生成AIに関して起きた訴訟や裁判、法的対応をまとめたページ。
裁判と言う難しい分野を扱うのでここに記載されたもの以外にも各項目に添付した記事や資料を読んだり、それぞれ個人で調べることを強く推奨する。
裁判と言う難しい分野を扱うのでここに記載されたもの以外にも各項目に添付した記事や資料を読んだり、それぞれ個人で調べることを強く推奨する。
- 生成系AIに関する総合的な問題点は⇒「生成系AIが抱える問題まとめ【社会やクリエイティブへの悪影響】」
- 画像生成AIに関する総合的な問題点は⇒画像生成AIは何が問題なのか?
- 画像生成AIに関して発生した事件等は⇒画像生成AI 炎上・論争・被害事例まとめ
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【目次】
- 【 0. 生成AIを巡る訴訟の背景と現状 】
- 【 1.生成AIと著作物等の利用に関する訴訟の一覧 】
- アメリカ合衆国における訴訟一覧(非常に件数が多いため別ページへ移動)
- Getty ImagesによるStabilityAIへの訴訟(英国)
- AIデータセットから自作品の削除を求めた写真家に対する逆訴訟(ドイツ)
- アーティスト4名による訴訟(中国)
- ウルトラマンとみられるAI生成物の著作権侵害疑惑に対する裁判(中国)
- 声優による無断AI音声販売アプリへの訴訟(中国)
- 子育てサイトMumsnetによるOpenAIへの訴訟(英国)
- ドイツ音楽著作権協会によるOpenAIへの訴訟(ドイツ)
- インドメディアANIによる米OpenAIへの訴訟(インド)
- カナダメディア5社による米OpenAIへの訴訟(カナダ)
- 韓国テレビ局3社によるAI企業ネイバーへの訴訟(韓国)
- ドイツ音楽著作権協会による音楽生成AI企業Sunoへの訴訟(ドイツ)
- フランス出版・作家団体3団体による米Metaへの訴訟(フランス)
- 読売新聞社によるPerplexityへの訴訟(日本)
- 日本経済新聞社・朝日新聞社によるPerplexityへの訴訟(日本)
- 声優・津田健次郎氏によるTikTokへの訴訟(日本)
- 【 2.AI生成コンテンツの権利に関する訴訟の一覧 】
- 【 3.個人データに関する訴訟の一覧 】
- 【 4.重大な事件・事故に関する訴訟の一覧 】
- 【 5.その他の訴訟・法的対応 】
- 【 5.裁判に関連する記事・資料など 】
【 0. 生成AIを巡る訴訟の背景と現状 】
2022年にChatGPT、Stable Diffusionといった、いわゆる「生成AI」が登場してから2025年現在まで多数の訴訟が提起されている。
訴訟の原因は様々なものがあるが、「生成AIの開発や回答の生成の際にデータを無断利用したことに関する、クリエイター・権利者等を原告としAI企業等を被告とする、著作権等を争点とする訴訟」が特に多い。
このような訴訟が多い理由として、以下の要因が挙げられる。
生成AIは開発時に沢山のデータを利用する工程が必要となる。そのデータの収集先は主にインターネットである。インターネットに投稿されたテキスト、画像、音楽などのコンテンツを利用し生成AIは作られる。
一方、この状況はコンテンツの制作者であるクリエイターや権利者にとってメリットが多いとは言えない。ネットに自身のコンテンツをアップロードしただけで生成AI開発にコンテンツを使われ、その生成AIから生成されたAIコンテンツが自身の活動する市場と競合する。また、新しいコンテンツを作成すればそれらもAI企業に収集される。そして、これらのデータ収集について、権利者の許諾が取られていることは少ない。
生成AIは開発時に沢山のデータを利用する工程が必要となる。そのデータの収集先は主にインターネットである。インターネットに投稿されたテキスト、画像、音楽などのコンテンツを利用し生成AIは作られる。
一方、この状況はコンテンツの制作者であるクリエイターや権利者にとってメリットが多いとは言えない。ネットに自身のコンテンツをアップロードしただけで生成AI開発にコンテンツを使われ、その生成AIから生成されたAIコンテンツが自身の活動する市場と競合する。また、新しいコンテンツを作成すればそれらもAI企業に収集される。そして、これらのデータ収集について、権利者の許諾が取られていることは少ない。
権利者からすれば、活動する市場に大きな悪影響を及ぼしうるという無視できないデメリットがある上に、制作したコンテンツをいわば無限に「盗む」存在がいて、しかもそれで直接競合する商売をされ経済的な部分を中心に様々な損失を被る。当然無視する事は出来ないだろう。
一部では、AI企業が報道機関や出版社などに対し対価を支払うケースもみられている。しかしながら、対価を得られていないクリエイター・権利者も少なくない。
訴訟が提起されている国について、現状件数が一番多いのがアメリカ合衆国である。他にも、日本、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、インド、韓国で同様の訴訟が提起されている。
原告側の属性は、ビジュアルアーティスト、作家、新聞社、音楽家、音楽レーベル、声優、著作権管理団体、テレビ局、プログラマー、エンターテインメント企業など多岐に渡る。その中には、ディズニーやユニバーサル、ニューヨーク・タイムズといった有名企業も含まれている。
被告側の属性は、生成AIの開発を行っているテクノロジー企業が多数を占めており、テキスト、画像、音楽生成など様々なものが訴訟の対象とされている。中にはChatGPTの開発企業であるOpenAI、検索エンジン事業で知られるGoogle、FacebookやInstagramといったSNS運営で知られるMetaなど大企業も含まれている。
これらの訴訟に対するAI企業側の抗弁として代表的なのは、アメリカ合衆国の著作権法に存在する、条件を満たせば著作物を無断で利用可能な「フェア・ユース」という制度に当たるというものである。
日本では、2025年8月7日に読売新聞社がAI検索サービスの回答生成に同社の記事を無断利用したとして米AI企業Perplexityを提訴、続く26日に日本経済新聞社と朝日新聞社が読売と同様の理由でPerplexityを訴えるなど訴訟の動きが活発化している。
権利者とAI企業間以外の訴訟としては、「生成AIに過度に依存した結果起きた重大な事件・事故に関する訴訟」「生成AI開発に個人情報を利用した事に関するサービス利用者とAI企業間の訴訟」、「生成AIが特定の人物に関して事実とは異なる内容を出力したことに関する訴訟」、「AI生成物の著作権付与を巡る訴訟」などがある。
【 1.生成AIと著作物等の利用に関する訴訟の一覧 】
本項目においては、主に生成AI企業がクリエイターやマスメディアなど権利者のコンテンツを無断で利用して生成AI開発を行っていたり、特定のクリエイターの個性やキャラクターなどが生成AIで出力可能であったことなどに関して発生した、権利者が原告でAI企業側が被告となった訴訟・裁判についてまとめている。
⇒米誌WIRED(ワイアード)によって作成された、アメリカ合衆国において発生した権利者とAI企業による著作権訴訟の一覧とその関連性をまとめた記事。
Every AI Copyright Lawsuit in the US, Visualized(2024年12月19日:WIRED)
Every AI Copyright Lawsuit in the US, Visualized(2024年12月19日:WIRED)
⇒生成AI規制や裁判についてまとめているサイト「ChatGPT is Eating the World」によって作成された、アメリカ国内で発生した権利者とAI企業による著作権訴訟の一覧記事。
Updated Map of copyright lawsuits v. AI companies(2025年1月3日:ChatGPT is Eating the World)
Updated Map of copyright lawsuits v. AI companies(2025年1月3日:ChatGPT is Eating the World)
⇒アメリカの著作権関連団体「Copyright Alliance」がまとめた、アメリカの連邦裁判所で行われているAIと著作権侵害に関する訴訟の一覧。
Federal Court AI Cases Involving Copyright Claims
Federal Court AI Cases Involving Copyright Claims
アメリカ合衆国における訴訟一覧(非常に件数が多いため別ページへ移動)
Getty ImagesによるStabilityAIへの訴訟(英国)
| 原告 | フォトストックサービス|Getty Images |
| 被告 | 生成AI開発企業|StabilityAI |
| 裁判所 | ロンドン高等裁判所 |
2023年1月17日、Getty Imagesは、同社が権利を有するコンテンツの知的財産権をStability AIが侵害したとしてイギリス・ロンドンの高等裁判所へ法的手続きを開始したと発表。2月3日にはアメリカ・デラウェア州の裁判所にも同様の理由で訴訟を提起した。
同年6月1日には、イギリス国内でStability AI社がリリースしている画像生成AIの販売差し止め命令をロンドン高等裁判所へ求めたことが報道された。
10月31日には同訴訟の公聴会が開かれ、Stablity AI側は「原告側が告発した行為は英国で行われていたという事実が示されておらず、この主張は絶望的である」「Stable Diffusionには原告側が主張する画像は含まれていない」などと主張した。
12月1日、裁判所はGetty Imagesの主張に正当性があるとして次の段階の審理に進むことを認めた。
2025年6月25日、原告であるGetty Imagesは、被告であるStabilityAIへの主要な申し立てを取り下げた。取り下げの原因は、Getty側がAIトレーニングに関する主張について、十分な侵害行為と英国の管轄権との関連性を証明できなかったためであったとされている。
■関連リンク
- Getty Imagesによる英国での訴訟開始を伝えるプレスリリース(2023年1月17日)
- 画像生成AI「Stable Diffusion」開発元のStability AIがかつてGoogleを和解に持ち込ませたこともあるストックフォトサイトのGetty Imagesに訴えられる(2023年1月18日-GIGAZINE)
- Getty Images is suing the creators of AI art tool Stable Diffusion for scraping its content(2023年1月17日-The Verge)
- Getty Asks London Court to Stop UK Sales of Stability AI System(2023年6月1日-USnews)
- Stability AI Says Getty Images’s UK Copyright Suit Is Hopeless(2023年10月31日-ブルームバーグ)
- 公聴会に参加した弁護士による同訴訟の争点のまとめ「Getty v Stable Diffusion AI case reaches court」(2023年10月31日)
- Judge questions credibility of AI chief’s evidence in court battle with Getty Images(2023年12月3日-The Telegraph)
- Getty lawsuit against Stability AI to go to trial in the UK(2023年12月5日-The Verge)
- Getty argues its landmark UK copyright case does not threaten AI(2025年6月9日:ロイター)
- Getty drops key copyright claims against Stability AI, but UK lawsuit continues(2025年6月25日:Tech Crunch)
- Getty drops copyright allegations in UK lawsuit against Stability AI(2025年6月26日:AP)
AIデータセットから自作品の削除を求めた写真家に対する逆訴訟(ドイツ)
| 原告 | 生成AI関連団体|LAION |
| 被告 | ドイツ人写真家|ロバート・クネシュケ |
ドイツ人写真家ロバート・クネシュケ(Robert Kneschke)氏は2023年初め、画像生成AI「Stable Diffusion」で使用されているデータセット「LAION-5B(※非営利団体LAIONによって作成)」内にある画像を見つけられるサイト「Have I been trained?」にて自分の作品が多数見つかったため、LAION側に削除を求めた。
しかしLAIONを担当する弁護士事務所は削除を拒否し、あくまで画像ファイルへのリンクを含むデータベースのみを保存しており画像データそのものは保存していないため著作権侵害に当たらず、同氏は作品を削除する権利は持たないとの回答を示した。さらに同事務所はドイツの著作権法に基づきLAIONは不当な請求があった際損害賠償請求を行う権利があるとして、クネシュケ氏に対し合計887.03ユーロ(約13万円)の損害賠償を求めた。
弁護士事務所は、LAIONが行った学習に伴う複製行為は一時的なものであり、ドイツの著作権法による制限が適用される。LAIONはクローラを用いて自己学習アルゴリズムの学習のためネット上で画像を見つけてその情報を得るため記録・評価を行っているのであり、これらの行為は著作権法には抵触しないとした。対してクネシュケ氏は、弁護士事務所が画像データ収集の際クローラの使用に言及した事について、ほとんどの写真投稿サイトがクローラの使用を禁止している事実を踏まえるとこの話は興味深いとし、LAION設立前に画像共有サイトから削除していたはずの写真をどこから入手したのか気になるとも指摘。
弁護士事務所は、LAIONが写真家の写真を一時的にとはいえ、複製しAI学習に利用される事を拒否している事は理解しているとしながらも、この行為は法で明確に許可された行為であるとしてクネシュケ氏に対し「作品をデータセットから削除して欲しい」との要求を取り下げなければいけないとした。一方クネシュケ氏は、LAIONのようなAI関連企業は大量の著作物を使用して学習を行い利益を得ようとする。故に「写真を削除して欲しい」との要求に対し損害賠償請求を警告する事は妥当であるが、作品データ削除請求の正当性立証のため裁判で争うつもりであると述べた。
■関連リンク
- 画像生成AIによる作品の無許可使用を主張した写真家が逆に損害賠償を請求される(2023年4月27日-GIGAZINE)
- AI USED PHOTOGRAPHER’S PHOTOS FOR TRAINING, THEN SLAPPED HIM WITH AN INVOICE(2023年4月27日-Photography)
アーティスト4名による訴訟(中国)
中国人アーティスト4名が中国のSNS「小紅書」に対し、自分達の作品を無断でAIに学習させたのは著作権の侵害だとして中国の裁判所に提訴した。本件は、中国初の生成AIの学習データの著作権に関する訴訟だとされる。
▼裁判について解説するポスト。
loading tweet...— 人工知能生成物監視 (@ai_watcher24) November 30, 2023
■関連リンク
- 被AI夺走工作的人,决定反抗AI|深氪lite(2024年2月2日)
ウルトラマンとみられるAI生成物の著作権侵害疑惑に対する裁判(中国)
| 原告 | 中国国内でウルトラマンの著作使用権を得た企業 |
| 被告 | 中国国内のAIサービス提供企業 |
| 裁判所 | 広州インターネット裁判所 |
特撮作品の「ウルトラマン」シリーズの中国国内での独占著作使用権を円谷プロダクションから得ている中国企業が、生成AIサービスを運営している中国企業に対し起こした訴訟。
原告側は、「被告の運営する生成AIサービスにおいて「ウルトラマンの画像」をリクエストすると、本物のウルトラマンの画像と実質的に同じ画像が出来る。」「被告がAIの学習に本物のウルトラマンの画像を無断使用し利用者などからの収益で不当に利益を得た」と主張し、30万人民元(約635万円)の損害賠償を求めた。
原告側は、「被告の運営する生成AIサービスにおいて「ウルトラマンの画像」をリクエストすると、本物のウルトラマンの画像と実質的に同じ画像が出来る。」「被告がAIの学習に本物のウルトラマンの画像を無断使用し利用者などからの収益で不当に利益を得た」と主張し、30万人民元(約635万円)の損害賠償を求めた。
2024年2月26日、中国の裁判所は原告側の権利侵害に関する主張を認める判決を下した。なお、損害賠償の額については提訴後にAIサービス側がシステムを調節したことにより損害の大きさは限定的であったとして1万人民元となった。
なお、この判決に対し円谷プロは「先端技術に関わる事案であり、著作権とのバランスが非常にセンシティブだと考えていたが、公平・公正な判断をして頂いた」とコメントした。
■出典・関連リンク
- 独家丨AI画出奥特曼:中国法院作出全球首例生成式AI服务侵犯著作权的生效判决(2024年2月26日-SFC)
- 生成AIウルトラマンで著作権侵害、広州裁判所が世界初の有罪判決(2024年2月28日-亜洲ビジネス)
- CHINA’S FIRST CASE ON AIGC OUTPUT INFRINGEMENT--ULTRAMAN(2024年2月28日-King & Wood Mallesons)
- 【中国】【著作権】AI が生成するウルトラマン画像の著作権侵害について生成AIサービス提供事業者の責任を認めた中国の裁判例(2024年3月4日-TMI総合法律事務所)
- 偽ウルトラマンに賠償命令 中国で生成AI著作権侵害 円谷プロ「公正な判断」(2024年4月15日-産経新聞)
- 「ウルトラマン」に似た画像提供の生成AI事業者、中国の裁判所が著作権侵害で賠償命令(2024年4月15日-読売新聞)
声優による無断AI音声販売アプリへの訴訟(中国)
| 原告 | 中国人の声優 |
| 被告 | アプリ「魔音工房」運営する企業 |
| 裁判所 | 北京インターネット裁判所 |
2023年5月、中国で声優として活動する殷氏が、自らの声を無断でAI処理され「魔音工房」と呼ばれるアプリ内で販売された事を問題として、アプリの運営企業を中国の裁判所に提訴。
2024年4月23日、1審である北京インターネット裁判所は原告側の主張を認め、被告側へ書面での謝罪と賠償金254万元の支払いを命じた。
■出典・関連リンク
- 中国初の「AI音声権利侵害」訴訟 被告に25万元の賠償命じる判決(2024年4月24日-CRJ日本語)
子育てサイトMumsnetによるOpenAIへの訴訟(英国)
| 原告 | ウェブサイト|Mumsnet |
| 被告 | AI開発企業|OpenAI、マイクロソフト |
2024年7月18日、イギリスの子育てサイトMumsnetはアメリカのAI開発企業OpenAIに対し、サイトの規約に反し無断でスクレイピングしたとして法的措置を取ると発表。
■出典・関連リンク
- Mumsnet launches first British legal action against OpenAI(2024年7月18日-TIME)
- Why we're taking legal action against Open AI and other scrapers(2024年7月19日-mumsnet)
- Mumsnet is launching a legal complaint against OpenAI for scraping its content(2024年7月22日-techradar)
ドイツ音楽著作権協会によるOpenAIへの訴訟(ドイツ)
| 原告 | 音楽著作権管理団体|ドイツ音楽著作権協会(GEMA) |
| 被告 | AI開発企業|OpenAI |
| 裁判所 | ミュンヘン地方裁判所 |
2024年11月13日、ドイツの音楽著作権管理団体であるドイツ音楽著作権協会(Gesellschaft für musikalische Aufführungs- und mechanische Vervielfältigungsrechte、GEMA)は、「ドイツの制作者らに許諾を得ず、チャットボットを通じ、ライセンスや利用料の支払いもなく歌詞を複製した」などと主張し米国のAI開発企業OpenAIを被告としてドイツ・ミュンヘンの地方裁判所に提訴した。
■出典・関連リンク
- GEMA sues for fair compensation(2024年11月13日-GEMA)⇒GEMA公式サイトによる訴訟の解説。
- ChatGPT maker OpenAI, valued at $157bn, sued by GEMA in Germany over unlicensed use of song lyrics(2024年11月13日-MUSIC BUSSINESS WORLDWIDE)
インドメディアANIによる米OpenAIへの訴訟(インド)
| 原告 | ニュースメディア|アジアン・ニュース・インターナショナル(ANI) |
| 被告 | AI開発企業|OpenAI |
| 裁判所 | ニューデリーの裁判所 |
2024年11月19日、インドのメディアであるアジアン・ニュース・インターナショナル(Asian News International、ANI)は、自社のコンテンツを無断でAIのトレーニングに利用したとして、アメリカのAI企業OpenAIをニューデリーの裁判所に提訴した。
2025年1月24日、インドの出版社団体であるFederation of Indian Publishersが、この訴訟へ原告側として参加するための申請を行ったと報じられる。
1月27日、ロイターが裁判関連の文書を閲覧したところによると、インド財閥アダニ・グループ、リライアンス・グループのメディア部門などが、この訴訟に参加する意向である事が判明した。訴訟への参加を希望したインドメディアは、NDTV(アダニ・グループ)、ネットワーク18(リライアンス・グループ)、インディアン・エクスプレス、ヒンドゥスタン・タイムズ、ジーニュースなどの新聞やテレビニュースチャンネル。
■出典・関連リンク
- Indian news agency ANI sues OpenAI for unsanctioned content use in AI training(2024年11月20日-ロイター)
- OpenAI faces new copyright case, from global book publishers in India(2025年1月24日:ロイター)
- Explained: What The Federation of Indian Publishers is Saying Against OpenAI (2025年1月27日:MEDIANAMA)
- OpenAI to face Indian news firms of Ambani, Adani in copyright battle, documents show(2025年1月27日:ロイター)
- オープンAIの印著作権侵害訴訟、財閥系などメディア多数が参加意向(2025年1月27日:ロイター)
カナダメディア5社による米OpenAIへの訴訟(カナダ)
| 原告 | ニュースメディア|トルスター、ポストメディア、グローブ・アンド・メール、カナディアン・プレス、CBC/ラジオカナダ |
| 被告 | AI開発企業|OpenAI |
| 裁判所 | オンタリオ州の裁判所 |
2024年11月29日、カナダのメディアであるトルスター(Torstar)、ポストメディア(Postmedia)、グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)、カナディアン・プレス(The Canadian Press)、CBC/ラジオカナダ(CBC/Radio-Canada)の5社が「ChatGPTの学習へ記事が不当に利用された」と主張し、米国のAI企業OpenAIをオンタリオ州の裁判所に提訴した。
■出典・関連リンク
- Canadian news companies challenge OpenAI over alleged copyright breaches(2024年11月30日-ロイター)
- カナダ大手紙など5社がオープンAI提訴…チャットGPTの学習で著作権侵害、賠償金数千億円か(2024年11月30日-読売新聞)
韓国テレビ局3社によるAI企業ネイバーへの訴訟(韓国)
| 原告 | テレビ局|KBS、MBS、SBS |
| 被告 | AI開発企業|ネイバー |
2025年1月13日、韓国の地上波テレビ局であるKBS、MBS、SBSの3社は、同じ韓国のAI開発企業であるネイバーを相手取り訴訟を提起した。原告側3社は、ネイバーが開発した生成AIモデル「ハイパークローバ」「ハイパークローバX」が著作権を侵害し、不正競争防止法に違反していると主張、損害賠償の請求と学習の禁止を求めている。本訴訟は韓国初の生成AIと学習データを巡る裁判である。
39の韓国テレビ局が加盟する韓国放送協会は、AIタスクフォースを結成しネイバー側に2度ニュースデータの使用について補償と侵害防止の対策を求めたものの明確な回答を得られなかったとし、協会が送ったAI学習データの出所と内容、データ取得経路公開の要請についても「学習データの種類と詳細内容は企業の重要資産である技術ノウハウにあたるため公開が難しい」と返答した。
また、放送協会の関係者は「ネイバーをはじめとするニュースデータを許可なく利用したビッグテックに対し順次訴訟を提起する強硬対応を行う」と述べた。
■出典・関連リンク
- KBS·MBC·SBS 방송 3사, 네이버에 뉴스데이터 저작권 침해 소송 제기(2025年1月13日:韓国放送協会)
- 지상파 3사, 네이버에 뉴스 데이터 저작권 침해 소 제기(2025年1月14日:IT朝鮮)
ドイツ音楽著作権協会による音楽生成AI企業Sunoへの訴訟(ドイツ)
| 原告 | 著作権管理団体|ドイツ音楽著作権協会(GEMA) |
| 被告 | AI開発企業|Suno |
| 裁判所 | ミュンヘン地方裁判所 |
2025年1月21日、ドイツ音楽著作権協会(GEMA)は、米国の音楽生成AI開発企業Sunoを相手取り「ドイツの有名音楽アーティストに非常に類似した曲を生成した」と主張し、ミュンヘン地方裁判所に提訴した。GEMAによる生成AI企業への訴訟は2024年11月のOpenAIに対する訴訟に続いて2件目。
■出典・関連リンク
- Fair remuneration demanded: GEMA files lawsuit against Suno Inc.(2025年1月21日:GEMA)⇒GEMAによる訴訟開始のリリース。
- $500m-valued Suno hit with new copyright lawsuit from Germany’s GEMA(2025年1月21日:MUSIC BUSINESS WORLDWIDE)
- Suno’s content “obviously infringes copyrights” of prominent German songwriters says GEMA lawsuit(2025年1月25日:CMU)
フランス出版・作家団体3団体による米Metaへの訴訟(フランス)
| 原告 | 出版・作家団体|SGDL、SNAC、SNE |
| 被告 | AI開発企業|Meta |
| 裁判所 | パリ司法裁判所 |
2025年3月12日、フランスの出版社・作家関連団体SGDL(Société des gens de lettres)、SNAC(Syndicat national des auteurs et des compositeurs)、SNE(Syndicat national de l’édition)の3団体は、アメリカのAI開発企業Metaを相手取りパリの裁判所に訴訟を提起した。
原告は、被告であるMetaが著作物をAIトレーニングに無断利用する事で著作権を侵害しており、さらには経済的に「寄生」していると主張。
原告は、被告であるMetaが著作物をAIトレーニングに無断利用する事で著作権を侵害しており、さらには経済的に「寄生」していると主張。
■出典・関連リンク
- [COMMUNIQUÉ] La SGDL, le SNAC et le SNE assignent Meta pour imposer le respect du droit d’auteur aux développeurs d’outils d’intelligence artificielle générative(2025年3月12日:SGDL)
⇒原告のひとつであるSGDLによるMetaへの提訴を知らせるリリース。(フランス語) - French publishers and authors file lawsuit against Meta in AI case(2025年3月12日:ロイター)
- French publishers and authors sue Meta over copyright works used in AI training(2025年2月12日:AP)
読売新聞社によるPerplexityへの訴訟(日本)
| 原告 | メディア企業|読売新聞社 |
| 被告 | AI開発企業|Perplexity |
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
2025年8月7日、日本の新聞社である読売新聞社の東京本社、大阪本社、西部本社は合同で、ネット上の情報をAIが要約するAI検索事業で知られる米国企業Perplexity(パープレキシティ)を東京地方裁判所に提訴した。
原告の読売新聞社は、同社のオンライン版「読売新聞オンライン」に掲載された今年2月から6月までの計11万9467件の記事情報を被告であるPerplexityが取得・複製し、記事と似た内容の回答を利用者へ送信することによって、著作権法における複製権・公衆送信権を侵害したと主張。被告に対し計21億6800万円の損害賠償と記事の複製差し止め、複製済み記事の削除を求めた。なお、生成AIに関する著作権侵害を巡って日本の大手メディアが訴えを起こすのは初となる。
また原告は、robots.txtを用いて情報の利用拒否を命じる設定を行った以降も被告側からのアクセスが確認されたとした。読売新聞グループ本社の広報部は、生成AIが情報を要約する事で参照元サイトに利用者が訪れないゼロクリックサーチが起きているとし、「取材に裏付けられた正確な報道に負の影響をもたらし、民主主義の基盤を揺るがしかねない」とコメントした。
2026年5月26日、第1回口頭弁論が行われた。Perplexity側は「日本の裁判所に国際裁判管轄が無い」と主張した。
■出典・関連リンク
- 読売新聞社「複製権と公衆送信権を侵害」、記事無断利用の米AI検索企業を提訴…日本の大手報道機関で初(2025年8月7日:読売新聞)
- 読売新聞、生成AIめぐり米企業提訴 記事無断利用は「著作権侵害」(2025年8月7日:朝日新聞)
- ”生成AIで記事無断利用” 読売新聞が米企業を提訴(2025年8月7日:NHK)
- 生成AI無断学習は記事「ただ乗り」 言い回し同じ場合も 読売の米社提訴、国内大手で初(2025年8月14日:産経新聞)
- 「AI検索で著作権侵害」読売新聞が訴え パープレキシティ争う姿勢(2026年5月26日:朝日新聞)
- 米パープレキシティ、争う姿勢 読売新聞記事の無断使用、初弁論(2026年5月26日:東京新聞)
日本経済新聞社・朝日新聞社によるPerplexityへの訴訟(日本)
| 原告 | メディア企業|日本経済新聞社・朝日新聞社 |
| 被告 | AI開発企業|Perplexity |
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
2025年8月26日、日本の新聞社である日本経済新聞社と朝日新聞社は著作権侵害、不正競争防止法違反を主張し、AI検索事業で知られる米国のAI企業Perplexity(パープレキシティ)を東京地方裁判所に共同で提訴した。日本国内での訴訟としては、読売新聞社が8月7日に行った提訴に続くもので、日経・朝日両社は昨年夏から協議を重ね、今回の共同提訴に至ったと発表。
原告は、被告Perplexityが原告のサーバーに収録された記事コンテンツを無許諾で複製・保存し、少なくとも2024年6月頃から記事を含む回答を利用者の端末に繰り返し表示していると主張。さらに、原告は記事の無断利用を防ぐべく技術的措置(robots.txt)を施してコンテンツの無断利用を拒否する意思表示をしたにもかかわらず、被告はこれを無視して利用し続けているとした。無許諾で使われたとされる記事のうち、日経は電子版で有料会員のみに提供している「ペイウォール」内の記事が、朝日はヤフーニュースに提供した記事が含まれていたという。
被告の行為は両社の著作権、具体的には複製権(著作権法21条)、翻案権(同27条)、公衆送信権(同23条)の侵害にあたると主張。また、被告が回答の引用元として原告両社の社名・記事を表示しつつも記事の実際の内容とは異なる虚偽の事実を多数表示しており、情報の正確性が求められる新聞社の信用を著しく毀損したとして、これを不正競争行為(不正競争防止法2条1項21号)にあたると主張した。
被告の一連の行為に対し原告両社は、記事の複製・送信の差し止め、保存した記事の削除、社名や記事を表示して虚偽の回答を送信する事の差し止め、損害の一部として両社それぞれで22億円の賠償を求めた。
原告は、被告が行った一連の行為は「両社の記者が膨大な時間と労力を費やして取材・執筆した記事コンテンツについて、対価を支払わずに大量・継続的に「ただ乗り」するもの」であると指摘、「この事態を放置すれば、事実を正確に伝えることを旨とする報道機関全体の基盤が破壊され、ひいては民主主義の根幹を揺るがしかねない」として、今回の共同提訴を行ったとした。
2026年5月14日、第1回口頭弁論が開かれた。原告の日経・朝日側は著作権法の公衆送信権、不正競争防止法違反などを主張。さらに本裁判の管轄は日本の裁判所にあるとした。これに対し被告のPerlpexityは、請求の趣旨や原因の特定が無い、日本の裁判所に国際裁判管轄が無いと主張した。
■出典・関連リンク
- 生成AI事業者を著作権侵害で共同提訴(2025年8月26日:朝日新聞社)
⇒朝日新聞社のプレスリリース。 - [PDF]生成AI事業者を著作権侵害で共同提訴(2025年8月26日:日本経済新聞社)
⇒日本経済新聞社のプレスリリース。 - 生成AIの記事無断利用、著作権法に「隙」 探る最適解(2025年8月26日:日本経済新聞)
- 日経・朝日、米AI検索パープレキシティを提訴 著作権侵害で(2025年8月26日:日本経済新聞)
- 「紳士協定」かいくぐるAIボット 悩む報道機関、相次ぐ訴訟と連携(2025年8月26日:朝日新聞)
- 「野放図な著作権侵害に歯止めをかけたい」朝日新聞と日経新聞が米・生成AI事業者を共同提訴 “記事の無断利用”で計44億円の損害賠償請求(2025年8月26日:日テレNEWS)
- 日経・朝日「AI検索で著作権侵害」、米新興側は争う姿勢 地裁で初弁論(2026年5月14日:日本経済新聞)
声優・津田健次郎氏によるTikTokへの訴訟(日本)
■出典・関連リンク
- 「ツダケンの声がする」のコメントも立証材料に…生成AIの「声の権利侵害」訴訟の争点は「類似性」(2026年5月23日:読売新聞)
【 2.AI生成コンテンツの権利に関する訴訟の一覧 】
AI画像の無断使用によって発生したAIコンテンツの著作権付与に関する訴訟(中国)
| 原告 | AI画像の作成者 |
| 被告 | AI画像の転載者 |
| 裁判所 | 北京インターネット裁判所 |
画像生成AIで作成された画像の無断転載者に対し、訴訟を提起しAI画像の著作物性と著作権侵害が認められたケース。
原告となるAI画像作成者は、画像生成AI「Stable Diffusion」を用い「春风送来了温柔(春風が優しさを運んでくる)」という名の画像を作成。原告はその画像を中国のSNS「小紅書(RED BOOK)」にアップロードした。その後、バイドゥ(百度)が運営する創作プラットフォーム「百家号」で、被告側が発表した文章「桃の花の中の三月の愛情」内に原告が画像に付した署名が取り除かれる形で利用されているのを発見し、北京の裁判所に損害賠償を求める訴訟を提起した。2023年11月、裁判所は画像の著作物性と著作権侵害を認める判決を下した。
■出典・関連リンク
- Beijing court’s ruling that AI-generated content can be covered by copyright eschews US stand, with far-reaching implications on tech’s use(2023年12月1日-South China Morning Post)
- 【中国】【著作権】AIが生成した画像の著作物性と著作権侵害が初めて認められた中国の裁判例(2023年12月12日-TMI総合法律事務所)⇒日本語での本訴訟の解説記事。
【 3.個人データに関する訴訟の一覧 】
イリノイ州住民によるLensa AI開発元への訴訟(米国)
| 原告 | イリノイ州の住民グループ |
| 被告 | LensaAIの開発元|Prisma Labs |
| 裁判所 | カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所 |
2023年2月15日、Prisma Labs社が提供する画像生成AIを用いた画像編集アプリ「Lensa AI」がアメリカ・イリノイ州の住民グループより訴訟を受けた。訴状によるとLensa AIアプリ内の機能「Magic Avatars(マジックアバターズ)」において、許可なしにユーザーの顔の形状を収集した上でそれらのデータをPrismaのAIニューラルネットワークの学習に使用してデータを違法に保存しており、これはイリノイ州の「イリノイ州生体情報プライバシー法(BIPA)」に違反しているとの事。
■関連リンク
- 訴状(PDF)
- AI-generated art “Magic Avatars” company sued for biometric theft(2023年2月15日-Loevy&Loevy法律事務所)
- Lawsuit Alleges Lensa.ai App Illegally Took Users’ Biometric Data(2023年3月16日-PetaPixel)
個人情報に関連したOpenAIへの訴訟(米国)
| 原告 | クラークソン法律事務所が主導する原告団 |
| 被告 | 生成AI等開発企業|OpenAI |
| 裁判所 | カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所 |
2023年6月28日、クラークソン法律事務所は、OpenAI社が開発したチャットボット「ChatGPT」を訓練するために用いたデータセットが無数の人々の著作権とプライバシーを侵害しているとして集団訴訟を提起した。
■関連リンク
- 訴状(PDF)
- ChatGPT開発のOpenAIがAI学習用データをめぐって集団訴訟を起こされる(2023年6月30日-GIGAZINE)
- OpenAI社、また訴えられる(2023年7月6日-GIZMODO)
画像管理サイトPhotobucketへのユーザーによる訴訟(米国)
| 訴訟名 | Pierce v. Photobucket, Inc. |
| 原告 | Photobucketのユーザー |
| 被告 | 画像管理・動画共有サービス運営|Photobucket |
| 裁判所 | コロラド連邦地方裁判所 |
■出典・関連リンク
- Photobucket opted inactive users into privacy nightmare, lawsuit says(2024年12月12日:ars TECHNICA)
LinkedInへのユーザーによる訴訟(米国)
| 訴訟名 | De La Torre v. LinkedIn Corporation |
| 原告 | LinkedInのユーザー |
| 被告 | SNS運営|linkedIn |
| 裁判所 | カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所 |
2025年1月22日、米国のビジネス向けSNSである「LinkedIn」に対し、同サービスのユーザーらが「プライベートな電子メールが生成AIモデルの訓練のため、無断で開示されたのは違法」と主張し損害賠償を求める訴訟をカリフォルニア州の裁判所に提起した。原告側のユーザーは有料プランである「プレミアム」の顧客で、個人情報の無断開示は契約違反である事、カリフォルニア州の不正競争防止法違反、連邦保存通信法違反などを主張している。この訴訟に対し、LinkedIn側は「根拠のない虚偽の主張だ」と反論。
■出典・関連リンク
- Microsoft's LinkedIn sued for disclosing customer information to train AI models(2025年1月23日:ロイター)
- 米リンクトインを集団訴訟で提訴、個人情報をAI開発に無断提供(2025年1月23日:ロイター)
- LinkedIn accused of using private messages to train AI(2025年1月23日:BBC)
【 4.重大な事件・事故に関する訴訟の一覧 】
【 5.その他の訴訟・法的対応 】
ラジオ司会者によるOpen AI訴訟(米国)
| 原告 | ラジオ司会者|マーク・ウォルターズ |
| 被告 | AI開発企業|Open AI |
| 裁判所 | ジョージア州グウィネット郡上級裁判所 |
2023年6月5日、米国ジョージア州のラジオ番組司会者マーク・ウォルターズ(Mark Walters)氏が、AI開発企業であるOpenAIに対し名誉棄損の疑いで訴訟を提起した。ジャーナリストであるフレッド・リール(Fred Riehl)氏がOpenAIが開発・運営するAIサービスChatGPTに対し裁判に関するPDF資料の要約を生成するよう指示した所、「マーク・ウォルターズ氏が非営利団体から500万ドルを超える資金を横領した」との内容が含まれていたという。ウォルターズ氏に関してそのような事実はなく、詳細は不明であるもののこの誤った要約内容がウォルターズ氏に伝わり今回の訴訟に至ったとされる。
■関連リンク
- 訴状(PDF)
- OpenAI sued for defamation after ChatGPT fabricates legal accusations against radio host(2023年6月9日-The verge)
コミッションサイトSkebによる開示請求訴訟(日本)
2023年5月18日、生成AI製作品の納品を禁止している日本のコミッションサイト「Skeb」が、AI製作品を検出するために行っている諸対策を突破するための方法をブログに公開し、営業権の侵害等をしているとされる人物に対し発信者情報開示請求訴訟を提起した。
「コミッション」とは、イラストレーターなどの個人クリエイターが、個人クライアントから有償で依頼を受け希望に沿ったイラストやボイス等を納品する海外発の文化である。Skebはクリエイターとクライアントの仲立ちをする「コミッションサイト」であり、何かとトラブルがありクリエイター不利になりやすいコミッションにおいて、クリエイター=クライアント間のやり取りを最低限にしクリエイター有利の環境を構築した事でヒットした。
Skeb社は以前よりクレジットカードの不正利用等のために同サービスを悪用されることに対し対策を行ってきた。しかしながら2022年後半より本格的な画像生成AIが次々と登場したことにより、実際に人間が描いたものなのか悪用を意図してAI製画像を使っているのか識別がより難しくなったとされる。この状況に対してSkeb社は人間の目による識別作業を行ってきたが、加えて米国企業が開発したAI製画像識別AI「HIVE」を導入したと2023年3月1日に発表。
約2か月半の5月18日、HIVEの検出を逃れる方法をブログの記事として公開していた人物に対し発信者情報開示請求訴訟を行った(発表は6月30日)。該当する記事はその人物が自主的に削除したものの、発信者情報を保有しているプロバイダから情報の提供を受け次第、当該人物に対する営業権侵害等を理由として損害賠償請求等の法的対応を実施することを検討しているとSkebは明らかにした。
同年9月22日、Skeb社による申し立てが裁判所に認められ、サイト管理者に対し情報開示を命じる仮処分が決定した。
本事件は生成AIの存立にかかわる法的な動きではないものの、日本で行われた画像生成AI・生成系AI関連の法的対応の事例として記述した。
本wikiのページ「画像生成AI・生成系AIに対する各種プラットフォーム等の反応・対応まとめ」にも記述有り。
■関連リンク
- イラスト生成AIを用いたSkebの不正利用への対応につきまして(2023年6月30日・9月22日追記-Skeb)
フロリダ州の女性による対OpenAI訴訟(米国)
| 原告 | フロリダ州の女性 |
| 被告 | AI開発企業|Open AI |
| 裁判所 | カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所 |
■関連リンク
- 訴状(PDF)
- OpenAI sued for kickstarting the robot apocalypse(2024年2月28日-daily dot)
教育テクノロジー企業CheggによるGoogleへの訴訟(米国)
メディア企業ペンスキーメディアによるGoogleへの訴訟(米国)
■出典・関連リンク
- ローリング・ストーン誌、グーグル提訴 AI要約は「違法」と主張(2025年9月16日:朝日新聞)
- 「Rolling Stone」発行元のPMC、Googleを提訴 「AIによる概要」でトラフィックが激減と主張(2025年9月15日:ITメディア)
【 5.裁判に関連する記事・資料など 】
権利者とAI企業の裁判について
⇒米国の団体Copyright Allianceが作成したAIと著作権に関する記事の一覧。裁判に関する記事もある。
- AI and Copyright in 2023: In the Courts(Copyright Alliance-2024年1月4日)
⇒2022年から2023年にかけて米国で発生した生成AIに関する裁判を一覧としてまとめた記事。
- Mid-Year Review: AI Lawsuit Developments in 2024(Copyright Alliance-2024年7月25日)
⇒2024年中旬までに起きた米国での生成AIに関する裁判の状況をまとめた記事。
- Insights from Court Orders in AI Copyright Infringement Cases(2024年12月12日:Copyright Alliance)
⇒米国において発生した権利者とAI企業の訴訟について、主要な3つの訴訟の展開を予測した記事。
米国の裁判制度について(編集中)
編集中
