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ジェットコースター/ローラーコースター

登録日:2026/05/04 Mon 01:08:55
更新日:2026/05/08 Fri 08:39:32
所要時間:約 7 分で読めます




ジェットコースター/ローラーコースターとは、遊園地の代表的なアトラクション。

概要

アミューズメントマシンの一種で、スリルライド(=絶叫マシン)の一種である。
まさに絶叫マシンに相応しいスリル満点なものから、子供向けのゆるめなものまでさまざまなレベルがある。
なお「ジェットコースター」は和製英語であり、海外では「ローラーコースター」でないと通じないので注意。この呼称の発祥は、後楽園ゆうえんちに存在した2Wayジェットコースターだとする説がある。
遊園地のアトラクションの中でも絶大な人気を誇り、主力級の扱いを受けることが多い。故に待ち時間も長くなりすく、長期休暇などの混む時期や時間帯だと下手すりゃ1時間以上になることもザラにある。
ちなみに数え方は「基」で、だいたい世界で数千基、日本では150基前後が現在稼働している。

各国語での表記と読み方は以下の通り

英語    … roller coaster(ローラーコースター)

イタリア語 … montagne russe(モンターニュ・ルッセ)

スペイン語 … montaña rusa(モンターニャ・ルサ)

フランス語 … montagnes russes(モンタニュー・ルス)

ドイツ語  … Achterbahn(アハターバーン)

中国語   … 過山車(グオウサンチョー)

韓国語   … 롤러코스터(ロルロコスト)

イタリア・フランス・スペイン語は見ればわかる通り微妙な違いしかなく、いずれも直訳すると「ロシアの山」という意味になる。なぜそうなっているかはジェットコースターの歴史にある。

安全のためシートベルト、ハーネス、膝抑え、安全バー等様々な種類の安全性に関わる拘束装置があり、落下して事故に直結する恐れがあるため当然ながら持ち物・メガネの持ち込みは厳禁。乗る前にポケットの中身含めて全て出してロッカーなどに置かなければならない。

歴史

起源としては諸説あり、

  • 16世紀の帝政ロシア時代に行われたそりでこぶの有る山を滑り降りた氷滑りの遊びから発展し、17世紀に開発された人工の山からソリや車輪で滑り降りる遊具「ロシアの山」。これが上記言語での由来になった。

  • 19世紀フランスで木製の軌道にカートをはめ込んで滑り降りる遊び

  • 1870年に建設されたアメリカ・ペンシルベニア州のマウチ・チャンクにて山頂への登り降りに用いた鉱山鉄道で石炭用トロッコに人を有料で乗せ滑り降りたもの

などがある。

現在のジェットコースターのプロトタイプは上記のマウチ・チャンクの鉱山鉄道からヒントを得たラ・マーカス・A・トンプソンが1884年にニューヨークのコニーアイランドで建設したもので、翌年には特許を取得している。初期のローラーコースターは木製で、現在でも木製のコースターは少数ではあるが稼働している(日本では大分県城島高原パークの「ジュピター」など)。
1890年代には上記の座席回転型の先駆けとなる垂直回転型のコースター「フリップ・フラップ」が導入されたが、まだ負担面の対策が未熟であったためか乗客のむち打ち症が続発し撤去されてしまった。
後に身体への負担が少ない方式が編み出されたがこの時点ではほとんど普及していなかった。

日本では1890年の第3回内国勧業博覧会(上野)にて「自動鉄道」が初上陸し秋に大阪の今宮臥龍館に移設した。。1925年には多摩川園に常設の「陸上波乗」が設置された。
当初は海外から輸入されたものだったが、1953年に初の国内産のジェットコースターが山田貞一氏によって開発・東洋娯楽機により製造され、現在でも浅草花やしきにて稼働しており、国内で現存する中では最古のものとなっている。

当初主流だった鋼製車輪のコースターはその騒音が遊園地近くの住民にとって問題となったため、騒音軽減策として車輪への樹脂素材の利用が模索され、現在では乗り心地にも優れるウレタン樹脂が主流となっている。

1975年にはアロー社により初のらせん状の360度回転型のコースター「コークスクリュー」が登場し、翌年には垂直ループ型も登場。さらに翌年には日本の谷津遊園にて同じものが導入された。これは、鋼管パイプの軌条と合成樹脂製タイヤの実用化によってコース設計の自由度が高まった成果でもあった。
また1978年にはアントン・シュワルツコフとインタミン社の開発による初の近代的な垂直360度回転式コースター「レボリューション」も導入され、1979年には宙返りコースターの国産化に成功。
これをきっかけにブームが起こり、80〜2000年代にかけて大規模なジェットコースターが各地で設置される。中には世界トップクラスの要素を持ったものもある。これについては後述。

仕組み

「コースター」とは海岸沿い専用の小型船、転じてソリを意味する。
それがジェット機のように加速することから、昭和30年(1955年)に新明和工業によって後楽園遊園地に作られたものに初めて用いられ、以降この名が定着した。
そのジェット機のような加速の秘密だが
ジェットコースターの車両自体には動力がないため、何かで速度を上げなければならない。ジェットエンジンとか付いてるのはギャグ漫画の世界だけである。

代表的なのは「チェーンリフト」というもので、これによってレールの最高到達点まで車両を巻き上げ、下り傾斜を走らせることによって、位置エネルギーを運動エネルギーに変えてスピードをつける。

ただし、空気抵抗や摩擦によって運動エネルギーが減少するため、2つ目の山以降は、頂上が少しずつ低い位置になる。以下のコース要素を進んで最後にはブレーキパッドで減速して停止させる。

ただこの方式だと車両の速度を上げるために巻き上げをかなり必要とし、コストも嵩んでしまうのが課題である。

最近では、「リニアモーター」などで走行中に速度を上げるという方式が良く見られる。
こちらだとコストをかなり抑えられ運動エネルギーも走行中でも簡易に得られて、さらに「カタパルト発進」*1で射ち出されるような加速感を出したり、コースターの途中でも加速をつけたりするなど、チェーンリフト方式にはできないこともできる。

主な要素

急降下(山、キャメルバック)

ジェットコースターコースの鉄板要素。始まるとまずゆっくりと急勾配を山を登るように上がっていくことが多く、この時の緊張感…もとい恐怖は計り知れないものがある。そして頂上まで登り切ると急降下を始め速度が急上昇し、力と加速度により約3G〜5G(体重の3〜5倍)の重力が身体にかかる。まず間違いなくこの瞬間に絶叫が聞こえて来るし、ある程度の胆力がないと思わず目を瞑ってしまうこともよくあること。
そしてこの時がジェットコースター一番の醍醐味と言っても過言ではなく、脳の血液が足に下がることで快楽物質のドーパミンが分泌されるため、楽しいと感じるわけである。
逆に急降下する瞬間はまるで無重力かのような浮いた感覚が走る。
その外見がラクダの背のように見えることから、この手の構造をキャメルバックと呼ぶことがある。

カーブ

こちらもジェットコースターの代表的な要素。
曲がる際には強い遠心力がかかり、身体に負担がかかるため、主に「クロソイド曲線」という数学的な緩和曲線を用いて設計されており、カーブでは「カント」という手法でレールに傾きをつけ、遠心力を分散させて安全に曲がれる仕組みとなっている。

サイクロン

レールを支える構造物の内部にもレールを通す要素。構造物にぶつかりそうになるスリルを味わえる。


垂直ループ

宙返りをするように「垂直方向に360度回転する」構造を持つもの。この垂直ループを含んだコースターをループコースターと呼んでいる。兵庫県の姫路セントラルパークにある「ヴィーナスGP」*2が日本最大の垂直ループを持っている。
ループ部を円にすると、円弧にさしかかった瞬間に体を持ち上げる分の遠心力が一気にかかって前述の通りむち打ち症が続出するので、クロソイド曲線という形になっている。
「クロソイド」とは、ギリシャ神話における運命の三女神モイライの長姉で人間の運命の糸を紡ぐクロートー(クローソー)に由来し、
自動車を一定速度で走らせながらハンドルを一定の回転速度で回していった時に車が描く曲線のことである。
このためにジェットコースターのループ構造は原則「ループを横から見た時、始点と終点がズレている」「ループを登るレールと降りるレールが空中で交差する」という特徴を持っており、これがループが単純な円ではないことの証左である。

インバーテッド

レールが車両の上側にあり、座席が吊り下げられているタイプ。足がぶらぶらするため踏ん張りが効かず、まるで空を飛んでいるような感覚になる。
日本で代表的なのは三重県の志摩スペイン村の「ピレネー」や姫路セントラルパークの「ディアブロ」など。

フライング

インバーテッドを発展させたようなタイプで、出発と共に座席が下を向くことによりうつ伏せの状態で走行する。靴が脱げる恐れがあるので出発前に脱がないといけない(脱いだほうがいい)こともある。
日本で代表的なのは大阪府ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ザ・フライング・ダイナソー」や三重県のナガシマスパーランドの「アクロバット」など。
特にザ・フライング・ダイナソーは稼働開始当初驚天動地の待ち時間760分を叩き出したことがある。

スピン

レール走行中に座席自体が前後や縦に回転するタイプ。前後座席の重量バランスによって回転運動に変化が見られ、乗車の度に回転はもとより速度も異なり、常に予測のつかない動きをする。
代表的なのはナガシマスパーランドの「嵐」など。


主な世界記録を持つコースター


要素 国・テーマパーク名 アトラクション名 数値
最速 UAE・フェラーリ・ワールド フォーミュラ・ロッサ 最高時速240km
最高 アメリカ・シックスフラッグス・グレート・アドベンチャー キンダ・カ 高度139m、落差127.4m
最長 日本・ナガシマスパーランド スチールドラゴン2000 長さ2479m
回転回数 日本・富士急ハイランド ええじゃないか 14回
傾斜角 アメリカ・ニケルデオンユニバースアメリカンドリーム TMNTシェルレーザー 121.5°
現存最古 アメリカ・コニーアイランド サイクロン 1927年


具体的な数字では測れないが、カナダ・トロント郊外にあるカナダズ・ワンダーランドのビビモスは総延長1.62キロ、最高速度123キロで、その上70メートルの高さから総延長68m、傾斜角75°の急傾斜を地面ギリギリまで駆け抜け、まるで地面に激突するような感覚を受けるため、世界で最も怖いコースターランキングで1位に選ばれたことがある。名称は『旧約聖書』に登場する怪物「ベヒモス」(ベヒーモス)からとられている。

創作とジェットコースター

名探偵コナン
記念すべき第1話の犯行現場となり、ピアノ線を使い首を切断したショッキングな事件が起こった。
工藤新一の活躍により事件は解決されたが、さらにその後の事件により長く続く名探偵が誕生することになった。
そして読者の間では今では考えられないジンウォッカがジェットコースターに乗るというシュールな場面、その犯行のぶっ飛びぶりからネタにされることが多い。

THE ジェットコースター
・PLANET COASTER
いずれもジェットコースターをはじめとした様々な遊具を作って遊園地を経営するシミュレーションゲーム。
大真面目なジェットコースターももちろん作れるが、ひたすら乗客を酔わせたり虐め抜くことに特化させたり、
果ては安全性ガン無視どころか「乗客皆殺しにするためのコースター」なんてド外道な代物まで作れてしまう圧倒的な自由度が売り。
ぶっちゃけ大体は後者の遊び方しかされないが、中には現実の遊園地顔負けの超豪華遊園地を作ってしまう猛者プレイヤーも。

ファイナル・デッドコースター
スプラッタホラー映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズの3作目。
主人公が乗ろうとしたジェットコースターで大事故が起き、大勢の死者が出る……という予知夢を見たところから物語が始まる。
なお前作もデッドコースターといかにもジェットコースターが関係ありそうなタイトルだが、こちらはジェットコースターとは関係ない。
過激なゴア表現を売りにした作品のため、映画本編共々閲覧注意。

余談

  • 「ローラーコースター療法」なる療法が発表されて存在している。どういうことだってばよ?と言いたくなるかもしれいが、その内容は「小さい腎臓結石はローラーコースターに乗る事で排出できる」というもので、とある患者の証言を基に検証を繰り返した結果、4mm以下の結石であれば7割近い成功率が確認されたものである。ちなみに後部座席の方が結果が良いらしい。なんともシュールな研究結果だが、2018年にイグノーベル賞を受賞している。

  • 揶揄表現として、喜怒哀楽が激しくアップダウンする人を「感情のジェットコースター」と呼ぶことがある。また、山あり谷ありな急展開の連続で構成される創作物の脚本をこう呼ぶこともある。

追記・修正はジェットコースターを声一つあげずに乗りこなしてからお願いします

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最終更新:2026年05月08日 08:39

*1 コースターの発着地点もしくはその近くから急発進すること

*2 元々は福岡県のスペースワールドにあったが、2017年に閉園したため移設された。