サバイバーズ・ギルト
サバイバーズ・ギルト(Survivor's Guilt)は、戦争、災害、事故、事件などの
危機的状況で生き残った人が、助からなかった他者に対して感じる
罪悪感を指します。
生存者は「なぜ自分だけが助かったのか」「自分がもっと何かできたのではないか」といった自責の念に苦しむことが多く、この感情が強い場合には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や抑うつ、不眠などの精神的な問題を引き起こすこともあります。
特に有名な例として、ナチスによる
ホロコーストを生き延びた人々や、東日本大震災などの大規模災害で生存した人々がこの感情に苦しんだケースが挙げられます。
作品例
サバイバーズ・ギルトに苦悩するキャラクターが登場する代表的な作品には、以下のものがあります。
- 1. 『ソフィーの選択』 (Sophie’s Choice)
- ウィリアム・スタイロンの小説『ソフィーの選択』では、主人公ソフィーがナチス収容所で子供の命を選ばなければならなかったという過酷な経験を背負い、その後も長年にわたり罪悪感に苦しみ続けます
- この選択によるサバイバーズ・ギルトが、彼女の人生に大きな影響を与えています
- 2. 『ミスト』 (The Mist)
- 映画『ミスト』では、主人公デヴィッド・ドレイトンが極限状況で誤った決断を下し、その結果として最悪の結末を迎えます
- 彼は自らの行動によって愛する人々を失い、その後すぐに救助隊が到着するという残酷なタイミングで、自分だけが生き残ってしまったことに深い罪悪感を抱きます
- 3. 『カイト・ランナー』 (The Kite Runner)
- カーレド・ホッセイニの小説『カイト・ランナー』では、主人公アミールが幼少期に友人ハッサンを守れなかったことから、長年罪悪感に苛まれます
- 彼はその後、大人になってからもその出来事に対する贖罪を求め続け、サバイバーズ・ギルトと向き合います
- 4. 『Split Second』
- 短編映画『Split Second』は、カフェで起きた爆破事件から生き残ったエミリーが、自分だけが救われたことに対して罪悪感を抱く物語です
- 彼女はその後も事件について調べ続け、心の中で生存者としての苦しみと向き合います
- この作品は、サバイバーズ・ギルトを繊細かつ内面的に描いています
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最終更新:2025年03月13日 00:49