きゅうさんしきくうたいかんゆうどうだん
全長 |
3,980mm |
全幅 |
1,190mm |
直径 |
350mm |
重量 |
528.0~532.0kg |
動力 |
TJM2ターボジェットエンジン |
中間誘導 |
慣性誘導+GPS誘導(B型のみ) |
終末誘導 |
赤外線画像誘導 |
性能
最大速度 |
1,150km/h(M0.9) |
射程距離 |
170km(推定) |
概要
93式空対艦誘導弾は防衛省技術研究本部と三菱重工により開発された赤外線画像誘導空対艦ミサイルである。
80式空対艦誘導弾の後継として1986年から開発に着手し、1993年に採用された。開発経費は約118億円。
93式といっても酸素魚雷のことではない。注意すること。
特徴
ASM-2は
F-2への搭載を前提に母機と並行する形で開発されている。
モジュール構造を活かしたASM-1ファミリーの5番手で、少々乱暴だが先行して開発された
91式空対艦誘導弾の終末誘導方式を変更したもの、と考えると理解しやすい。
シーカー
ASM-2の最大の特徴は終末誘導に多くの対艦ミサイルで用いられているアクティブ・レーダー誘導ではなく、赤外線画像誘導を採用したことである。
赤外線画像誘導は雨雲の下等では目標を見失うことがあるという欠点があるものの、アクティブ・レーダー誘導への対抗手段である妨害電波やチャフによる影響を全く受けないという利点がある。
このため、アクティブ・レーダー誘導ミサイルと同時に運用することで相互の欠点を補い、より大きな戦果を挙げることが可能と考えられている。
また赤外線画像誘導であるため、フレアによる妨害を受け難いだけでなく目標の艦種識別もある程度可能で、艦隊の中から戦闘艦と輸送艦を識別して戦闘指揮所もしくは機関部を狙う、といった具合に戦況にあわせて攻撃目標を選択することもできる。
目標への突入要領はアクティブ・レーダー誘導ミサイルと同じだが、上昇前に目標を探知していても上空で再度捜索を行い、上記の目標識別機能により優先度が高い目標に向かって突入する。
終末誘導時、一定位置までシーカーが目標を探知できない場合は、周辺を旋回して目標を捜索させる事も可能で、設定された時間を超えても命中しなかった場合は自爆する。
アクティブ・レーダー誘導ミサイルとは異なり、弾体先端のシーカー部が
04式空対空誘導弾等の空対空赤外線誘導ミサイルと同様に乳白色のドームで覆われているのが外見上の特徴になっている。
なお、通常このドームには上の写真の様に保護用のドームカバーが取り付けられ、発射時に投棄される様になっている。
推進装置
推進装置はASM-1の派生型である
88式地対艦誘導弾や
90式艦対艦誘導弾、
91式空対艦誘導弾と同じTJM2ターボジェットエンジンを搭載しており、弾体後部下面に空気取入口が設けられている。
しかし、先行して開発されたASM-1シリーズより密度の高い燃料を採用する事で射程延伸を図っている。
弾頭・主翼
徹甲榴弾となっている弾頭の炸薬には焼夷材が加えられており、命中時に目標内部の可燃物発火を狙っている点がASM-1とは異なる。
炸薬自体も安全性の高いものになっており、保管・管理を容易にしている。
主翼や動翼は軽金属の芯材に電波吸収材製の外板を被せたステルス翼になっており、状況によって通常の金属製のものと使い分ける。
灰色主体で塗装されている他のASM-1シリーズとは異なり、母機のF-2と同じ洋上色で塗装されており、超低空飛行時の視認性を低下させている。
調達価格は1発あたり約1.5億円とされている。
2021年度予算から後述するASM-3にASM-3(改)の改修要素の一部を導入した射程延伸型であるASM-3Aの取得が開始されていることから、今後ASM-2BからASM-3系へ生産が切り替えられると思われる。
能力向上型・後継型の開発
2002年から能力向上型ASM-2の開発が開始され、2004年に「93式空対艦誘導弾(B)」として採用された。
ASM-2からの主な変更点は中間誘導にGPS誘導を追加したことで、誘導性能の向上が図られている。
また、データリンク機能を追加することで対地攻撃能力を付与したASM-2D/Lが構想されているが、開発までは至らなかった。
ASM-3
ASM-1の系譜に属さない新規開発の後継空対艦ミサイルとして、
アクティブ・パッシブ・複合レーダー誘導のシーカー、
インテグラル・ロケット・ラムジェット、
ステルス弾体といった新技術を採用した「
ASM-3」の開発が2010年に開始され、2018年1月に開発を終了した。開発経費はASM-2の3倍近い約325億円。
2019年3月に、2020年度から射程400km+の射程延伸型の「
ASM-3(改)」の開発に着手するとの報道があり、2020年度予算において開発予算161億円が計上されている。総開発費は約260億円、2025年開発完了の予定。
召喚日本においても、
グラ・バルカス帝国連合艦隊迎撃戦終了の時点でASM-3と思われる高速対艦誘導弾の開発が終了し、ASM-3(改)と思われる射程延伸型が開発中と語られている。
12式地対艦誘導弾能力向上型
ASM-3とは別にASM-1の系譜に属する誘導弾の開発も継続しており、SSM-1後継として「
12式地対艦誘導弾」が、次にSSM-1(改)を原型としてSSM-1B後継の「
17式艦対艦誘導弾」が開発・採用されている。
次にSSM-2を原型として「12式地対艦誘導弾(改)」と「哨戒機用新空対艦誘導弾」の開発が始まったが、2020年12月に12式地対艦誘導弾(改)をベースに長射程化、ステルス化、プラットフォームの多様化を図った新型スタンド・オフ・ミサイル「
12式地対艦誘導弾能力向上型」を2025年度まで新たに開発する計画が発表された。
令和4年度予算では上記の地上発射型(地発型)の派生型として艦艇発射型(艦発型)と航空機発射型(空発型)の開発費393億円が計上されており、前者は2026年度、後者は2028年度の開発完了を予定している。
その一方、哨戒機用新空対艦誘導弾の開発は当初計画通りに進められ、令和5年度予算から調達が開始されている。
作中での活躍
グラ・バルカス帝国の宣戦布告以降、艦対艦誘導弾と空対艦誘導弾のフル生産体制が組まれており、ASM-2の備蓄も進められている。
日・グ大海戦では10機のF-2から放たれた40発のASM-2が第1先遣隊第2艦隊旗艦「クウェーサ」等に命中し、
第二次新日本海海戦では日本本土攻撃のために
リーム王国から出撃した第44任務部隊44隻が15機の
F-2から放たれた60発のASM-2によって全滅させられている。
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最終更新:2023年05月17日 21:29