Ⅱ. 2020年
2月~3月――製品化される予定であることが発表される
テクノスピーチのTwitterアカウントから、次世代CeVIOの開発が進行中であるとのツイートがあり。
製品名の仮称は「CeVIO Pro(仮)」とのこと。
ツイートの動画では、CeVIOのようなインターフェイスが見られる。音声も少し視聴できる。
- 製品についての情報
- VSTiで動く(DAW上のプラグインとして動作する)
- MacのDAW上でも動くようになった
7月22日――CeVIO AIに「flower」「結月ゆかり」のソングボイスが加わることが発表される
テクノスピーチは1stPLACE、VOCALOMAKETS、ガイノイドの3社と共同でCeVIO AIで使用可能なソングボイス、トークボイスを発売することを発表した。
- ソングボイス:「結月ゆかり」、「flower」
- トークボイス:「IAトーク」、「ONEトーク」
なお、2021年8月末現在、結月ゆかり・IA・ONEについては製品化まで至っているものの、
flowerに関してはこのプレスリリース以降続報がなく、どのような声・製品になるのか不明な状態が続いている。2022年2月にユーザーが問い合わせた情報では、中止にはなっていないとの返答があった模様 (
出典)。
9月14日――「嵐」の声をもとにした替え歌ジェネレーターが出る
アイドルグループ「嵐」と13社の企業による「HELLO NEW DREAM. PROJECT」が始まった。テクノスピーチも参加している。
キャンペーンサイトで短い文章と名前を入力すると、「A・RA・SHI」のサビ部分の替え歌を、嵐の歌声で歌ってくれる。
嵐がCeVIO(AI)に参入するわけではないが、CeVIO AIと同じ歌声合成システムを使っていると思われる(ので参考までにご紹介)。
10月10日――CeVIO AIに「可不(KAFU)」のボイスが加わることが発表される
歌手活動を主とするVTuber「花譜(KAF)」について、CeVIO AIとのコラボプロジェクトである「音楽的同位体『可不(KAFU)』」が発表された。
2021年前半の発売を目指しているとのこと。
「可不」は、CeVIO AIのソングボイスとして発売されるものと思われる。
※下記ツイートの後に、発売時期は2021年前半を目標に変更する旨の発表がありました。満足度を上げるために開発期間を増やすとのこと(
出典)
プロトタイプ音声のデモ動画
- Type-A: 花譜本人のものとほぼ変わらない声質
- Type-B: Type-Aのフォルマントを変えたもの
- Type-C: Type-Bのピッチを加工したもの
その後、製品版(?)の音声はType-Bとなることが決定しました。
花譜オリジナル曲の、可不によるカバーの公式動画
可不のソフト発売前の2020年11月より、
Youtubeの公式チャンネルにて、可不(プロトタイプ版)のカバー歌唱の動画がいくつか投稿されています。
可不オリジナル曲の公式動画
可不のソフト発売前の2020年12月より、公式の可不オリジナル曲が投稿されています。
10月22日――CeVIO AIに「東北きりたん」のソングボイスが加わることが発表される
株式会社AHSは、CeVIO AIのソングボイスとして「東北きりたん」を今冬に発売することを発表した。
10月29日~30日――CeVIO AIの操作画面などの一部が公開される
CeVIO AIの操作画面が一部公開された。
CeVIO AIの操作画面は、CeVIO(無印)に非常に近いもののようだ。
テクノスピーチ社のツイートで、ソングボイス・トークボイスの音声と操作画面のサンプルが公開された。ボイスのキャラクターは「さとうささら」だと思われる。
AHS社から、CeVIO AI トークボイスのサンプルボイスが公開された。動画では4種類(日本語2種類・英語2種類)のボイスが使われている。
発表されたツイート
- 発表された開発中のCeVIO AI トークボイスのサンプルボイス
「こちらはプロトタイプバージョンとなりますので、製品版ではさらにクオリティが上がる予定です。」とのこと(動画説明文より)。
10月30日――CeVIO AIに「小春六花」のトークボイスが加わることが発表される
CeVIO AIのトークボイスとして、バーチャルキャラ「小春六花(こはるりっか)」を発売することが発表された。
トークボイスは、元々はVOICEROIDで開発される予定だったが、AI話声合成であるCeVIO AIに変更となったとのこと。
11月20日――CeVIO AIの2021年初頭へ発売延期とCSシリーズとの互換性について発表される
CeVIO AIの発売が2020年冬→2021年初頭(1~3月)へ延期された。
従来のCeVIO CSはCeVIO AI発売後も併売される。
CeVIO CSで作成したCCSファイルを読み込むことができる。
CeVIO CSのボイスライブラリは当初は使用不可、将来的に使えるようになる予定とのこと。
同時に、α版の操作画面と音声が公開された。
「きらきら星」のCeVIO AIソングエディタ上での入力と再生の様子
「声質(ALP)」パラメータ変更の様子
解説記事のスクリーンショットでα版の内部エンジンや辞書のversionが公開されているので比較してみます。
\ |
CS7 |
AI(α版) |
Version |
7.0.23.1 |
8.0.4.0 |
トークエンジン(TTS) |
5.1.5 |
6.0.1 |
日本語 トーク辞書 |
3.0.2 |
3.0.4 |
ソングエンジン(SVSS) |
5.1.1 |
6.0.2 |
日本語 ソング辞書 |
3.0.0 |
3.0.0 |
さとうささら ソングボイス |
1.7.0 |
0.0.2 |
ソフトウェアとしてはメジャーバージョンが一つ上がり、実質的な"CS8"と言えるかもしれません。トーク・ソングのエンジンはメジャーバージョンアップ(5系→6系)をしているのに対し、辞書はほとんど差がありません。辞書はほぼ同じものが使われるのかもしれません。
ソングボイスに関してはささらしかわかりませんが、バージョンがリセットされており、従来のCS用とは全く別物になっていることが伺えます。
11月20日――『CeVIO AI 結月ゆかり 麗』の名称とサンプルが公開される
結月ゆかりのCeVIO AI版の名称が『CeVIO AI 結月ゆかり 麗』となることが明らかになった。
同時に、デモ曲サンプルや、新イラストのシルエットが公開された。
「麗しき月」
初公開の新曲、サンプルはベタ打ち音声とのこと。
11月26日――ボイス第1弾はサードパーティ製になることが明らかに
ボイス第一弾は、CeVIOプロジェクトからではなく、サードパーティーボイスになる予定。
現在発表済みのボイスが
公式サイトでまとめられた。
公式組(ささら、つづみ、タカハシ)については不明。
>『CeVIO AI』ボイス第一弾は、サードパーティーボイスとなる予定です。
>発売日や価格等についても、今後お伝えしてまいります。
>また、上記以外のボイスについても順次公開を予定しておりますので、ご期待ください。
未公開のサードパーティボイスや公式組の発表に含みを持たせた発表になっています。
12月21日――『CeVIO AI 結月ゆかり 麗 ソングスターター』の価格と発売日が公開
発売日が2021年1月29日に決定。
スターターの価格はパッケージ版18,800円、DL版17,800円。
ソングボイスのみの単体版は2月以降に発売予定。
結月ゆかりの新イラストも公開。
- 結月ゆかり・紲星あかり誕生祭記念・公式生放送2020【結月ゆかり・紲星あかり】
※追記:2曲目『月夜の結』が12/28に公開されました。
※3曲目
12月25日――『CeVIO AI 小春六花 トークボイス / トークスターターパック』の発売日決定
2021年3月18日 発売予定
(※AHSストアでの予約開始は2021年1月8日から)
トークボイス単体と、トークエディタがセットとなったトークスターターパックの2種類が展開され、それぞれにDL版とパッケージ版が用意される。
販売ページ、デモ動画も公開。
12月25日――CeVIO AIに「弦巻マキ」が日本語・英語両対応のトークボイスとして加わることが明らかに
日本語と英語の両方に対応。特に英語トークについては、CeVIOの歴史上初となる。
- 『CeVIO AI 弦巻マキ トークボイス 日本語』
- 『CeVIO AI 弦巻マキ トークボイス English』
AHS代表の尾形さんへのインタビュー記事の中で触れられています。
VOICEROIDはAHSの製品だと認識していますが、なぜ、今回の新製品発表にVOICEROIDがないのでしょうか?
尾形:VOICEROIDは、これまで当社でシリーズを企画し、各キャラクター権利元様と一緒に広げてきまして、非常に多くのユーザーさんに使っていただくことができました。その点では、みなさんに大変感謝しておりますが、いろいろな事情から、現在、企画を進めることがなかなかできない状況になっています。
VOICEROIDは11年以上続けてきて、育ててきたものですので、もちろん思い入れもあります。しかし、大人の事情で、現在のところなかなか我々だけでは進められない状況になっております。
尾形:実はテクノスピーチさんとは、かなり以前からいろいろお話はさせていただいていました。
現在の状況に加え、AIの音声合成が今までの音声合成と乖離を生む可能性もあり、品質も含めてさまざまなところを検討させていただき、CeVIOプロジェクトさんとお仕事させていただくことになりました。
まとめると、以下のようになります。
- 大人の事情によりVOICEROIDの新企画を出すことができない(難しい)
- テクノスピーチとは大分前から話をしていた
- AIの音声合成を検討する中でCeVIOプロジェクトと一緒に仕事をすることに
AHSから発表されるキャラクターはしばらくはトークはCeVIO AI(トーク), ソングはSynthesizer V(AI)で展開されていくことになると思われます。
最終更新:2022年02月09日 01:59