カロン(Charon)
カロン(Charon)は、
ギリシア神話における
冥界の渡し守であり、死者の魂を
冥界へ運ぶ重要な役割を担っています。
カロンの概要
カロンは
ギリシア神話において死者の魂を
冥界へ運ぶ重要な存在です。
彼は
ステュクス川や
アケローン川で渡し守として働き、その厳格な性格と象徴的な役割から、多くの神話や文化作品にも影響を与えています。また、生者には基本的に厳しい態度を取りますが、一部の英雄や神々には例外的に協力したエピソードもあります。
- 渡し守
- 渡し賃
- カロンは1オボロス(古代ギリシアの硬貨)を渡し賃として要求します
- そのため、古代ギリシアでは死者が埋葬される際、口の中に1オボロス貨を含ませる風習がありました
- 渡し賃がない死者は200年間さまよい続けてからしか川を渡れないとされています
- 外見
- カロンは、長い髭を持ち、襤褸(ぼろ)の衣をまとった無愛想な老人として描かれています
- 彼の目は光り、手には船の櫂(かい)を持っており、小舟で死者を運びます
- 性格
- 基本的には無愛想で厳格な性格ですが、例外的に特定の英雄や神々には協力したこともあります
- 例えば、オルペウスやヘラクレスなどが冥界へ訪れた際には、特別に船に乗せたりしています
- オルペウス
- 愛する妻エウリュディケーを取り戻すため冥界に来たオルペウスは、その竪琴の美しい音色でカロンを魅了し、特別に船で運ばれました
- ヘラクレス
- ヘラクレスが冥界へ来た際には力ずくでカロンを打ち負かし、船で運ばせました
- この件でカロンはハデスに罰せられ、1年間鎖につながれる罰を受けたと言われています
- アイネイアス
- トロイア戦争後、父アンキセスと再会するため冥界へ向かったアイネイアスもまた、巫女シビュレの助けと「黄金の枝」という贈り物によってカロンから特別に通されました
- カロンと生者
- カロンは基本的に生者を船に乗せることはありません
- 生者が冥界へ行くことは禁じられているためです
- しかし、特定の神々や英雄には例外的に協力することがありました
- 文化的影響
- カロンはギリシア神話だけでなく、多くの文学作品や芸術作品にも登場します
- ダンテ・アリギエーリの『神曲』では地獄篇にも登場し、死者たちを地獄へ運ぶ役割を果たしています
- また、「カロンのオボルス」という言葉も有名で、死後世界への旅路に必要な硬貨として象徴的な意味合いがあります
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最終更新:2024年11月17日 14:36