チェリーピッキング
チェリーピッキングとは、都合のよいデータ・事例・証拠だけを取り上げ、不都合なものを無視して主張を補強する詭弁の手法です。
まるで「たくさんあるサクランボの中から、赤くて甘い実だけを選ぶ」ように、自分に有利な部分しか見せないことからこの名前が付きました。
概要
チェリーピッキングは 「都合のいい証拠だけ摘み取って提示することで、全体を歪める詭弁」 です。
- 特徴
- 部分的な情報提示: 全体像ではなく、一部だけを切り取る
- 一見、客観的に見える: データや事例を示すため、聞き手は「根拠がある」と錯覚しやすい
- 不利な証拠の隠蔽: 反例や否定的データを無視するため、議論が歪む
- 例
- 健康食品の宣伝「このサプリを飲んだ人の70%が体調が良くなった!」→ 実際には全体の母集団が小さい、あるいは不調になった人のデータは伏せられている。
- 政治討論「この政策のおかげで失業率が改善した!」→ 失業率は下がったが、別の指標(物価上昇や生活苦)は悪化しているのを隠している
- スポーツ議論「この選手は決勝戦で3本ホームランを打った。だから最高の打者だ!」→ しかしシーズン全体の打率は低い。
- 問題点
- 聞き手に誤解を与える
- 全体像が見えず、正しい判断ができなくなる
- 科学・統計・政治・マーケティングなどで悪用されやすい
- 見抜き方・対処法
- データの全体像を確認する: → 期間・サンプル数・他の条件はどうか?
- 反例や否定的データがあるかを探す: → 無視された部分があるとバランスが崩れる。
- 複数の情報源を比較する: → 単一の引用に頼らない
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最終更新:2025年09月21日 10:29