死後の世界とは、死後に魂が行くと考えられている場所や、死後の世界を指す言葉です。
物語創作における
死後の世界は、生と死、現世と異界との関係性を深く掘り下げるために使われます。
また、
冥界で食べ物を口にすることでその世界に縛られるという
モチーフは、多くの場合、人間の欲望や運命との関わりを象徴的に表現しています。
No |
カテゴリ |
要素 |
説明 |
1 |
境界としての 死後の世界 |
此岸と彼岸の境界 |
死後の世界は、生者の世界(此岸)と死者の世界(彼岸)を分ける境界として描かれます。 たとえば、漫画『死役所』では、死者が訪れる「役所」が舞台となり、そこで死後の手続きが行われます。 このように、死後の世界は生者と死者が交わる場所として設定されることが多いです |
異界への移行 |
死後の世界は、現世から異なる次元や空間への移行を象徴します。 たとえば『SIREN』シリーズでは「赤い水」を飲むことで異界に取り込まれ、現世に戻れなくなるという設定があります |
2 |
冥界の食べ物 |
食べ物による縛り |
神話や創作において「冥界の食べ物を口にすると元の世界に戻れなくなる」というテーマがよく用いられます。 これは、日本神話の「黄泉戸喫(よもつへぐい)」やギリシア神話のペルセポネの伝説など、 多くの文化で見られるモチーフです。『千と千尋の神隠し』でも、 千尋の両親が異界で食べ物を食べて豚に変わるシーンが、このテーマを象徴しています |
禁断の果実 |
『仮面ライダー鎧武』では、「ヘルヘイムの実」を食べると怪物に変わってしまうという設定があり、 これも冥界や異界との結びつきを強調しています |
3 |
死後世界での裁き |
生前の行い による裁き |
多くの場合、死後の世界では、生前の行いによって裁かれるという設定があります。 ダンテ・アリギエーリの『神曲』では、地獄で罪人たちがそれぞれ犯した罪に応じた罰を受けています。 このような裁きは、生前と死後をつなぐ重要な要素として描かれます |
4 |
冥界での 成長や浄化 |
魂の浄化や成長 |
死後の世界は、魂が浄化される場所として描かれることもあります。 たとえば『天間荘の三姉妹』では、臨死状態になった主人公が「あの世とこの世」の狭間で魂を癒し、 生き返るか天国へ旅立つかを選ぶという設定です。 このように、死後世界は魂が成長し、新たな選択肢を得る場として機能します |
5 |
永遠性と時間感覚 |
永遠性 |
冥界はしばしば「永遠」がテーマとなります。 『SIREN』シリーズでは、「赤い水」を飲んだ者が永遠に異界に縛られるという呪いが描かれており、 これは時間感覚が現世とは異なることを示しています |
時間感覚の変化 |
冥界では時間が止まっているか、異なる速度で流れていることがあります。 この特徴は「常世」や「黄泉」といった概念にも見られ「永遠」に続く世界として描かれることが多いです |
6 |
冥界から戻る ための試練 |
試練や課題 |
冥界から戻るためには試練や課題をクリアする必要がある場合もあります。 たとえば、『神曲』では主人公ダンテが地獄から天国へ至るまで、 多くの試練を乗り越えなければならないという構造になっています |
物語創作における死後の世界との境界をつなぐ要素は、しばしば象徴的な
モチーフとして使われ、生と死、現世と異界を分ける役割を果たします。
これらの要素は物語の中で、登場人物が死後の世界に足を踏み入れる際や、異界から戻る際に重要な役割を果たすことが多いです。
- 1. 川や海
- 2. 橋
- 川や海には橋が架かっていることもあり、この橋は死後の世界への通過儀礼や試練の象徴です
- ゾロアスター教では「チンワト橋」が有名で、善人には渡りやすく、悪人には細く危険になるとされています
- 3. 階段
- 階段は上下の世界をつなぐ象徴としてよく用いられます
- 階段は天国や地獄へ向かう道として描かれることが多く、上昇する階段は天国への道、下降する階段は地獄への道として表現されます
- ダンテ・アリギエーリの『神曲』では、地獄から煉獄山へと上る際に階段が登場し、罪が浄化される過程が描かれています
- 4. 鏡
- 鏡は現実と異世界をつなぐ入り口として、多くの物語で使われています
- 鏡は「反射」や「逆転」の象徴であり、鏡を通じて異界に入るという設定は、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』などで有名です
- 鏡は現実世界と異界との間にある薄い膜として描かれ、その向こう側には異なる法則が働く世界が広がっています
- 5. 扉や門
- 扉や門は、現世と死後の世界を隔てる直接的な境界として頻繁に登場します
- たとえば、『神曲』では「地獄の門」に「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」という言葉が刻まれており、この門を通過することで地獄に入ることになります
- また、日本神話でも黄泉の国への入口として「黄泉戸(よもつへ)」という扉が存在し、一度開けると戻れなくなるという設定があります
- 6. 冥界の食べ物
- 冥界や異界で食べ物を口にすると元の世界に戻れなくなるというテーマは、多くの神話や物語で見られます
- ギリシア神話ではペルセポネが冥界でザクロの実を食べたため、一年の一部を冥界で過ごさなければならなくなりました
- 日本神話でも「黄泉戸喫(よもつへぐい)」という概念があり、黄泉の国で食べ物を口にすると戻れなくなるとされています
- 7. 霧や靄
- 霧や靄(もや)は、生者と死者の世界を隔てる曖昧な境界として描かれることがあります
- 霧によって視界が遮られることで、現実と異界との境目が曖昧になり、その中に入ることで死後の世界へ迷い込むという設定です
- このような霧は、不確実さや未知への恐怖感を強調するためによく使われます
- 8. 影
- 影もまた、生者と死者との境界線として使われます。影は実体がないものとして扱われ、それ自体が異界との接点となります
- 影を踏むことで異世界に引き込まれるなど、影そのものが死後世界への入り口となる場合もあります
- 9. トンネル
- 臨死体験では、暗いトンネルを抜けて光の中に入ると、美しい世界が広がるとされています
- トンネルは、現世と死後の世界を隔てる境界として機能し、文化背景を問わず普遍的に現れます
- トンネルに一歩でも入ると、もはや戻ることができず、真の意味で存在しなくなるという考えもあります
- 例えば『千と千尋の神隠し』では、トンネルが日常と非日常をつなぐ境界、小説『死後物語 BLUE』では、トンネルが「あの世の入り口」として描写されています
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最終更新:2025年01月03日 23:22