ふたつの組織の内側 - めておすがらくた

【ふたつの組織の内側】

日時	2013/04/26-27
主催者	餅
過去ログ	１日目

＜参加キャラ＞

持ち主	キャラ
LefTonbo	バトーラ、ラフール
ueda	宮田、パラ
ぼて	ディア、リィスティ
のりもも	スレパート
藁田猫	イルアス、ウィグラル、猫獣人、 クェンシィ、ナツカ、ハーヴェン
dai	ジェレーザ、フェーロ
餅	うさぎ兵、リジェン、フロウ、 スズメちゃん（初登場）、メアリス

＜ストーリー＞

今日も交流所にメンバーが集まってきた。

リジェンは、以前話した均衡維持軍所属の知人を迎えにいこうとするが、
その前に一つ報告をする。
メアリスが、解放戦線の兵と一緒にいる映像を入手したという。

均衡維持軍と解放戦線の両方を調査する必要が出たため、一行は二手に分かれて行動することにした。
すでにリジェンは、両軍への入隊志願書を出し、一行が自然に入れるようにしていた。
後は人間（あるいは人間にしか見えない者）のチームが均衡維持軍、人外のチームが解放戦線に入ればよい。
宮田は何度も戦いに出ているため顔が割れているのではないかと心配するが、
情報管理がずさんなので大丈夫だとリジェンは言う。
一行はさっそく、フロウが開いたゲートでそれぞれの行き先に向かった。

・解放戦線編

人外チームは猫獣人を先頭に、解放戦線アジト前に出てきた。
猫獣人は元解放戦線所属だったので、バレてしまわないか心配になる。
が、幸いにも、この日アジトにいた兵士の中で彼を覚えている者はいなかったようだ。

アジトは洞窟を掘って作ったようなものだったが、生活に必要な設備は一通り揃っているようだった。
一行を案内する解放戦線兵は、「今日は別な組織から怖い奴らが来てる」と愚痴をこぼす。
黒い服を着て、ガスマスクをつけ、声に抑揚がなく、体がやたら細い連中らしい。

案内の兵士と世間話をしつつ、一行は重要そうな場所をあちこち見せてもらう。
最初は、集会場を訪れた。
ここでは実際に集会が行われることはほとんどなく、普段は倉庫として使われているらしい。

続いて寝室に向かったが、その途中案内の兵士が言う「怖い奴ら」と遭遇してしまう。
兵士が言ったとおり、棒人間に服とガスマスクを着用させたような姿だった。
彼らは解放戦線に武器を提供しに来たらしく、兵士の一人と話をしていた。

寝室を見せてもらったところで案内の兵士は見回りに向かい、自由行動となった。
バトーラとラフールは倉庫となった集会場に向かう。

残った猫獣人達は解放戦線の兵士達について話した。
解放戦線は、人外を人間達の迫害から守るという目標を掲げてはいるが、
実際の兵士達はそんなこととは関係なく、ただ就職先を求めて来ただけの者が多いという。
だとすれば、人外でも差別されずに生きていける場所があれば解放戦線にいる理由もなくなるはずだ。

多くの種族が住むローアスやトリエルドならば、人間でなくとも穏やかに暮らしていけるだろう。
街で団地の移住希望者募集のチラシが配られていたのを思い出した猫獣人は、
そのチラシをコピーしてアジト中に貼っていくことを思いつく。
猫獣人とウィグラル、うさぎ兵はチラシをコピーし、それらをアジトのあちこちに貼っていった。
解放戦線の兵士達はさっそくチラシに反応。　猫獣人は彼らにトリエルドの街を紹介する。
もしかしたら、これで軍を抜けてトリエルドに来てくれるかもしれない。

一方バトーラとラフールは倉庫の調査を続けて、術符やら銃やらを発見した。
そこにパラと、作業を終えた猫獣人達もやってきて、家捜ししはじめる。
下のほうのダンボールをひっくり返すと、光の槍を撃つことができる簡素な杖を見つけることができた。

一通り調べ終えたところで、猫獣人は「狂暴化の術符」のことを思い出す。
貼られると人格が変化して、狂暴ながらも命令に服従するようになってしまうもので、
猫獣人も解放戦線にいた頃貼られたことがあったらしい。

もしかしたらこの倉庫にその術符があるかもしれない、と再び家捜しする一行。
すると、パンフレットと金庫を見つけることができた。
パンフレットは狂暴化術符に関するもので、記憶喪失に対処するための札もあることも書かれていた。
金庫は開け方がわからないので、金属を食べるジェレーザに外身だけ食べてもらうことにした。

金庫の中には術符があった……が、一行がそれを拾おうとした瞬間、部屋の扉が開いた。
扉の向こうにいたのは、先ほど遭遇したガスマスク着用の謎の生命体達だった。
彼らは交流所メンバーを見るや否や、アサルトライフルをぶっ放してきた。
相手の装備を見たうさぎ兵は、それがメアリスの世界にいた兵士たちのものであることに気づく。

相手は術符で身を守っていたが、それも一行の攻撃を防ぎ切るほどの力はなかった。
ガスマスクは次々と倒されていき、溶けて黒い泥になり、蒸発してしまう。
最後の一体はグレネードを投げつけてから倒れるが、それもバトーラに風で吹っ飛ばされた。

騒ぎを聞きつけた解放戦線の兵士達が続々と現れ、一行が交流所から来たことに気づく。
しかし、攻撃してくることはなかった。　むしろみんなビビって、逃げ出そうとしている。
道を開けてくれたので一行はそのまま帰ることにした……のだが、
ウィグラルの背負っていた背嚢がもごもごと動き出し、中から何かが現れた。
出てきたのは交流所で留守番していたはずのクェンシィだった。

帰りたがらないクェンシィを捕まえ、一行は交流所へと帰っていったのだった。

・均衡維持軍編

人間チームは均衡維持軍の支部の前に出た。
そこに、一人の均衡維持軍の兵士が近づいてきたが、彼はリジェンを見て仰天する。
どうやら、彼がリジェンの言う「均衡維持軍所属の知人」のようだ。
リジェンは彼を「スズメちゃん」と呼ぶ。
本人は他にコードネームを持っているようだが、言わせてもらえなかった。

スズメちゃんの案内で建物の中を進んでいく一行。
歩きながら、スズメちゃんから均衡維持軍に関する話を聞いたり、質問したりする。

均衡維持軍は世界の均衡を保つという理念を掲げているのだが、
それを真面目に意識している兵士は実際それほど多くはいないらしい。
だから、上で指揮をとるリーダーがいなくなれば、均衡維持軍は瓦解する可能性が高いという。

しばらく歩いていくうちに、戦車などの兵器も目に入ってきた。
少し前の市街地の戦闘で現れた、「スサノオノミコト」もここにあったらしい。
均衡維持軍は、兵器の名前として怪物を打倒した伝説の英雄の名を使う傾向があるようだ。

さらに歩くと、壁に落書きがあるのが見えた。
だが、その落書きは……逆さのスマイルマークに「I am looking at you」という英文であった。
それを見た一行の脳裏に、均衡維持軍巡洋艦での出来事がよぎる。
イルアスはスズメちゃんに一通り事情を説明した。

そうこうしている間にＰＣルームに到着した。
中では不真面目な兵士がゲームをしていたが、一行と入れ替わりに去っていった。

ＰＣを起動し、あれこれ調べ始める一行。
ＰＣの中身はゲームやらなんやら、軍とはおよそ関係のないものばかりであった。
しかも恐ろしいことに機密情報の入ったフォルダは普通に見える状態になっており、
パスワードもかかっていなかった。
あまりの管理のずさんさにめまいすら覚えながらも、リジェンは調査を続ける。

初めに出てきたのは例の逆さのスマイルマークの画像だった。
もはや見慣れたそれをスルーして、機密フォルダの奥深くを覗いていくリジェン。
その中には、金属や設計図の購入記録があったが、どうにも記述があいまいだ。
「空母設計図」というテキストファイルも見つけたが、中身は白紙だった。
リジェンは続けて、この支部とメアリスとの間に何か関わりがないか調べてみた。
すると、この支部とメアリスが、武器の取引をしていたということがわかった。

……その時、どこかからそのメアリスの声が聞こえてきた。
一行はＰＣルームを飛び出し、声が聞こえた方に急いで向かう。
そこには、木箱に座るメアリスの姿があった。

どうやらメアリスは自分自身のコピーを生み出す能力を身につけていたらしく、
解放戦線の側にそちらを送り込み、自分はずっとここにいたらしい。
だが、一行が均衡維持軍と解放戦線の両方の拠点を訪れたのは予想外だったようだ。
そして、コピーと聞いたイルアスは巡洋艦での事件を思い出す。
あの場にいたメアリスも案の定コピーだったのだが、途中で人格が崩壊したらしい。

「生き物を生み出したり生き返らせたりできるなら、今生かしておく必要もない」
そんなことを巡洋艦のメアリスが言っていたことを思い出す一行。
コピーのメアリスは、気が狂っていた。
だが、ただ狂っているだけであのようなセリフを言ったわけでもなかった。
あの言葉は、メアリスの本心の一部でもあったのだ。

メアリスに反論するイルアス。
何かを守るために世界を壊すなど、本末転倒だ。　あなたのしていることは自己満足に過ぎない。
そう言って彼女はメアリスに詰めよる。
だが、メアリスはそんなイルアスを突き飛ばし、手の内に銃を生成する。

一方、宮田は何かを思い出していた。
何か嫌な記憶だったようだ。　宮田は顔色が悪くなり、脂汗を流し、ひどく咳き込む。
彼が思い出していたのは、ナカムラの死であった。
体を震わせ、パニックを起こしそうになりながらも、宮田はメアリスに訴えかける。
ナカムラは死んでしまった。　そのことも取り返しがつくというのか、と。

ナカムラが命を落としたことを聞いたメアリスは、一瞬動揺する。
どうして言わなかったのか、間に合ったはずなのに、と訴えるメアリス。
イルアスは皆言おうとしたが、あなたが聞く耳を持たなかっただけだと反論する。
メアリスは、そんなイルアスの言葉を振り切るかのように一行に攻撃を仕掛ける。
イルアスも戦いの決意を固め、涙ながらに攻撃を行う。

そこに騒ぎを聞きつけた均衡維持軍の兵士達が駆けつけるが、
彼らは何故だかいきなり苦しみだす。
そして、目や口から黒い泥を垂れ流し、ゾンビのようになってしまう。
その様を見たナツカはショックで動けなくなってしまう。

自我を失った均衡維持軍兵たちは淡々と一行を攻撃する。
反撃を受けて体に穴が開いたり首が折れたりしても、ひるみもしない。
だが不死身になったわけではなく、ある程度の攻撃を受けたら倒れ、動かなくなっていた。

イルアスはメアリスから皆を守るため、最後の手段としてある魔法を使う。
彼女の最強の攻撃魔法、「ディヴァイン・ジャッジメント」だ。
メアリスはそれを阻止しようと、魔法でイルアスの足元を爆破しようとする。

イルアスの手から光の奔流が放たれ、メアリスを飲み込む。
その直後、イルアスの足元で大爆発を起き、彼女を空中高く吹き飛ばした。

メアリスは死んではいなかった。
だが、すぐ再生できるほど傷が浅いわけでもなかった。
宮田は倒れているイルアスにメディキットで応急処置を施し、メアリスのところへ向かう。

メアリスはハンドガンで宮田を殺そうとしたが、彼が自分を治療しようとしているのに気づく。
宮田はメアリスに言う。　ナカムラは死んだが、ブライトデリーターズは滅ぼせたと。
まだ言葉を続けようとしていたが、メアリスはそんな宮田を自分のすぐ近くに引き寄せて言う。
いつかその優しさのせいで、自分自身も、守りたいものも死なせてしまう時がくる、と。
そのままメアリスは宮田を突き飛ばし、ワープで去ってしまった。

すでに均衡維持軍の兵士達が集まってきている。
一刻も早く脱出しなければ、マズいことになってしまうだろう。
何人かのメンバーは自力で脱出するが、兵士の変貌にショックを受けたナツカは動けずにいた。
しかし、そこに誰かがワープしてくる。
やってきたのは、ずっと昔から交流所に来ていた、空間の賢者ハーヴェンだった。
ハーヴェンの力で残るメンバーは支部の外へとワープし、脱出できた。

最後にスズメちゃんがリモコン爆弾で支部を爆破し、一行は交流所へ帰還した。

・帰還後

戻ってきた一行を、留守番していたリィスティが迎える。

戻ってきたクェンシィはご機嫌斜めだった。
ウィグラルが何を言っても聞かなかったが、イルアスが膨れたほっぺをつついてみると、
変な音が出て空気が抜ける。
それが面白かったのか、クェンシィは機嫌を直した。
一方宮田は、ウィグラルにメアリスと遭遇した時のことを話す。

スズメちゃんも交流所に来たが、貧乏な彼は交流所の豪華な設備に目が眩み、
感動の余り絶叫しながら中を駆け回る。
騒がしかったが、リジェンがボコって黙らせた。

しばらく交流所に来ていなかったハーヴェンは色々と変化に戸惑っていたので、
イルアスは今日は久々にゆっくりしていくよう勧める。
ハーヴェンはそんな彼女に対し、久々に「……　だな！（笑顔で」を見せたのだった。