小悪党

小悪党


小悪党は物語において主人公に倒されるためだけに存在するキャラクターとして描かれることが多く、その存在自体が物語における一種のスパイスとなります。


小悪党の特徴

知性や品性に乏しい
  • 小悪党は、思想や野望を持たず、知性や品性に欠けることが多いです
  • 彼らは暴力や口喧嘩に頼る傾向があります
自己保身が強い
  • 群れを成していじめや不正を行うことがありますが、自己保身のためにピンチになると仲間を見捨てることもあります
  • 利害が一致すれば他者と協力することもありますが、その場しのぎの卑怯な手段をよく使います
信念や理想の欠如
  • 小悪党は思想や理想、哲学を持たず、リーダーには従うものの、自分自身の芯となるものがありません
卑怯で邪道な手段を選ぶ
  • 目的を達成するためであれば、倫理に反した卑怯な手段を選ぶのを躊躇しません
刹那主義快楽主義
  • 夢や野望といった先の展望がなく、目先の楽しみを追求する傾向があります
プライドと実力の不一致
  • プライドや野望は大きいものの、実力が伴わず、いざという時には怖気づくことが多いです
臆病小心者
  • 自分が不利な状況であることを理解すると命乞いを始めたり、媚びへつらうことがあります
自己中心的で感情的
  • 自制心が弱く、責任感もなく、失敗や不満を他者に転嫁します
嫉妬心と横暴さ
  • 向上心よりも嫉妬心が強く、他者を蹴落とすことで成り上がろうとします。弱者には横暴ですが、強者には媚び諂います
想像力や理解力の欠如
  • 想像力や理解力が貧弱であり、状況への対応力もないため、しばしば窮地に陥ります
ダークトライアドのいずれかまたは複数を持っている
噛ませ犬

小悪党が言いがちなセリフ

カテゴリ セリフ 説明
開き直り 「チッ、バレたか。」 自分の悪事が露見したときに、開き直るような態度を示すセリフです
「ああ、俺がやった。だが、お前に何ができるってんだ?」 悪事がバレても相手が手出しできないと思っている場合に使います。
この場合、真実を知った相手を口封じする行動を取ることがあります
「バレたところでどうってことないさ。俺にはまだ手があるんだ!」 奥の手がある場合に使うセリフです
責任転嫁 「俺は悪くねぇ!全部あいつが悪いんだ!」 責任転嫁し、自分の失敗を他人のせいにする傾向があります
「言われた通りにやっただけだ!本当の黒幕は別にいる!」 自己決定能力がないとして、自分の行動を正当化するセリフです
「俺のせいじゃない!この社会が悪いんだ!」 自分の悪事を棚に上げて、環境や社会の問題のせいにするセリフです
自信過剰 「お前なんかに負けるわけがない!」 自分の力を過信し、相手を見下すような発言をしますが、
実際には実力が伴わないことが多いです
「この俺様に逆らうとはいい度胸だな!」 威勢を張りつつも、内心では不安や恐れを抱いていることが多いです
「俺様の邪魔をするなんて、いい度胸だ!」 相手を威嚇しつつも、どこか自信過剰な印象を与える言葉
命乞い 「助けてくれ!あいつらにやられちまう!」 ピンチになるとすぐに命乞いをするか、仲間を見捨てて逃げ出そうと
する場面で使われることがあります
「お願いだ、命だけは助けてくれ!何でもするから!」 この後「何でも」に該当する屈辱的なことをさせられます
「命だけは助けてくれ!金ならいくらでも出すから!」 金で雇われている主人公に対してのセリフです
「その男を始末しろ!」 他人に汚れ仕事をさせる命令口調。
負け犬の
捨て台詞
「てめぇ、今日のことは忘れないからな!」 復讐心をちらつかせるセリフ
「クソっ、覚えてろ!」 よくある捨て台詞

作品例

『北斗の拳』のジャギ

ジャギは『北斗の拳』に登場するキャラクターで、典型的な小悪党として描かれています。
劣等感嫉妬心
  • ジャギは兄弟であるケンシロウに対して強い劣等感嫉妬心を抱いています
  • 彼は「兄より優れた弟など存在しない」という思い込みから、卑怯な手段を用いてケンシロウを陥れようとします
卑怯な手段
  • ジャギは自分の実力不足を補うために、銃や南斗聖拳、ガソリンなど様々な手段を使ってケンシロウに挑みますが、いずれも失敗に終わります
  • このような卑怯な手段は、小悪党の典型的な特徴です
シンへの教唆
  • シンはもともとケンシロウとユリアの関係を尊重し、身を引こうとしていました
  • しかし、ジャギは「今は悪魔が微笑む時代なんだ!」という言葉でシンを唆し、ユリアを奪うべきだと焚きつけました
  • ジャギは「ケンシロウではユリアを守れない」と語り、シンの中に迷いと欲望を植え付けることで、彼の決意を揺さぶりケンシロウとの対立を促しました
自己中心的冷酷
  • ジャギは自分の目的を達成するためには手段を選ばず、他者を犠牲にすることも厭わない冷酷さを持っています
  • 彼は部下や周囲の人々に対しても非情であり、自分の機嫌次第で寛大にも冷酷にもなる性格です
最期までの強がり
  • 最期の瞬間までケンシロウを嘲笑し続けるなど、最後まで強がりを見せる姿勢も小悪党的です

『天空の城ラピュタ』のムスカ

ムスカは『天空の城ラピュタ』において、物語の後半で小悪党的な行動を見せる場面があります。彼はラピュタ王家の血を引く者として、ラピュタの力を手に入れようとしますが、その過程で以下のような行動が見られます。
権力と力への執着
  • ムスカはラピュタの超兵器を手に入れた後、軍隊を裏切り、自分の野望を達成するために独裁的な行動を取ります
  • 彼は「全世界は再び、ラピュタの元にひれ伏すことになるだろう!」と宣言し、世界征服を目論みますが、その目的は自己中心的であり、具体的な理由や理念に欠けています
非情な行動
  • 彼はモウロ将軍とその部下たちを空中から放り出すという冷酷な行動を取り、自分だけがラピュタの力を掌握しようとします
  • この行動は、自分の利益のために他者を平然と犠牲にする小悪党的な性質を示しています
一瞬の隙を突かれる
  • ムスカはシータから飛行石を奪い返そうとしますが、一瞬の隙を突かれて失敗します
  • このような油断や過信も、小悪党としての未熟さや慢心を表しています
命取りとなる猶予
  • パズーとシータに3分間の猶予を与えたことが結果的に命取りとなり、「バルス」によって滅びることになります
  • この決断も、計算高いながらもどこか詰めが甘い小悪党的な一面を示しています

これらの行動から、ムスカは物語の後半で権力欲と油断によって自滅する小悪党的な側面を見せています。彼の行動は、自分本位でありながらもどこか憎めないキャラクターとして描かれています。
『DEATH NOTE』の夜神月

夜神月(ヤガミ ライト)は『DEATH NOTE』の主人公であり、物語の進行に伴って彼の行動が小悪党的な側面を見せることがあります。
自己中心的な行動
  • 夜神月は、自分の理想を実現するためには手段を選ばず、他人を平気で利用し、邪魔になる者は容赦なく排除します
  • この自己中心的な姿勢は、小悪党の特徴と重なる部分があります
責任転嫁と保身
  • 物語の後半では、計画が失敗した際に慌てふためき、他者に責任を転嫁しようとする姿勢が見られます
  • 特に最終局面での取り乱し方は、普段の冷静さとは対照的で、小悪党的な未熟さや弱さを露呈しています
感情的な取り乱し
  • 予想外の事態に直面した際、感情的になり取り乱すことがあり、この点で小悪党らしい一面を見せています
  • 特に最終決戦での敗北時には、普段のスマートな振る舞いから一転して見苦しい姿をさらけ出し、人間らしい弱さを露呈しました

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最終更新:2025年02月01日 23:56