死の神
死の神々は、さまざまな文化や神話体系において、死や
冥界を司る存在として登場します。
死の神の特徴
- 死の神々は多くの場合、「生命と死」「終焉と再生」という二面性を持ちます
- 彼らは単なる破壊者ではなく、魂の導き手や再生への橋渡し役として重要な役割を果たします
- 文化ごとの違いはありますが、「死」という普遍的テーマへの人間社会の深い関心が反映されています
神話における代表的な死の神
- 1. タナトス(Thanatos)
- 死そのものの擬人化された神で、ニュクス(夜の女神)の息子。寿命が尽きた人間の魂を冥界へ運ぶ役割を担う
- 冷静で無情な性格を持つが、穏やかな死を象徴する
- 兄弟には眠りの神ヒュプノスがいる
- 2. ハデス(Hades)
- 3. カロン(Charon)
- 4. グリム・リーパー(Grim Reaper)
- 1. ヘル(Hel)
- 冥界「ヘルヘイム」を支配する女神で、戦場で死ななかった者たちや自然死した者たちを迎え入れる
- 彼女の外見は半分が腐敗した肉体、半分が美しい女性として描かれる
- 1. アヌビス(Anubis)
- 死者のミイラ化と埋葬儀式を司るジャッカル頭の神
- 死者の心臓をマアトの羽根と比較して審判し、魂が来世に進む資格があるか判断する
- 2. オシリス(Osiris)
- 冥界と再生の神であり、死後の世界「ドゥアト」を支配する
- 復活と生命循環を象徴する存在でもある
- 1. ヤマ(Yama)
- 死と正義を司る神であり、亡者の行いに基づいて裁きを行う
- 仏教では輪廻転生とカルマ(業)の管理者としても重要視される
- 2. カーリー(Kali)
- 破壊と再生を象徴する女神で、「死」の側面だけでなく母性的な側面も持つ
- 悪魔やエゴなど精神的な「死」をもたらす存在として描かれる
- 1. モリガン(The Morrigan)
- 戦争と死を象徴する三重女神。カラスやワタリガラスに変身し、戦場で死を予言する
- 魂を運び、生まれ変わりへの導きを行う存在でもある (→運命の女神)
- 1. ミクトランテクートリ(Mictlantecuhtli)
- 冥界「ミクトラン」の支配者であり、骨や遺物を守る役割を持つ
- 骨から新しい生命が生まれるという再生思想も象徴している
日本文化
- 1. 死神(Shinigami)
- 日本独自の概念で、西洋的な「死の使者」に近い存在。亡くなる人間に取り憑き、その魂をあの世へ導く役割を担う
- 現代ではフィクション作品にも多く登場し、多様な解釈がある
その他の文化
- 1. サンタ・ムエルテ(Santa Muerte, メキシコ)
- 骨格姿の女神として描かれ、「聖なる死」を象徴。罪人や弱者にも慈悲深い存在とされる
- 2. エレシュキガル(Ereshkigal, メソポタミア)
- 冥界「クル」の女王として知られ、魂の裁きや冥界の秩序維持に関与する
- 3. スパイ(Supay, インカ神話)
- インカ帝国における冥界「ウク・パチャ」の支配者。恐怖と畏敬の対象となった
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最終更新:2025年01月05日 12:58