滋賀・受験報告

2010年1次


総合問題
物理10+化学10+生物30の全50問マークシート選択問題
消費時間の短い 生物→化学→物理の順に解くとやりやすい

物理:高校物理が大部分。大学教養は少しだけ。選択式なので、自力で答えを導出せずに消去法で解くと時間がかからない
問1 モーメントの問題。モーメントIの滑車に質量mのおもりとバネ係数kのバネついた単振動。大学教養の範囲。
問2 両端におもりが付いたバネの単振動
問3 流体が管内を流れるとき、管が流体から引きずられる力は管の半径の何乗に比例するか?暗記問題。大学教養の範囲。
問4 電気抵抗回路
問5 コンデンサの直列と並列の足しあわせ
問6 同心円状の電極の電気容量。まともに解くと大学教養。消去法で解くと高校物理。
問7 電磁誘導で流れる電流の向き
問8 電子の質量エネルギー。MeVで。暗記問題。
問9 忘れた。メモなし
問10 チャネル電流をイオン個数に換算。

化学:有機化学と生化学中心。かなり難しい
問11 緩衝溶液でNaOHを加えたときのpHグラフ
問12 熱力学エントロピーの偏微分の式
問14 立体化学。R体S体。E体Z体。
問15 活性酸素の酸素原子の酸化数
問16 クエン酸回路分子のメチレン基-CH2-の数え上げ
問17 3段階にわたる有機化学合成
問1? コカインの複素環化合物

生物 高校生物の範囲内の問題と、範囲外の問題が両方。なんとなく、正解の選択肢だけ難易度が低いように感じた。引っかけだったら爆釣り。

外国語(英語)
文法31-35問、読解15-19問の全50問マークシート選択問題
時間配分は文法1問1分、読解は12分+12分が適当か。

文法
空欄に入る語句を選ぶ選択問題と、1文に4つ下線を引いてあり誤りを含んだ下線を選ぶ問題。語彙力や読解力は問われない。
挿入句、重文複文がたくさん入った1文の構文構造を見抜く。文法が得意な日本人でも難しい。

読解
A4用紙で2/3頁程度の文章が2つあり、1文章につき問がそれぞれ7-9問。文章量は少なめ設問数が多い。
1つめの文章は、二酸化炭素排出の問題。
計算上、二酸化炭素排出削減は技術進歩ではどうにもならないという話。
ありがちな「技術革新も大事」「みんなの心がけが大事」という論旨ではないので、ちゃんと文章を読んで筆者の主張を読解する必要がある。
あまり専門的ではなく一般大学入試でもありそうな感じ。
もう1つは、朝型夜型は概日時計の遺伝子で決まっているという話。
分子生物学の総説なのでピペドは解ける。概日時計の遺伝子の話を知っていると有利。

(30-561)
とにかく時間が足りなかった。
化学は例年と違って、有機化学の知識がないとなかなか解けない問題がほとんどで
生物は高校ー大学レベルの基礎問題とマニアック系のミックスでした。
英語も例年と比べて難易度が高いみたいで、とくに文法のほうは非常に読みにくいand長い文章ばっかりでした。
全体的に得点は低いで英語の出来で決まるでしょう。


2010年2次


1次試験の合格者は50名。最終合格者は入学辞退を除いて17人。辞退を考えると最終倍率は約2.5倍。

小論文I(90分)
大問が2つ。1つは骨の解剖学。もう1つは肥満についての人口統計。
下書き用紙が配られるが不要。
小論文というよりは、むしろ理科の記述式問題といったほうが良いかもしれない。

大問1
ハトとウシの骨格図と主な骨の名前を提示され、生態学の観点から両者の違いを、頭部、頚部、前肢、胸部、後肢についてそれぞれ比較する。
1部位について7行の回答スペースが与えられる。

ハトにはクチバシがあるとか、ウシには角があるとか、常識的事項を当たり前と思って無視せずに、クドクド書くのがポイントと思われる。
あくまでも違いに絞って説明することに注意。共通性を書くことは求められていない。
また、生態学の観点からと指示されているので、ハトは空を飛ぶ→頭が流線型、肋骨が少なくて軽い、ウシは草食→胃腸が長く肋骨が多い、蹄があり捕食者から逃げやすい、というように、常識的な知識を解剖学的特徴に絡めて説明する。
実験レポートでたくさん分量を書いたことがある人は有利。

大問2
肥満について。
図1 各国のBMI値30 kg/m2以上の割合。
図2 アメリカ合衆国の男女別のBMI値30 kg/m2以上の割合の推移
図3 日本国の男女別のBMI値25 kg/m2以上の割合の推移
図4 各国のBMI値の分布の傾向

問1:図1から図4において読み取れることを説明せよ。
問2:肥満とは何か、あなたの定義。また、過度の肥満とは何か、あなたの定義。
問3:図1から図4を踏まえて、どのような肥満対策が有効か。

回答欄は大問1とおなじ総量。各問につき12行のスペースが与えられる。

小論文II(90分)
引用
ドクターズ・マガジン2010年04月号
病いを語ること─ディペックスのめざすもの 別府宏圀
特定非営利活動法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン
ドクターズマガジン、(125):2、2010.

引用文献を踏まえて、医療者にとってのディペックスについて、あなたの意見。
ディペックスとは、簡単に言えば、闘病体験インタビューのデータベース
横書きの原稿用紙が1600文字分と、下書き用紙が2枚配られる。
時間配分は65分下書き+25分清書が適当か。
ノンストップで下書きを書いて、清書して時間ぎりぎり。
書く速度に自信のない人や、考えるために手が止まることがある人は、下書きは使わない方が賢明かもしれない。
「医療者にとってどうか」とテーマが限定されるため、書く材料を多岐にふくらませないと1600字を埋めるのがキツイ。
しかし流石1次試験通過者というか、大半の受験者が解答用紙をほとんど埋めていた。

面接(15分)
個人面接で、面接官は3人。口調は穏やか。面接室は5室有り、だいたい受験番号順に面接の順番が回ってくる。
質問は、「なぜ滋賀医大か」「なぜ医学部か」「臨床か研究か」「希望する科は」「あなたの経歴は」「20歳くらいの若い学生と仲良くやっていけるか」「臨床の体力はあるか」「わがままな患者さんとの付き合いをどうするか」「リーダーシップの経験は」といった、ごく普通のものばかり。
志望動機書も推薦書もないので、自分の経歴を紹介するだけで5分は費やしてしまう。
面接官はそれぞれが簡単なメモを取っていた。面接で差が付くとは、余り思えない。

滋賀医は、マークシート受験に耐える学力があり、文章量を書き慣れている人にとって向いているといえる。
面接は本当に時間が短く、実質12.3分で終わってしまう
質問事項も本当にありきたりなもの
話はしっかり聞いてくれていたが、何度も時計を見る素振りをしていたし、
突っ込みを入れるよりとりあえず時間通り受験生を掃くことを優先している感じがあった。
面接に配点があるのかすら怪しい。
1次試験の理科の難易度を考えると2次進出者はほとんど理科6割英語9割辺りの団子の状態だろうし、
正直、滋賀の合否は小論文で決まると言っていい

その小論文も例年通りの小難しい実験考察問題は姿を消し、あまり文理のバックグラウンドの差がでにくい題目となった。
滋賀の1次試験の理科は年々難易度が上昇傾向にあり、滋賀の受験生層を考えるともはや今のレベルではできる人もできない人も対して差が出ない
英語さえできれば1次は受かる
2次もほとんど行き当たりばったりの勝負になるし、
編入学生に帰国子女が多いのもうなずける
国際交流を精力的に行う大学なだけに、理科より英語という感じなんだろうか。



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最終更新:2010年07月10日 00:51