ちょうおんそくすてるすじゅんこうみさいる
日本国が
パーパルディア皇国との戦争後、防衛政策を変更した際、自国以上の技術力を持つ国家に対応するために研究をはじめた兵器。未登場。
ここではどのような兵器なのかを紹介する(原作未登場であり、登場時は全く違う概念の兵器である可能性もあるため、参考程度です)。
概要
文字通り、超音速で飛行する巡航ミサイル。なお、勘違いされるが、昨今の超大国で問題となっている戦略兵器の極超音速滑空体とは別物なので誤解しないように。
現実世界で有名なところだと、ロシア・インド共同開発の
ブラモス、フランスの
ASMP(戦略核)巡航ミサイルがある。
日本における近いコンセプトのものとしては、2010年より研究・開発を開始し、2018年1月に完了したASM-3の射程距離延伸型として2020年度から開発を開始した「ASM-3(改)」がある。
超音速ミサイルについて
(参考情報 ASM-3)
|
ASM-3 |
開発開始年 |
2010年 |
開発完了年 |
2018年 |
価 格 |
不明 |
直 径 |
0.35m |
全 長 |
5.25m |
全 幅 |
1.19m |
射 程 |
140?〜200km+ |
推進方式 |
インテグラルロケットラムジェット |
誘導方式 |
中間:慣性+GPS、終末:アクティブ・パッシブ複合レーダー |
速 度 |
約マッハ3 |
開 発 |
防衛装備庁 |
備 考 |
2020年より射程400km+の射程延長型の開発開始予定 |
この手の超音速対艦ミサイルの概念は意外と古く、今から40年以上前のソビエト連邦時代にまで遡る。
まだイージスシステムが登場していなかったものの、太平洋戦争の戦訓を得た
アメリカ合衆国海軍の機動部隊の防衛力は強靭かつ広大になっており、特に艦載機や早期警戒機などの複層的防衛網に対して、従来の潜水艦や艦艇では太刀打ちできないと見積もられていた。
それに対する回答として、対艦ミサイルの飽和攻撃と共に「迎撃可能時間を減らすことで対処可能数を減らす」「超長距離からのロングレンジで攻撃母機の被発見率低下」を達成するため、超音速で長躯飛翔する対艦ミサイルの開発がなされた。
それがP-6から始まる超音速対艦ミサイル群である。ちなみにソ連は同時期、戦略・戦術兵器問わずに超音速兵器を多数開発しており、純粋に超音速志向だっただけなのかもしれない。
とにかく、イージスシステムが登場して艦隊全体の防空能力が上昇した1980年代以降も、P-700やP-270といった超音速対艦ミサイルはソ連の十八番となり、終始西側諸国に対して脅威を与え続けていた。
ただ、このときのミサイルはいろんな意味ででかかった。
というのも威力・射程共に当時存在していたありとあらゆる戦闘艦艇を一撃で戦闘不能ないし撃沈する性能を秘めていたものの、その図体は甲板をかなり占有する大きさ。
何より射程が数百kmを超え、そのコンセプトからしてレーダーて探知不可能な距離から発射する、つまり初期から中間誘導がほとんど他人任せになるという代物。
冷戦末期に登場したP-700は、アメリカ海軍の機動部隊を撃破する対艦ミサイル飽和攻撃ドクトリンの集大成ともいえるが、7t近くある重量、軍事衛星や航空機をフル活用しての中間誘導、大量のミサイルを自律指揮する編隊長システムetc・・・
とにかく、キーロフ級ミサイル巡洋艦(サイズは巡洋戦艦クラス)やオスカー級原子力潜水艦(外殻と内殻の間に挟み込む様に24発(片舷連装発射筒×6基) 搭載している水中排水量14,500t~16,400tの大型原子力潜水艦)、アドミラル・グズネツォフ級航空巡洋艦(飛行甲板内にVLS方式で12発搭載している空母)ぐらいしか積めず、妨害されるであろう軍事衛星や撃墜されるであろう偵察機の誘導がないと標的を探すこともおぼつかないという、最終戦争での艦隊決戦でしか使えない、というかそんなときにまともに使える保障が皆無な大規模システムになってしまった。
戦術兵器だったのに何故か戦略兵器クラスのコストになったP-700は、本当にデカブツだったのである。
代わりに空対艦ミサイル系統、またはP-700より性能が控え目だったP-270は比較的使い勝手がよかったために大量に生産されている。
また、P-700を元に設計されたP-800は、射程をP-700の約半分である300km程度に抑えて使い勝手を良くし、更に電波吸収材を採用するなどの改良が施されて、ロシア海軍の主力長距離対艦ミサイルになっている。
なお、現在も運用されているP-500及び改良型のP-1000は、上記のP-700を超える1,000kmもの射程を誇る。
尤もさらなるデカブツになっており、重量はP-1000で10tに迫る。
誘導方式が指令誘導から完全自立型に変わっているので、脆弱性は低くなっているものの、筆者としてはこんなデカブツを誰に使うのか検討がつかない・・・(実際、装備している艦は片手で数えられるレベル。中にはキエフ級航空巡洋艦(空母)も混ざってる辺り、本当に謎である)
超音速ミサイルの威力のほうは弾頭性能・エネルギー計算などで諸説あるものの、対艦ミサイルは、ネットに出回っている映像によると標的艦とはいえ、
艦首から艦尾まで完全に貫いて炸裂している。
現代艦は装甲が薄いとはいえ鋼鉄船体相手にこの威力なので、もし実戦投入されたら第二次大戦時の戦艦クラスでも十分に通用すると思われる。
(装甲貫徹力は運動エネルギーに比例し、運動エネルギーは質量に比例し速度の2乗に比例する。ミサイルの速度が仮にマッハ3ならば、砲弾の命中時の速度の2倍弱になるので、質量が同じなら装甲貫徹力は3~4倍になる。
ハープーン等の亜音速対艦ミサイルに比べれば、速度が3倍以上なので10倍以上になる。)
ただし、基本的に弾頭はHEと徹甲の複合版のため、特別な調整をしていない限りは(徹甲弾頭でなければ)防御偏重の超弩級クラスの最重要区画を撃ちぬくのは厳しいだろう。
被弾した後、戦闘できる状態かどうかはさておき。
ちなみに
ハープーンや
93式空対艦誘導弾は対鋼鉄船体用に半徹甲弾頭を採用しており、一般的な考察だと100mm程度の貫通力を持つらしい。
ASM-3のような超音速になると、飛翔速度倍でエネルギー量は桁違いに増えるので、もしかしたら・・・・
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〔最終更新日:2022年03月17日〕
最終更新:2022年03月17日 20:22