概要
当記事では、セトルラームの防衛政策に関する記録を纏める。
歴史と教訓
旧暦時代のセトルラーム国軍(統合革命軍)は現在と比べて遥かに大規模で、かつ敵国の占領を想定していなかった。つまり、敵対する存在は一切の区別なく滅ぼし尽くすことを目的として、大量破壊兵器による絶滅戦闘ドクトリンを採っていたからである。この方針は当時、殲滅対象とされた
連合帝国に絶大な緊張を強いるものであったが、それがゆえに戦時法規を守る余裕を失わせ、
億単位の犠牲に繋がるなど必要以上に相手を刺激してしまうデメリットがあった。そうした力の誇示は、やがて国際社会による強度の制裁を促し、復興に致命的な遅れが生じるなど、戦後数世紀にわたって国力を衰退させた経緯がある。議会からの突き上げもあり、進退極まった時のフリートン独裁政権は、生き残りのための交渉を決断。不本意な妥協を強いられ、激しい痛みを伴う民主主義体制への移行を余儀なくされた。
対処目標
セトルラーム国軍は、その領域規模に比べて少数であり、周辺国に対する境界の守りは万全とは言い難い。しかし、個々の部隊が高度な訓練を受けたプロフェッショナルで構成され、現在主力となっている
航空宇宙軍も同様である。そして、セトルラーム自体が貿易によって成り立つ国柄である以上、周辺国全てとの衝突は想定されておらず、時の情勢に基づく編成を取った。現在、主たる対処目標として定めているのは制裁対象となって久しい
ロフィルナ王国が筆頭に挙げられる。次点でオクシレイン率いる
ネルヴェサ―民主同盟を睨んでおり、
共立同盟及び
安保同盟による枠組みをもって牽制した。
戦闘教義(ドクトリン)
相互依存政策の浸透を掲げる以上、セトルラーム政府は武力を用いた牽制を望んでいない。しかし、複数国と接する交通の要所を占めており、現行秩序を守る責務を有することから、あらゆる事態を想定。友好、敵対の区別なく、全ての国家に対して独自の対処方針を定めているのが現状である。細かな分析内容など対象国によって異なるが、共通事項として最終攻略目標は一つに絞ることを基本原則とした。実際の作戦行動にあたっては、主力遠征軍の集中運用による早期の敵首都制圧(電撃戦闘ドクトリン)を想定する。周辺の列強国と比べて数で劣ることを逆手に取った戦術とされるが、自国の防衛も手薄となるため、長期戦になればなるほど不利に陥ることを認めた。そもそも単独で戦火を交えることを想定していないため、あくまでも複数国との連携を前提とし、最悪のシナリオに備えた苦肉の策と言える。
契約対象
兵器売却に関する優先契約事項
セトルラーム政府が制定する安全保障上の事由から、軍事貿易の対象は当項が定めるところの総合的評価に基づいて決定される。
平和維持軍を含む国際同盟への批准に関しては一定の評価対象として認められるが、決定打にはならない。
セトルラームにおける安全保障とは、外交政策の疎通や経済的な繋がりも含まれるためである。また、以下の規定は
闘争競技に否定的ではないことを前提として履行される。
第1級契約対象
主要貿易国の中で、国際平和維持活動における緊密な連携と経済安保上の依存関係を認めた親密国。
本対象国に対しては最新の航空艦船を売却できる。また、同世代主力兵器の貸与と譲渡を可能とする。
第2級契約対象
主要貿易国の中で、国際平和維持活動における一定の実績と共立三原則の遵守を認めた同盟国。
本対象国に対しては一世代前の航空艦船を売却できる。また、次世代主力兵器の貸与を可能とする。
第3級契約対象
主要貿易国の中で、国際平和維持活動における一定の実績を認めた国家。
本対象国に対しては二世代前の航空艦船を売却できる。また、次世代主力兵器の貸与を可能とする。
第4級契約対象
外交関係を持つ取引国の中で、関係の向上が期待される国家。
本対象国に対しては三世代前の航空艦船を売却できる。また、旧式兵器の貸与と譲渡を可能とする。
第5級契約対象
外交関係を持つ締約国の中で、関係の向上が見込めない国家。
本対象国に対しては、原則として中近代の旧式兵器のみ提供可能とする。
慢性的な戦力不足に悩まされるセトルラーム連邦は、生産協力協定に則り、連合帝国との相互支援契約を取り交わしている。帝国側からは主に量産型の戦闘艦船を補充。セトルラームからは1世代前の新鋭艦を提供しているが、これは
第2級契約対象の枠組みにおいて履行される。その他、必要に応じて現在の最新鋭艦を貸与し、双方の不足を補った。最新の戦闘艦を売り渡さない理由は、帝国政府が国際平和維持活動に消極的で共立機構の
指定評価に影響を及ぼしていること。経済安保政策において、
黒丘同盟の反発も予想されることから一定の縛りを設けているためである。実態としては、
安保同盟における各種兵装の共通規格化を進めている現状もあり、一部の有識者から「制裁逃れの意図があるのではないか」と指摘された。
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最終更新:2023年07月14日 01:55