コーキュートス川
コーキュートス川(Cocytus)は、
ギリシア神話における
冥界の5つの大河の1つであり、「嘆きの川」として知られています。
この川は、
冥界において魂が永遠に苦しむ場所として描かれ、特に罪人や反逆者が罰を受ける象徴的な存在です。
コーキュートス川の概要
コーキュートス川は
ギリシア神話において「嘆き」や「号泣」を象徴する重要な冥界の川です。
特に罪人や反逆者たちが罰を受ける場所として描かれ、多くの文学作品や芸術作品にも影響を与えています。また、ダンテ・アリギエーリによって地獄最下層を流れる凍った湖としても描かれており、その冷酷さと
絶望感は多くの文化的表現で強調されています。
- 名称の由来
- コーキュートス(Κωκυτός, Cocytus)は、ギリシア語で「嘆き」や「号泣」を意味し、その名の通り、魂たちの嘆きと悲しみが響き渡る川とされています
- 象徴
- コーキュートス川は、死後の世界で罪を犯した者たちが苦しみ、永遠に嘆く場所として描かれています
- 特に、冥界で罰を受ける魂たちが流す涙や悲痛な叫びが、この川の水を満たしているとされています
- 冥界との関わり
- コーキュートス川は、他の冥界の川(アケローン川やプレゲトーン川など)とともに、死者が渡るべき重要な場所として描かれます
- 特に、渡し守カロンが運ぶことのできなかった魂たちが、この川のほとりで永遠にさまようとも言われています
- タルタロスとの関係
- コーキュートス川は、罪人が罰を受ける場所であるタルタロスを流れるともされており、特に殺人者や反逆者など重罪を犯した者たちがこの川で永遠に苦しむという伝承があります
- 古典文学での言及
- ホメロスやアイスキュロスなど、多くの古典作家がコーキュートス川について言及しています
- ホメロスの『オデュッセイア』では、オデュッセウスが冥界への旅をする際、この川について触れられています
- ダンテの『神曲』
- ダンテ・アリギエーリの『神曲』「地獄篇」では、コーキュートスは地獄の最下層である第九圏を流れる凍った湖として描かれています
- ここでは反逆者たちが氷に閉じ込められ、永遠に苦しむ様子が描かれており、特にユダやブルータス、カッシウスなど歴史的な裏切り者たちがこの湖で罰を受けています
- 河神コーキュートス
- ギリシア神話では、多くの川にはポタモイ(河神)が存在します
- コーキュートスもまた河神として擬人化されており、その存在は嘆きと悲しみを象徴するものとして描かれます
- ミルトンの『失楽園』
- ジョン・ミルトンの叙事詩『失楽園』にもコーキュートス川は登場し、その物悲しい流れと号泣する声によって名付けられたとされています
- シェイクスピアや現代作品
- シェイクスピアの『タイタス・アンドロニカス』やリック・ライアダンによる『ハデスの館』など、多くの文学作品でもコーキュートス川は言及されています
関連ページ
最終更新:2024年12月07日 07:49