【獣王 カウィール(小神)】
聖印と神像
カウィールの聖印も神像も、全て黒曜石を研磨して作ります。
聖印は一見するとただの宝石の飾りにか見えませんが、その表面は鏡さながら磨かれており、
光を反射させることでカウィールの象徴であるジャガーの意匠を壁などに映すことが出来ます。
その神像は上半身はジャガーに似た獣の姿をした壮年の獣人です。
神格と教義
カウィールは、一説にはライカンスロープの祖となった人物であるとされています。
まだ少年だったカウィールは、故郷一帯が人族と蛮族との戦場になった際に孤児となり、
延々と続く戦場の中で、ただひたすらに生き抜くために足掻き続けました。
路傍の穢れた肉の塊をかじり、死者の血を啜って喉の渇きを癒し、木々の間に隠れて襲撃をやり過ごし、
時には人族・蛮族どちらともと交渉をし、情報を対価に切れ端の食料や要らない武器などをもらいました。
その頃のカウィールはもはや自らに降り注ぐ災厄を“運命”として受け入れ、
自分のような悲運の孤児、弱者たちをどうにか救いたいと、戦闘領域から女・子供たちを脱出させることに執心していました。
その中で蛮族と刃を交えることもあり、無事に逃げ果せた者の笑顔や、不幸にもあと一歩及ばなかった者の涙、
その数々を網膜に刻み付けて、そうして十何年もの長い間続いた戦争もようやく均衡が崩れ終幕が見えてきた頃には、
カウィールは人族とも蛮族とも言えぬ不思議な肉体を手に入れていました。
太陽の下ではか弱き青年の様相ですが、宵闇に日が沈むと、喰らった穢れが体内で筋肉を隆起させ、また黒き体毛となって全身を覆い、
その双眸は闇の中を見通し、その体運びはまるで猫科の肉食獣のようにしなやかでした。
こうして穢れと運命を受け入れ、獣人の肉体を手に入れたカウィールはいつからか“獣王”と呼ばれるようになり、
戦争が終わる頃には、彼の意志に賛同する若き戦士たちが数十人も集うようになっていました。
暗殺とゲリラを中心とした、とても英雄的とは言えないカウィールたちですが、最終的には人族と蛮族の長それぞれを暗殺し、
情報操作をすることによって両軍を敗走させ、強引に戦争を終わらせました。
その偉業に感服したライフォスでしたが、ティダンの忠告に結局は導きを与えず、カウィールの神格はダルクレムによって得られました。
しかし、カウィールは神格だけを得、ダルクレムの思想には一切手を貸そうとせず、それどころか他の第二の剣の神々とも決別し、
第一の剣の神に属することも無く、両者から離れたところで孤高を決めています。
その教義も彼の性質を表すかのごとくストイックであり、あらゆる災厄や不運をまず受け入れ、
そこから自由意志で以って己の行動を選択しろと説きます。
カウィールの教義の大きな特徴としては、穢れを神聖視している点が挙げられます。
だからこそ、無闇に安く穢れを得てはいけないとし、死から蘇生して穢れを受け入れることは命と穢れを軽んじていると断じます。
しかし、その教義の最も要となるのは「生きる、生き抜く」ことであり、
大義名分を掲げ、それを成し遂げるためにまず生きることが最優先されるとします。
そして、その次に「より善く生きろ」と説き、安寧の中で平穏を享受し、
それを危ぶめる者から弱者を護ることを徹底することを推奨します。
カウィールの教団は彼が最期に倒れた地、ルビオンにおいて信仰されていますが、
教団の人間が彼を“英雄神”と呼ぶのに対し、暗殺やゲリラを得意としていたこと、穢れを神聖視していることなど、
表面上の情報だけが錯綜し、その信仰は民衆にあまり受け入れてもらえません。
(そして教団の人間はその事実をまず受け入れ、足掻く者は足掻き、労する者は労するのです)
格言
「真の強者たらしめるなら、弱きを守り、強きを挫け。しかし戦わない道にも平和の花は咲く」
「命を軽んずるなかれ。安い穢れは罪と心得よ。力は全て、汝の自由なる意志と覚悟に築かれる」
「生きよ。生きている限り、汝は空のように、大地のように、星のように自由なり」
与える剣の力
カウィールは戦神ダルクレムの導きを受けて神格を得ました。
よって、カウィールが与える神聖魔法は第二の剣に由来するものです。
特殊神聖魔法
▼レベル2
【エンカウンター】
消費:3 対象:術者 射程/形状:術者/―
時間:1時間 抵抗:なし 属性:―
効果:「隠密判定」「聞き耳判定」「危険感知判定」「先制判定」の達成値+1
▼レベル4
【ワイルドハント】
消費:3 対象:1体 射程/形状:10m/―
時間:3分(18ラウンド) 抵抗:なし 属性:―
効果:対象に≪影矢≫≪射手の体術≫≪精密射撃≫≪狙撃≫≪鷹の目≫≪武器習熟/投擲、ボウ、クロスボウ、ガン≫
≪武器習熟Ⅱ/投擲、ボウ、クロスボウ、ガン≫のいずれかの戦闘特技を選んで習得させる。
戦闘特技の前提は満たしていなければならない。
この魔法は例外的に自身と重複し、複数回の行使で複数の戦闘特技の習得が可能。
▼レベル7
【エンハンスド・シフティング】☆
消費:8 対象:1体 射程/形状:接触/―
時間:1分(6ラウンド) 抵抗:なし 属性:―
効果:対象の変身能力を強化する。
対象が種族特徴「異貌化」「限定竜化」「獣化」あるいは
「〆竜化」「☆獣化」「〆魔物化」「☆瞬時竜化」「☆コウモリ化」など、
人型の身体から何かしらに変化する特殊能力を持つ場合、
対象はその種族特徴・特殊能力を使用して変身している間は
命中判定・回避判定・行使判定の達成値に+2のボーナス修正を得る。
また、対象が種族特徴「変化」「人化」あるいは
「☆人化」「☆同一の人化」「☆完全人化」など、
元の身体から人族に変身する特殊能力を持つ場合、
対象は変身することで受ける行為判定へのペナルティを無効化することが出来る。
(HP・MPの減少や、特定武器の使用制限などは無効化できない)
▼レベル10
【フルムーンスフィア】
消費:10 対象:任意の地点 射程/形状:1m/起点指定
時間:3時間 抵抗:なし 属性:―
効果:拳大の光球を作り出す。これが放つ光により、半径30m以内は満月の下にあるものとして扱う。
光球は術者の周囲に浮遊し、自動的について回る。術者は、自らの意思で光球の位置をある程度制御可能。
(補助動作、発声や動作は不要)
しかし、この自動追尾では術者から1mを越えて離れることは無い。
術者はこの光球を主動作で投げつけ、攻撃に用いることが出来る。
投げつけられた光球は目標地点で炸裂し、対象に「威力20+魔力、C値10」点の魔法ダメージを与える。
対象の分類が「アンデッド」の場合には、「威力40+魔力、C値10」点となる。
複数の光球を用意していたとしても、1回の主動作で投げつけられる光球は1個だけ。
光球を投げつける時のデータは
「対象:半径5m/15」「射程/形状:10m/射撃」「時間:一瞬」「抵抗:半減」「属性:純エネルギー」
として扱い、各種の魔法に関する戦闘特技を適切な範囲で使用することが可能。
投げつけた光球は消滅し、魔法の効果は失われる。
▼レベル13
【ダークマター】☆
消費:16 対象:術者 射程/形状:術者/―
時間:30秒(3ラウンド) 抵抗:なし 属性:呪い
効果:穢れを瘴気に変えて身に纏い、攻撃してきた敵にダメージを与える。
この魔法の効果が発揮されている間に、術者に近接攻撃あるいは近接攻撃に類する特殊能力、
同一乱戦エリア内からの射撃、「距離:接触」の魔法を行使した場合、
その攻撃の成否に関わらず、対象は自動的に「2d」点の呪い属性の魔法ダメージを受ける。
術者の穢れ度が2点の場合、このダメージは+2され、3点の場合、+4される。
術者の穢れ度が4点の場合、このダメージは+6され、5点の場合、+8される。
最終更新:2012年02月02日 19:33