関連する事柄に対して意欲的になると前述したが、それが財団ですら知らない技術の開発につながったのだ

紙飛行機を飛ばすために未知の技術を開発してしまうとは....。


+ 開発された技術は以下の通り。
  • 貼付式流体スラスター
 実際に存在する技術ではないが、取り外しできるタイプであり、流体(ここでは空気)を推進剤として用いる技術だと推測できる。
  • カロセム酸とその誘導体
 これもまた実際に存在する物質ではないが、カロセム酸という物質とそれが用いられてより有用性の高い化合物となった物質だと考えられる。

...おそらく紙飛行機を飛ばすためだけに開発された技術にしてはあまりに高度である。




また現在の曝露した人数は二ケタ台に登り、そのすべてが管理されていたサイトのレベル0〜3、クラスB・C・Dの財団職員が占めている。

ここまで広範囲に渡る曝露者が存在してしまうと何が起こるか、それを財団は危惧していた。

考えてみて欲しい。財団の持つ情報は大変危険でリスクの伴うオブジェクト や、苦労して相手をしている要注意団体 についてのものも存在している。そして当然それらはある程度の資格を持つ職員なら知っていることとなる。

その職員らが技術開発に参加してしまうと、本来秘匿されるべき情報があれよあれよと出ていってしまうことが当然予想されるだろう。

ということで財団はこのSCPの可能性を捨て、有効活用をしないことにしたのだ。


発見経緯


SCP-547-JPは、この異常性に曝露したSCP-547-JP-A群により発足された「紙飛行機を飛ばす会」というグループの発足によって発見された。新たな要注意団体の誕生か?

発見当時この会に所属していた財団職員の職務怠慢や注意散漫が問題となっていたのだが、それと同時にその精力的な活動が財団内で注目されていた。


また、上記にあるような新技術の開発を含むその精力的な活動がサイト上層部に気づかれてしまったが、SCP-547-JP-A群は実際にSCP-547-JPを用いる活動は自粛していたため、暴露することとなった職員は最小限に止められたのことだ。

しかし異常性の調査を行ったがためにより多くの曝露者が出る結果となってしまった。

財団ポリシーに従った結果被害が増えるいつものヤツである。


また、SCP-547-JP-Aとなってしまった職員に対する、症状の影響と進行度を調べるために行われたインタビューがあるため、ここでは一部を抜粋する。

インタビュアー: では、前回の続きとしましょうか。

████博士: [編集済]の話か?いい加減、もう君達に話すような事は無くなったと思うんだがな。

インタビュアー: 私達に関して言えばそうではありません。あなたの証言から財団が得られる物は未だ少なくないですからね。

████博士: 私にとって、あの時の出来事は大して重要ではないのだが。

インタビュアー: 財団にとって、あの事件の詳細記録は有用であり、あなたの証言も同様に重要です。ですから……博士?

████博士: ……の部位の抵抗をリニアスラスタで変化させるか?あるいは単純に推力を足すか。一見どうとでもなりそうなものだがな……

インタビュアー: ████博士?



本来の財団職員であればここでマトモにインタビューに応じないなんてことあろうはずがないのだが...。この博士はインタビュアーの人物の発言に耳を貸すこともなく、どうやったら紙飛行機を遠くに飛ばせるかについて考えていた。


このインタビューでは、これ以上の聞き込みにより得られる有意な情報がないと判断された。そしてこの博士はSCP-547-JP-21と割り振られた。

また、 SCP-547-JP-25として割り振られたDクラス職員によるメモがあるため、それも見ていこう。

分かってる。自分が日記とか付けたりするタイプの人間じゃないってことは。それでも、今日のことは何かに残しておかないといけない、そう思うんだ。

今日俺はなんかの……多分紙飛行機?部屋の中にあったそれを持ってこいとかどうこうしろって言われた。
正直面食らった。これじゃガキのままごとみたいなもんじゃないかってな。

だが実際に……あの、アレを見たとき、頭をハンマーでかち割られたような感覚がして……なんか流れ込んできたんだ。なんかこう、思いとか願いとか……意思っていうか。
誰かがアレをどこかに届けたがっているし、アレ自身も飛びたがっているんだ。そんな気がした。

正直鼻で笑われそうな与太話だとは思う。だけど俺はあの感覚を忘れることができない。
あの紙飛行機……アレが飛んで、どこか遠くへ何かを持って行くようなイメージが、頭から離れないんだ。


どうやらSCP-547-JPに曝露した人物は頭をハンマーでかち割られたような感覚があり、飛ばすことへのイメージが頭から離れなくなるようだ。

...さっきから本人の良識や倫理観、生理的欲求を覆すほどではないという性質を裏切るかのような発言や行動が見られているような...。


そしてついに収容違反が起きることとなってしまった。 

個別収容セルにて収容されていたSCP-547-JP-A群が脱走し、それを食い止めようとする 機動部隊をものともしないような連携力 を見せつけ、ついに SCP-547-JP実体の下へとたどり着いてしまったのだ。

そしてその結果として、


SCP-547-JPを安定して飛ばすことに成功したのだ


その時間はなんと8秒。また距離にして40メートル飛行し続け、ついには墜落した。

案外短くね?と思った財団職員は自身の子供時代に飛ばした紙飛行機を想起してみてほしい。40メートルどころか2,3メートルが限界だったのでは。



そして飛行機が墜落した瞬間、すべての異常性が消失したのだ。

当該事件によりオブジェクトクラスはNeutralizedに改定され、収容プロトコルも現在のものとなった。


真相

この異常性を失った紙飛行機を詳しく調べてみると、中にいくつかの短文の記述がなされていることが発見された。オブジェクト自体の劣化により完全な判読は難しかったが、おそらく手紙のようなものであったらしい。

下記はその判明した文言である。


おとうさんへ

おとうさんがさびしくないように、おてがみをかくといいって、おかあさんがいってました。
おとうさんがいなくなってさびしいけど、あんりはげんきだし、おかあさんもげんきだっていってます。
なのでおとうさんもげんきでいてください。
おとうさんがいるところはとってもとおいってようちえんのたなかせんせいがいってたので、
ちゃんととどくようにひこーきにします。
じゃーね、ばいばい。

あんり




...遠くにいるお父さんは恐らくもう二度と会えないような場所にいるのだろう。しかし、その想いによって為された手紙はきっとお父さんにも届いている。

SCP-547-JP


とんで、おてがみ。ずっととおくえ



また、事後調査により当該オブジェクトに関連すると見られる、一般人の母子家庭の存在が明らかとなったが、財団による追加調査によってもこのオブジェクトの異常性が発現するような明確な関係は見られなかった。

そしてこのSCPは偶然の産物として結論つけられた。

追記・修正は自らの愛する人に思いを届けてから、お願いします。






SCP-547-JP - とんで、おてがみ。ずっととおくえ
by unReGret
http://scp-jp.wikidot.com/scp-547-jp
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最終更新:2026年04月02日 12:22