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819 :名無し募集中。。。:2012/06/16(土) 16:32:27.36 0

保全代わりに置いていく
691↓を見た生田の反応を妄想してみた


820 :名無し募集中。。。:2012/06/16(土) 16:33:19.25 0


その画像を見た瞬間、えりなは思わず椅子から立ち上がっていた。
その拍子に揺れた椅子がガタンと大きな音を立てたけど、きゃいきゃいと騒がしい楽屋の中では、その音となえりなの行動に注目したメンバーは、隣に座った聖だけ。
目を丸くしてえりなを見上げる聖の視線から逃げるように、慌てて座り直す。

「どうしたの?」
「な、なんでもない」

不思議そうな聖に平静を装って応えて、手の中のケータイに視線を落とす。
ケータイの画面に映るのは、新垣さんのブログ記事。

―――その中の、キャンディのように包まれたチョコを持つ新垣さんの画像。

タコさんのように尖った唇と何もセットされていない髪の毛が年齢にそぐわない幼さを醸し出していて、なんとも愛らしい一枚なのだけれど、その唇の下らへんが問題だった。
唇と手のひらの間から覗く胸元の襟ぐりが無防備に開かれていて、その下まで見えてしまいそうでとても危ない。

画像を見つめながら眉根を寄せる。

画像自体はとても可愛い。
新垣さんが写っているんだからそれは当然なのだけれど、その無防備な胸元が気に入らなかった。
だって、このブログはえりなだけが読むものじゃないのだ。
ファンの人や、もしかしたらたまたま検索した一般の方だって見てるかもしれない。

それなのに、こんなに無防備な写真を載せるだなんて。
それはつまり、不特定多数の誰かに新垣さんのこの無防備な姿を見られているという事だ。
えりな以外の誰かが。

胸の中がざわついて、すこぶる不穏な音を立てた。

可愛い新垣さんの写真が好きだ。
可愛い新垣さんをもっともっと色んな人に知ってもらいたいと思う。
こんなにも素敵な人なんだよと世界中の人に言って回りたいくらいに。

821 :名無し募集中。。。:2012/06/16(土) 16:33:42.50 0


だけどその一方で、こういう無防備な姿はえりな以外には見せて欲しくないと思うのも、それもまた事実だった。

だって、新垣さんはえりなのカノジョやもん。
カノジョのそんな姿は自分以外に見せたくないと思うのは至極自然な事だと思う。

そもそも、だ。
写真集の水着だって、発売された当時はえりなは新垣さんのただの後輩だったから、その時はただただ可愛いとしか思わなかったのだけれど、今見てみると少しだけ複雑な気持ちになってしまう。

ざらつく心を落ち着けるように下唇をきゅっと噛んで、新垣さんの写るケータイ画面を親指でそっと撫でた。

見て欲しいけど、見せたくない。
えりなだけが知っていたい。
えりなだけが見ていたい。触りたい。抱きしめたい。それ以上も全部、えりなだけが。

誰にも、渡したくない。

新垣さんに嫌われたくないから、直接言った事はないし、これからも言う事はないだろうけれど、新垣さんのそんな写真や映像が出る度に、えりなはずっと一人でこのモヤモヤを抱えていく事になるだろう。
だけれど、それは仕方のない事だとえりなはちゃんと分かってる。

だって、これはただの子供っぽい独占欲だもの。
大人になれないえりなが悪いだけの、ただ。

子供な自分に嫌悪して、画面を撫でていた指でぽんぽんと新垣さん頭辺りを叩いた。
ごめんなさいと心の中で謝りながらもう一度画面を撫でたら、ケータイがぶるぶると震えだして、画面に新着メールを知らせる文字が浮かび上がった。
その文字に続いて画面に映った送り主の名前を見て、ドキリとする。
つい今しがたまで、ずっと思いを馳せていたその人の名前だった。

手早くメール画面を呼び出して、文面に視線を滑らせて、―――えりなは、机に突っ伏した。
隣の聖が突然のえりなの行動に驚きの声を上げたようだったけれど、そんな事に構っていられなかった。


822 :名無し募集中。。。:2012/06/16(土) 16:34:19.25 0


口元が緩む。
頬が一気に熱を帯びてきたのが自分でも分かった。

そろり、と顔を上げて、もう一度メールに視線を向けた。


from:新垣さん
title:ぽん!
------------------
今日は収録だよね?
がんばれぇがんばれ
ぇ!
あたしはお稽古!い
ってきます!


ぽん大好きだょぉ!
へへへっ(*¨*)
------------------


新垣さんは、こうやって時々気まぐれに、大好きをつけてくる。
直接はほとんど言ってくれないから、時々突然に襲ってくるその言葉は、メールの文面であろうが破壊力は抜群だ。
締まらない頬をそのままに、画面をスクロールしていくと、新垣さんの写真が顔を出した。
朝撮ったのだろうか、部屋の中で布団に包まってピースしている新垣さんが、ケータイの小さな画面の中からえりなに淡く微笑みかけていた。
髪の毛もハネちゃって、目元はこれ以上ないくらいに眠たげだで、無防備を通りすぎたそんな表情に、たまらなくきゅんとする。

たぶんきっと、そんな表情を見れるは、世界中でえりなだけだ。
その事実に、さっきまでの子供のような嫉妬心がふにゃんふにゃと溶けていくのを自覚した。


823 :名無し募集中。。。:2012/06/16(土) 16:34:35.69 0


緩む頬をそのままにしていたら、唇の隙間から、んふふふ、と声が漏れてきた。
聖の訝しげな視線が頬に突き刺さってきたけれど、構わずにケータイを眺めた。

「……えりぽんキモイ」

最早聞きなれてしまった聖のその言葉に、いつもなら反論するのだけれど、そんな気持ちも湧かないくらいに、今のえりなの心はぽかぽかと温かくて、甘くて、幸福感でいっぱいで。
ひとしきり可愛い新垣さんを見つめた後、返信メールを打つためにえりなは指を動かし始めた。

えりなも新垣さんが世界で一番大好きだと伝えるために。


おわり

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最終更新:2012年11月29日 02:49
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