ラファエル
大天使ラファエル(Archangel Raphael)は、「癒し」を司る天使として知られ、
ユダヤ教、
キリスト教、
イスラム教の伝統で重要な役割を果たしています。(→
アークエンジェル)
その名前はヘブライ語で「神は癒す(God heals)」を意味し、身体的・精神的な治癒や旅人の保護など、多岐にわたる役割を担います。
概要
大天使ラファエルは「癒し」と「守護」を象徴する
天使であり、人々の心身や霊的な健康を助ける存在です。
特に『トビト記』で描かれる物語から、治療者や旅人への守護者として知られています。また、
人間関係や自然との調和にも関与する万能な存在で、多くの宗教・文化で深く敬愛されています。
ラファエルの特徴と象徴
- 名前の意味
- 「ラファエル」という名前はヘブライ語の「Rophe」(癒す)に由来し、「神は癒す」または「神が癒しを与える」という意味を持ちます
- 象徴
- 魚: 『トビト記』で魚を使った治癒に関連することから象徴とされています
- 杖: 巡礼者の杖として描かれ、旅人の守護者としての役割を示します
- 方位: 東を司る天使とされ、新たな始まりや回復を象徴します
- 色: 癒しや平和を象徴する緑色が関連付けられています
聖書や伝承における役割
- 1. 『トビト記』での登場
- ラファエルは旧約聖書外典『トビト記』に登場し、旅人トビアに「アザリヤ」という名で同行します
- 彼は旅の中で魚の胆汁を用いてトビアの父トビトの失明を治療し、また悪魔アスモデウスを退けてトビアとサラの結婚を助けました
- この物語から、ラファエルは「癒し」と「旅人の守護者」として知られるようになりました
- 2. 『エノク書』での役割
- 3. 新約聖書では名前が登場しない
- 新約聖書にはラファエルという名前は登場しませんが、『ヨハネによる福音書』でベトサダの池で癒しを行う天使がラファエルと関連付けられることがあります
役割と守護分野
- 1. 治癒と健康
- ラファエルは心身ともに癒しをもたらす天使です
- 病気や怪我だけでなく、精神的な苦痛や感情的な傷にも寄り添い、人々に平穏と健康を与えます
- 医師や看護師、セラピストなど医療分野に携わる人々の守護者としても知られています
- 2. 旅人の守護者
- ラファエルは旅人が安全に旅できるよう見守る存在です
- 『トビト記』でも道案内役として描かれており、現代でも旅行中の保護を祈願する際に呼ばれることがあります
- 3. 自然保護と調和
- 自然環境との調和を促進する役割も担い、人々が自然とのつながりを深めるよう導きます
- 4. 人間関係の修復
- ラファエルは壊れた人間関係や感情的な問題も癒す力があるとされ、人々が互いに理解し合い、調和するようサポートします
文化的影響
- ラファエルはミカエルやガブリエルとともに三大天使として広く知られており、西洋美術や文学にも頻繁に登場します
- ジョン・ミルトンの『失楽園』では、親しみやすい性格で描かれています
- その象徴的な役割から、スピリチュアル分野でもヒーリングや瞑想時に呼びかけられることが多い天使です
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最終更新:2024年12月22日 08:20