戦闘
戦闘の手順
典型的な戦闘遭遇は二つの勢力の衝突である。振り回される武器、フェイント、受け流し、フットワーク、呪文の発動があわただしく行われる。このゲームにおいて、戦闘のごたごたはラウンドとターンの繰り返しとして整理される。1ラウンドはゲーム内世界の約6秒である。ラウンド中、戦闘に参加している者はそれぞれターンをとる。ターンの順番は戦闘開始時に全員がイニシアチブ・ロールを行うことで決定される。全員がターンをとり終えた時にどちらの側も倒されていなければ、戦闘は続行され、次のラウンドに進む。
戦闘の各ステップ
1.不意討ちの判断:GMは今回の戦闘遭遇に参加している者の中に不意を討たれた者がいるかどうかを判断する。
2.位置の決定:GMは全キャラクターと全モンスターがどこにいるかを判断する。冒険者の移動時の並び順や、冒険者が部屋やその他の場所で宣言していた立ち位置によって、GMは敵がどこにいるか、どのくらい遠くにいて、どの方向にいるのかを判断する。
3.イニシアチブのロール:戦闘遭遇に参加している者全員がイニシアチブをロールして、各自のターンが回ってくる順番を決定する。
4.ターンを行う:戦闘の各参加者はイニシアチブ順にターンを行う。
5.次のラウンドの開始:戦闘の参加者全員が自身のターンを行った時点でそのラウンドが終了する。戦いが終了するまで、ステップ4を繰り返すこと。
不意討ち
冒険者の一行が山賊の野営地に忍び寄り、木陰から飛び出して彼らへ襲い掛かる。ゼラチナス・キューブはダンジョンの通路を滑らかかつ静かに動く。冒険者達は仲間の一人がキューブに飲み込まれるまで、その存在に気づかなかった。これらの状況においては、戦闘に参加している一方の側がもう一方の側を"不意討ち"したことになる。
GMは誰が不意討ちされたのかを判断する。どちら側も隠れようとしていなかった場合、両者はお互いの存在に自動的に気づく。そうでない場合、GMは隠れている者それぞれの【敏捷力】〈隠密〉判定の結果と、その者の相手側のクリーチャー全員の受動【判断力】〈知覚〉値とを比較する。脅威の存在に気づけなかったキャラクターやモンスターは、その戦闘遭遇の開始時に不意を討たれたことになる。
君が不意を討たれた場合、その戦闘において君は最初のターンに移動もアクションも行えない。加えて、最初のターンが終了するまではリアクションを行うこともできない。集団内の他の者は不意を討たれなかったが、ある者は不意を討たれたということもある。
イニシアチブ
イニシアチブは戦闘におけるターンの順番を決定するものだ。戦闘開始時、戦闘の参加者はそれぞれ【敏捷力】判定を行い、自身がイニシアチブ順の中でどこに来るのかを決める。GMは同一のデータを持つモンスターの集団については全体で1回だけロールする。従って、その集団のクリーチャーは全員同時に行動する。
GMは戦闘の参加者を【敏捷力】判定の結果が最も高い者から、最も低いものまで順番に並べる。この順番こそ、各ラウンドにおいてそれぞれが行動する順番となる(これをイニシアチブ順と呼ぶ)。イニシアチブ順はラウンドごとに変化しない。
同値が発生した場合、GMが操作するクリーチャー同士での同値ならGMが行動順を決め、プレイヤー同士での同値ならプレイヤーたちが決める。モンスターとプレイヤー間で同値の場合はGMが決定できる。あるいは、GMは同値だったキャラクターとモンスターそれぞれについてD20をロールし、高い目が出た順で行動することにしてもよい。
君のターン
自身のターンにおいて、君は最大で自身の移動速度に等しい距離の移動と、1回のアクションを行える。移動とアクションのどちらを先に行うかは君が決める。君の移動速度──歩行速度とよばれることもある──は君のキャラクター・シートに書いてある。
"戦闘中のアクション"のセクションには、君がよく行うであろうアクションが書かれている。多くのクラス特徴やその他の能力は、君が行えるアクションの選択肢を追加で与える。
"移動と位置"のセクションには君の移動に関するルールが書かれている。
君は移動せずにアクションだけ行うこともできるし、まったく何もしないこともできる。自身のターンに何をするか決められない時は、"戦闘中のアクション"のセクションにある、"回避"または"待機"アクションを行うことを検討せよ。
ボーナス・アクション
様々なクラス特徴、呪文、その他の能力は、君がボーナス・アクションと呼ばれる追加のアクションを取ることを可能にする。たとえばローグの"巧妙なアクション"はボーナス・アクションの行使を可能にする。君は特別な能力、呪文、あるいはその他のゲーム的な特徴に「君はボーナス・アクションとしてなになにを行える」のような記載がある時にだけボーナス・アクションを行える。そうでない場合、君はボーナス・アクションを持たない。
君は自身のターンにボーナス・アクションを1回だけ行える。そういう訳で、君は複数の複数の選択肢がある場合はどのボーナス・アクションを行うのか選ばねばならない。
ボーナス・アクションのタイミングに指定がない限り、君は自身のターン内のどこでボーナス・アクションを行うのか選べる。加えて、どのような理由にせよ、君がアクションを行えない状況下にある場合、君はボーナス・アクションも行えない。
自分のターン中の他の行動
自身のターン中、君はアクションも移動も必要としないような様々な行動を行える。
君は自身のターンを行いつつ、発声や身振り手振りを通して、可能な範囲のちょっとした意思疎通を行える。
君はアクションや移動の最中に物体1つか環境の特徴1つを何も費やすことなく"扱う"ことができる。例えば、君は敵の方へ移動する最中にドアを開けることができるし、あるいは攻撃を行うのと同じアクションの一部として剣を1本抜けるのだ。
2つ目の物体を扱いたい場合、君はアクションを使用する必要がある。一部の魔法のアイテムやその他の特別な物体は、その説明に書かれている通り、使用するのにいつでもアクションを要する。
特に注意を必要とする時や、普通とは異なる障害が存在する時にも、GMはその行動にアクションが必要だと判断することがある。例えば、立て付けの悪い扉を開けたり、跳ね上げ橋を下す用のクランクを回したりするのにはアクションがいるというGMの裁定は合理的だろう。
周囲の物体を扱う
移動とアクションと並行して行える行動の例を以下に示す:
- 剣を1本抜くか鞘に収める
- 扉を1枚開けるか閉める
- 背負い袋からポーションを1本取り出す
- 落とした斧1本を拾う
- テーブルの上にある雑貨を1つ取る
- 自身の指から指輪を1つ外す
- 自身の口に食べ物を詰め込む
- 地面に旗竿1本を突き立てる
- 自身のベルト・ポーチから貨幣数枚を取り出す
- ジョッキ1杯のエールを飲み干す
- レバーかスイッチを動かす
- 壁についた燭台から松明を1本取る
- 手の届く範囲にある本棚から本を1冊取る
- 小さな火1つを消す
- 仮面を1つつける
- 被っていたフードを首の後ろまではねあげる
- 扉1つに耳をあてる
- ちいさな石1つを蹴飛ばす
- 鍵穴に刺さっている鍵1つを回す
- 10フィート棒で床をつつく
- 他のキャラクターにアイテム1つを手渡す
リアクション
特別な能力、呪文、あるいは状況などによって、君はリアクションと呼ばれる特別なアクションを行えるようになる。リアクションは何らかのトリガーに対する反応であり、このトリガーは自身のターンに発生することも、別の誰かのターンに発生することもある。最も一般的なリアクションは機会攻撃だ。
リアクションを行ったなら、君は次の自身のターンの開始時まで別のリアクションを行うことはできない。リアクションによって誰かのターンが中断された場合、そのクリーチャーはそのリアクションの直後からターンを再開できる。
移動と位置
戦闘において、キャラクターとモンスターは頻繁に動き、しばしば移動と位置を利用して優位に立とうとする。
自身のターンにおいて、君は移動速度に等しい距離まで移動できる。君は以下のルールに従う範囲で、自身のターンにおいて移動速度いっぱいまで移動してもいいし、より短いだけ移動してもよい。
君の移動速度には、跳躍、登攀、水泳も含まれている。これらの異なるモードは歩行と組み合わせてもいいし、君の移動すべてをそのモードが占めてもいい。どのような移動であれ、君は移動するたびに、その距離を自身の移動速度から差し引くこと。移動速度を使い切るか、それ以上移動する必要がなくなった時点で君の移動は終了する。
移動を分割する
君は同一のターンに行うアクションの前後で自身の移動を分割することができる。例えば、30フィートの移動速度を有する場合、君はまず10フィート移動し、アクションを行い、その後に20フィート移動することができる。
攻撃の合間の移動
君は2回以上の攻撃を含むアクションを行う場合、それらの攻撃の間にも移動できる。つまり移動をさらに細かく分割できるのだ。例えば、移動速度が25フィートで、"追加攻撃"の特徴によって2回の攻撃が行えるファイターの場合、そのファイターは10フィート移動して1回の攻撃を行い、その後15フィート移動して再び1回の攻撃を行える。
異なる移動速度を組み合わせる
歩行移動速度と飛行移動速度の様に、2つ以上の移動速度を持っている場合、君は移動の最中にそれらの移動速度をあちこち切り替えることができる。移動速度を切り替えるたびに、それまでに移動していた距離を新しい移動速度から差し引くこと。その結果が君が移動できる残りの距離となる。結果が0以下である場合、現在の移動において君はもはやその新しい移動速度を使用できない。
例えば、君が30フィートの歩行移動速度を持っていて、ウィザードが君に対して発動したフライ呪文によって60フィートの飛行移動速度も得ている場合、君は20フィート飛行してから10フィート歩行し、さらにそこから空中へ飛びあがって30フィート飛行できる。
移動困難な地形
すっからかんの部屋や平坦な草原で戦闘が発生することは稀だ。岩が転がる洞窟、茨の繁茂する森、あるいは足場のしっかりしていない階段。典型的な戦闘の舞台は"移動困難な地形"を伴う。
"移動困難な地形"内の移動1フィートごとに、移動速度が追加で1フィート消費される。これはある場所を"移動困難な地形"にするような要素がそのスペース内に複数ある場合でも同様だ。
低い家具、瓦礫、やぶ、急な階段、ユキ、浅い沼などは"移動困難な地形"の例だ。敵対的であろうとなかろうと、他のクリーチャーが占めているスペースも"移動困難な地形"として扱う。
伏せ状態
戦闘の参加者はしばしば地面に伏せる。打ちのめされてそうなることもあれば、自ら進んで地面に伏せることもある。このゲームにおいて、これらは付録PH-Aにある記載がある伏せ状態として扱われる。
君は移動速度を使用することなく伏せ状態になることができる。しかしそこから立ち上がるのは労力がかかる。すなわち、立ち上がるためには自身の移動速度の半分に等しい移動を費さねばならない。
例えば、移動速度が30フィートなら、君は立ち上がるのに移動を15フィート分消費せねばならない。十分な移動速度が残っていなかったり、移動速度が0である場合、君は立ち上がることができない。
伏せ状態のまま移動するためには、這い進むか、瞬間移動のような魔法を使用せねばならない。這い進む場合は移動1フィートごとに、1フィートが追加で消費される。そういう訳で、移動困難な地形を這い進む場合は、移動1フィートごとに計3フィート分消費せねばならない。
他のクリーチャーをすり抜ける
君は敵対的でないクリーチャーのスペースをすり抜けることができる。一方で、敵対的なクリーチャーのスペースをすり抜けられるのは、そのクリーチャーが少なくとも君より2段階以上小さいあるいは2段階以上大きい場合だけだ。他のクリーチャーのスペースは君にとって"移動困難な地形"であるということを忘れないように。
そのクリーチャーが味方でろうと敵であろうと、君は自身の意志で他のクリーチャーのスペース内で移動を終了することはできない。
移動中に敵対的なクリーチャーの"間合い"を離れる場合、君は機会攻撃を誘発する。
飛行移動
飛行しているクリーチャーはその機動性の利益を謳歌するが、落下の危険に対処する必要もある。飛行しているクリーチャーが(1)伏せ状態になるか、(2)移動速度が0に低下するか、(3)その他なんらかの形で移動能力を奪われた場合、そのクリーチャーはホバリング能力を有しているか、フライ呪文のような魔法によって浮いているのでない限りは落下する。
クリーチャーのサイズ分類
クリーチャーが占めるスペースの大きさはそれぞれ異なる。『サイズ分類』表には、各サイズのクリーチャーは戦闘中においてどれくらいのスペースを占めるのかが書かれている。物体についても、時にクリーチャーと同様にこのサイズ分類を用いることがある。
サイズ分類
| サイズ |
スペース |
| 超小型 |
2½フィート×2½フィート |
| 小型 |
5フィート×5フィート |
| 通常 |
5フィート×5フィート |
| 大型 |
10フィート×10フィート |
| 超大型 |
15フィート×15フィート |
| 巨大 |
20フィート×20フィート以上 |
スペース
クリーチャーのスペースは、戦闘中においてそのクリーチャーの支配が明確に及んでいる範囲をフィート単位であらわしたものであり、物理的な大きさを表すものではない。例えば、典型的な中型サイズのクリーチャーは幅5フィートもないが、幅5フィート分のスペースを支配しているのだ。中型サイズのホブゴブリンが幅5フィートの戸口に立っているなら、他のクリーチャーはそのホブゴブリンの許可なしで底を通ることはできない。
クリーチャーのスペースはそのクリーチャーが効果的に戦うのに必要な範囲も同時に表す。そのため、戦闘中に1体のクリーチャーを取り囲めるクリーチャーの数には限りがある。戦闘参加者が全員中型サイズである場合、1体クリーチャーから5フィート以内に居られるクリーチャーの数は最大でも8体だ。
より大きなクリーチャーは占めるスペースも広いため、大きいクリーチャーで1体を取り囲もうとすると、その数は少なくなる。大型サイズのクリーチャーが4体が中型または小型サイズのクリーチャーを取り囲む場合、他の誰かが入りこむ余裕はほとんどなくなる。対照的に、巨大サイズのクリーチャーを中型サイズのクリーチャーが取り囲む場合は20体が上限となる。
狭い場所に無理やり入り込む
クリーチャーは自身よりも1段階小さなクリーチャーが入れるスペースであれば"無理矢理入りこむ"ことができる。そのため、大型サイズのクリーチャーは幅5フィートしかない通路に無理やり入りこんで通過できる。スペースに無理矢理入りこんでいる間、クリーチャーは移動1フィートごとに、移動速度を追加で1フィート消費せねばならなず、攻撃ロールと【敏捷力】セーヴに不利を被る。さらに、狭いスペースに無理矢理入りこんでいるクリーチャーに対する攻撃ロールは有利を受ける。
戦闘中のアクション
君は自身のターンにアクションを取る時に、(1)以下に記載されているアクションの1つ、(2)クラス特徴や特殊な特徴から得たアクション、(3)その場で思いついた即興のアクション、の内いずれか1つを行える。ほとんどのモンスターはそれ自体のデータ・ブロックにとれるアクションの選択肢が書かれている。
君がルールのどこにもないようなアクションをしたいと宣言した場合、GMはそのアクションが可能かどうか、可能なのであればそのアクションの成否を決めるためにどんなロールを行うのかを決定する。
攻撃
戦闘中に最もよくとられるアクションが攻撃アクションである。剣を振るう、弓から矢を放つ、拳で殴る。全て攻撃アクションである。
攻撃アクションによって、君は近接攻撃または遠隔攻撃を1回を行う。攻撃に関するルールの詳細は"攻撃を行う"のセクションを参照のこと。
特徴の中には、ファイターの"追加攻撃"のような、このアクションで2回以上の攻撃を可能にするものがある。
呪文の発動
ウィザードやクレリックをはじめとする呪文発動者、そして数多のモンスターたちは、呪文を発動でき、戦闘においてもそれが及ぼす威力は絶大だ。各呪文には発動時間の記載があり、その呪文を発動するのに発動者がアクション、リアクション、数分間、数時間のうちいずれを要するのかが書いてある。呪文の発動それ自体はアクションであるとは限らない、しかし多くの呪文の発動時間は1アクションである。そういう訳で、戦闘中において呪文発動者はこのような呪文を発動するためにアクションを費やすことが多い。
早足
早足アクションを行った場合、君はそのラウンド中に追加の移動を行える。この追加の移動量は、あらゆる修正値を加えた後の君の移動速度に等しい。例えば、移動速度が30フィートなら、君は早足アクションを行ったターンに最大で60フィート移動できる。
君の移動速度が増加あるいは減少した場合、早足アクションによる追加の移動も同じだけ増減する。例えば、君の移動速度が30フィートから15フィートにまで減少した場合、君は早足アクションを行っても最大で30フィートしか移動できない。
離脱
離脱アクションを行った場合、そのターンの残りの間、君の移動は機会攻撃を誘発しなくなる。
回避
回避アクションを行った場合、君は攻撃回避に専念する。次の君のターン開始時まで、(1)君に対して行われるあらゆる攻撃ロールは、君が攻撃者を見ることができているかぎり不利を被り、(2)君が行う【敏捷力】セーヴは有利を得る。君は無力状態であるか、移動速度が0にまで減少している場合、これらの利益を得られない。
援護
君は他のクリーチャーの何かしらの試みを援護できる。援護アクションを行った場合、君が援護したクリーチャーは君が援護した試みのために(次の君のターン開始時までに)行う次の能力値判定に有利を得る。
もしくは、君は"自身から5フィート以内にいるクリーチャー"に対して君の味方が行う攻撃を援護できる。君はフェイントしたり、目標の気を散らしたり、その他何らかの方法で味方の攻撃をより確実にするのだ。君の次のターン開始時までに、君の味方のいずれかがその目標に対して攻撃する場合、そのうち一番最初の攻撃ロールは有利を得る。
隠れ身
隠れ身アクションを取った場合、君は隠れ身のルールに従って隠れるために【敏捷力】〈隠密〉判定を行う。成功した場合、君は"見えない攻撃者・見えない目標"のセクションに書いてある通りの利益を得る。
待機
時として、君は敵に先んじたいとか、特定の状況が起こるまで行動をせずに待ちたいと思うことがあるだろう。そのような場合、君は待機アクションを自身のターンに行うことができる。待機アクションを行うことで、君は次の君のターン開始時よりも前のどこかでリアクションを使用して行動できるようになる。
まず、君は自身のリアクションの作動条件となる状況を決める。それからその作動条件に対応して行うアクションを1つ選択するか、もしくはその作動要件に対応して自身の移動速度までの移動を行うことを選択する。例えば、「あのカルト教団員が落とし戸に足を置いたら、自分はレバーを引いてその落とし戸を開く」や「あのゴブリンが自分の隣まで来たら自分は移動して離れる」といった風である。
作動条件として指定していたことが発生したなら、君はその作動条件の処理が終了した直後にリアクションをとっても良いし、その作動条件を無視してもよい。ラウンド毎に君が取れるリアクションは1回だけということを忘れないように。
呪文を待機する場合、君は通常通りその呪文を発動するが、そのエネルギーを保持し続け、作動条件が発生した時点でそれを解き放つ。待機できる呪文は発動時間が1アクションのものでなければならず、呪文の魔力を保持し続けるためには精神集中を要する。精神集中が途切れた場合、保持していた呪文は効果を発揮することなく消滅する。例えば、君がウェブ呪文に対して精神集中していて、マジック・ミサイル呪文を待機しようとした場合、君のウェブ呪文は終了する。そして君がリアクションを使用してマジック・ミサイルを解き放つ前にダメージを受けた場合、君のマジック・ミサイル呪文への精神集中も途切れる可能性がある。
捜索
捜索アクションを取った場合、君は何かを見つけることに専念する。君が探すものの性質次第で、GMは【判断力】〈知覚〉判定または【知力】〈捜査〉判定を行わせるだろう。
物体の操作
通常、君は何か別のことを行う過程で"物体を扱う"ことが多い。例えば剣を抜くのは攻撃の一部だ。しかし、物体を使用するのにアクションが必要になる時は、物体の操作アクションの出番だ。このアクションは自身のターンに2つ以上の物体を扱いたい時にも出番がある。
攻撃を行う
近接武器を叩きつけるのであれ、遠くから武器で矢弾を撃ち込むのであれ、あるいは呪文の一部として攻撃ロールを行うのであれ、攻撃それ自体は単純な構造を持つ。
1.目標の選択:自身の攻撃の射程内にいる目標を1つ選択する。目標には、クリーチャー、物体、あるいは場所が含まれる。
2.修正値の決定:GMは目標が遮蔽を得ているかどうか、および目標に対する君の攻撃に有利または不利がついているかを判断する。加えて、呪文や特殊能力、その他の効果によって、君の攻撃ロールにボーナスやペナルティ、有利や不利が付与されることがある。
3.攻撃の解決:君は攻撃ロールを行う。ヒットしたなら、君はその攻撃に特殊なルールが指定されていない限り、ダメージ・ロールを行う。一部の攻撃は、ダメージと一緒に、あるいはダメージの代わりに特別な効果を引き起こす。
自身が行っていることが攻撃に含まれるのか分からないなら、ルールは単純。すなわち、君が攻撃ロールを行うなら、君は攻撃をしている。
攻撃ロール
君は攻撃を行う時、その攻撃がヒットするかミスするかは君の攻撃ロールによって決まる。攻撃ロールを行うには、d20をロールして適切な修正値を加算すること。この結果が目標のアーマー・クラス(AC)以上なら、その攻撃はヒットする。キャラクターのACはキャラクター作成時に決定され、モンスターのACはそのデータ・ブロックに書かれている。
攻撃ロールへの修正値
キャラクターが攻撃ロールを行う時、最も頻繁に加算される修正値が2種類ある。すなわち、尾のキャラクターの能力修正値と、習熟ボーナスである。モンスターが攻撃ロールを行う場合は、データ・ブロックに書かれている修正値をそのまま使用する。
能力修正値:近接武器攻撃に使用する修正値は【筋力】であり、遠隔武器攻撃に用いる修正値は【敏捷力】である。"妙技"や"投擲"の特性はこのルールの例外となる。
一部の呪文も攻撃ロールを行わせる。呪文攻撃に使用する能力修正値は、その呪文の発動者の呪文発動能力値によって決まる。
習熟ボーナス:君は自身が習熟している武器を使用して攻撃ロールを行う時に、その攻撃ロールに習熟ボーナスを加える。呪文による攻撃ロールを行う時も、君はその攻撃ロールに習熟ボーナスを加える。
1の目と20の目
時に宿命の祝福と呪いとが、戦闘に参加している者へ降りかかる。すなわち駆け出しの攻撃がヒットし、熟練者の攻撃がミスするのだ。
攻撃のd20ロールで20が出た場合、その攻撃は修正値や目標のACに関係なくヒットする。これをクリティカル・ヒットという。
攻撃のd20ロールで1が出た場合、その攻撃は修正値や目標のACに関係なくミスする。
見えない攻撃者・見えない目標
戦闘の参加者はしばしば敵の注意から逃れようとして隠れ身を行ったり、インヴィジビリティ呪文を発動したり、暗闇に潜もうとする。
君は自身が見ることのできない目標に対して攻撃を行う場合、その攻撃ロールは不利を被る。この不利は君が目標の位置をあてずっぽうで攻撃するのであれ、声は聞こえるが姿は見えない目標を攻撃するのであれ同じである。君が狙った位置に目標がいない場合、君の攻撃は自動的にミスするが、GMは基本的にその攻撃はミスしたとだけ告げ、君が推測した目標の位置が正しかったのかそうでないのかは分からない。
いずれかのクリーチャーが君を見ることができない場合、君はそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。君は攻撃を行う時に隠れている場合──すなわち、姿を見られることも、自身がたてた音も聞かれていなかった場合──君は攻撃がヒットあるいはミスした時点で位置がばれてしまう。
遠隔攻撃
君は遠隔攻撃を行う時、弓やクロスボウを発射したり、ハンドアックスを投げたり、あるいは敵に何かしらの射出物を飛ばすことになる。モンスターの中には尻尾から棘を飛ばす者もいる。遠隔呪文を伴う呪文も多い。
射程
君は特定の射程内にいる目標に対してだけ遠隔攻撃を行うことができる。
呪文などによって行われる遠隔攻撃は単一の射程を持ち、君はこの射程の先にいる目標を攻撃することはできない。
ロングボウやショートボウなどによる遠隔攻撃は2つの射程を持つ。小さい方の数字は通常射程であり、大きい方の数字は長距離射程である。通常射程より遠くの目標に対する攻撃ロールは不利を被り、長距離射程より遠くの目標は攻撃できない。
近接戦闘における遠隔攻撃
敵が隣にいる時、遠隔攻撃の狙いを合わせるのはより難しくなる。武器、呪文、その他の手段を用いて遠隔攻撃を行う時、君に敵対的なクリーチャーが自身から5フィート以内にいて、かつそのクリーチャーが君を見ることができていて、さらにそのクリーチャーが無力状態でないなら、君はその攻撃ロールに不利を被る。
近接攻撃
接近戦において、間合い内の敵への攻撃を可能にするのが近接攻撃である。通常、近接攻撃は剣、ウォーハンマー、斧といった手に持った武器を使用して行われる。モンスターの中には爪、ツノ、牙、触手、その他身体の一部を駆使して近接攻撃を行う者も多い。少ないながらも、近接攻撃を伴う呪文も存在する。
ほとんどのクリーチャーの間合いは5フィートであり、自信から5フィート以内にいる目標に対してだけ近接攻撃を多なうことができる。しかし一部の(多くはサイズ分類が中型より大きい)クリーチャーはデータ・ブロックにある通りに、5フィートよりも長い間合いを有している。
武器を使用して近接武器攻撃を行う代わりに、君は素手打撃を使用することができる。素手打撃は、拳、蹴り、頭突き、あるいはそれに類する、力を込めた打撃である(いずれも武器としては扱われない)。ヒットした場合、素手打撃は(1+君の【筋力】修正値)に等しい値の[殴打]ダメージを与える。君は自身の素手打撃に習熟している。
機会攻撃
戦闘に際しては、逃走しようとする敵や、通り過ぎる敵へ一撃お見舞いする機会を誰もが狙っている。このような一撃は機会攻撃と呼ばれる。
君は自身が見ることのできる敵対的なクリーチャーが君の間合いを離れた時に1回の機会攻撃を行える。機会攻撃を行うには、リアクションを使用してその機会攻撃を誘発したクリーチャーに対して1回の近接攻撃を行うこと。この攻撃はそのクリーチャーが君の間合いを離れた瞬間に発生する。
君は離脱アクションを行うことで機会攻撃の誘発を回避できる。加えて、君は瞬間移動したり、誰かや何かによって、自身の移動、アクション、リアクションのいずれも消費させることなく移動させられる場合も機会攻撃を誘発しない。例えば、君は爆発を受けて敵の間合い外へ吹き飛ばされたり、重力で敵の間合いを通過して落下したりした場合は機会攻撃を誘発しない。
二刀流
君は攻撃アクションを取り、1つの手に持った"軽武器"特性を持つ近接武器で攻撃を行った時に、ボーナス・アクションとして別の手に持った"軽武器"特性を持つ別の近接武器で1回の攻撃を行える。君はこのボーナス・アクションによる攻撃のダメージには能力修正値を足さない。ただし、修正値がマイナスである場合はその限りでない。
いずれかの武器が"投擲"特性も有している場合、君はその武器で近接攻撃を行う代わりに、その武器を投擲することができる。
戦闘中の対抗判定
戦闘の際には、君と敵とが力量を競い合う状況がしばしば発生する。このような競合は対抗判定によって表現される。このセクションでは、戦闘中に最も頻繁に用いられるであろう、アクションを要する対抗判定、すなわちつかみと突き飛ばしの説明だけを含んでいる。GMはこれらを他の対抗判定を即興で考える素材として使用できる。
クリーチャーをつかむ
クリーチャーをつかんだり組み付いたりしたい場合、君は攻撃アクションとして、特殊な近接攻撃である"つかみ"を行う。1回の攻撃アクションで複数回の攻撃を行える場合、その内1回をこの特殊な攻撃1回へ置き換えることができる。
君のつかみの目標は、君のサイズ以下か、君より一段階大きいサイズでなければならず、かつ君の間合いにいなければならない。空いている手を少なくとも1本使い、君は攻撃ロールを行う代わりにつかみの判定を行って目標をつかもうとする。つかみの判定は君の【筋力】〈運動〉判定と目標の【筋力】運動または【敏捷力】〈軽業〉判定(どちらを使うかは目標が選択する)との対抗判定である。君が勝利した場合、君は目標をつかまれた状態にする(付録PH-Aを参照せよ)。この状態が終了する条件は状態の説明にある通り。加えて、君は自身の望むときに目標を放すことができる(アクションは不要)。
つかみからの脱出:つかまれた状態のクリーチャーはアクションを使用して脱出を試みられる。そうする場合、そのクリーチャーは自身の【筋力】〈運動〉または【敏捷力】〈軽業〉判定とつかんでいる側の【筋力】〈運動〉判定との対抗判定に勝利せねばならない。
つかんでいるクリーチャーを移動させる:君が移動する際は、君が掴んでいるクリーチャーを引きずって運ぶことができる。ただし、この場合はつかまれているクリーチャーのサイズ分類が君より2段階以上小さいのでない限りは、君の移動速度は半分になる。
クリーチャーを突き飛ばす
君は攻撃アクションを使用して、クリーチャーを突き飛ばして伏せ状態にするか遠くへ押しやるために1回の特殊な近接攻撃を行うことができる。1回の攻撃アクションで複数回の攻撃を行える場合、その内1回をこの特殊な攻撃1回へ置き換えることができる。
君の突き飛ばしの目標は、君のサイズ分類より1段階大きいサイズ以下でなければならず、かつ君の間合いにいなければならない。攻撃ロールを行う代わりに、君は【筋力】〈運動〉判定を行って、目標の【筋力】運動または【敏捷力】〈軽業〉判定(どちらを使うかは目標が選択する)との対抗判定を行う。子の対抗判定に君が勝利した場合、君は目標を伏せ状態にするか、目標を君から遠ざかる方向へ5フィート押しやる
遮蔽
戦闘中、壁、木、クリーチャー、その他の障害物が遮蔽を提供し、それによって目標を傷つけるのがより困難になる場合がある。目標が遮蔽の利益を得られるのは、攻撃やその他の効果の起点が遮蔽物を挟んで目標と反対側にある時だけだ。
遮蔽には3つの段階がある。目標が複数の遮蔽物の陰にいる場合、最も防御的な効果が強いものだけが適用される。加えて、遮蔽の段階は足し合わされたりしない。例えば、目標が½遮蔽を提供するクリーチャーの陰におり、かつ¾遮蔽を提供する木の幹の陰にもいる場合、目標は¾遮蔽を得ていることになる。
½遮蔽を得ている目標はACと【敏捷力】セーヴにそれぞれ+2のボーナスを得る。目標は遮蔽物によって自身の身体が少なくとも半分以上隠れている場合に½遮蔽を得る。このような遮蔽物としては、低い壁、大きな家具、細い木の幹、クリーチャー(敵味方関係なく)などがある。
¾遮蔽を得ている目標はACと【敏捷力】セーヴに+5のボーナスを得る。目標は遮蔽物によって自身の身体が¾以上隠れている場合に¾遮蔽を得る。このような障害物としては、鉄の格子、射撃孔、太い木の幹などがある。
完全遮蔽を得ている目標は攻撃や呪文の直接的な目標に選ぶことができない。ただし、一部の呪文はその効果の範囲内に目標を含めることで効果を及ぼすことができる。目標は障害物によって完全に覆い隠されている場合に完全遮蔽を得る。
ダメージと回復
ファンタジー・ゲームの世界を探検する者達にとって、負傷と死のリスクは常に付きまとう友人である。剣の突き刺し、的確な矢、ファイアーボール呪文による炎の炸裂等々は、全て頑丈なことこの上ないクリーチャーさえも傷つけ、果てには殺せるだけのポテンシャルがある。
ヒット・ポイント
ヒット・ポイントは身体的および精神的な打たれ強さと、生きる意志と幸運とを組み合わせた概念である。ヒット・ポイントの多いクリーチャーほど殺すのは難しくなる。逆にヒット・ポイントが少ないクリーチャーほど脆い。
クリーチャーの現在ヒット・ポイント(通常は単にヒット・ポイント徒呼ばれる)は、クリーチャーの最大ヒット・ポイントの値から0までの範囲の値を取りえる。現在ヒット・ポイントの値は、クリーチャーがダメージを受けたり、回復されたりするたびに頻繁に変化する。
クリーチャーはダメージを受けるたびに、自身のヒット・ポイントからそのダメージの値を差し引いていく。ヒット・ポイントが0になるまで、ヒット・ポイントの減少がクリーチャーの能力に影響を及ぼすことはない。
ダメージ・ロール
武器、呪文、およびクリーチャーが有する有害な能力にはそれぞれ、それが与えるダメージの量が書かれている。君はダメージ・ダイスをロール氏、それに然るべき修正値を加えてから、そのダメージを目標に適用する。魔法の武器、特殊能力、その他の要素がダメージにボーナスを与える場合もある。ペナルティーによって、与えるダメージが0になる場合はあるが、ダメージがマイナスの値を取ることはない。
武器で攻撃する場合、君は(その攻撃ロールに使用したのと同じ)能力修正値をダメージに加える。呪文の場合はその説明にダメージを算出するのにどのダイスを使用するのか、および修正値を加えるのか否か、加えるならどの修正値を加えるのかが書いてある。
呪文やその他の効果が同時に2体以上の目標へダメージを与える場合、目標全員の分としてダメージを1回だけロールする。例えば、ウィザードがファイアーボール呪文を発動した時、クレリックがフレイム・ストライク呪文を発動した場合、その呪文のダメージは1回だけロールされ、その爆発に巻き込まれたクリーチャー全員にそのダメージを適用する。
クリティカル・ヒット
君はクリティカル・ヒットを出した時、その攻撃の目標に対するダメージに追加のダイスをロールして加える。すなわち、その攻撃のダメージ・ダイス全てを2回ずつロールし、それらすべてを足し合わせること。そして通常通り適用すべき修正値を加算すること。ゲーム・プレイの進行を早めるために、ダメージ・ダイスすべてをいっぺんにロールしてもかまわない。
例えば、君はダガーによる攻撃でクリティカル・ヒットを出したなら、(1d4ではなく)2d4をロールしてダメージとし、それから関連する能力修正値を加える。その攻撃に(ローグの"急所攻撃"特徴などで)他のダメージ・ダイスが含まれるなら、君はそれらのダイスも同様に2回ロールすること。
ダメージ種別
攻撃、ダメージを与える呪文、その他の有害な効果は、それぞれ異なる種別のダメージを与える。ダメージ種別それ自体に固有のルールはないが、ダメージ抵抗をはじめとする他のルールがこのダメージ種別を参照することがある。
以下はダメージ種別を並べたものであり、GMが新しい効果のダメージ種別を決定する助けとなるような例も含まれている。
[酸]:ブラック・ドラゴンの腐食性のブレスや、ブラック・プディングが分泌する溶解酵素が与えるのが[酸]ダメージだ。
[殴打]:ハンマー、落下、締め付けといった鋭さのない純粋な力による攻撃が与えるのが[殴打]ダメージだ。
[冷気]:アイス・デヴィルの槍が放つ地獄の冷気や、ホワイト・ドラゴンの凍てつくようなブレスが与えるのが[冷気]ダメージだ。
[火]:レッド・ドラゴンの火のブレスや、炎を喚起する呪文の多くが与えるのが[火]ダメージだ。
[力場]:力場は純粋な魔法のエネルギーをダメージを与えられるほどの形態にまで集中させたものだ。[力場]ダメージを与える効果のほとんどは、マジック・ミサイル呪文やスピリチュアル・ウェポンといった呪文である。
[電撃]:ライトニング・ボルト呪文や、ブルー・ドラゴンのブレスが与えるのが[電撃]ダメージだ。
[死霊]:特定のアンデッドやチル・タッチ呪文といった呪文が与える[死霊]ダメージは物質を腐らせ、魂を衰弱させる。
[刺突]:槍やモンスターの噛みつきといった、突き刺したり貫くような攻撃が与えるのが[刺突]ダメージだ。
[毒]:毒針やグリーン・ドラゴンの毒ガスのブレスが与えるのが[毒]ダメージだ。
[精神]:マインド・フレイヤ―のサイオニック攻撃といった精神的な能力が与えるのが[精神]ダメージだ。
[光輝]:[光輝]ダメージはクレリックのフレイム・ストライク呪文や、エンジェルの武器等によって与えられ、炎の如く肉を焼くに留まらず、その力によって魂を圧倒する。
[斬撃]:剣、斧、モンスターの爪などが与えるのが[斬撃]ダメージだ。
[雷鳴]:サンダーウェイヴ呪文の効果をはじめとする、轟音の炸裂が与えるのが[雷鳴]ダメージだ。
ダメージ抵抗と脆弱性
一部のクリーチャーや物体は特定の種別のダメージでは傷つけるのがひどく困難だったり、逆にひどく傷つきやすかったりする。
いずれかのクリーチャーや物体が特定のダメージ種別に対する抵抗を有している場合、それに対して与えられるその種別のダメージは半分になる。対して、いずれかのクリーチャーや物体が特定のダメージ種別に対する脆弱性を有している場合、それに対して与えられるその種別のダメージは2倍になる。
ダメージに対する他のあらゆる修正値を適用した後に、まず抵抗を適用し、それから脆弱性を適用する。たとえば、[殴打]ダメージに抵抗を有するクリーチャーが25ダメージを与えるような攻撃のヒットを受けたとしよう。さらにそのクリーチャーは全てのダメージを5ポイント減少させるような魔法のオーラの範囲内にいたならどうなるか。すなわち25ダメージから5差し引かれた上で半分になるので、そのクリーチャーは計10ダメージ受けることになる。
同一のダメージ種別に作用しえる抵抗もしくは脆弱性が複数ある場合、それらは1つしかないものとして扱う。例えば、あるクリーチャーが[火]ダメージに対する抵抗と"あらゆる非魔法的ダメージ"に対する抵抗を有する場合、そのクリーチャーに対して与えられる、"魔法的でなくかつ種別が[火]であるダメージ"は半分になる(¼ではない)。
回復
死にさえしない限り、あらゆるダメージは一時的なものだ。さらには、死でさえも強力な魔法によって覆すことができる。クリーチャーは休憩を取ることでヒット・ポイントを回復でき、キュア・ウーンズ呪文やポーション・オヴ・ヒーリングといった魔法的な手段があれば即座にダメージを取り除くことができる。
クリーチャーがいずれの種類であれ回復を受けたなら、その現在ヒット・ポイントに回復するヒット・ポイントの値を加えること。クリーチャーのヒット・ポイントがその最大ヒット・ポイントを超過することはないため、超過した分の回復は無駄になる。例えば、ドルイドがレンジャーのヒットポイントを8ポイント分回復した時、レンジャーの現在ヒット・ポイントが14で、最大ヒット・ポイントが20であるなら、レンジャーはドルイドによって(8ポイントではなく)6ポイントのヒット・ポイントを回復する。
死亡したクリーチャーはリヴィヴィファイ呪文のような魔法によって蘇生されない限りは、そのヒット・ポイントを回復させることができない。
ヒット・ポイントが0になる
ヒット・ポイントが0にまで減少した時、君は即死するか気絶状態になる。くわしくは以下のセクションで説明されている。
即死
余りに多量のダメージは君を即死させる。ダメージが君のヒット・ポイントを0にまで減少させ、さらにダメージの余りがある場合、その余ったダメージの量が君の最大ヒット・ポイント以上だったなら君は即死する。
例えば、最大ヒット・ポイントが12のクレリックの現在ヒット・ポイントが6である場合。仮にそのクレリックが1回の攻撃で18ポイントのダメージを受けた場合、そのクレリックのヒット・ポイントは0になるが12ダメージ分の余りがある。このダメージの余りがクレリックの最大ヒット・ポイントに等しいので、そのクレリックは即死する。
気絶状態になる
ダメージによって君のヒット・ポイントが0にまで減少したが、即死はしなかった場合、君は気絶状態になる(付録PH-A)。この気絶状態は、何ポイントであれ君がヒット・ポイントを回復した時点で終了する。
死亡セーヴィング・スロー
自身のターンを0ヒット・ポイントで開始する度、君は死亡セーヴと呼ばれる特殊なセーヴを行わねばならない。これは君が死に近づいたか、それともいまだ生にしがみついているかを決めるものである。死亡セーヴは他のセーヴとは異なり、いずれの能力値とも結び付いていない。君は今や運命に身をゆだねているのであり、君を助けてくれるようなものがあるとすれば、それはセーヴの成功確率そのものを上昇させるような呪文や特徴だけだ。
死亡セーヴの際はd20をロールすること。そのロール結果が10以上ならその死亡セーヴは成功。そうでないなら失敗だ。成功も失敗もそれ自体には何の効果もない。3回目の成功がでた時点で君は容体安定化(後述)し、3回目の失敗が出た時点で君は死亡する。この成功や失敗は連続している必要はない。成功失敗のどちらか計3回になるまで、成功と失敗の回数を記録し続けること。成功と失敗の回数はどちらも君がヒット・ポイントを回復するか、容体安定化した時点で0にリセットされる。
1または20の目が出た場合:死亡セーヴでd20をロールして1を出した場合、君は2回分の失敗をしたことになる。逆にd20をロールして20を出した場合、君は1ヒット・ポイントを回復する。
0ヒット・ポイント時のダメージ:0ヒット・ポイントの状態で君がダメージを受けた場合、君は死亡セーヴィング・スローに1回失敗したことになる。受けたダメージがクリティカル・ヒットだった場合、君は代わりに2回分の失敗を被る。受けたダメージが君の最大ヒット・ポイント以上なら、君は即死する。
容体安定化
ヒット・ポイントが0になったクリーチャーを救う最善の方法はヒット・ポイントを回復することだ。回復方法がない場合でも、死亡セーヴに失敗して死ぬことを避けるために、少なくともそのクリーチャーを"容体安定化"させることはできる。
君はアクションを使用して、気絶状態のクリーチャー1体に対して応急手当を施すことで、そのクリーチャーを容体安定化させるために難易度10の【判断力】〈医術〉判定を試みることができる。
容体安定化したクリーチャーはヒット・ポイントが0でも死亡セーヴを行わないが、依然として気絶状態ではあり続ける。容体安定化したクリーチャーがいずれかのダメージを受けた場合、そのクリーチャーの容体安定化は終了し、再び死亡セーヴを行わねばならなくなる。容体安定化したが回復されずにいたクリーチャーは、1d4時間後に1ヒット・ポイントを回復する。
モンスターと死
ほとんどのGMはモンスターのヒット・ポイントが0にまで減少した時点で、気絶状態にして死亡セーヴを行わせたりはせずに死亡したものとして扱う。
しかし、強力な悪役や特別なNPCはその例外としてよくあるものだ。すなわち、GMはそういったクリーチャーについては、ヒット・ポイントが0にまで減少したら気絶状態にし、プレイヤー・キャラクターと同様のルールを適用することもできる。
クリーチャーを気絶させる
時に、攻撃者は敵を殺すのではなく、むしろ無力化するに留めようとする。攻撃者が近接攻撃によってクリーチャーのヒット・ポイントを0にまで減少させた時、攻撃者はそのクリーチャーを気絶させることができる。攻撃者はダメージが適用された瞬間にこの選択を行える。気絶させられたクリーチャーは気絶状態になり、容体安定化する。
一時的ヒット・ポイント
一部の呪文や特殊能力はクリーチャーに一時的ヒット・ポイントを与える。一時的ヒット・ポイントは本物のヒット・ポイントではない。一時的ヒット・ポイントはダメージに対する緩衝材のようなもので、君を負傷から守るヒット・ポイントのプールである。
君は一時的ヒット・ポイントを有している時にダメージを受けた場合、一時的ヒット・ポイントが先に失われ、残りのダメージが通常のヒット・ポイントから差し引かれる。例えば、君が一時的ヒット・ポイントを5ポイント分有している時に7ダメージを受けた場合、君は一時的ヒット・ポイントを全て失い、それから2ダメージを受ける。
一時的ヒット・ポイントは君の本当のヒット・ポイントとは異なるので、君の最大ヒット・ポイントを超過することもある。そういう訳で、ヒット・ポイントが全く減っていないなキャラクターも一時的ヒット・ポイントを有することができる。
回復するような効果では一時的ヒット・ポイントを回復できず、一時的ヒット・ポイントを互いに足し合わせることもできない。君がすでに一時的ヒット・ポイントを得ている時に別の一時的ヒット・ポイントを得る場合、君は既に持っている方と新しい方のどちらを保持するか選択する。例えば、君がすでに10ポイント分の一時的ヒット・ポイントを有している時に、いずれかの呪文が君に12ポイント分の一時的ヒット・ポイントを与える場合、君の一時的ヒット・ポイントは22ポイントになるのではなく、12か10ポイントのいずれかになる。
君のヒット・ポイントが0である時、一時的ヒット・ポイントを得ても君の気絶状態が終了したり、容体安定化したりはしない。君のヒット・ポイントが0である間、一時的ヒット・ポイントは君に対するダメージを肩代わりしてはくれる、しかし君を救うことができるのは本物の回復だけなのだ。
君に一時的ヒット・ポイントを与えるような特徴に持続時間が書かれているのでない限り、その一時的ヒット・ポイントは失われるか君が大休憩を終えるまで持続する。
騎乗戦闘
軍馬にまたがり、戦場へ突撃する騎士、グリフィンの背に乗って呪文を発動するウィザード、ペガサスにまたがって大空へ高く舞い上がるクレリック。いずれもみな乗騎がもたらす速さと機動性の恩恵を受けている。
君よりサイズ分類が少なくとも1段階以上大きく、同意していて、かつ乗騎に適した身体構造を有するクリーチャーは以下のルールに従って乗騎とすることができる。
乗騎への乗り降り
自身の移動の間に1回、君は自身から5フィート以内のクリーチャーに乗るか、乗騎から降りることができる。ただし、そうするためには君の移動速度の半分に等しいだけの移動を擁する。例えば、君の移動速度が30フィートなら、馬に乗るために君は15フィート分の移動を費やす必要がある。従って、残りの移動が15フィート未満だったり、移動速度が0になっている場合、君はその馬に乗ることができない。
いずれかの効果が君の乗っている乗騎を乗騎自身の意志に反して移動させようとした場合、君は難易度10の【敏捷力】セーヴに成功せねばならず、失敗するとその乗騎から落下し、それから5フィート以内の場所に伏せ状態で着地する。君は乗騎に乗っている状態で伏せ状態になった場合も同様のセーヴを行わねばならない。
乗騎が伏せ状態になった場合、君は自身のリアクションを費やすことで倒れかけている乗騎から飛び降りて自身の足から着地することができる。そうしない場合、君は乗騎から降ろされ、それから5フィート以内の場所に伏せ状態で着地する。
乗騎の制御
乗騎している間、君は2つの選択肢を持つ。すなわち、君自身が乗騎をコントロールするか、乗騎に独立行動を許すかの2つである。ドラゴンのような知性の高いクリーチャーは必ず独立行動を行う。
君が制御できるのは、乗り手を乗せる訓練を受けた乗騎に限られる。家畜化された馬やロバといったクリーチャーはいずれもこのような訓練を受けているものとして扱う。制御されている乗騎のイニシアチブは、君がその乗騎に載った時点で君のイニシアチブと同じになる。乗騎は君の指示に従って移動するが、アクションは以下にある3種類のいずれかしか行えない。すなわち、速足、離脱、回避である。制御されている乗騎は君がそれに乗ったターンから移動および行動が行える。
独立行動中の乗騎は君が乗っても元のイニシアチブ順を保持する。乗り手がいることは乗騎が行うアクションを妨げることがなく、乗騎はそれ自身の望むように移動して行動する。乗騎は戦闘から逃走しようとしたり、負傷した敵を攻撃したり喰らおうとしたり、あるいは乗り手である君の意図に反するような行動を行う可能性がある。
いずれの場合においても、君の乗った乗騎が機会攻撃を誘発する場合攻撃者は乗り手と乗騎のうちどちらか好きな方を機会攻撃の目標として選べる。
水中戦闘
水中の住処までサフアグンを追いかけたり、古の難破船の中でサメの群れと戦ったり、あるいはダンジョンで気がついたら水中にいた場合、冒険者たちは過酷な環境で戦闘せざるをえない。水中での戦闘は以下のルールが適用される。
近接武器攻撃を行う時、水泳移動速度を持たないクリーチャーは、使用している武器がダガー、ジャヴェリン、ショートソード、スピア、トライデントでない限りその攻撃ロールに不利を被る。
遠隔武器攻撃はその武器の通常射程より遠くの敵に対して行われる場合自動的にミスする。加えて、目標が通常射程内にいる場合でも、使用している武器がクロスボウ、ネット、もしくは(スピア、トライデント、ダーツを含む)ジャヴェリンに類似していて"投擲"特性を持つ武器でない限りその攻撃ロールは不利を被る。
完全に水中にいるクリーチャーや物体は[火]ダメージに対する抵抗を有する。
最終更新:2025年05月27日 22:52