ウィップアーウィル
ウィップアーウィル(Whippoorwill)は、北アメリカに生息するヨタカ科の鳥であり、その独特な鳴き声と文化的な象徴性から、現実世界とフィクションの両方で注目されています。
特に
H.P.ラヴクラフトの
クトゥルフ神話では、超自然的な存在として描かれることがあります。
概要
ウィップアーウィルは現実世界では夜行性の鳥として知られていますが、その独特な鳴き声と夜間活動から、多くの伝説や迷信と結びついています。
クトゥルフ神話では死者の魂と関係する不吉な存在として描写され、人間の死期や超自然的な出来事を象徴しています。このように、現実とフィクション双方で深い意味合いを持つ鳥と言えるでしょう。
現実世界のウィップアーウィル
- 学名
- 特徴
- 中型の夜行性の鳥で、体長22~27cmほど
- カモフラージュが得意で、灰色や茶色、黒色の羽毛が混ざった模様を持ちます
- 主に夜間に活動し、飛行する昆虫を捕食します
- 鳴き声
- 鳴き声「whip-poor-will」が名前の由来であり、その音はオノマトペ的に表現されています
- 鳴き声は繰り返しが多く、夜間に森や林でよく聞かれます
- 生息地
- 主に北アメリカ東部の森林地帯に生息し、開けた土地や混合林を好みます
- 文化的・伝説的な背景
- ウィップアーウィルは、その夜行性と不気味な鳴き声から、多くの伝説や迷信と結びついています
- 1. 死と魂の象徴
- ニューイングランド地方の伝説では、ウィップアーウィルは人間の死期を察知し、死者の魂を捕まえようとする存在とされています
- この迷信は先住民やアメリカ全土で広がった一般的な死の予兆としても知られています
- 2. 文学・詩歌への登場
- アメリカやイギリス文学では、ウィップアーウィルは孤独や哀愁、あるいは不吉さを象徴する存在として描かれることが多いです
- 例えば、ワシントン・アーヴィングやロバート・フロストなどがその鳴き声を作品内で取り上げています
クトゥルフ神話におけるウィップアーウィル
H.P.ラヴクラフトは、この鳥を超自然的な要素として取り入れました。特に『
ダニッチの怪』などで重要な役割を果たします。
- 魂の案内者
- ラヴクラフト作品では、ウィップアーウィルは死者の魂を捕らえたり導いたりする役割を担うとされています
- 死者が臨終を迎える際、この鳥がその周囲で鳴き始めるとされ、その鳴き声は死者の魂が捕らえられるか否かによって変化します
- 成功すると群れで大声で鳴き続ける
- 失敗すると静かに飛び去る
- 不吉な存在
- ウィップアーウィルは恐怖や狂気を象徴する要素として用いられ、「自然界に潜む異常」の一端として描かれることが多いです
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最終更新:2024年12月29日 08:17