スリッパリー・スロープ(slippery slope)
スリッパリー・スロープ(滑り坂論法)は、ある行為や決定をすると、必然的に極端で望ましくない結末に至ると主張する
詭弁です。
本来は「その中間で止まる可能性」や「適切な対策を取る余地」があるのに、「一歩踏み出したら止まらず転げ落ちる」と思わせて反対や賛成を引き出そうとします。
概要
スリッパリー・スロープは 「ある一歩を踏み出すと止まれず最悪の結末に行く」と極端に描いてしまう詭弁 です。
- 特徴
- 極端な結果を示す:「もしAを認めたら、最終的にZのような大惨事になる」といった論法
- 中間のステップをすっ飛ばす: A → B → C → … → Z と進むと仮定するが、その必然性は示されない
- 恐怖や不安を煽る: 聞き手に「そんな未来は嫌だ」と思わせることで説得する
- ・例)
- 法律・社会問題「同性婚を認めたら、やがて人間と動物の結婚まで認めることになる」→ 中間の段階で社会的・法的な歯止めがあるはずだが、それを無視して極端な未来を示す
- 学校教育「宿題をなくしたら、勉強しなくなり、進学できず、社会に出ても役立たない人間になる」→ 宿題をなくす=必ず学力崩壊に直結するわけではない
- ビジネス「この価格を少し下げたら、値下げ競争が止まらなくなり、会社は潰れる」→ 値下げの程度や他の戦略によって結果は変わる。
- 問題点
- 因果関係を飛躍している
- 論理よりも「恐怖のイメージ」で相手を操作する
- 本当に「坂道を滑る」かどうかは検証されていない
- 見抜き方・対処法
- 「AからZに至る因果関係は本当に必然的か?」と確認する
- 中間段階で止められる仕組みや条件を検討する
- 可能性と必然性を区別して考える
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最終更新:2025年09月21日 10:37