登録日:2009/09/20 Sun 22:02:16
更新日:2026/05/06 Wed 20:51:51
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遠心力とは、円運動をする物体が中心から遠ざかろうとする力(新明解第六版)。対義語は向心力。
とはあるが、物理的に考えると遠心力は実際には存在しない、一種の慣性力である。
要は、円運動をする物体が中心から遠ざかろうとするのではなく、直線運動をする物体を中心に近づけようとして円運動になっているということ。
急カーブを曲がった時に外側に飛ばされそうになったり、
ジェットコースターのループで押し付けられる時に遠心力を感じるかもしれないが、あれは「外側に押し出されている」のではなく、内向きに力をかけて曲がる時に残った直進方向の運動量によって「まだ外に向けて動いている」ことを体感しているのである。
慣性力
慣性力とは、存在していると考えた場合その事象を説明しやすくなる、というもの。
例えば、
電車の吊革を掴んでいる乗客がいて、電車が発進するとき、つまり静止状態から加速度運動を始める状況を想像してもらおう。
あなたが電車を外から見ている場合、「静止している物体は静止し続けようとする」慣性の法則に則り、
吊革と乗客は加速していく電車に引っ張られて前へ進まされるため、進行方向とは逆の方向へ傾いていることになる。
(実際の電車はそこまで急発進しないのではっきりとした傾きは見えづらいが)
一方で、あなたが乗客の場合はどうか。
その場合、あなたも吊革も同時に引っ張られるため、このふたつは静止状態にいなければならない。
つまり、同じ場所にいるあなたには静止しているそれがなぜ静止しているのかを感知できない(自分が動いているとわからない)ので、
力は働いていないことになってしまう。
だがそれでは
矛盾が発生するため、慣性力という都合を使い、電車の進行と反対方向にあなたを押す力を用意する。
このときの観測者(=あなた)は非慣性系と呼ばれる。
円運動
さて、この上で遠心力に移るにはまず「円運動とはなんぞや?」というところから始まる。
円運動を行うためには向心力が必要となる。正確には、等速直線運動を行っている物体に向心力を加えることで等速円運動へ移行する。
そのため、常に円の接線方向へ速度ベクトルが向いている。また必要な向心力の大きさFは物体の速度と円の半径によって変化し、
F=mrω²
で表される。
mは物体の質量。
「rω²」は物体の加速度を円の半径rと角速度ωで表したもの。
角速度とは1秒に回転する角度のこと。
ここでは度数法(0°~360°)は扱いづらいため、弧度法で表される。
円周の公式を2πrと覚えた方も多いと思われるが、あれを細かくわけたようなもので、半径r、弧の長さをlとしたとき、
中心角θ=l/r
で表され、単位はラジアン(rad)である。πrad=180°なので、θ=2π=360°なら円周2πrになるというわけ。
角速度はここから、Δt秒間にΔθラジアン回転したときの角速度をω(rad/s)として
ω=Δθ/Δt
と表せる。
弧度法により、弧の長さ=円周上の移動距離をrΔθと求めることができ、そこから角速度を距離の速度に直して物体の速度を
v=rΔθ/Δt=rω
と求められる。
遠心力
ここで本題の遠心力の話へ入る。
円運動を行っている物体が例えばバネによって中心と繋がっているとしよう。
外から見ると、円運動を行っている物体は弾性力(バネの元に戻ろうとする力)が向心力となって、円から飛び出す慣性と釣り合っている。
一方で電車のときと同じようにその物体との距離の変わらない場所で同じように運動をする(物体の上に乗る等)と、「飛び出す慣性」を感知できずバネが伸びているのになぜ戻らないのか?という状況に陥るため、慣性力としての遠心力
F=mrω²
というものが必要になってくる。
これが遠心力の正体である。
余談だがこの遠心力(向心力)を
F=mv²/r
と書き換えることが可能。
そうすることにより第一宇宙速度(空気抵抗などを一切無視したときに地球の周囲を永遠に回り続けられる速度)や、
第二宇宙速度(地球の重力圏から脱出する速度。脱出速度とも呼ばれる)などが求められる。
ちなみにその数値を出すには万有引力定数Gが必要になる。式としては、
万有引力定数G
地球質量M
地球半径R
飛翔物体質量m
GMm/R²=mv²/R
v=√(GM/R)
となる。
この式が意味するところは、
地球の万有引力(要するに重力)が向心力なんだから、
それを越えれば地球に落ちずにいられるor地球から飛び出せるんじゃね?ということ。
ついでに言うと、この第一宇宙速度は地表すれすれを飛んでいるときのものである。これは
mg=GMm/R²
のためだ。
重力は無限に力を及ぼすが、距離が離れると極端にその力が落ちる。
衛星軌道上の計算などもしようとすると、他に万有引力による位置エネルギーなどいろいろと面倒であるため、そのあたりは割愛する。
追記修正は遠心力に負けないでお願いします。
最終更新:2026年05月06日 20:51