ウルズの泉
ウルズの泉(古ノルド語: Urðarbrunnr)は、
北欧神話における重要な存在で、世界樹
ユグドラシルの根元に位置する神聖な泉です。
この泉は、
運命の女神である
ノルン三姉妹たちと密接に関わり、神々や生命の維持に深い役割を果たしています。
概要
ウルズの泉の概要
- 位置と役割
- ウルズの泉は、ユグドラシルの3本の根のうち、アースガルズ(神々の住む領域)へ向かう根の直下にあります
- 泉は非常に神聖で、アース神族が毎朝ビフレスト(虹の橋)を渡って集まり、法廷を開く場所でもあります
- ノルン三姉妹との関係
- 泉の名前は運命を司る女神ノルン三姉妹の長女「ウルズ(Urðr)」に由来します
- ウルズは「過去」を象徴し、他の姉妹ヴェルザンディ(現在)やスクルド(未来)とともに、人間や神々の運命を紡ぎます
- ノルンたちはこの泉から水と泥を汲み取り、それをユグドラシルに注いで木が枯れないよう手入れをしています
- この作業によって世界樹は生命力を保ち続けています
- 泉水の特性
- ウルズの泉の水には強力な浄化作用があり、生命を維持し、再生させる力があるとされています
- 泉には白鳥が住んでおり、この白鳥たちは「白鳥」という種そのものの起源とされています
神話における象徴性
- 運命と時間
- ウルズの泉は「過去」を象徴するだけでなく、ノルンたちが運命を紡ぐ場として時間や宿命そのものを表しています
- 彼女たちは運命を決定する際、木片にルーン文字を刻むとも伝えられています
- 生命と再生
- ユグドラシルが多くの生物や存在によって傷つけられる中で、ウルズの泉から供給される水と泥がその再生を支えています
- このため、泉は世界全体の生命維持装置として機能しているとも言えます
- 他の関連する泉
- ユグドラシルには他にも重要な泉があります:
- ・ミーミルの泉
- 知恵と知識を象徴する泉で、霜の巨人族ヨトゥンヘイム側にあります
- ・フヴェルゲルミル
- 文化的影響
- ウルズの泉は北欧神話だけでなく、その象徴性から多くの文学作品やフィクションにも影響を与えています
- 例えば、「運命」や「時間」をテーマとした作品では、この泉やノルンたちがしばしばモチーフとして登場します
関連ページ
最終更新:2025年01月13日 08:25