登録日:2026/04/19 Sun 03:13:25
更新日:2026/04/28 Tue 08:11:42
所要時間:約 3 分で読めます
概要
「ピアノソナタ第11番 K.331」とは、モーツァルトによって作曲された全3楽章構成のピアノ曲である。
「K.331」というのは「ケッヘル番号」と言う音楽番号の事で、ザックリいうとモーツァルトの作曲した作品(「真作、かつ完成している作品」と言う条件付き)に作成順に付けられた通し番号である。
この項目内ではただ単に「これはモーツァルトが(331番目の曲として)作った、ピアノソナタ第11番です。」と言った意味合いで考えて問題ない。
なお331は初版の番号で、現在では番号設定の改訂によって「K.300i」と言う数字に置き換わっている……が、現在でも初版の番号のまま言われることも多い。
曲について
イ長調で調設定がなされており、全曲全て合わせて20分ほどの曲になっているが、実はこの曲の具体的な作成時期は明確になっておらず、推定では1783年頃にオーストリアのウィーン、あるいはザルツブルグで作成されたものとされているが、また一説では1778年作曲とも考えられている。
彼が生きた時代である18世紀のクラシックの主流な形式は「古典派」となっており、それまで「バロック派」で主流となっていた厳か、かつ重たい作風から一転して「曲の形式」に基づきながら、明るく明快に曲を展開していく形で作られるものが多かった。
「ソナタ」はそんな古典派の曲の形式の1つであり、基本的には
- 全部で4楽章構成。
- 第1楽章が「ソナタ形式」という、ある種のテンプレートによって作られる急速な曲展開。
- 第2楽章が主題を2つ使用する2部形式や主題を手を変え品を変えつつ展開する変奏曲の展開。
- 第3楽章がメヌエットと呼ばれる4分の3拍子の舞曲形式による展開。
- 第4章が第1楽章と同様、急速に曲を進めて締めくくっていく展開。
と言う形式をとる事が多いのだが、この作品は古典派のソナタとしては珍しく、
通常のソナタで言う所の第1楽章に当たる部分を削除した全3楽章形式をとっているという特徴を持っている。
曲の展開
第1楽章
約10分と、3曲中もっとも長い曲で3曲全体の中の半分以上の長さを占める。
始め主題に当たる部分を緩やかに展開した後、テンポや曲調を段階的に早くしながら、主題を異なる6つのパターンにして繰り返し展開する、変奏曲の形式をとっているのが特徴。
そのため、序盤は緩やかで穏やかな雰囲気を受ける曲風だったのが後半に行くにつれて、明るさはそのままに快活な雰囲気に移行していくのが特徴になっている。
第2楽章
およそ5分程度の曲であり、高揚感を掻き立てながら曲が始まっていき、そのままのハイテンポで流れるように曲が展開されていき、最後には主題の部分が再度奏でられて曲が終わっていくという形式をとっている。
第3楽章
およそ3分程度の曲であり、最も短い曲になっている。
さて、この曲だが、非常によく知られた副題がついている。
それは……………
トルコ行進曲(楽曲)
登録日:2026/04/19 Sun 03:13:25
更新日:2026/04/28 Tue 08:11:42
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そう、このピアノソナタ第11番の第3楽章は別名「トルコ行進曲」と言われており、3つの曲の中でも特に知名度が高く、バラエティ番組やアニメ・ドラマの挿入曲として度々使用され、単体の演目として使用される機会が多い曲にもなっている。
また、第1楽章~第3楽章を通しで弾く場合に曲名を書く時も「ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)」と言う特殊な命名を行うパターンもある。
名前の由来としては、モーツァルトがこの曲の副題を「Alla Turca(トルコ風)」と設定したことにある。
と言うのも、ウィーンを含む当時のヨーロッパでは当時強大な力を誇っていたオスマン帝国としてのトルコの軍歌・行進曲の形式である「メフテル」が流行しており、音楽で「トルコ風」と称した場合、メフテルにイメージが膨らむことなるため、結果として「トルコ行進曲」になる、というわけである(事実、この曲でも左手の伴奏部分などでその特徴が見られる部分がある事からついている。
余談だが、西洋の軍楽隊はメフテルの構成に由来しており、現在のブラスバンドにおける楽器構成などでもその面影が残っている。
コード的な部分での曲の展開としてはロンド形式と呼ばれる曲の展開形式に則り、古典派のソナタの最後の章の基本形である早めなテンポ展開に従い、ピアノが奏でられていく。
(そのため本作には「Rondò Alla Turca(トルコ風ロンド)」と言う名前が設定されている。)
はじめ軽やかな主題部分から始まり、その後中盤で転調。テンポをはそのままに華やかな雰囲気で曲が続く。
そこから主題部分→転調パート(途中まで)を再度展開しつつ、その後曲を締めくくっていく流れになっている。
他メディアでの使用
この曲はその知名度の高さから、様々なドラマやバラエティなどで使用され、親しまれている。
(以下、一例のため他の引用例等あれば追加されたし。)
例えば本番組ではコンサートなどの場で本曲に歌詞を付けて歌う事がある。
くわしくは
当該項目を参照。
クラシックを題材とした短編アニメで、トルコ行進曲が題材に使用された回がある。
詳細は当該項目を参照。
トルコ行進曲のスキャットが両名の持ち歌になっており、清水ミチコや阿佐ヶ谷姉妹によってモノマネがなされている。
トルコ行進曲を原曲としてオワタP氏によってアレンジされた
VOCALOID楽曲。歌唱は
初音ミク。
次々に降りかかる不幸に対して嘆きや愚痴をこぼす、という悲哀とシュールな笑いを含んだ歌詞になっている。
嘉門達夫がトルコ行進曲を元にして作成した楽曲。
修学旅行あるあるが多く詰め込まれた歌詞となっており、こちらも聞いていると思わずクスリとしてしまうかもしれない。
ステージ5「カプセル怪獣『カプチーノ』」のボス戦BGMにアレンジ曲が使用されている。
カプチーノ自体印象に残りやすいボスなため記憶に残る人も多いと思われる。
ベートーベンの「トルコ行進曲」
ここまではモーツァルトが作曲したトルコ行進曲について紹介してきたが、実はベートーベンが作曲した曲でも「トルコ行進曲」と呼称される曲が存在している。
「トルコ行進曲」と聞いて、モーツァルトではなくベートーベンを想像した人もいるかもしれない。
正確には、「アテネの廃墟」と呼ばれる、ローマ神話における知恵の女神ミネルヴァを中心人物に据えた劇伴として1811~1812年に作成され、序曲+第1曲~第8曲の全9曲の内、第4曲に当たる部分が「Marcia Alla Turca(トルコ風マルチャ)」と名がつき、「トルコ行進曲」と訳されている(作品番号はOp.113)。
因みにモーツァルトのトルコ行進曲は上述したとおりロンド形式で、「Rondò Alla Turca(トルコ風ロンド)」となっており、呼ばれ方こそ同じトルコ行進曲だが、原題は微妙に異なっている。
この曲の主題には元になる曲として、同じくベートーベンが手がけた「創作主題による6つの変奏曲 Op.76」と言うピアノ曲が存在し、それを管弦楽曲用に転用したものになっている(場合によってはこの曲を「トルコ行進曲」と呼称する事もある)。
曲の展開はハイテンポかつ軽やかな展開がされていたモーツァルトのトルコ行進曲とは異なり、当時のトルコの威光を誇示するかの如く、管弦楽パートが賑やか、かつどっしりとした雰囲気で構成されているのが特徴。
「行進曲」と言う名前から連想される単純なイメージで言うならば、モーツァルトのそれよりもより行進曲らしいと感じる人も多いかもしれない。
余談
- トルコ行進曲が特に有名であるとして紹介したピアノソナタ第11番だが、第1楽章についても、様々なドラマやアニメでのBGMとして使用されており、知名度は高い物になっている。
- 実はピアノソナタ第11番は自筆の楽譜が部分的にしか見つかっておらず、第1楽章冒頭部分、第2楽章の冒頭以後の部分、第3楽章(トルコ行進曲)の中盤までの部分は未発見となっている。
追記・修正はトルコ風の記載内容を考えながらお願いいたします。
- 音楽ファンタジー・ゆめの第1話がこれ(第3楽章)。数あるクラシックからこれを初回にチョイスした番組制作者のセンスが光る -- 名無しさん (2026-04-19 05:39:16)
- こんな地味そうな項目に見えて実は…な演出を狙って、項目名に「トルコ行進曲」を入れていないと思うのだが、それが逆にあまり衆目を引かない結果になってしまってる気がする。みんな知ってる楽曲だし、もっと盛り上がっても良さそうなのに -- 名無しさん (2026-04-21 12:00:38)
- 曲を説明するときに「てぃあららるん」でだいたいの人は解るヤツ -- 名無しさん (2026-04-22 14:46:14)
最終更新:2026年04月28日 08:11