ひゅうががたごえいかん
艦種 |
ヘリコプター搭載護衛艦(DDH) |
艦名由来 |
旧国名 |
建造期間 |
2006年~2011年 |
就役期間 |
2009年~就役中 |
次級 |
いずも型 |
排水量 |
基準:13,950トン |
満載:19,000トン(推定値) |
全長 |
197m |
全幅 |
33m |
高さ |
48m |
深さ |
22m |
吃水 |
7m |
機関 |
COGAG方式 |
LM2500ガスタービンエンジン (25,000ps) |
4基 |
推進器 |
2軸 |
電源 |
ガスタービン主発電機 (2,400 kW) |
4基 |
速力 |
最大30ノット |
乗員 |
約340~360名 |
兵装 |
高性能20mm機関砲(CIWS) |
2基 |
12.7mm重機関銃M2 |
7基 |
Mk.41 mod.22 VLS (16セル) • ESSM 短SAM • VLA SUM を発射可能 |
1基 |
HOS-303 3連装短魚雷発射管 |
2基 |
艦載機 |
SH-60K哨戒ヘリコプター |
3機 |
MCH-101掃海・輸送ヘリコプター |
1機 |
最大積載機数 |
11機 |
C4I |
MOFシステム |
GCCS-M |
NTDS(リンク 11/14/16) |
OYQ-10 戦術情報処理装置 |
レーダー |
FCS-3 多機能型 |
(捜索用、FC用アンテナ各4面) |
1基 |
OPS-20C 対水上捜索用 |
1基 |
ソナー |
OQQ-21 統合ソナー・システム |
電子戦 対抗手段 |
NOLQ-3C 電波探知妨害装置 |
Mk.137 デコイ発射機 |
6基 |
曳航具4型 対魚雷デコイ |
2基 |
海上自衛隊公式紹介動画
概要 Version2
ひゅうが型の特徴といえば、やはり
おおすみ型輸送艦と同じく全通甲板を採用したことと、FCS-3を始めとした電子装備を増強したこと、大きな船体容積と搭載ヘリコプターにより強力な人員物資の輸送能力を持たせたことでしょう。
災害派遣や強襲揚陸などの任務にもより柔軟に運用でき、従来の護衛艦に較べて極めて多用途化されていること、そして戦後海上自衛隊で初めて旧国名を冠したことであろう。旧国名はかつての戦艦に冠される名前でした。
全通甲板で旧国名ということもあって国内の期待は大きいものでしたよそれは。
はるな型には出来ない複数機同時発着艦出来るんですもの。
FCS-3を初めて搭載したのは「ひゅうが」です。
他にもQYQとかのシステムを艦内に張り巡らされた光ファイバーネットワークで連接し、1つの大きな戦闘システム”ATECS”として構築しております本艦。
複数のシステムを接続して"ATECS"という1つに纏めるシステムの初代が「ひゅうが」。
これが
あきづき型、
いずも型、あさひ型まで、その構成は「ひゅうが」から継承されております。
もはや海自の戦闘システムの礎を築いたと言っても過言ではない。
ではまずどのようにして生まれたのかを辿っていこう。
ひゅうが型は当初、全通甲板ではなく、それはもう摩訶不思議な形になる予定と発表されておりました。
それがこちら
今皆の気持ちは一つになったことでしょう。
なんだこれは……
えー、実はこれ前任者さんの発表したひゅうが型の設計です。
なんというか前級のしらね型の面影がありますね。砲を取っ払って前も甲板にしたって感じでしょうか。
まぁ気持ちはわかります。当時全通甲板の護衛艦は1隻もないんですもの。
その上で周辺国や左な方々が全通甲板の護衛艦誕生なんて日には侵略だーとか空母だーとか面倒なことになることでしょうよ。実際なったよ。
恐らく諸外国および国内の色々喧しい相手向けの煙幕ですこれは。実際こんなの諸外国にはある。
でもねーよこれは。
ミリタリー初心者でもどんな不便が発生するのかわかるんじゃないですかね?
新担当者はこれみて「まいった」って
コメントしてたり。
私でもそう言うぞ。
事前の計算で最大10機。
もしローターの折りたたみ部分が故障するようなことがあっても、基地まで戻らずに現場で修理できるよう要求されました。
コレが幸いしてひゅうが型の任務の幅が大きく広がることに繋がったんです。
大は小を兼ねたミリタリー例。詳しくは後ほど。
次、四角と四角の間と後ろの四角のすぐ後ろあたり。ここに整備格納庫がある。
画像に書き込めたら良いんだけどね。権利的な問題で出来ないのでなんとか想像してください。
後ろのが大体20×20mあって、四角の間のは60×20mです。
エレベーターだけで合計40mもあるもんだから意外と格納庫は狭い。
それでも防火シャッターとか無視するならプロペラ折りたたんで10機行けます。
なんでそうなったかというと、それは波浪対策。
サイドエレベーターだと喫水に近いからね……簡単に波に艦載機とか人員とか流されちゃうのよ。
基本荒れ模様の日本海やら太平洋やらでの運用ですからね。他国の揚陸艦見たくはできんのです。
こういった理由で、満載排水量19,000t未満だから堅実なインボート式一択だったと。
上の区画の近くにはMk41やらレーダー関係やら宅目的区画、期間区画。あと450人ぐらいの生活スペースでしょ? 倉庫もある。他色々。
これ積み込みにアメリカ走ってそうな大型トレーラーで入れるんです。運転するのに大型と牽引どっちも必要なやつ。
基本は16セル中12が対潜、4セルに対空のが入ってる。
軽空母としてはかなり重武装な方です。いずもと建造費変わらないし。
こんなところにもしっかりしらね型の後継的な要素残ってますな。あれ主砲二基だったし。
ほら、駆逐艦だからさこの護衛艦。
他にも
20mmのCWISと三連装の短距離魚雷発射機と小型ボートようの重機関銃。あと対潜ヘリの運用と。
いいバランスじゃないこの護衛艦。
空母っぽくないよ? こんなバランス良い空母なんて他国にないよ?
ちょっと対潜を突き詰めてヘリの運用にパラメーター多めってだけなんです。
なんでこんな対潜振りステータスなのかというのも解説せねばなるまい。
時は1950年代。米ソの潜水艦が鰻登りに成長してる辺りです。
潜水艦も巡航ミサイル撃てますからね。 海中からいきなり出てきて核搭載した奴打ってきたらどうなるよと。
アメリカは大戦時に大量に作って余った正規空母と護衛空母を対潜空母にして結構強力な対潜哨戒網を作りました。
当然こんなの出来るのアメリカだけ。普通は空母が余るなんて事態は発生しない。どんなパワーワードだ正規空母が余るって。
ちなみに元正規空母の対潜空母は大体3,500人ぐらいになる。ひゅうが型9隻分の人員だね。
日本でこんなん無理に決まってんだろと。
で、アメリカ以外では小型の艦船で対潜水艦戦をどう効率よくやるかって方向に研究が進んだ。
ここでヘリコプターが着目されました。でも小型水上艦艇だと波浪が結構な問題に……
でも着艦して給油しなくてはならないわけで。
失敗すれば墜落、給油できなくても墜落。でも潜水艦が待ってくれるわけがないと。
コレの解決策を見つけたのはカナダ。
ベアトラップで2,600tのサン.ローラン級にヘリコプターを嵐の中でも着艦させられる能力を付与できるようになったんです。
これに大満足のカナダ海軍は5,000t級のハリファックス級の船体に中型ヘリコプター2機搭載できるヘリコプター搭載護衛艦を建造したわけです。
はるな型は1970年代なんだけど、アンドレア級やらモスクワ級やらが建造されてた1950年代の
自衛隊はCVHaという2万トン級の対潜軽空母の建造を検討してました。CVってのは空母で、Hでヘリ。 aはAllで、昔自衛隊が使ってた特殊記号。
ちなみにこの案はヘリコプター18機搭載予定。でも1961年に消失。でも海自の目標として堅持され続けたのです。
この後にはるな型としらね型の建造。また軽空母建造案が消えて、おおすみ型輸送艦を建造。
ここまで経てようやくひゅうが型となりました。やっとだよ。
時は2,000年。ひゅうが型の設計が進んでる中、世界のDDHの流れは軽空母っぽくないハイブリッドキャリアーに流れました。物資とか人員とかを運ぶ揚陸艦とヘリコプターの搭載とそれ用の区画が要求されてる艦ですね。
こんな中、イタリア海軍は「カブール」を建造。これ結構独特なポイントあります。
出典:ウィキメディア・コモンズ(
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b6/Cavour_(550).jpg)
ウェルデッキ廃止して揚陸艇は小さいのを左舷に引っ張り上げる。あと格納庫を航空機と車両共通にして艦尾右側にRORO可能なランプ設置。
さらに武装が32発の短距離ミサイルと2基の76mm単装砲。
これは地中海運用ですからね。結構島影多いもんだからミサイル艇対策です。紅の豚見ればわかるんじゃないかな。
排水量最大27,000tだけど速力重視で容積食うガスタービン採用。なんかイタリアこういうの多いよね。
あと軽空母として必要な格納庫容量に便乗者……つまり海兵隊とか避難者とか用スペースで300名分。これで揚陸艦としての能力を削った。
これがまー海上自衛隊にあんな形で出てくるとはねぇ……
でも着艦訓練やりました。
着艦からエレベーター。そして格納。
元からオスプレイ搭載前提だったのかって言う人いますがそうではない。
つまり、海兵隊が運用する最大のヘリをひゅうが型が搭載できるのであれば、当然オスプレイも搭載できて不思議はないと。
更に揚陸支援のために人員の輸送用に
CH-47を搭載することもある。
オスプレイみたいにローター折りたためないもんだから手動で取り外しです。大体30分ぐらいかかる。
オスプレイでは運びきれない大型装備はコレに頼るしか無いからしょうがない。
東日本大震災での活躍に、陸自との共同訓練。
建造時に想定してなかった任務に耐えられたのは、柔軟性のある全通甲板にあったと言って良いでしょう。
でも2万トン未満ですからね。容積には限界ありますとも。
当時22DDHと呼ばれてた艦船……つまりいずも型によってさらなる発展が期待されるようになりました。
これがDDHからひゅうが型までの系譜。ご理解いただけたでしょうか。
なお、海外の軽空母と同じくらいのサイズだけどハリアーとかF-35BのようなSTOVL機などの固定翼機の運用はまったく考えられていない。駆逐艦なんですからこれ。
例によって防衛省とかヘリコプター搭載護衛艦だって発表してるけど、実質ヘリ空母なんだからそう言っちまえという意見もあるんですが、国会で空母は保持しないって見解ですからね。そろそろ取っ払われそうですが。
ちなみにこのひゅうが型2隻の名前。大戦時は戦艦の名前です。
航空戦艦伊勢型の名を受け継いでおります。一番艦「伊勢」、二番艦「日向」。
ただの戦艦ではない。航空戦艦という、ロマンあふれる空母能力を持った戦艦である。世界で唯一の艦種です。
……まぁ運用できなかったんですがね資源とか色んな理由で。甲板には対空兵装やらドラム缶積み込みとかで便利だったそうですが。
海自になって一番艦と二番艦の名前が入れ替わっておりますが、ミサイルも撃てるしようやく本分実現と言ったところなのでしょうか。対艦じゃないけど。
作中での活躍
DDH-181 ひゅうが
正史通りに歴史が進んでいたら、本艦が
ロデニウス沖大海戦に参戦していたものと思われる。
だが、本艦は転移後の混乱により配置換えが遅れ所属が第1護衛隊群のままであった。
観戦武官などへのパフォーマンス等を兼ねた為、第3護衛隊群へは「
いずも」が参戦することとなり、本艦は四巻まで戦闘行動への参加は描かれていない。
DDH-182 いせ
なんで陸上自衛隊ヘリをの持ってったかというと、自衛隊に限らずヘリコプターの対艦ミサイルは小型船舶向けの大きくないやつだから。一番大きくて
ハープーンの半分ぐらいのやつ。自衛隊だとAGM-114ですかね。
対艦なんて無理です。 ……が、相手は木造船しかも全身爆薬庫の戦列艦。コレで十分となると、この手の攻撃を大量に投射できるのはやはり陸自の戦闘ヘリと。
随時加筆願います。
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〔最終更新日:2022年09月07日〕
最終更新:2022年09月07日 21:20