イマーゴ機能を はずす事が
出来なかったメガマスは⇒
空間のほうを改良したそうです。
(ミチコ)この世界を
こわ
壊してはならないの。
誰かが そう願った。
必死に。 だから 私は生まれた。
この世界を この気持ちを
永遠に 守らなくてはならない…。
それっ!
あっ。
天沢さん こっちよ。
(アナウンサー)「電脳局のフォーマットは
きんきゅうせい きょうせいそうち
緊急性の高い強制装置です。⇒
一般の個人データも
保護されません。⇒
ご自宅で 待機するか
メガネの使用を 停止して下さい」。
[ケータイ]使用制限中です。 しばらくして
またおかけなおし下さい。
(オバちゃん)
きょうせいそち
チッ ついに強制措置に出たか…。
(アナウンス)メガネを終了して下さい。
そんなにすぐ切れるか! うわっ!
ねこめ
(猫目)
例の電脳体さえ見つかれば…。
ゆうこ
しかし 勇子に
じょうほう
情報をリークしたのは何者だ?
来たわ!
あれって アナウンスでやってた
新型サッチー? 大変…!
けがしてるわ!
よかったら上がって。
天沢さん 泣いてたの?
とにかく 傷の手当てしましょう。
(イサコ)あの時…。
お前と 初めて会ったあの時
だまして悪かった。
えっ? ああ デンスケを。
あの犬は どうしてる? 元気か?
うん。 元気よ。
中のイリーガルが 必要だったんだ。
キラバグを…。 もど
お兄さんを取り戻すために…。
そうだ。
ごめんなさい。
余計な事 聞いちゃって。
救急箱 取ってくるわ。
むだ
でも 全部 無駄だった。
だれ
私は誰の役にも立てない。
何も出来ない だめな子なんだ。
ごめんね お兄ちゃん。 私 私…。
お兄ちゃんを助けようとして
ずっと…。
それなのに…。 うわあ~ん!
天沢さん どうしたの! ねえ!
痛い?
もし… もしよかったら
私に話して。
誰かに話すと ちょっとでも
気持ちが 楽になるかもしれない。
私 ハラケンを 天沢さんが一緒に
助けてくれて 思ったの。
みんなのしてる うわさは
本当じゃない。
カンナちゃんの事とか あのヌルって
イリーガルを呼び出したとか…。
全部 うそなんでしょ?
一緒に ごかい
みんなの誤解を解きましょう。
こ
ねえ 覚えてる? 越してきてすぐ
げた箱で 私に言った事。
くやしかった。 でも それから
ずっと気になってた。
私 あなたと お友達になりたい。
気安い気持ちで
言ってるんじゃないの。
天沢さんに どんな秘密があっても
に
絶対 逃げずに受け止めるから。
たいした話じゃない。
そう…。 もし もし天沢さんが
その気持ちになったら 話して。
モジョ… モジョ…。
その子 天沢さんのペット?
ペットじゃない。
ちりょう
傷を負ってるわ。 治療用の
メタタグなら まだ残ってるから。
お前じゃ無理だ…。
えっ?
ちが
あっ いや 違うんだ。
これはふつうのペットじゃないから。
そうなの…。
(アナウンサー)「空間局による 大黒市の
いっせい
一斉フォーマットは⇒
あと数時間 続くもようです」。
まだ しばらく続きそうね。
ちょっと 外の様子見てくるわ。
すまないな… こんなになるまで
ずいぶん仕事をしてくれた…。
痛いか?
今は このくらいしか出来ない…。
モジョ。
きょうこ
(京子)暗号のお姉ちゃん。
暗号って デンスケ治せるの?
えっ?
あの時の犬か?
お化けから守ってくれたの。
ヌルにやられたのか。
ねえ 治せる?
しゅうふく
ふつうのペットは 自動修復で…。
もう死ぬって書いてあるの。
ええっ?
ねえ 治せる? お姉ちゃんの
暗号は何でも出来るんでしょう?
ふつうのペットは
私の暗号では治せない。
私になんか 何一つ出来やしない。
ペットを治す事も。
お兄ちゃんを助ける事も。
(京子)うう~。
うえ~。
だま
分かった。分かったから黙れ。
ウウ… ウンチ~。
やってみるから 泣くな!
ああっ。
安心しろ。
治療しやすくするためだ。
天沢さん こんな所にいたの?
京子! ここで何やってるの?
うそをついたな。 この犬はもう…。
どういう意味?
知らなかったのか?
京子 デンスケがどうかしたの?
デンスケ もうすぐ
死ぬんだよ。 ええっ?
かんせん
まるでイリーガルに感染したような
傷だ。 そんな…。
でも おババはすぐ治るって!
落ち着け!
これは ペット会社が 犬の生命データを
元に 発行した告知にすぎない。
こまかく修復すれば
てっかい
撤回される事もある。
本当?
ああ。
やってみる。
この家は まさか…。
すうき
数奇なものだな 勇子のやつ。
ここに逃げこむとは。
やはりな。 タケルいるんだろう?
なぜこんな事をした?
のぶひこ
勇子に信彦の事をしゃべったのは
お前か?
(タケル)
メガマスの人に言われたんだ。
こうしないと 兄ちゃんと天沢を
こくはつ
告発するって。
ばかな事を。 表ざたになって
困るのは やつらのほうなんだぞ。
全部 全部兄ちゃんのためなんだ!
兄ちゃん もう やめよう。
ぼく
兄ちゃんには 僕がいるだろう。
なんで あんな女を使うんだよ!
お前には イマーゴがないからだ。
いいか 通路を開くには
勇子が必要なんだ。
でも… もう キラバグは残ってない。
かいぞう
改造したイリーガルで
ちょっとずつ 集めたのに。
あいつが…。
まだ 手はある。
もう余計な事をするな。
僕の言うとおりに動け。
それが 父さんのためなんだ。
兄ちゃん…。
(猫目)
例の電脳体さえ 見つかればな。
大事な 犬なのか?
うん ずっと一緒。 家族と同じよ。
家族か…。
さが
ずっと 兄を捜してた。
やさ
とても優しい兄で 仲がよかった。
幸せ… そう 幸せだったと思う。
く
兄と暮らした間は。
でも 兄のリンクなど
なかった。初めから。
回想 お前の兄 天沢信彦は
数年前に 死んでいる。
何だと…。
待って。 私 前
ちゃんと言えなかったけど⇒
昔 4423って人と会ってるの。
えっ?
デンスケと迷った時に。
それに 夢でも。
夢?
ね
メガネをかけたまま寝ると
時々 声が聞こえて。
自分は4423だって。
でも 夢の話だし。
続けろ! 何って言ってた?
「こっちに来ちゃいけない。
その道は違う」って。
メガネをかけたまま… 夢… まさか!
その時 いつもこの犬が
近くにいなかったか?
いたわ。 でも それって…。
もしかして このペットは…。
(タケル)本社の人が言ってた。
もし また死者が出たら
かばいきれないって。
ゆ
(猫目)単なる揺さぶりだ。 連中は
はあく
キラバグの存在すら把握してない。
(タケル)僕だってそうさ。
兄ちゃん キラバグって
本当は何なの?
ある実験があったんだ。
のろ
そこで呪われた生き物たちが
生まれた。 コイルドメインでな。
その生き物は コイルドメインに
つながったまま⇒
いすわ
電脳空間に 居座って
自分たちの生存を要求した。
(タケル)その生き物が…。
(猫目)そう ミチコだ。
(猫目)コイルス倒産後 メガマスは何度も
コイルドメインをフォーマットしたが⇒
しょうめつ
どうしても 消滅しなかった。
キラバグは その時 発生した
いじょうくうかん
異常空間のかけらなんだ。
ミチコさんは 今も生きてるの?
それは誰も知らない。 誰もな。
やはり こいつは
ふつうの電脳ペットじゃない。
どういう意味?
おそ
こいつは恐らく 私のモジョと同じく
かいぞう
誰かが改造したものだ。
うん? これは… まさか!
あっ!
反応がある。 しかし…。
消えていくわ。
かぎ
鍵が合わないのか?
何これ? この犬は
ふつうの方法では治療できない。
ふういん
この首輪がすべてを封印していた。
あの時 私でさえ
気づかなかったのはそのためだ。
せいこう
精巧な改良だ。
ごかんせい
互換性も
ふつうのペットと変わらない。
精巧な改良?
ああ。 しかし どうしてこんな…。
この犬を 誰から もらった?
おジジよ。
おジジ? そいつは どこにいる?
すぐに連れてこい!
な
亡くなったわ。 5年前に。
そうなのか。 悪かったな…。
ううん。 そうだ でも おババの
おく かいだん
部屋の奥に階段があるの。
多分 その上が おジジの部屋だわ。
行ってみましょう。
いいのか? 勝手に上がっても。
おババに 入るなって
言われてたんだけど。
おババ?
うん 私のおばあちゃん。
お前は 家族が多いな…。
えっ?
いや 何でもない。
やっぱりここだわ。 見覚えがある。
そう ここで
デンスケに初めて会ったの。
こっ これは!
4423…。
どういう事だ! これはカルテ?
おジジは お医者さんだったの。
あの病院に 勤めてたわ。
電脳メガネ!
(メガばあ)
わしの夫が使っていた道具じゃ!
おババ!
おぬしが 最近 暗号で
あら
町を荒らしておる 小娘じゃな。
あんたが 古流の親玉か?
最近の子は あいさつも
ろくに出来んようじゃな。
ちょっと おババ 失礼でしょ!
私の友… クラスメイトの天沢さん。
そふ
教えろ。 お前の祖父は何者だ。
なぜ 兄のカルテを持っている?
けいやく
メガマスと契約して
う
ある仕事を請け負ったのじゃ。
メガマスと契約した医者? まさか!
そうすけ
もし宗助が言う
先生だとしたら この辺り…。
やっぱり!
何これ!
かく
こんな装置が隠れておったとは!
天沢さん どうしてパスワードを?
やはり この人が
宗助の言ってた先生だ。
う~む。 これは古い空間じゃぞ。
何で こないだ
サッチーに消されなかったのかしら?
ふういん
空間ごと 封印されていたからだ。
(猫目)勇子 いつのまに
僕のデータベースからパスワードを…。
手くせの悪い女だ。
ヤサコ… ヤサコの家だったんだ!
知り合いか?
うん。
では あの子が先生の孫か。
それにしても このペット…。
この反応は まさか…。
おお? これは
わしも見た事のないメタタグじゃ。
間違いない。
これらは コイルスのデバイスだ。
コイルスって?
最初のメガネ会社じゃ。
いらい
おジジは メガマスの依頼で コイルスの
メガネ技術を調べておったのじゃよ。
その犬も おそらくコイルス製だ。
何ですって?
(猫目)やはりそうか。 コイルスノードだ。
(タケル)コイルスノード?
ああ。 コイルスが作った実験電脳体。
せつぞく
コイルドメインに接続する力を持った
電脳体だ。 見つけたぞ!
今まで 分からなかったのは
おそらくお前の祖父が⇒
メガマス使用に 改造したからだ。
そうか! もしかして ここにある
資料を調べれば…。
ああ 治せるかもしれない。
本当に!
まずい!
勇子のアクセスをかぎつけたのか。
(一同)ああっ!
逃げろ!
うわっ!
わあ~!
京子逃げて!
デバイスが!
うわ~ 来おるぞ 持っていけ。
京子を追うのじゃ!
京子!
天沢さん!
走れ!
あれっ?
クソッ どっちに行った?
ああ!
このサイコロめが わしをスルーしおって。
としよ こわ
年寄りを軽んじると 後が怖いぞ。
(オバちゃん)
一体どうなってるのよ。
えっ? 天沢とヤサコが?
分かったわ。
2.0のプロトコルは把握している。
ついせきはん へんせい
すぐに 追跡班を編成するわ。
追跡班 出動よ!
(ダイチ)はい~?
[ケータイ](メガばあ)どうじゃ?
京子は見つかったか?
残ったデータに
治療法らしきものがあった。
しかし その治療は
コイルスの空間でしか出来ん。
調べたところ 古い空間は
こういき
屋外の広域用とは別に⇒
せま りょういき
狭い実験用の領域があるようじゃ。
[ケータイ]広域用と実験用?
おぬしらが
今まで見つけたものは⇒
おそらく コイルスが初期に作った
その空間じゃろう。
おジジの部屋に あったものも
きっと そのコピーじゃ。
せつび
その オリジナルの電脳空間と設備が
もし生き残っておったなら…。
そこに デンスケを連れていけば
助かるのね!
妹を見つけるほうが先だ!
おこのぎ
小此木 あの子が
行きそうな場所を知ってるか。
分からないけど
多分 神社に逃げこむと思う。
まずいな。
何が?
あの新型は 神社にも入れるんだ。
ひっ!
♬~
せっかく見つけたのに
みすみす壊されてたまるか!
チェッ。 ばれないように
じゃま
邪魔出来るのは 数秒だけか。
それなら!
ふ
仕事を増やしてやるまでだ!
でんぱしょうがい
また電波障害だわ。
たし
この近くなのは確かなんだけど…。
やはりな。
どうしたの?
あっ…。
思ったとおりだ。
古流と暗号は互換性がある。
暗号として組み込めば
連続して使えるぞ。
じゃあ 私も!
だめだ。 どの道お前には使えない。
このレベルの暗号は⇒
あんごうろ
自分の電脳体に暗号炉を
組み込まないと使えないんだ。
暗号炉?
ああ。
イマーゴと直結して 思考から直接
こうぞうたい
暗号を取り出す構造体だ。
これを使える人間は
ほとんどいない。
でも うわさで聞いたわ。
ヘイクーのみんなは
暗号を使ってるって。
いいから私の言うとおりに動け!
やつらのは イマーゴを使わない
コピーにすぎない。
お前 確か イマーゴがあったな?
イマーゴには
きけん ふく
危険な副作用があるんだ。
使いすぎると
肉体や神経を傷つける。
お前は メタタグの状態で使え。
いいか あと1枚しかないから
大事に使え。
それまでは 私が守ってやる。
分かったわ…。
はっ!
天沢さん! どうしたの!
うう…。 わあ!
うわあ…。
鹿ヤ野神社だわ!
(ダイチ)うわあ~!
(京子)ひい~!
京子! 京子!
ハァハァ…。
大丈夫?
ああ。 いたか?
いないわ。
ウッ グググ…。
もう心当たり…。
ウウウ…。
大丈夫? 天沢さん 天沢さん!
グググ…。
グハッ!
ああっ!
天沢さん!
お前! なぜ暗号炉が!