登録日:2025/10/15 Wed 13:35:17
更新日:2025/10/15 Wed 15:12:35NEW!
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概要
鉄道車両のうち、電気を動力として駆動し、客車としての機能を持つ車両が電車、貨車としての機能を持つ車両が電動貨車、どちらの機能を持たず、客車や貨車を牽引する車両が電気機関車と呼ばれている。
ただし、電気機関車としての立ち位置にほぼ等しいE493系や、電動貨車に等しいJR貨物M250系も「電車」としてみなされているほか、動力車操縦免許上は電気機関車と電車は同じ免許で運転可能とされているため、本項目では特筆事項がない限りこれらをまとめて「電車」として解説する。
大まかな仕組みを解説すると、架線や第三軌条からパンタグラフ等の集電装置を介して電力が供給され、その電力でモーターを駆動して走行する。
なお、蓄電池から電力が供給される「蓄電池電車」も存在し、日本では2010年代よりJR東日本・JR九州で実用化されている。
日本国内ではモノレール・新交通システムを含めると徳島県を除き電化路線が存在しているためか、鉄道車両や鉄道のことを「電車」と呼ぶことも少なくはない。
なお、JR東日本の首都圏エリアでは電車列車であっても、都心近郊のみを運転する電車は「電車」、中・長距離電車や郊外のみを運行する電車は「列車」と案内上は使い分けられている。
電車の歴史
1834年にロシアで研究が始まり、1842年には電池式の電気機関車の走行試験がスコットランドで行われたが、当時は実用化には程遠かった。
1879年のベルリン工業博覧会にて、ジーメンスによって開発された電気機関車が客車をけん引したのが、電気鉄道の始まりとされている。この機関車・客車は実際の鉄道のサイズよりもはるかに小さく、軌間は490ミリ、約19インチ程度と乗用の鉄道模型より若干大きい程度であり、電車は2本のレールの間の第三軌条より集電する方式をとっていた。客車はベンチを背中合わせにしたものに車輪がついたようなものである。
1881年には同じくベルリンにて路面電車が運行を始め、電車列車による営業運行が開始した。
日本国内では1890年の内国勧業博覧会にてアメリカから輸入した電車が上野公園内を走行、1895年に京都電気鉄道での運航開始を境に、普及が始まった。
当初は近距離輸送向けの路面電車から普及が進んだが、徐々に長距離運行へと適合していき、電気機関車や電車による運行が当たり前となった。
とくに、1964年の
東海道新幹線開業以来、高速鉄道は電気鉄道で建設されており、電車または電気機関車のプッシュプルによって運行されている。ヨーロッパでは後者が主流だったが、ICEやユーロスターでは車両の世代交代とともに電車化されている。
電動機と制御方式
電車に使用される電動機は、直流電動機と交流電動機に大分できる。
直流電動機は20世紀に製造された鉄道車両のほとんどで採用されており、回路を切り替えて電動機に流れる電流量を調節する直並列切り替え制御や抵抗制御、交流電化であれば交流を活用したタップ切り替え制御やサイリスタ位相制御で電流を調節する。
交流電動機は日本国内では1980年代以降普及が進み、1990年代以降の主流となった。こちらはVVVFインバーター制御で電流や周波数を調整し、速度を制御する。
国土交通省は、主要な鉄道事業者(大手私鉄やJR各社)に対し、直流電動機を使用した電車やVVVF制御車でも初期に設計されたVVVFを使用した電車を2035年までに全廃することを目標としている。
電車に限りなく近い電車じゃないもの
妃殿下区間で走行する、エンジンを使用する鉄道車両である気動車(ディーゼル機関車含む)の分類の中に、エンジンで発電してモーターを駆動する電気式気動車が存在する。
日本国内では重量の問題から、1950年代の液体式気動車の開発とともにいったん途絶えたものの、半導体技術の進歩とともに、1992年のDF200形以降普及が始まり、2007年のキハE200形以降ハイブリッド気動車として、蓄電池を使用した車両も登場している。
追記・修正は徳島県の鉄道が1mでも電化されてからお願いします。
最終更新:2025年10月15日 15:12