矛盾(故事成語)

登録日:2023/04/15 Sat 01:37:02
更新日:2024/08/15 Thu 18:54:32
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楚人有鬻楯與矛者 
~楚の国で、ある商人がを売っていた。~

譽之曰 吾楯之堅 莫能陷也
~商人はこれを誉めて「私の盾の硬きこと、どんな物でも貫くことができない」と言った~

又譽其矛曰吾矛之利 於物無不陷也
~また矛も誉めて「私の矛の鋭きこと、どんな物でも貫けないものはない」と言った~

或曰 以子之矛 陷子之楯 何如
~両方聞いた人が「貴方の矛で貴方の盾を突いたらどうなるの?」と言った~

其人弗能應也
~商人は答えることができず項垂れた。~






()(じゅん)」とは、あることに関して2つのことが同時に成り立たないで対立し辻褄が合わない状態を意味し、古代中国の韓非子による「矛と盾」の故事によってできた言葉。


概要

出典は中国戦国時代に活躍した法家「韓非」(BC280?年〜BC233年)の著書『韓非子』難一篇に出てくる故事……「どんな盾も貫く矛」と「どんな矛も貫けない盾」を売っていた楚の商人の男が、客から「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」と素朴な質問をぶつけられ、返答できなかったという話から。
同じ人間が同じ口で、両立できない理論を用いている、ということで理論的な誤りを指摘している。

非常に有名であり、小学生でも習う故事成語の1つで、中学校受験で頻出する故事成語としても知られているなどもはや知らない人はいないかもしれないほどの知名度を誇る。

ちなみに古い時代の日本では解釈ミスがあったようで、江戸時代初頭の1603年の「日葡辞書」では「矛盾に及ぶ」の意味が「武器を取って戦う」「激しく敵対する」と記されている。矛盾を指摘すると逆ギレして襲いかかってくる商人怖すぎる

矛盾の類語には「撞着(どうちゃく)」があり、この二語を組み合わせた四字熟語の「矛盾撞着」は矛盾をより強めた表現となっている。


普通に考えれば 宣伝文句を盛り過ぎて両立しないことを言ってしまった だけの話であるし、そういう意味の熟語として使われているが、仮に宣伝文句に偽りがなく実演するとどうなるか?というのはよく言われる話である。

フィクションでも度々ネタにされ、「矛盾」を体現した2種のモンスターやキャラクターもいくつか存在する。
この世の全てを切り裂く最強の刃』『あらゆる攻撃を防ぐ無敵の盾』みたいな存在や能力がよく出てくるので理屈を小難しく考えてしまいがちだが、双方ともそれを実現させるためには「この世のどんな物質よりも堅く強靱な宇宙最強の物質」を素材にする必要がある。
一見すると凄そうな仮定ではあるが、同じ物質を材料にして武具を作る以上この問題は「鉄の矛と鉄の盾がぶつかったらどうなるの?」という、単純かつ現実的な問題と同じ話に帰結してしまうのだ。


矛盾したもの同士を実際にぶつけ合うとどうなるのか?

古くから用いられるモチーフのため、それらの衝突により生じる結果も無数に描かれているが、大抵はいくつかのパターンに大別できる。

  • どちらかが勝つ
現実的に一番有り得るパターン。
どちらか、あるいは双方の性能が誇大表現であり、実際には何ら特別なことは起こらず、普通に性能の高い方が勝つ。
またはどちらも実際に謳い文句通りの性能でも、使い手の技量や相性の良し悪しなど、対立する性能以外の部分で差が付き勝敗が決まる。
現象に面白みはないが、実際にどちらが勝つのかという興味は大いに湧く。

刀語』では絶対に折れることも曲がることもない絶刀「(かんな)」と、あらゆる物を一刀両断する斬刀『(なまくら)』という(両方ともに武器ではあるが)矛盾と同じような機能を宿した刀が登場している。
相反する性質を持つこの二つがぶつかり合った場合は、後期に作られている完成度の高い刀が勝つだろうと作中で予測されている。
ルパン三世 燃えよ斬鉄剣』では石川五ェ門が持つお馴染みの斬鉄剣と同じ合金の製法で造られた絶対に落とされない無敵のステルス戦闘機が登場。
その硬さは五ェ門の斬鉄剣すら刃が立たず文字通り無敵の盾と化していたが、五ェ門が高速飛行中の機体とすれ違う瞬間に全く同じ所を寸分の狂いもなく三度斬り裂くというまさに達人級の絶技にて真っ二つにしてみせた。


  • 双方が壊れる、相打ちになる
実際に性能が拮抗していると起こり得ると思われる。
「矛は盾を貫き役割を果たしたし、盾は矛を壊し矛による攻撃から使用者を守ったためやはり役割は果たしている。どちらも嘘ではない。」という論法で正当性を強弁することもできる。
しかし、矛の役割は盾を破壊することではなく、その後ろの相手を刺すことであると考えると、矛は役割を果たせていないため、双方破壊の場合は持ち主を守るという役目を果たせた盾の勝利と考えるのが妥当だろう。

フィクションだと「無敵の盾は無敵の矛でしか壊せないため、双方をぶつけて壊すのが攻略法」というような場合も。
中には所謂バケモンにはバケモンをぶつけんだよ系の作戦を提案する上で、元の矛盾の故事も改変して補強材料に使うことまで……


  • 消滅する
正反対の性質を持ったもの同士が触れ合うことで、相殺されて結果はゼロとなってしまうというもの。
炎と氷のように相反する属性をぶつけ合ったらどうなるの?というようなものである。

このように両極の性質を持つ者同士の対戦というのはフィクション向けで見栄えがいいため、派手な撃ち合いで相殺合戦のような描写をされることが往々にしてあるがポケモンのように炎は氷に一方的に勝つ、とする作品もある。メドローアのように相殺した結果別の何かが生まれるとされることも。

とまあフィクションで散々ネタにされているため、相殺で双方消滅するのは非常に理にかなっている・・・と思われがちであるが、実は消滅するのは想定される結果の中でも極端で稀な例である。
なぜそうなるのかといえば、相反する属性同士をぶつけるというのは、正(+)の数に負(ー)の数を足すようなものだからである。正の数負の数ともに0に近い小さいものから無限(±∞)に至る極大なものまでまさに無限の数があり、その正の数と負の数の組み合わせも無限通り存在する。その無限の組み合わせの中で、足し合わせた結果がちょうど0になるというのはほとんど奇跡といっても過言ではない。
そのため現実世界で炎と氷をぶつけた場合、ほとんどの場合は強いほうが勝つ、つまり炎が氷を蒸発させて消すか炎がかき消されて氷だけが残るかのどちらかになり、炎と氷どちらも消えるということはまれである。
どちらか一方が残るのであればもう一方は存在しえない…まさに矛盾にふさわしい結果といえる。


  • 理解不能の結果となる、破滅的な現象が発生する
どちらの性能にも嘘偽りがない場合、それらがぶつかり合うパラドックスにこの世の理が耐えきれず、人智や通常の理論を超えた何かが起きる。
あるいは性能の絶対性を保証するための莫大なエネルギーが双方から発生する。
大抵は大爆発やら宇宙の消滅やら、理解不能なろくでもない結果に繋がる。

パタリロ!』では主人公のパタリロが矛盾の故事から発想を得た発明品を作り出したが、無限大のエネルギーを持つ物同士が衝突すると宇宙が消滅するほどの被害が出ると判明したのでお蔵入りになっていたが、ある事件がきっかけでそれらが衝突することになってしまった。
その結果、時空間にタイムスリップが起こって矛と盾が遥か過去へと飛び、それがビッグバンになってこの宇宙が誕生したことになってしまった。

このようなことはゲームの世界でも起こりうる。
例えば十字キーの右を押したら右に進む、左を押したら左に進むようプログラムを組んであるゲームで右と左をコンマ一秒の差もなく同時押ししたらどうなるか?
そう、バグるのである。
右と左、という想定されていない矛盾する入力を同時に受け取った結果、通常では起きない挙動が起きるようになり、画面が乱れたり別の場面に突然遷移したりフリーズしたりといったことが発生してしまう。バグを意のままに操るTASでは意図的に上下左右同時押しをすること等によって壁抜けバグの起動、酷い時にはエンディング呼び出し等にも利用されることもある。

そう考えると冒頭の商人の質問に対する反応も回答の矛盾によりバグってフリーズが発生した結果と捉えることもできなくもない。


  • ぶつけること自体ができない
そういった現象が起きないよう、矛盾する存在同士がそもそも近づくことができないようにこの世の法則が作られているというパターン。
もしくは、一個体が最強の矛と最強の盾となる能力を持ち合わせており、ぶつかることがない場合もありえる。

上記のゲームの例では十字キーは左右同時押しが物理的にできないような仕組みとなっており、また人間操作では寸分の時間のズレもなく同時入力することがほぼ不可能なこともあって理屈の上では同時押しによるバグは発生しない(から想定する必要がない)。TASで同時押しができるのは入力が十字キーを介していないから・フレーム単位で操作入力が可能だからであるそもそも制作側はそんな遊び方は想定していない
……と思いきや、近年のコントローラーはスティックと十字キー両方を搭載していることが多いため、片方を上、もう片方を下と入力してこの問題をクリアできてしまったりするのは別の話。「同時入力しても片方しか認識しない」という荒技で解決したゲームも一定数存在する。


現実的に考えると

論理学的な問題であるため現実的に考えることそのものがナンセンスであるが、ナンセンスであるという前提で現実に有ったらどうなるかを考えてみよう。

もし両種の矛と盾が同一の素材、錆などがない新品の状態であれば、盾が矛の攻撃を防ぐであろう。
戦争の歴史の中で人類は武具を進化させてきたが、防具は武器の攻撃を防ぐという役割を果たすためにそれに特化した作りになっているが、矛のような刀剣類は盾を貫通するようには作られていないのである。
代わりに盾や防具を避けて攻撃できるように矛になる武器側も進化を遂げてきたのである。

兵器類の設計をする場合には、「主要部は自身や主要敵の攻撃に何とか耐えられるように作るが、同じ箇所に複数発被弾したら危ない」程度に作られている場合が多い。
一撃でやられなければ、退却や救援要請をするぐらいの余裕は生じるからだ。
無論、全体をそれだけの重装甲で覆うと機動性や攻撃力、安定性、何より製造コストに悪影響を生じるので、攻撃を受けにくい部分は軽装甲化するのが普通だし、格下の攻撃とは言え軽装甲部分に多数被弾したら戦闘不能になる事も有り得る。*1

そもそも矛盾を確かめる価値があるのか問題

矛盾が発生するが、その矛盾を解消する必要はないという話。
ぶつけた場合に一方もしくは双方が破損することは予測できるが、そうなると多大な損害が発生するので、ぶつけた場合どうなるかを考えることはできても、確かめたくないということはあり得る。
例えば上記の『刀語』に登場する絶刀と斬刀はどちらも他の武器に勝る性能の上、その特異性からそれ一つで国が買えると言われる程の価値がある。
こういう場合、矛盾を確かめるためだけにその価値を失わせるよりも、それぞれ強みを活かした方が良い。


矛盾をモチーフにしたキャラクター

韓非子の話の本題。リンク先も参照。
尭は全ての民の困窮を救ったと言われる。舜は陶器や農業・漁業を指導して民を救った功績により尭より禅譲されたという。
韓非子は問う、尭の教化に漏れがあったから舜が指導する民がいたのか、それとも尭が全ての民を教化していたのだからもはや教化を必要とする民などおらず、舜が手柄を偽ったのかと。
要するに武器の優劣のことをいっているのではなく、理論としておかしい、ということである。

また別の箇所では、韓非子自身が重視する法治思想は、尭舜のような賢者による政治とは矛盾する、と言っている。
賢者の能力を最大限に生かす徳治思想では、賢者の能力には一切の制限を掛けないことが肝要である。
しかし権勢を法術によって制御する法治思想では、賢者も愚者も凡人も一律に、法の枠組みに組み込む。
何人にも禁ずべからざる賢者の統治と、何人をも禁ずべし法律の統治とは、決定的に矛盾し、両立できない。
しかし、賢者は歴史にめったに現れず、法治思想は常に存在する凡人を統治するためにある。法治はここに於いて優れる。

土地を荒らしていた絶対につかまらない運命の狐と、それを倒すために連れられてきた絶対に獲物を捕まえると定められた猟犬。
何かが起こる前に両者ともにゼウスに石に変えられた

ポケットモンスター ダイヤモンド・パールから登場する化石ポケモン。
ラムパルドは『ダイヤモンド(ブリリアントダイヤモンド)』の図鑑説明で「強烈な 頭突きの 攻撃は どんなに 頑丈な ものでも 一撃で 粉砕する 威力」、トリデプスは『プラチナ』で「横一列に 並ぶと どんな ポケモンでも 突破 できない。 そうやって 子供を 守っていた」と記されており、まさしく矛盾を体現している。

ステータス上もラムパルドは物理攻撃のみに特化、トリデプスは圧倒的な防御特防と半減・無効化できるタイプの多さを特徴とする。
ただ実際に両者を戦わせるとラムパルドがじしんを持っている場合が多いため、だいたいトリデプスが4倍弱点を突かれて負けてしまう
更にどちらもその極端なステータスのせいで汎用性が高いとは言い難く、対戦では非常にマイナーな部類に属する。

同じ化石ポケモンの中でも優秀な特性のよびみずを持ち高速再生技を覚えるユレイドルの方が「ある意味トリデプスよりも砦」と言われることがあったり...。
そして第8世代以降は両者共々新タイトルではsvのDLCまで約4年間まったくお呼びがかかっていなかった
また『X・Y』から登場するギルガルドも剣が盾を持っており矛盾の要素がある。

両者ともOZに身柄を拘束された5人のガンダム開発者が共同開発した試作MS。それぞれ青と赤の機体を持ち、ヴァイエイトは遠距離での砲撃戦に特化した「最強の矛」、メリクリウスは対照的に近接戦に秀でた武器を持つ、「最強の盾」のコンセプトの元制作されている。
商人に聞くようなレディ・アンの「両者が戦ったらどうなるのか」という問いに開発者の一人ドクターJは項垂れることなく「パイロットの技量が高い方が勝つ」と回答している。
しかし作中では製作中に潜入したガンダム開発者を抹殺すべく未完成のヴァイエイトに乗り込んだヒイロ・ユイが撃ったビームを防いで未完成故に両者とも停止したり
その後OZの捕虜になったヒイロが搭乗したくらいで、ヴァイエイトと敵対する描写は特になかった。

「どくろダンジョン」の中ボスとして登場。
「サイキョウのたて」で身を守りつつ、「サイキョウのけん」を自立飛行させて攻撃してくる。
サイキョウのけんを移動でうまく誘導しムジューンに3回ぶつけることができればサイキョウのけんとサイキョウのたてはともに壊れ(何か違うだろ)、そこからは突進で攻撃してくる。

第2話「土塊の魔王」に登場する、土を司る魔王獣。
姿形は『ギンガ』に登場したスーパーグランドキングによく似ているが、若干青みがかかっており、顔つきも初代グランドキングに近い姿である。

主な武器は左腕の鉤爪と右腕の大鋏で、全身からエネルギーを放出し、周囲のあらゆるものを吹き飛ばすマガ一閃やそして胸部の発光体から発射するレーザー光線マガ穿孔などが持ち味。だが鏡面で反射されてしまうという意外な弱点がある。

装甲も非常に頑強で、オーブの猛攻を受けてもびくともしなかったが、自身のマガ穿孔を反射されて直撃を受けたときは身体に風穴を開けており、SSP曰く最強のレーザー(矛)と最強の装甲(盾)は両立できないと揶揄された。

本作における6人目のライダー。『矛盾』という意味の名前を持つ新たなる仮面ライダー
但し、公式の英字表記は「Paradox」ではなく「PARA-DX」。
「PARA」「DX」は医療用語でそれぞれ、「欠陥・異状・擬似」「診断」の意味。「異状」を引き起こすバグスターが、「診断」を下し治療するドクターライダーの味方となるのはまさしくパラドックスといえよう。

手足の装備は攻撃を与えた相手の防御プログラムを一時的に停止させ、防御力を無視して直接ダメージを与える機能を持つ。
その真価は黎斗の変身した仮面ライダーゲンム・ゾンビゲーマーLvXに対して振るわれ、今まで猛威を振るっていたダメージ無効化機能を強制的に無力化し、黎斗を変身解除に追い込んでいる。
まさに最強の矛。
ギアを切り替えれば全く戦闘スタイルが全く違う二つの形態に変身可能。

銀河戦争(ギャラクシアン・ウォーズ)での触れ込みは「最強のと盾」で、ペガサス星矢との試合でその二つをぶつけ合わされて破壊してしまった際に
観戦していたキグナス氷河が「故事成語の矛盾」に言及している。
矛盾は「最強と最強をぶつけたら両方砕けた話」じゃねえ
論理的に破綻している事柄と強度の等しい物質の衝突は話の根本からして全く違う。
勘違いさせられた少年読者は怒っていい。

味方側最強戦力でさえ手も足も出ないこの二大魔神に投擲した自分の武器を跳ね返されて盾で防いだ鋼魔四天王ザラブ星人が、
両方が砕けたのを見て「よく似た地球の昔話」を思い出し二大魔神の倒し方を閃いている。
だから矛盾は「最強」と「最強」(ry

  • 矛盾番長(金剛番長)
サンデーに連載していた漫画『金剛番長』に登場した番長で、盾持ちと槍持ちの二人一組。
盾持ちが防御し槍持ちが攻撃するという矛盾しない戦法をとる。
と見せかけて盾がシールドバッシュで攻撃役、槍持ちが攻撃をいなす防御役をすると言う矛盾した役割となる。

「ホムンクルス」と呼ばれる人造人間
ラストは指先を伸ばし、切れ味鋭い「最強の矛」として使う。
グリードは皮膚に含まれる炭素を変質させ、表皮をダイヤモンド並みの硬度を誇る「最強の盾」とする。
ラストはマスタング大佐の焔の錬金術の猛攻により最強の矛を振るう暇もなく爆殺され続けて敗北。
グリードは硬化と再生には時間がかかる&2つの能力は併用出来ないというデメリットをブラッドレイ大総統に突かれ、ひたすら生身の部分を刻まれて敗北。
どちらも最強の能力を十全に使うことが出来ない状況に追い込まれて倒されてしまっている。


「絶対に動かない」金属球と、「絶対に止まらない」金属球からなるオブジェクト。
それぞれ単体では脅威にならないものの、もし衝突した場合は、少なく見積もって██ギガトンの核爆発に匹敵するエネルギーが発生するといわれている。
元ネタは、西洋で「矛盾」と同様に扱われる「不動の力のパラドックス」か。

矛盾が元ネタのオブジェクト。矛と盾のオブジェクトであり、見るとぶつけ合わせたくなる。
ぶつけ合わすとどちらかが必ず粉々に破壊されてしまい、ぶつけた人は矛が破壊されると全肯定論者に、盾が破壊されると全否定論者になる。
オブジェクトはしばらくすると復活する。なお武具としての性能は一般的な矛と盾と同じ模様。

雲隠れの里のかつての里長。
筋肉モリモリマッチョマンの変態強靭な肉体を、雷遁のチャクラを纏うことでさらに強化している。

貫手「地獄突き」を得意技としており、指を減らすごとに威力が集中して増していく。
最終段階の一本貫手は『最強の矛』と呼ばれ、八尾の蛸足を全て切り落としてしまうほど。

また、全身に纏う「雷遁の衣」は本人の肉体の頑強さと相まって『最強の盾』と称される。
属性的に相性不利な風遁をものともせず、穢土転生体とはいえナルト螺旋手裏剣の直撃をくらっても大したダメージにはならない化け物っぷりを見せつけた。ナルトも「人なのか・・・?」とドン引きしていた。

しかし左胸にある雷型の傷跡に気付いたナルトが「最強の盾なら何故傷があるのか?」と疑問に思い、八尾との会話をヒントに、その傷は自分の貫手で付いたものであると看破。
螺旋丸で攻撃の軌道を逸らし、自滅させることで封印に成功した。

「『最強の盾』と『最強の矛』・・・たしかに矛盾している。三代目は矛の方が強かったってことか。」

聖槍十三騎士団・第三位にして首領代行
首領代行の肩書通り、その肉体は首領であるラインハルト・ハイドリヒ本人のもの。
魂が分離したラインハルトの肉体に様々な強化を図り、ヴァレリアの魂を移し替えている。

元々ラインハルトの肉体は数百万人分の魂を内包した桁違いの強度を有しているが、さらにメルクリウスによる対物理・対魔術・対時間・対偶然のあらゆる防壁で強化したため、まさに絶対防御といえるほどの『無敵の鎧』である。
ただし、あくまでも防御力が高いだけで攻撃手段は徒手空拳であり、しかもヴァレリア自身の格闘能力はそんなに高くないため「何十発食らわせてなお殺せない鈍刀」と表現される有様で決定力はない。

そこで創造神世界へ翔けよ黄金化する白鳥の騎士(ヴァナヘイム・ゴルデネ・シュヴァーン・ローエングリーン)』の出番となる。
能力はこれまたラインハルトの聖遺物である聖槍を召喚し、限定的に使用できるというもの。
あくまでも限定的なため自在に操ることはできず、召喚した聖槍を矢のように射出するだけであるが、自分よりはるか格上のでさえ討ち取ることができる『究極の矛』。

ただし『無敵の鎧』と『究極の矛』はまさに矛盾するため両立することができず、聖槍を使う際は防御力が常人並みになってしまうという弱点がある。
他にも鎧を破る方法はなくはないが極めて条件が限られるため、半分のルートではこの弱点を突いて倒されている。そのためよく死亡フラグと揶揄される。

なお、あくまで借り物故の弱点であるため、本来の持ち主であるラインハルトは『無敵の鎧』も『究極の矛』も当たり前のように両立させている。


  • しのびがたき
マンガワンで連載されていた侍と忍者が戦うバトル漫画(作:飛田ニキイチ)。
最強の盾と称する超硬化能力を誇る忍者と、一族伝来の奥義である最強の槍を掲げる侍が激突。

「最強と謳ったゴミ盾が最強の槍に敗北する話やろ?」
「ああ…最強と謳ったクソ槍が最強の盾に敗北する話だ…!!!」

互いの意地とプライドがぶつかり合った結果、槍が盾を完全に貫き勝利した


テレビ番組

2010年1月17日から2013年10月20日までフジテレビ系列で放送されていたバラエティー番組。
番組名通りまさに矛盾を体現した番組で、毎回矛盾の由来が述べられていた。
さまざまな対決が繰り広げられた人気番組であったが、ネタ切れ感が時代を下るごとに増していき、
スナイパーVSラジコンの対戦回において編集で勝敗の捏造を行っていたことが発覚し、打ち切りとなってしまった。


キャラクター等ではないが、逆転裁判シリーズも「矛盾」(表記は「ムジュン」)を多く用いる。
これは名探偵コナンなどのトリックを用いるミステリー作品でも見られる構図である。

例えばAさんが殺害された時、容疑者Bははるか遠方の公園にいたと主張し、その場所で撮影したという写真を提出した。
テレポートなど瞬間移動が困難・不可能な世界観であれば
Bは犯人ではない可能性が高いというのが論理的帰結である。

だが、提示された写真の公園がある場所は殺人のあった日時には激しいにわか雨が降っていたという事実が後に発覚する。にもかかわらず容疑者Bが提出した写真は晴天であった。
こういった情報が分かった時、逆転裁判などでは「矛盾がある」と指摘する。





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最終更新:2024年08月15日 18:54

*1 例えば、大和型戦艦の場合、中甲板は46cm砲や1t爆弾の直撃に耐えるように、20or23cmの装甲用鋼鈑が使われているが、最上甲板は「250kg爆弾の急降下爆撃に何とか耐える」程度の5cmの鋼鈑に妥協されている。最上甲板を重装甲化すると安定性が悪化してしまうので止むを得ないのだ。