バートランド語:Halvith Priesberd
生年月日 |
219年頃?(正確には不明) |
出生地 |
第29コロニー・B192生活セクター |
所属 |
元フラック教会大司教 |
社会類型 |
ナツィアーロ |
アマ・サペーレ |
民族 |
バートランド人 |
種族 |
人類種 |
宗教 |
ツーンド教 |
ハルヴィス・プリスバード(バートランド語:Halvith Priesberd)とは、フラック公領教区の元ツーンド教会司教であり、クラック伝承者の一人。
重要指名手配魔法犯罪者の一人。
宮廷魔術師評議会
の定めるランクのうち、
発見次第即抹殺することを推奨する唯一の
レベル5対象となっている。
概要
ハルヴィスは、国家の許可を得ずに複数回
クラックを伝承させたとして、
126件の魔法犯罪で起訴されている。うち、82件は
単純魔法犯罪(魔法を利用した強盗・殺人・破壊活動・国家基盤への攻撃)であり、残りの44件は
クラックの伝承(12件)及び不適切なクラック継承による対象の死亡(32件)である。
528年に
宮廷魔術師評議会はハルヴィスをレベル5指名手配犯として指定し、532年にラヴァンジェ検察庁は不在裁判を提起し、ラヴァンジェ破毀院(最高裁に相当)は国家検察庁が提起した2661件のうち126件を認め、
懲役1265万2419年及び甲種強制労働の判決を下した。また、541年には、ラヴァンジェ国家検察庁は文明共立機構・国際刑事裁判所にハルヴィス・プリスバードの国際指名手配書を提出している。
以降も、ハルヴィスは隠居を続けており、どこに居るのかはラヴァンジェの高度に張り巡らされた魔法捜査システムにさえ分かっていない。ラヴァンジェ政府は、
「見つけ次第殺せ」との趣旨のことを何度も国際社会に訴えてきたが、人権的な問題で理解が進んでいるとは言えない。
来歴
共立公暦219年頃に生まれたとされているが正確には不明である。人類種にしては生きすぎているため、
現象魔法による延命、或いは自己の存在する現実を改竄しているとされている。このため、ハルヴィスの姿は、男性とも女性とも見えず、若くとも老齢とも見えず、顔もはっきり認識することが出来なくなっているという。
ハルヴィスはもともと真面目なツーンド教徒であり、親の勧めもあって教会で教義を学びながら、将来的に司教になることを目指した。しかし、ある日路地裏に居た怪しげな古物商から、謎の魔術書を受け取ってから、現象魔法研究に打ち込むようになった。真理の追求を目指すツーンド教徒の学徒が魔法研究を行うのは珍しくないことであったが、ハルヴィスの食い入るような情熱は他の宗教者のそれとは大きく違っていた。その瞬間より、ハルヴィスは「熱中」という感情を意識できるようになった。そして、それを生かして様々な実験を行うことが生きがいとなっていったのである。教会での生活も3年が過ぎたころ、教徒たちを導く立派な存在としての司教となる式典にハルヴィスは参加することになった。多くの人が集まる会場で、ハルヴィスは司教に就任した。しかし、同時に彼は魔術書にあった「禁術」を試すことになる。初めてクラックを伝承したその瞬間、彼はその力に魅入られ、同時に完全に宗教者としてのプライドを捨ててしまったのだった。あとは追われるがままに、自分の好む魔法を追求し続けるだけの存在となったのだった。
戦闘能力
本人自身がクラックであり、現象魔法による戦闘能力を持つ。クラックの過剰出力による死を避けるために個々の魔法の出力は低いが、出来ることが広いため、他人を翻弄する戦法を多用する。現象魔法としては、全ての主属性・補助属性を使いこなすことができ、呪具にも縛られていないようである。
総評としては、器用貧乏なりの戦い方を高度に押し上げたものであると言えるだろう。
人物
- 一言で言えば「トリックスター」。あまり他人に興味がなく、大抵の場合自分の「面白そう」という感情に従って色々やってしまう。
- そのせいで、色々な人に迷惑では済まされない迷惑を掛けている(政府の態度が上記なのもこれのため)
- 悪気があるわけではない
が、逆にそれが悪さをしている。
- クラック伝承者ではあるものの「あまりにも度を超えたパワーインフレがあって、面白くない」として、最近は伝承をしていないらしい。
人間関係
非常に興味深い存在として常に意識しているようだ。ハルヴィス自身は、自分との余興に付き合ってほしいと常に思っているが、が、下手に関わると単純にぶち殺されるのではないかとも思ってなかなか触れられていない。
ルスタリエから生み出された存在として気にかけている。曰く、「彼女を無人惑星に投げつけて、ルスタリエと異世界のスポーツである『野球』をやりたいんだ!」とのこと……父親を前に何を考えているのだろうか?
遊びがてら古典古代に顔を出したときに全ての再起の手立てを絶たれた彼女に出会った。なんとなく、カッコいいからという理由で「力が欲しいか?」と聞いてみたら、「力は要らない。あたしは真理さえあれば良い」とガチ回答をされ、教会で学んでいた頃の自分を思い出して、愛おしく懐かしくなってしまう。その時、既に継承を辞めていたクラックの力を彼女に与えることにした。ヴァントは彼の名前を知らないため、普通のラヴァンジェ人と同じくハルヴィスを魔法重犯罪者だと思っている。このために会うことはままならないが、陰ながら彼女の成長を見守っている。
執務休憩中にインターネットゲームのガチャで連敗しているところにいきなり現れて、確率変動させてピックアップを出したため、御園から「神様!」と呼ばれている。そいつは神ではなく、トリックスターです。
影響
ルシタリエとの出会い
以上の素行から、晴れてラヴァンジェ政府による殺害指名対象となり、人道的見地で揺れる
文明共立機構ですらも本腰を入れざるを得ない情勢を辿った。その結果、
同平和維持軍は
現象魔術師機関(特に
第5機動魔術部隊)への牽制を名目に該当のハルヴィスを「保護」するための作戦を練ったとされる。そして、共立公暦710年における
闘争競技エクストラマッチにおいて、その時が訪れた。例のごとく世界中の猛者が集まる当競技において、一般の出場者が事の真相を知らされることはなく、ただ
ルスタリエのみが手配書の人物を拘束する任務を課せられていたのである。更にルスタリエをサポートするための戦力として、第5機動魔術部隊、
第27特殊作戦連隊を含む平和維持軍の精鋭部隊も控えており、共立史上稀に見る完璧な態勢のもとにエクストラマッチの開催が宣言されたのであった。共立機構の中でも最高峰に数えられる多くの工作員が選手として成り済まし、他の出場者を敗退へと追い込んでいく中、
作戦の要とされる
ルスタリエは偽りの魔導界域を事象フィラメント規模で張り巡らせ、ハルヴィス自身の煩悩を刺激する戦略を取った。「面白い余興がここにある。攻略してみろ」と。
これにより、現象学的興味をそそられたハルヴィスは誰もが目を疑う幼女の姿で登場し、その溢れんばかりの力を見せつけ、多くの観客を熱狂させたという。幼女(ハルヴィス)と相対し、尋常ではない何かを察した
アリウス・ヴィ・レミソルトは戦わずして降参を宣言。事情を知らない多くのライバルを驚かせ、事は作戦司令部の思惑通りに進んだ。その後もハルヴィスは順調にBランク帯を踏破。優勝への階段を登っていき、当時、Aランク最強と謳われたジクリット・リンドブレイムを瞬殺の上、ついにルスタリエとの接触を果たしたのである。しかし、その強さを前に感心した幼女(もといハルヴィス)は、通常の危険水域を遥かに超えるレベルの
事象災害を描きはじめ、待機部隊の焦りを焚き付けた。
一向に動こうとしないルスタリエに対し、業を煮やした時の司令部はいよいよ実力行使を命令し、多くの精鋭が動き始めたとされる。しかし、係る事実そのものが高度に抽象化され、手に負えないと誰もが絶望した時にルスタリエの反撃が始まった。すべてが元の現実に収束し、静寂が続く中、幼女の姿をしたハルヴィスは降参を宣言。どこか釈然としない様子のルスタリエに最上級の賛辞を送った。
「ああ……やはり君は最高だよ。次はもっと盛り上げていくからね!宇宙野球をやろう!」。手綱を握る平和維持軍から神妙にするよう警告され、別室へと連行されたハルヴィスの姿に作戦当事者の多くが勝利を確信したという。しかし、後に残ったものはハルヴィス(幼女)のものと思わしき虹色の下着だけであった。「……これは一体、どういうこと?ろくに働きもせず、まんまと逃げられるなんて!」激昂して詰め寄る時の主(
メレザ・レクネール最高議長)にルスタリエは自嘲の言を漏らしたという。「時には道化を演じる気概も必要だろう?なにせ我らは最強で、最高の暴力秩序を担っているわけだからな」。そして、自分が出張ること自体に価値があることを確認し、いつもの酒盛りに興じた。今回の接触においては、おそらく、ハルヴィス自身が本気を出していないであろうことを予想しながら……
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最終更新:2024年05月28日 00:52