(ﾔｻｺ)
子どもたちの うわさによると
だいこくし さいきん
大黒市では 最近⇒
ゆくえふめいじけん
ﾍﾟｯﾄの 行方不明事件が
多発しているそうです｡
あれは…？
きょうこ きり
(京子)霧だ！
お姉ちゃん 霧があるよ！
こわ
あれは 空間が壊れた時に出る
霧だわ｡
ひ こ
何か 引っ越し早々
さい先 悪いわねえ｡
(車内ｱﾅｳﾝｽ)
｢まもなく大黒 大黒です｣｡
お
いけない 降りるわよ！
もの
(車内ｱﾅｳﾝｽ)｢お忘れ物のないよう
ご注意下さい｡ まもなく大黒｣｡
はい 京子｡
はい ﾃﾞﾝｽｹ！
ほら京子 急ぐわよ！
ワン！
ﾆｬ～｡
(ｲｻｺ)来た｡
ﾆｬ～！
ﾆｬｱｱ～！
さあ そのまま ネコの中に入れ｡
えい！
くそ！ あと ちょっとだったのに｡
ちぇっ！
お母さん？ 今 大黒駅にいる｡
なんで来てないの｡
[ｹｰﾀｲ]ｺﾞﾒﾝ ｺﾞﾒﾝ｡
引っ越し屋さんが
まちが
道 間違えちゃって｡
[ｹｰﾀｲ]来たことあるんだし
道 わかるでしょ｡
[ｹｰﾀｲ]おばあちゃん待ってるから
え～ でも…｡
先 行ってて｡
ﾀｸｼｰ？
もう しかたないなあ｡
ﾊｱ～｡
いやだなあ ｵﾊﾞﾊﾞ 苦手なのよね｡
そのﾀｸｼｰが 全然 来ないよ｡
ｳﾝﾁ！
そのｳﾝﾁって言うの やめてよ｡
は
恥ずかしいわねえ｡
何か やって｡
ﾃﾞﾝｽｹで 何かやって｡
何かって… そうねえ｡
じゃあ ﾃﾞﾝｽｹ ﾊﾞｯｸ転！
ウ～｡
ﾊｱ ﾊｱ…｡
ｳﾝﾁ！
京子 待ちなさい！
どうもすみませんでした｡
京子？ どこ行ったの？
待ってろって言ったのに｡
京子～？
もう勝手に 動かないでよ｡
ｳﾝﾁ！
何かしら？ まさか 本物のｳﾝﾁ？
でんのうぶっしつ
よかった｡ 電脳物質ね｡
続いているよ｡
でっかい ｳﾝﾁ！
一体 何なのよ これは｡
じょうはつ
蒸発していくわ｡
ﾃﾞﾝｽｹ ﾍﾙﾌﾟある？
ｱｳ～ﾝ｡
ﾍﾙﾌﾟもない｡
いほう
違法の電脳物質かしら｡
わっ！
あっ！
ｱﾊﾊ～！
待ちなさい！
ｱﾊﾊﾊ！
ｴﾍﾍﾍ！
ワン！
(ﾌﾐｴ)お～ いたいた｡
電脳ネコだわ｡
名前は… ｢ﾍｯﾌﾟﾊﾞｰﾝ｣？
変な名前ねえ｡
(ﾀﾞｲﾁ)うりゃあ～！
待て このネコが～！
わたしえもの
ちょっと！ 私の獲物に何するの！
あっ ﾌﾐｴ！
いらい
私が先に 依頼を受けたのよ！
商売始めたのは おれが先だ！
ﾍｯﾌﾟﾊﾞｰﾝ？
ﾎﾝﾄに どこ行っちゃったのかしら｡
ﾃﾞﾝｽｹ～｡
京子～｡
こま
困ったなあ｡
ﾃﾞﾝｽｹ？
それっ！
つか
よ～し 捕まえた！ あら？
やだ 電脳ネコ｡
まぎ
何よ 紛らわしい｡
だれ
ちょっと あんた誰？
私の獲物に 何するの？
先回りして 横取りするなんて
さては ﾀﾞｲﾁの仲間ね！
何よ？
返しな！ それは私の獲物よ｡
わた
渡さないと ひどいわよ！
意味わかんない！ ﾀﾞｲﾁって何？
しろうと
なんだ～ 素人さんか｡
ゆず
ねえ 譲って！ いくら？
いくらなら いいの？
ねえ 時間がないのよ｡
これで どう？
200ﾒﾀ相当よ｡
どう？
あ～！
おれの獲物 どうする気だ！
来た！
こうかん
じゃあ これで交換ね｡
この！ 待て こら！
待て～！
たんてい
｢電脳探偵｣？
ﾃﾞﾝｽｹ～？ 京子～？
もう どこ行ったの？
いち ひょうじ
そうだ！ 位置を表示するｿﾌﾄが
あったんだ｡
出た！ 何よ すぐ近くだわ｡
ﾃﾞﾝｽｹ～？ おかしいなあ｡
たし
確かに この辺のはず…｡
ﾜｳ ﾜｳ！
わあ！
来ないで！
何よ これ！
来たら ぶつわよ！
来ないで！
ｳﾜﾝ！
ﾃﾞﾝｽｹ！
ﾜﾝﾜﾝ！
ﾜﾝ！ ﾜﾝ！
ﾃﾞﾝｽｹ！
大変！
ﾃﾞﾝｽｹ… 大変｡
どうしよう…｡
あな
そうだ もう一度 穴を！
だめだわ…｡
お姉ちゃ～ん！
京子！
ﾃﾞﾝｽｹは？
それが…｡
あっ！
≪ﾜﾝﾜﾝ！
ﾃﾞﾝｽｹ？
≪ﾜﾝﾜﾝ！
いないわ…｡
≪ﾜﾝﾜﾝ！
ねえ どうしたの？
ﾃﾞﾝｽｹの声が あちこちから
聞こえるの｡
≪ﾜﾝﾜﾝ！
どこにいるの？ ﾃﾞﾝｽｹ～！
ｱｳ？
≪ﾃﾞﾝｽｹ～！
ｱｳﾝ…｡
[ｹｰﾀｲ]｢ｻﾎﾟｰﾄｾﾝﾀｰです｡ ただいま回線が
こ
大変 混み合っております｡ ⇒
もうしばらく
お待ちいただくか…｣｡
ゆうこ
回想 (母)優子？ 優子？
優子 上がってらっしゃい｡
おじいちゃんの ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄよ｡
わ～！
(おばさん)かわいそうにねえ｡
やっと 孫が来たのに｡
よりによって こんな時に
ﾎﾟｯｸﾘ いくなんて｡
わ～ かわいい！
ﾋｯ ﾋｯ…｡
ｱｳﾝ…｡
ｸｳ～ﾝ｡
わあ～｡
大好き！
電話が切れる
ﾊｱ…｡
あっ！ そうだ｡
ｺｲﾙ電脳探偵局｡
(母)乗らないの？
ﾃﾞﾝｽｹがいなくなったの｡
さが
捜してくる｡
え～！ 京子も行く！
だめ！
ﾊｱ ﾊｱ…｡
ﾊｱ～ ﾊｱ～…｡
まだ 来てないのかな｡
UFO？ 今どき？
お客さん また 会ったわね｡
静かに｡ じっとして｡
ふ
最近 増えたわよね ｷｭｳちゃん｡
ｷｭｳちゃん？
知らないの？
球体だから ｷｭｳちゃん｡
で 仕事は何？
かべ
ﾍﾟｯﾄが壁の中に入っちゃったの｡
穴が あったんだけど…｡
すぐに消えちゃったの｡
う～ん｡
おこのぎ
あの 私 小此木優子っていうの｡
よろしくね｡
はしもと
私は 橋本ﾌﾐｴよ｡ よろしく｡
空間が古いわねえ｡
料金は200ﾒﾀだけど いい？
ﾒﾀ？ ﾒﾀって何？
あんた ﾒﾀﾊﾞｸﾞも知らないの？
ほら さっき渡した｡
あ～｡
そう それ｡
それで ちょうどです｡
じょうきょう
で どんな状況で 壁の中に？
それが 変な 黒い生き物に
ついていって…｡
何ですって？
そうよ ｲﾘｰｶﾞﾙを見たんだってさ｡
わかったわ メガばあ｡
かって
ねえ ここ勝手に入っていいの？
霧だわ…
急いだほうが よさそうね｡
ちょっと それ取って｡
ｸｳ～ﾝ｡
古い空間は だいぶ前に
はいき
廃棄されたはずの 空間なの｡
こ
そこに 入り込んだとなると
ちょっと やばいかもね｡
特に 最近のﾍﾟｯﾄはね｡
どういうこと？
ﾊﾞｰｼﾞｮﾝが合わない空間では
ﾍﾟｯﾄの体は 壊れやすくなるのよ｡
壊れやすくなる？
すぐには 死なないわ｡
ちょっと どいて｡
にんしき
認識！
こんなので 本当に
ﾃﾞﾝｽｹを助けられるの？
まあ 見てなさいよ｡
何よ これ？
黒ﾊﾞｯｸﾞ ｽﾌﾟﾚｰ｡
ﾒｶﾞｼ屋で 売ってるわ｡
ﾒｶﾞｼ屋？
だがしや
駄菓子屋の名前よ｡
こうして まず 穴を開けるの｡
ｻｯﾁｰに見つかったら
大変だけどね｡
ｻｯﾁｰ？
ｻｯﾁｰも 知らないの？ ほら
赤くて大きくて ４個ついてる…｡
あんた 本当に 何も知らないのね｡
かなざわ
今日 金沢から
引っ越してきたばかりなの｡
へえ～｡
金沢には ｻｯﾁｰ いないのかしら？
ちょっと 持ってて｡
つ
それは電脳釣りざお｡
ﾒｶﾞｼ屋で売ってるわ｡
そして
こいつが このﾐｯｼｮﾝの主役よ｡
あなたのﾍﾟｯﾄ？
ﾍﾟｯﾄじゃないわ！
私のしもべ｡
｢ｵﾔｼﾞ｣よ｡
これも ﾒｶﾞｼ屋で？
これは売ってないわ｡
これは ごていねいに…｡
仕事だ ｵﾔｼﾞ！
さあ 後は ﾒﾀﾀｸﾞを はって｡
これで ちょっとは
壊れにくくなるわ｡
よ～し 行け！ ｵﾔｼﾞ！
あっ ああ…｡
え～？
おもしろがってられないわよ｡
あんたが見た黒いのが
もし ｲﾘｰｶﾞﾙだったとしたら⇒
ｷｭｳちゃんが もうじき
かぎつけて やってくるわ｡
ｲﾘｰｶﾞﾙって一体…｡
最近 発見された ｺﾝﾋﾟｭｰﾀｰｳｲﾙｽよ｡
かんせん
ﾍﾟｯﾄに感染すると
やばいらしいよ｡
どうなの？
う～ん｡
思ったより 入り組んでるわね｡
ちょっと 様子を聞いてみるわ｡
もしも～し こちら ﾌﾐｴ｡
ｵﾔｼﾞ 聞こえるか～？ ｵｰﾊﾞｰ｡
おうとう
ｵﾔｼﾞ？ ｵﾔｼﾞ？ 応答せよ ｵｰﾊﾞｰ｡
ｵﾔｼﾞ？ ｵﾔｼﾞ？
ねえ どうなの？
思ったより 大きいわ｡
古い空間の中は
めいろ
迷路みたいになっているの｡
もっと近くに ﾎﾟｲﾝﾄが
見つかればいいんだけど…｡
はっ！ まずい！
何なの？
ｷｭｳちゃんよ！
いつもなら
もっと時間かかるのに｡
どうするの？
よていへんこう
予定変更よ！
みす
まさか 見捨てる気？
あいつら 黒バグもﾍﾟｯﾄも
みさか う
見境いなく撃ってくるのよ｡
いちじてったい
ここは 一時撤退しかないわ｡
そんな！
あっ！
さあ 引き揚げよう！
待って！
私たちだって 撃たれたら
ただじゃ すまないわ｡
お願い｡
ちょっとだけ 待って｡
ﾜﾝ ﾜﾝ！
ﾊｱ ﾊｱ…｡
≪ﾜｵｰﾝ！
ﾃﾞﾝｽｹ！
どうしたの？
何よ？ どうしたの？
ここじゃない｡
ねえ どういうことよ～？
違う！
≪ｱｳ～ﾝ…｡
ここよ！
この近くに きっと いるわ｡
ねえ 早く！
ｵﾔｼﾞ 急げ！
早く！
来た！
来た～！
ﾃﾞﾝｽｹ！
この～！
に
逃げるわよ！
ﾊｱ ﾊｱ… わ～！
今度は 何？
いよいよ ｻｯﾁｰの お出ましだわ｡
一体どうなっているの この町は！
