トロープ

トロープ

トロープ(trope)は、文学、映画、その他の創作作品で繰り返し使用される常套的な表現や要素を指す概念です。



トロープの特徴

トロープは、物語に構造や親しみやすさを与え、観客の期待に応えつつも、新しい解釈や展開を加えることで、魅力的な作品を生み出すのに役立ちます。
  1. 定義:特定のタイプの作品や作家の中で「何度も」使われるアイディア、イメージ、フレーズ、キャラクター、プロットの要素
  2. 反復性:複数の互いに無関係な作品の中で繰り返し使用される
  3. 非現実性:しばしば現実とは無関係で、非現実的な要素を含む
  4. 構成要素:一般的な娯楽作品のプロットは、こうしたトロープの集積によって構成される
  5. 機能:物語の展開、キャラクターの設定、世界観の構築などに寄与する

トロープの例

有名なトロープの例とそのシチュエーションは以下のとおりです。
トロープ 良くあるシチュエーション 作品例
選ばれし者
(The Chosen One)
主人公が予言や特別な能力によって、世界を救う使命を負わされる 『ハリー・ポッター』シリーズのハリー
三角関係
(Love Triangle)
3人の登場人物間の恋愛関係が複雑に絡み合う 『ハンガー・ゲーム』の
カットニス、ピータ、ゲイル
善悪の双子
(Evil Twin)
悪の分身や双子が登場し、対立する 多くのスーパーヒーロー作品
魔法学校 若い魔法使いたちが魔法を学ぶ学校が舞台となる 『ハリー・ポッター』シリーズの
ホグワーツ魔法魔術学校
最後の生き残り
(Last of Their Kind)
絶滅した種族や文明の最後の生き残りである 『アバター』のネイティリ
『HUNTER×HUNTER』のクラピカ
不死の悪役
(Immortal Villain)
何度倒されても復活する強力な敵キャラクター 『ターミネーター』シリーズのT-800
絶対的悪役
(Ultimate Villain)
完全に邪悪で、善良な面を持たない敵対者 『魔人探偵脳噛ネウロ』のシックス
成長物語
(Coming-of-Age Story)
主人公が経験を通じて成長し、大人になっていく 『スタンド・バイ・ミー』の4人の少年たち
人間のようなロボット
(Human-like Robot)
SFで良く用いられる人間と見分けがつかないアンドロイドのこと。
人間とテクノロジーの関係、意識や感情の本質、
そして「人間らしさ」とは何かという問いを探求する
『ブレードランナー』のレプリカント
にらみ合いの膠着状態
(Mexican standoff)
複数の登場人物が互いに武器を向け合い、誰も先に動けない状況です。
緊張感の高まったクライマックスシーンで使われます
『夕陽のガンマン』- ウェスタン映画の代表的な
メキシカン・スタンドオフシーン
ティーンエイジャーの助手
(Teenage Sidekicks)
スーパーヒーロものミステリーなどの助手として活躍する若い助手。
視聴者に近い立場で、特に若い読者に共感を与えやすいです
『バットマン』のロビン
『葬送のフリーレン』のフェルン
囚われの姫君
(Damsel in distress)
主人公にヒーローとしての活躍の場を提供し、
緊張感や恋愛要素を導入することができます
『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリス
仲の悪いチーム
(Conflicting Ensemble)
主義主張が異なる人物が集まり、協力してミッションをこなす 『アベンジャーズ』シリーズ
半人半妖
(Half-Demon)
妖怪・悪魔の血が流れている半人間のようなキャラクターは、
ダークファンタジーやアクション作品によく登場します
『犬夜叉』の犬夜叉
『青の祓魔師』の奥村燐
危機的状況
(Critical Situation)
物語に緊張感と緊迫感を与えるターニングポイントとして機能し、
ストーリーをクライマックスへと導きます
タイムリミット
(Ticking Clock)
キャラクターに時間の制限を課し、その制限内に行動を起こすよう強制する仕組み

トロープを逆手に取ることで斬新な設定を作る

トロープを逆転させることで斬新なストーリーや設定を作ることができます。
  • ヒーローとヴィランの役割を逆転:通常はヒーローが勝つ物語ですが、ヴィランが勝ち、真の悪役は人間であるというストーリーにすることで新しい視点を提供できます
  • 囚われの姫君を逆転:女性キャラクターが自らの力で困難を乗り越えるストーリーにすることで、強い女性像を描くことができます
  • 選ばれし者の逆転:通常は特別な力を持つ「選ばれし者」が世界を救う物語ですが、普通の人々が協力して問題を解決するストーリーにすることで、集団の力を強調できます
  • タイムトラベルの逆転:未来から過去に戻るのではなく、過去から未来に来たキャラクターが現代社会で適応しようとする物語にすることで、新しい視点を提供できます
  • ティーンエイジャーの助手の逆転:若い弟子が年上の師匠を導くストーリーにすることで、年齢や経験に関係なく学び合う関係を描くことができます
  • ハッピーエンドの逆転:物語の終わりが必ずしもハッピーエンドではなく、現実的な結末を迎えることで、読者に深い印象を与えることができます

まとめ

トロープは、創作の中で繰り返し使用されることで、観客や読者に親しみやすさを与える一方で、過度の使用は陳腐さを生む可能性もあります。作品分析や批評において、トロープの識別と解釈は重要な役割を果たします。

関連ページ

最終更新:2024年12月19日 09:30