オルトロス

オルトロス

オルトロス(Orthros)は、ギリシア神話に登場する双頭の犬の怪物です。
彼は暴風や台風を司る神テュポーンと、半人半蛇の怪物エキドナの子供であり、ケルベロスヒュドラキマイラなどの怪物たちを兄弟に持ちます。


概要

特徴
外見
  • オルトロスは二つの頭を持つ黒い犬として描かれています
  • 一部の伝承では、たてがみや尾が蛇であったともされています
役割
  • 巨人ゲリュオーンが所有する赤い雄牛の群れを守る番犬として働いていました
  • ゲリュオーンは三つの頭と六本の手足を持つ怪物で、西方のエリュテイア島に住んでいました
神話でのエピソード
  • オルトロスは、ヘラクレスの「十二の功業」の一つである「ゲリュオーンの牛を奪う試練」に登場します
  • ヘラクレスが牛を盗むためにエリュテイア島を訪れた際、オルトロスは侵入者を発見して襲いかかりました
  • しかし、ヘラクレスの圧倒的な力には敵わず、棍棒で殴り殺されてしまいます
  • その後、オルトロスと共に牛飼いエウリュティオーンやゲリュオーン自身もヘラクレスによって倒されました

家族関係
象徴と解釈
オルトロスはギリシア神話において「忠実な番犬」として描かれる一方、その短命さや悲劇的な最期から「無力な抵抗」の象徴とも解釈されます。また、彼と兄弟ケルベロスはどちらも犬らしい忠誠心や勇敢さを持ちながらも、人間には手に負えない恐ろしい存在として語られています。
後世への影響
オルトロスはギリシア神話だけでなく、中世以降の文学や芸術作品にも影響を与えています。また、現代ではゲームやフィクション作品においても双頭の犬として頻繁に登場し、その象徴性が活用されています。

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最終更新:2025年01月01日 13:29