CH-47J/JA チヌーク

ちぬーく

日本国陸上自衛隊及び航空自衛隊所属の輸送ヘリコプター。実在する。

J型 JA型
配 備 1984年 1995年
価 格 約55億円
全 長 30.18m
胴15.54m 胴15.88m
全 幅 18.29m
胴3.78m 胴4.78m
全 高 5.69m
ローター径 18.29m(3枚×2)
全備重量 22,680kg
最高速度 267km/h
航続距離 約540km 約1,040km
上昇限度 2,673m 2,804m
運搬能力 機内搭載 約8.5t
吊り下げ 約12t
エンジン T-55-K-712ターボシャフトエンジン
出 力 3,149SHP(最大連続)×2
乗 員 3名(操縦2名/整備1名)+55名
開 発 ボーイング社(米)
製 造 ボーイング社+川崎重工(共同生産)

概要


製造は日本の川崎重工業。
2014年9月27日土曜日、長野と岐阜の県境の御嶽山が噴火。懸命の救助活動が続けられ、10月1日からは陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプターである本機が投入された。
2004年の新潟県中越地震で孤立した山古志村を救援したのも、2011年の東日本大震災で福島第一原発に空中から放水したのも本機である。

大体の人の認識は「大きなプロペラが二つあるヘリコプター」で、一番メディアに映る機会の多い自衛隊のヘリコプターだと思う。

本機はアメリカのボーイング・バートル社で開発されたヘリコプターで、愛称は「チヌーク(Chinook)」。名前の由来はネイティブアメリカンのチヌーク族。
アメリカのヘリコプターの愛称は大体ネイティブアメリカン系の用語。他にも歩兵師団とかここから名前持ってくるのがいくらかある。

では本機の解説に入ろう。
近代戦では機動力、つまり戦力をいかに迅速に送り込んで展開させるかが重要となる。現代では航空優勢の下で航空輸送力を駆使して素早く兵を展開することが勝敗の鍵となるとも言える。その航空輸送力の要の一角が本機である。
上の通り救助や救援物資の運搬で活躍しており、やはり自衛隊でも航空輸送力の要。

2013年に発生したフィリピンでの台風被害においては陸上自衛隊の本機が海上自衛隊の護衛艦「いせ」を海上拠点にして救援活動にあたりました。
このように従来の地上基地のみならず海上におけるヘリ空母を拠点に各種輸送作戦を遂行する能力を持つ。
ただし、大型なので整備は大がかり。ローターはクレーンで支え、移動式の足場を組んで整備員が3人がかりで外します。
「いせ」でも「いずも」でも、ローターはずさないとエレベーター乗らないぞ。30分ぐらいかかる。早くてね。

初飛行は1961年とかなり古い。昭和26年である。
本機はベトナム戦争にも参加。その後も改良されながら半世紀以上も生産、運用してる。「傑作機」と呼んでも言い過ぎということはないと断言する。

アメリカ陸軍や日本の陸上・航空自衛隊の他にはイギリス、スペイン、オーストラリア、カナダなど多くの国で採用されている。
基本軍用機だが、民間のも無いことはないらしい。

で、肝心の自衛隊機だが。
導入が始まったのは1986年。諸外国と比べたら遅い。
ここでポイントなのはボーイングが製造したのを輸入してるわけではないって辺り。
日本の場合は川崎重工業がライセンス生産を行っているというところ。

長年に渡って製造されている本機には様々なバリエーションが有る。
自衛隊が1986年、まず最初に導入したのがCH-47Dと呼ばれる改良型の機体をベースに、川崎重工業がライセンス生産したCH-47である。
川崎重工業の製造の自衛隊向けCH-47は、その後改良が行われ、1995年からはCH-47JAという航続距離距離や夜間対応性能などを向上させたバージョンが製造されている。

2013年度末時点で自衛隊が保有する奇数は陸自海自のJとJA……あとLRも全て合わせて71機である。
Jはどんどん改修か退役してる。
LRに関してはJ(LR)という表記されるのでだいたいJと同じと思えば良い。

野火消化器材Ⅰ型を装備可能。

陸自と空自が採用している大型輸送ヘリコプター「CH-47J/JA」はパイロット二人と機上整備員一名の他、55人が乗ることが可能。
機体サイズは全長30.18m、全幅16.26m、前高5.69mである。
ただこれは上のローターを含めたサイズで、それを除けば全長15.54mの全幅3.78mとなる。
またローターの直径は18.29mでそれを前後に一つずつ装備する形。

最高速度は時速約270km。
巡航速度は、CH-47Jは約時速270kmですが、改良型のCH-47JAは約時速260kmになっている。
遅くなってるやん……と思うだろうが、慌てるな。

航続距離がCH-47Jが約540kmでCH-47JAは約1040kmと大幅に向上している。
これはヘリコプターとしてはかなりある方。
また、実用上昇限度もCH-47Jは約2670mだがCH-47JAは約2700mである。

輸送能力に関しては、その機内に人員や車両や物資を搭載できる他、大きな物は吊り下げる形で運ぶことが可能。
ここで言う車両というのはだいたい高機動車か73式小型トラックなんか。
レンジャー部隊の空中降下なんかも出来る。本作ではコレが行われている。

福島第一原発への放水は7,500Lを運搬できる野火消化器材Ⅰ型を吊り下げ、上空で散水する形で行われた。
名前の通り山林火災等への対応を念頭に置いた装備である。
120mm迫撃砲とかの火砲も吊り下げ空輸出来る。

後人員を吊り下げたまま飛び去るなんてこともある。
エクストラクションロープっていうの使って作戦実施後に機体を着陸させないで隊員を離脱させる方法。早いほうが良いもんね。

武装は基本的には無い。
でも12.7mm重機関銃などを搭載できる海外派遣用のやつもある。過去には40mmグレネードランチャーと20mm機関砲と12.7mm4丁搭載した重武装のガンシップも作られたけどAH-1が開発されたことで、四機しか作られなかった。

近年、軍用の輸送ヘリと言えば「V-22 オスプレイ」に注目が集まっておりますが、オスプレイは最高速度約時速520kmで航続距離が約3,900kmと長距離と長距離高速輸送が特徴で、大型の車両輸送や大量の人員輸送に向いた本機とは性格が違う。
輸送力に関してはCH-47の方が優っているため純粋な意味での後継機とはならない。
ちなみに配備から年数は経つが、後継機に関しては決まっておらず当面は貴重な輸送手段として現役のままだと思うぞ。

他に主要な能力と言えば、実は水密構造になってて海やら湖やらへ着水できたりすることだろうか。もちろん水没したらヤバイが。
エンジン停止してもローター自体は回転し続けるから、段々と高度は下がるけど冷静ささえ保ってれば回転が止まる前に着陸できる。水上でも上記の通り。
だから基本コレに乗って死ぬということはないから安心してほしい。

というかこいつは万が一片方の機関が停止しても互いの動力軸が連結されてるからローターが回転を続けることができる。そんな片発停止時の緊急出力は4,626馬力まで出力が向上。

よほどのことがない限りこいつは落ちないし、落ちても死にはしない。
とは言え撃墜例もあるにはある。
自衛隊機では当然無いが、2011年にアフガニスタンでアメリカ陸軍のがRPG-7で撃墜されてる。当然コレは死者が出た。
それとガンシップ型は4機中3機が墜落してる。その内2機は事故だけど。
……自衛隊の国際任務対応機には一応フレアとか付いてるから……それでも万全とは言えないが。

ちなみに、これ乗ろうと思えば乗れる。当然だが、災害時に自分が救助される立場になるなんてのではないぞ。
自衛隊の基地でちょくちょく体験搭乗イベントが有る。ただその目的から、近隣の住民限定だったり親子限定だったりと、簡単かというとそうでもないが。

でも航空祭とかのイベントで着陸してる本機の内部へ入れることがたまにある。こちらは簡単に見学できるぞ。
その内部は軍用機らしく、装飾などを省いた無骨な感じ。剥き出しの配線とかあるぞ。

ただし……
本機のローターは斜め前方に傾いて配置。
操縦桿が最も下げ舵の場合、地上から130cmほどの高さまで下がる。
つまりだ。機首より前方は危険。接近すると怪我じゃすまないかもしれない。

散々書きましたが、輸送能力が高いもんだから災害派遣に使われることも多いわけで、災害時には民間人が搭乗するなんてのよくあること。
近づく時は乗組員や地上誘導員の指示に絶対従うこと。
間違っても機首前方だめよ。下手したら真っ二つよ。入り口後ろにあるから前に近づくなんてことは無いと思うけど。

さて、陸自機と空自機がそれぞれあるわけだが、違いはわかりやすいところだと迷彩。
上と下の写真を見比べれてください。それ以上わかりやすい説明はないと思う。
基本的にどちらも輸送ヘリだがやはり配備先が違うと差も出てくる。

陸自機は夜間作戦能力がある。海外派遣任務用に防塵装置とか、自己防衛装置の類……ミサイル警報装置とかと、特殊防弾板に衛星電話とか追加したやつがある。JAがこれ。どんどん改修してる。
あと後部ランプドアとか、非常脱出ドア、後部ハッチと側面ドア部分に12.7mm重機関銃M2の銃架がある。

つまり敵に狙われた時用の装備が多数と。
配備先は第十二旅団、15旅団、第1ヘリコプター団、西部方面ヘリコプター隊、それと航空学校。

一方の空自機はというと、航空救難団に配備されてて、平時はレーダーサイトとか見晴らしの良いところへの物資運搬。レーダーサイトは輸送トラックだと運搬が効率悪いようなところにあるので。
非常時は救難ヘリになって被災地とかへ物資とか運ぶ。救難ホイストついてる。
あと燃料タンクは空自機のほうが大きい。

陸自機と違って後ろの方に姿勢制御装置……積み下ろし楽々装置と思えば良いよ。それと救助用のホイストがついてる。
こっちにはJAは無い。ただそれに準じた機体であるCH-47J(LR)というのになってて、Jはどんどん廃止。今はLAしか無い。
敵に狙われた時用の装備がないんだな―ぐらいに思えばよいです。
というか戦場で使うことを想定してない。そもそも航空救難団への配備だし。


※出典:航空自衛隊ホームページ (http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/all_equipment/CH-47J/index.html

日本国召喚での活躍


初登場は1巻。
パルン他名もなき村の避難民の救出のためAH-1Sと共に出動しているのが確認されている。
コミカライズ版では描写されている場面では、CH-47Jから部隊を展開・救助活動している様子が見られる。
また、ロウリア王捕獲作戦時に陸上自衛隊第1空挺団とSATによるヘリボーンにて本機が使用されている。
陸上自衛隊機のAH-64D1機の支援を受けながらUH-60JAより一個小隊が降下して円形防衛陣を、続いてCH-47JAより空挺隊員が降下空挺堡を確保、このあとでSATが降下という流れであった。なおコミカライズ版だとこの場面では登場しておらずUH-1Jが代わりに登場している。
空自機は登場してない。

バルーン平野の戦いでは、名称こそ出ていないが「細長い箱の上の前後で、ぐるぐると何かが回転する、数機の飛行物体」という日本の航空機が、百田 太郎率いる日本国陸上自衛隊国際派遣部隊先遣隊を輸送している描写がある。
特徴からして間違いなくCH-47だろう。この際に計8台の高機動車と軽装甲機動車を空輸しているため、最低8機が投入されたと思われる。

シルカーク王国でも運用されている。この時は、首都タカクでは飛行場の設置は国内法の関係で未整備状態のため、ヘリポートしかなく、自衛隊の公務用定期便として運用されている。しかし、そのためにシルカーク王国にやってきたクルセイリース大聖王国の人々に盛大な思い違いをさせてしまう。
他、あったらお願いします。
関連項目
装備日本自衛隊SAT

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過去のコメント
  • JA型でも最近調達されているのはCH-47Fを元にしている。 - 名無しさん (2019-02-27 18:09:54)
  • 日本からシルカーク王国への公務用定期便として運用されているとのこと。 - 名無しさん (2022-04-22 04:09:58)

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〔最終更新日:2023年02月23日〕
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最終更新:2023年02月23日 11:22