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モンスター

モンスターの項目

ゲームの準備を行う時や世界を構築する時に、君は本書にあるモンスターの情報を参考にできる。あるいはその場その場で使用することもできる。そうする場合にはただ本を開くだけでいい。というのも、各モンスターの項目には、君が独創的な遭遇を生み出すのに必要なものが全て書いてあるからだ。遭遇グループの示唆、財宝、モンスターの態度、そして名前すらも揃っているのだ。

モンスターの項目は以下のパートに分かれている:すなわち、説明、伝説と伝承、モンスターの兆候、モンスターの態度、追加で、モンスター固有の表、サンプルの名前、そしてデータ・ブロックである。

説明

この項目には、世界におけるモンスターの立ち位置が示され、その生態的情報、物語展開のきっかけが含まれている。モンスターの項目の他の部分と同様に、この記述はただインスピレーションを与えるものでしかない。したがって、君はこの記述にこだわることなく、自作設定の伝承を使用することができる。

伝説と伝承

そのモンスターについて、冒険者たちはどれくらいのことを知っているだろう?伝説と伝承のセクションには、技能判定に成功した時に喚起する可能性がある情報が書かれている。判定の達成値が高いほど、博物学や弱点といったその世界に即する情報をキャラクターはより多く喚起できるようになる。

キャラクターがそのモンスターについて何も知らない場合でも、視覚によるモンスターの認識程度なら通常は難易度10の判定で十分だ。ナレーターの判断次第では、(一般的なクリーチャーなら)そのモンスターを認識するのにロールは不要かもしれないし、(そのモンスターが珍しかったり、未知のものなら)反対に困難か不可能になるかもしれない。

遭遇と財宝のサンプル

ほとんどのモンスターの項目には遭遇のサンプルが含まれている。これは複数のバリエーションが用意されているのが普通で、様々な難易度のものが含まれている。

同様に、本書には遭遇のサンプルと一緒に財宝の山のサンプルも含まれている。これらの財宝のサンプルは君が財宝の山を無作為に生成したり、手作業で選ぶ時間がない時に便利だ。ただし、財宝のサンプルは2回以上使用しないこと!もしも2体のアボレスが両方とも全く同じ金貨の枚数、全く同じペリアプト・オヴ・ヘルスが含まれた財宝の山を持っているとしたら、信頼は損なわれるに違いない!パーティーが同じ財宝の報酬を得ることになった場合は、代わりに手作業で選ぶか、適切なルールを使用して無作為に生成すること。

また、あらゆる遭遇が財宝を伴うわけではないということも重要な点である。実際、ほとんどの遭遇は財宝を伴わない。ほとんどのキャンペーンにおいて、キャラクターがあるレベルを通して得る財宝は1つから3つ程度だ。それ以外の遭遇では、キャラクターたちは何も得られないか、一般的な装備品や偶発的な一掴みのコインを得るに留まる。各遭遇で毎回サンプルの財宝を与えるというようなミスはくれぐれもしないように!

モンスターが財宝(特に魔法の財宝)を持っている場合、そのモンスターはそれを上手く活用する可能性がある。すなわち、魔法の武器を使えるだけの知性を持つクリーチャーは魔法の武器を使用するだろうし、呪文の巻物を持っている魔道士はその巻物を使うかもしれないし、ポーション・オヴ・ヒーリングを持っているクリーチャーはそれを飲むかもしれない。

魔法の財宝は報酬として機能するだけではなく、難易度の上昇にも役立つ。

モンスターの兆候

遭遇はしばしば全くの前触れ無し無しで発生する。例えば、キャラクターの集団とモンスターの集団がばったり遭遇する場合などだ。けれども、時にはキャラクターが差し迫る危険の兆候を見出すことがある。

兆候は足跡かもしれないし、遠くで聞こえる不吉な絶叫かもしれない。このような手がかりによって、キャラクターたちは興味深い探索上の決定を行い、生き生きとした世界を感じることができる。

経験則として、全遭遇の内半分は兆候の発見がその遭遇に先立つものと仮定する(裏返せば、兆候の半分は〈知覚〉判定やその他の技能判定の失敗によって見逃されると仮定する)。

グループはモンスターが残した(例えば足跡といった)兆候をもとに、その種類を識別しようとするかもしれない。経験則として、そうするためには最低でも難易度15の〈生存〉判定または〈捜査〉判定が必要であり、また一部のモンスターは識別が不可能だ。

モンスターの態度

モンスターは何をしようとしているのか、これは遭遇の要素で最も重要なものの1つだ。『モンスターの行動』表はそのモンスターやそのグループが待ち伏せしているのか、助けを求めているのか、捕虜に気を取られているのか、あるいはその他何千もある個別的な行動を行っているのかを決定する。

これらのランダム表は君が記述を全て読む時間がない時に、手早く物語のアイデアを得られる素晴らしい方法だ。

ほとんどすべてのモンスターは個別の表を持っており、時には環境やモンスターの数によって分けられている。

名前のサンプル

即興での名づけは当たりはずれがある。ドレッド・ナイトにピッタリな響きの名前がいる場合や、即興で出したゴブリンがパーティーのお気に入りになったなら、本書には知性あるモンスターのほとんどに名前のサンプルが付いていることを思い出すとよい。

モンスター固有のランダム生成

バラエティを持たせて生命を吹き込むための、ユニークな表を持つモンスターもいる。本書は可能な限り君の遭遇を鮮やかで思い出深いものとするために、触発的な詳細を提供しようと努めている。

データ・ブロック

説明、伝承、そして世界にその他関する情報に加えて、各モンスターのエントリーにはデータ・ブロックが含まれている。データ・ブロックにはクリーチャーの能力、攻撃、戦闘の呪文、および社交的、戦闘的遭遇を実行するのに必要なその他のデータが書かれている。

モンスター1種類の項目に複数のデータ・ブロックが含まれていることもある。

脅威度とXP

各モンスターのデータ・ブロックには脅威度(CR)の記述が含まれている。これはモンスターがグループに最適な戦闘を提供できるかどうかを判断する際に重要となる値だ。脅威度が高いほどモンスターは手強くなる。

通常、ある値の脅威度を持つモンスターは同じ値のレベルを持つキャラクター2~4人にとって歯ごたえのある敵となりえる。モンスター1体の脅威度がキャラクターたちのレベルより50パーセント以上高い場合、そのモンスターは敵として出すには強すぎる可能性がある。従って、本書に収録されているモンスターで30より高い脅威度を持つものはいない。

各モンスターの脅威度には経験点(XP)の値が付随する。経験点は遭遇を完了したプレイヤーたちに報酬を与える方法の一つだ。一部のゲームでは、キャラクターたちが戦闘によって、もしくは非戦闘的な方法によってモンスターとの遭遇に勝利した時に記載通りの経験点が与えられるが、君が経験点によるレベルアップを採用していない場合はこの値を無視できる。

伝説的モンスター

伝説的モンスターは頂点に立つ強力なクリーチャーである。このようなモンスターはしばしばその周囲の土地を何km、何マイルにもわたって支配する。伝説的モンスターは冒険のパーティー全員の全力を前にしても勝利し得る恐るべき敵だ。

伝説的モンスターは最大3回の伝説的アクションを有する。これはそのモンスターのターンでなくても使用できる。また、ほとんどの伝説的モンスターは伝説的抵抗力も持つ。これは本来なら失敗するであろうセーヴを成功させる能力である。伝説的抵抗力の使用はしばしば代償を伴う。

伝説的モンスターは単体の敵として、もしくは周囲に子分を従える強力なボスとしての使用が意図されている。通常のモンスターと同様、伝説的モンスターもその脅威度と同じ値のレベルのキャラクター2~4人に対する戦闘脅威として最適だ。ただし、追加のアクションと防御はその戦闘をより興味深いものにし、物語のクライマックスにピッタリなものにする。

精鋭モンスター

精鋭モンスターはその種族や種類の中でも手強く危険なものの例だ。精鋭モンスターはしばしば特定の名前を持つ個体を表す。

精鋭モンスターは尋常でなく困難な戦闘遭遇を愛するゲーム・グループだけに向けたものである。精鋭モンスターとの戦闘は同じ脅威度を持つ通常のモンスター2体分と同程度の手強さだ。

精鋭モンスターはその脅威度と同じ値のレベルを持つキャラクター4人にとって困難な戦闘の脅威となる。

トゥルー・ポリモーフ呪文をはじめとする、魔法的な効果や呪文でクリーチャーの脅威度を参照するものにとって、精鋭モンスターは脅威度が2倍になったものとして扱う。

クリーチャーは精鋭であり伝説的でもあるということがあり得る。そのようなモンスターは伝説的モンスターが持つ追加の複雑さと、精鋭モンスターが持つ倍の戦闘力を兼ね備えている。

サイズ分類

モンスターは超小型、小型、中型、大型、超大型、巨大、超巨大のいずれかだ。小型サイズ、中型サイズのモンスターはほとんどのキャラクターと同じサイズで、戦闘中において1.5m(5㌳)四方のスペースを占める。超小型サイズのクリーチャーは75cm(2½㌳)四方のスペースを占める。大型サイズのクリーチャーは3m(10㌳)四方のスペースを占め、超大型サイズのクリーチャーは4.5m(15㌳)四方のスペースを占める。さらに、巨大サイズのクリーチャーは6m(20㌳)四方のスペースを占め、超巨大サイズのクリーチャーは少なくとも7.5m(25㌳)四方のスペースを占め、もっと大きいことさえある。

種別

モンスターの種別はその起源や性質を表すものだ。モンスターの種別それ自体には何のゲーム的効果もないが、他のゲーム的要素がモンスター種別を参照することがある。

モンスターの中には2つ目のモンスター種別を持つものもいる。例えば、フェアリー・ドラゴンはドラゴンであり、フェイでもある。フェアリー・ドラゴンのクリーチャー種別はドラゴン(フェイ)と表記される。従って、フェアリー・ドラゴンには(1)種別がドラゴンであるクリーチャーに適用されるルールと、(2)種別がフェイであるクリーチャに適用されるルールの効果が両方とも適用される。

その他に、モンスターの中にはモンスター種別ではないが他のゲーム的ルールと相互作用することのある分類を持つものもいる。例えば、ウェアウルフは人型生物だが、同時に変身生物でもあり、その種別は人型生物(変身生物)と表記される。ウェアウルフには人型生物および変身生物に対するルールが適用される。

以下に14種類のモンスター種別が示されている:

異形のクリーチャーはこの存在の次元界に属さない異質な存在である。異形の多くはテレパシー能力を持ち、魔法の代わりにサイオニックとして知られる精神力を使用する。アボレスは異形だ。

野獣は自然界の動物であり、その存在も能力も魔法的でない。ベアー、ティラノサウルス・レックスは両方とも野獣だ。

セレスチャルは神聖な領域や天界に住まうクリーチャーである。セレスチャルは秩序にして善のような属性を持つ。ほとんどのセレスチャルは善だが、悪の神格に仕える者は悪の属性を持ち得る。エンジェルはセレスチャルだ。

人造は建造された、もしくは作られた存在だ。あるものは心の無い機械だが、中には知性を持つものもある。ガーディアンは人造だ。

ドラゴンは世界有数の危険なモンスターである、火のブレスを吐く巨大な爬虫類のレッド・ドラゴンやゴールド・ドラゴンが含まれる。この種別の中に殺人的冷気のブレス擁するホワイト・ドラゴンや、トゥルー・ドラゴンに縁のある、スードゥドラゴンといったより小さな爬虫類も含まれる。

エレメンタルは元素界のいずれかから来たクリーチャーだ。最も基本的なエレメンタルはアース・エレメンタル、ファイアー・エレメンタル、ウォーター・エレメンタル、そしてエア・エレメンタルである。それぞれ土や火などが魔法的に自立行動している。また、元素界はジンニー、メフィットや他のエレメンタル・クリーチャーの故郷でもある。

フェイはフェアリーランド、別名ドリーミングのクリーチャーだ。この種別のクリーチャーは青々とした自然豊かで優美さと危険が混在する領域に住む。スプライトやピクシーはフェイである。

フィーンドは地獄、奈落、その他呪われた領域に属する悪属性のクリーチャーであり、ほとんどのフィーンドはデーモンかデヴィルだ。それぞれが各々のサブ種別と階級を持つ。しかし、フィーンドの中には、例えばヘルハウンドのようにデーモンでもデヴィルでもないものもいる。

巨人は見た目は巨大な人型生物のようで、(オーガといった)高さ3m(10㌳)のものから(ストーム・ジャイアントといった)9m(30㌳)のものまでいる。ジャイアントの中には、トロールの様にヒューマンに近い見た目をしながらも怪物的な特徴を持つものもいる。

人型生物には、それぞれ異なる知性、言語を使う、小型または中型サイズの二足歩行の生物が含まれる。ヒューマンやエルフは人型生物であり、オークやゴブリンも同様である。人型生物は呪文を用いうるが、基本的には魔法的でない。これは、他に二足歩行で言語を用いるフェイやフィーンド、その他のモンスターとは異なる点である。人型生物は固有の属性を持たない。つまり、人型生物の先祖は生まれつきの善/悪ではなく、生まれつきの秩序/混沌でもない。

怪物は、基本的に物質世界に生息する魔法的な存在だ。一部の怪物はケンタウロスのように野獣の特徴と人型生物の特徴を兼ね備えている。また、数多の触手を持つローパーの様に異質な見た目をしているものもいる。怪物は魔法で満ちた世界でしか生まれ得ない存在だ。

粘体は洞窟やその他暗い場所に潜んで蔓延る捕食性なアメーバ状のクリーチャーだ。ゼラチナス・キューブは粘体だ。

植物は魔法的な菌類や植物によく似たクリーチャーだ。樹といった通常の植物は植物クリーチャーではない。トリエントは樹によく似ているが、知性を有する植物クリーチャーだ。

アンデッドは超自然的な生物、あるいはもはや生きていないにも拘わらず動く霊魂である。そのあるものはスケルトンのような呪文で蘇った存在であり、またあるものはヴァンパイアのような邪悪な儀式や呪いの産物である。

セレスチャル、エレメンタル、フィーンド、一部のフェイ、タイタンのサブ種別を持つクリーチャーは不死であり、老いて死ぬことはない(ただし、その他の理由で死ぬことはある)。アンデッドやほとんどの人造クリーチャーは、そもそも生きていない。その他のクリーチャーはいずれも定命の存在である。

アーマー・クラス

モンスターのアーマー・クラス(AC)は【敏捷力】や防具によるボーナスの効果が(存在する場合は)含まれている。モンスターの多くは鱗や頑丈な皮といった外皮を持つ。

ヒット・ポイント

通常、ヒット・ポイントが0に達したキャラクターは死亡セーヴを行うが、モンスターの場合はヒット・ポイントが0になった時に死亡する。けれども、ナレーターの判断次第で、重要な敵や愛された味方は死亡セーヴの恩恵にあずかれるかもしれないし、〈医術〉判定に成功すれば容体安定化させられるかもしれない。

ナレーターはモンスターのヒット・ポイントを変化させられる。各モンスターのヒット・ポイントの後ろには(例えば3d8+3というような)ダイス式がついている。ナレーターはこの式をロールして、そのモンスターの平均ヒット・ポイントから上下したヒット・ポイントを決めたり、そのクリーチャーが平均より強いか弱いかを表現するためにその範囲内でヒット・ポイントを上下させられる。

ヒット・ポイントが半分以下にまで減少したモンスターは"重傷状態"であると見なされる。"重傷状態"であることそれ自体に何の効果もないが、他のゲームの要素が"重傷状態"であることを参照することがある。例えば、一部のモンスターは自身が"重傷状態"である時にのみ使用できる能力を持っている。

モンスターの通常の"重傷状態"の閾値はそのヒット・ポイントの後ろに記載されている。ナレーターがモンスターのヒット・ポイントを変化させたなら、そのモンスターの"重傷状態"の閾値はそのモンスターの新しい最大ヒット・ポイントの半分(端数切り捨て)になる。

移動速度

モンスターの移動速度はその歩行移動速度を表す。モンスターは自分のターンにおいて、移動速度に等しいだけ移動できる。

一部のクリーチャーは移動のモードを追加で有する:

穴掘り:クリーチャーは自分のターンに、地面、氷、砂の中を穴掘りして移動できるが、そうできると明記されていない限り、岩の中を進むことはできない。

登攀:クリーチャーは自分のターンに、この移動速度に等しいだけ登攀でき、そうするのに追加の移動を必要としない。

飛行:クリーチャーは自分のターンにこの移動速度に等しいだけ飛行できる。飛行しているクリーチャーが伏せ状態になった場合、それがホバリング能力を有していない限り、そのクリーチャーは落下する。ホバリング能力を有している場合は"飛行(ホバリング)と"記載されている。

水泳:クリーチャーは自分のターンに、この移動速度に等しいだけ泳ぐことができ、そうするのに追加の移動を必要としない。

能力値

モンスターは冒険者たちと同じく、6つの能力値を有している(すなわち、【筋力】、【耐久力】、【敏捷力】、【知力】、【判断力】、【魅力】)。キャラクターたちと同様、これらの能力値は習熟ボーナスとともに、そのモンスターの技能、セーヴ、攻撃のボーナスを決定する。

習熟ボーナス

モンスターの習熟ボーナスはそれが習熟しているあらゆる技能を使用した能力値判定、攻撃ロール、セーヴ、そしてそれに類するものに加算される。君は習熟ボーナスを該当する能力値判定やセーヴに加算することで、技能やセーヴへの習熟を新たに付与できる。

防具、武器、道具に対する習熟はモンスターのデータ・ブロックには記載されていない。モンスターはそれが使用したことのありそうな防具、武器、道具には全て習熟しているものとして扱う。

戦技難易度

戦技の難易度は〔組み付き〕からの逃れをはじめとする武術的試みの難易度である。モンスターの戦技難易度は(8+習熟ボーナス+モンスターの【筋力】と【敏捷力】の内高い方)に等しい。

セーヴ

セーヴの項目には、そのモンスターが習熟しているセーヴに対するボーナスが書かれている。特定のセーヴがそこに書かれていない場合、そのモンスターは習熟なしでセーヴを行う(すなわち、d20をロールしてから該当する能力修正値を加える)。

モンスターは自主的にセーヴに失敗できる。物体は常にセーヴに失敗する。

能力の中には、セーヴに失敗するとダメージと追加の効果を及ぼすが、成功した場合は半分のダメージを与えるものがある。特にそうでないと特筆されていない限り、セーヴに成功した場合は追加の効果は受けない。

技能

技能の項目時は、そのモンスターが習熟している技能に対するボーナスが書かれている。特定の技能がそこに書かれていない場合、そのモンスターは習熟なしで技能判定を行う(すなわち、d20をロールしてから該当する能力修正値を加える)。

習熟強化ダイス

一部のモンスターは技能、セーヴ、その他能力値をベースとするロールの隣に習熟強化ダイスが書かれている。習熟強化ダイスはd4、d6、d8、d10、d12、d20のいずれかであり、それが修正するd20ロールの結果に加算される。

習熟強化ダイスが受動〈知覚〉値といった受動値に適用される場合、そのダイスの平均値(端数切り捨て)がその受動値に加算される。例えば、〈知覚〉判定に1d4の習熟強化ダイスを持つクリーチャーは受動〈知覚〉値に+2のボーナスを得る。

抵抗、完全耐性、脆弱性

特定のダメージ種別に完全耐性を有するクリーチャーはその種別のダメージが与えられた時にダメージを全く受けない。特定のダメージ種別に抵抗を有するクリーチャーはその種別のダメージが与えられた時にそのダメージが半分(端数切り捨て)になる。特定のダメージ種別に抵抗を有するクリーチャーはその種別のダメージが与えられた時にそのダメージが2倍になる。

クリーチャーの中には、魔法的でない武器、銀でも魔法的でもない武器、およびその他の形態の武器に対する抵抗や完全耐性を持つものもいる。これはキャラクターとモンスター間でのあらゆる相互作用に適用されるが、モンスター同士で戦っている場合は別のルールが適用される。即ち、脅威度が5以上のモンスターの攻撃は、別のモンスターのダメージ抵抗や完全耐性を克服する目的に際しては常に魔法的なものと見なされる。

感覚

各モンスターは感覚の部分に書かれている通りの受動〈知覚〉値を有する。一部のモンスターは以下に列記されている感覚を有している。各感覚には、それが機能する最大距離がm(㌳)単位で併記されている。

疑似視覚:世界を感知するのに全員が視界を用いているわけではない。疑似自覚を有するクリーチャーは所定の範囲内で、暗闇やその他の重度であれ軽度であれ隠蔽されている範囲においてその隠蔽の影響を受けず、不可視状態のクリーチャーや物体を感知できる。暗闇に適応したクリーチャー(例えばバットやモール)、さもそも眼を持たないクリーチャー(例えばウーズ)は疑似視覚を有する。疑似視覚は呪文の目標を取る時やそれに類する状況においては視覚として扱う。
 疑似視覚を持ち、生得的に盲目なクリーチャーは疑似視覚の範囲外に対しては盲目である。生まれつき盲目なクリーチャーは視覚的な幻に対して完全耐性を有する。

暗視:暗視によってモンスターは"薄暗い"光の中を"明るい"光かのように、"暗闇"の中を"薄暗い"光の中かのように見ることができる。
 クリーチャーは暗視によって色を見ることはできない。

振動感知:振動感知を有するモンスターは自分と同じ表面に接しているクリーチャーの振動および物体の移動を的確に感知できる。飛行しているクリーチャーや非実体のクリーチャーは感知できない。振動感知は視覚として扱わない。

超視覚:超視覚を有するクリーチャーは"薄暗い"光、"暗闇"、そして魔法的な暗闇の中をまるで"明るい"光の中かのように見ることができ、不可視状態のクリーチャーと物体を見ることができ、さらに視覚的な幻を感知して、それに対するセーヴに自動的に成功する。加えて、そのクリーチャーは変身生物の本当の姿を知覚し、エーテル界を見ることができる。

言語

モンスターが話すことのできる言語はこの項目に記載されている。時として、この項目にはモンスターが理解はできるが話すことはできない言語についての記載が含まれている。

テレパシー:中には言語としてテレパシーを持っているモンスターもいる。テレパシーによってクリーチャーは特定の範囲内にいる目標のクリーチャーに対して魔法的な交信を行える。目標はテレパシー能力を持つクリーチャーの言葉を理解するためにそれと言語を共有している必要はないが、最低でも1つの言語を理解できる必要がある。テレパシー能力を持たないクリーチャーはテレパシーによる会話を始めることはできないが、テレパシーによるメッセージに応答することはできる。
 テレパシー能力を持つクリーチャーは目標を認識していて、自分も相手も無力状態でない限り、目標と交信するために相手を見ている必要はない。クリーチャーは複数のクリーチャーに対するテレパシーでの交信を同時に維持することはできない。

特徴

モンスターの多くは言語の後ろ、アクションの前に能力が記載されており、これは特徴と呼ばれる。モンスターが持つあらゆる特徴は、そのモンスターを操る際に注意深く読むべき部分である。何故なら、戦闘中であろうとなかろうと、特徴はそのモンスターの振る舞いや行動に影響を及ぼすものだからだ。

時として、単体のモンスターの項目に、特徴を共有する複数のモンスターのデータ・ブロックが含まれていることがある。その場合は各データ・ブロックの中に同じ特徴を記載する代わりに、項目の始め、モンスターの説明の直後にそれを記載している。

モンスターがよく持っている特徴としては以下のようなものがある。

呪文発動:呪文発動の特徴を持つクリーチャーはキャラクターと同じような方法で呪文を発動し、呪文発動レベル、呪文スロット、そして修得または準備している呪文のリストを有する。この特徴を持つモンスターは、可能なら高レベルの呪文スロットを使用して呪文を発動することもできる。ナレーターは修得または準備している呪文を同じレベルでかつ同じ呪文リスト(訳注:これはクラスの呪文リストのことだろう)にある他の呪文と入れ替えて、モンスターの呪文リストをカスタマイズできる。攻撃を行うような初級呪文を発動する場合、その初級呪文の効果はモンスターの呪文発動者レベルによって決まる。

生得呪文発動およびサイオニック呪文発動:生得呪文発動能力の特徴を持つクリーチャーは呪文スロットを使用することなく呪文を発動できが、その代わり、修得している呪文を発動できるのは1日に一定の回数までだ。修得している呪文を高レベル版で発動することはできず、修得している呪文を他の呪文に入れ替えることもできない。攻撃を行うような初級呪文を発動する場合は、そのクリーチャーの脅威度を呪文発動者レベルの代わりに使用してその初級呪文の効果を決める。
 サイオニック呪文発動は生得呪文発動のように機能する。通常、サイオニック呪文発動の特徴を有するクリーチャーは呪文発動に構成要素を必要としない。

アクション

モンスターは以下のような種類のアクションを行える。すなわち、アクション、ボーナス・アクション、リアクション、伝説的アクション。

モンスターがアクション、ボーナス・アクション、リアクションを行う際にはキャラクターと同じルールに従う。モンスターはデータ・ブロックに記載されている選択肢から1つを使用するか、キャラクターが取れる選択肢を使用できる。

そうすることが理に適っているなら、モンスターは戦闘外や、イニシアチブ順にない時にアクションやボーナス・アクション、伝説的アクションを行える。

ほとんど全てのことがリアクションの引き金となる可能性をはらんでいる。しかし、ほとんどのモンスターのリアクションはそのクリーチャーまたは隣のクリーチャーが攻撃または呪文の目標になることを作動条件とする。これは戦闘の複雑さ緩和を意図してのことだ。そういう訳で、君はそのクリーチャーか近くの味方が攻撃された時だけリアクションを確認すればいい。

リアクションの説明に"攻撃者"という語が出てくる場合、それはそのリアクションの引き金となった呪文の発動、もしくは攻撃を行ったクリーチャーのことを指す。

伝説的アクションは伝説的モンスターしか使用できない。無力状態のような、クリーチャーがアクションを行えなくするような効果は伝説的アクションも行えなくする。

モンスターのアクションや能力の中には生得的に魔法的なものが存在する。その能力の説明にそれが魔法的であると書かれているなら、その能力はアンティマジック・フィールド呪文やディスペル・マジック呪文といった呪文の影響を被る。アクションや能力に魔法的であると明記されていない限り、それは上記のような呪文の影響を被らない。

回数制限付きのアクション

モンスターのアクションの選択肢の中には、使用に制限を持つものもある。使用制限はアクションの名称の後ろに( )付きで書かれており、1つのアクションが複数の制限を持つこともある。

X回/日:クリーチャーはこの選択肢を1日に決められた回数だけ使用できる。モンスターの1日が終わるのは、大休憩の終了時だ。

再チャージ:この能力を使用した後、モンスターは再チャージされるまでその能力を再び使用できない。そのモンスターの各ターン開始時に、モンスターはd6をロールできる。そのロールが再チャージの表記の範囲内なら、その能力は再チャージされそのターンからモンスターは再びその能力を使用できるようになる。
 例えば、モンスターの能力に"再チャージ4~6"と書いてある場合、その能力はd6のロール結果が4、5、6のいずれかであれば再チャージされる。また、休憩を取ることでも能力は再チャージされる。

小休憩または大休憩で再チャージ:クリーチャーはこの能力を1回だけ使用でき、その後小休憩または大休憩を完了することで再び使用できる。

重傷状態のみ:クリーチャーはこの能力を重傷状態である間(すなわちそのクリーチャーの現在ヒット・ポイントが最大ヒット・ポイントの半分以下である間)だけ使用できる。同様に、重傷状態でない間だけ使用できる能力も存在する。

攻撃

モンスターのアクションのほとんどは攻撃だ。攻撃は近接呪文攻撃、遠隔呪文攻撃、近接武器攻撃、遠隔武器攻撃のいずれかだ。武器はトライデントのような人工的な武器であることもあれば、爪といった肉体武器ということもある。

通常、攻撃はクリーチャー1体か(クリーチャーもしくは物体のいずれかを指す)目標1つを目標とするが、複数のクリーチャーや("このモンスターにつかまれているクリーチャー1体"のような)その他の条件を持つ攻撃も中にはある。

攻撃のダメージは固定値とダイス式の両方で表記される。君はどちらか好きな方を使用できる。固定値は素早いプレイに向き、ダイス・ロールはバラエティに富む。

武器の中には、状況によって与えるダメージが異なるものもある。例えば、ロングソードは"両用"特性であるため、片手持ちでは1d8ダメージ、両手持ちでは1d10ダメージを与える。このうち、攻撃に両方のオプションが書かれているものもあるが、ほとんどは最も典型的なオプションだけが書かれている。モンスターは装備品を攻撃の項目にない方法で使用できる。利用可能なオプションを全て確認したい場合は、その武器の説明を参照せよ。

呪文

一部のモンスターはキャラクターと同じように呪文を発動する能力を持つ。戦闘中に呪文をあちこち参照するのは不便であるから、戦闘において最も有用な呪文はそのモンスターのアクションの部分に記載されている。

呪文の説明には、そのレベル(それが初級呪文ならその旨)が書かれている。加えて、必要な呪文の構成要素やその呪文が精神集中を要するかどうかも書かれている。"呪文発動"の特徴にはそのクリーチャーが1日に発動できる呪文の回数が書いてある。

クリーチャーが修得している呪文全てがデータ・ブロックに要約されているわけではない。記載があるのは戦闘中に最も使用されることの多いものだけだ。加えて、その呪文の要約についても、その呪文で選択可能なすべてのオプションが書かれているわけではない。さらに、呪文の説明に高レベル版で発動した場合の記述が含まれていることは稀だ。モンスターがこれらの戦術的な選択を行う必要がある場合は、その呪文の完全な説明を参照できる。

目標

アクションの中には1体以上のクリーチャーを目標にするものがある。

クリーチャーは自分から見えないクリーチャーを攻撃の目標にできる(が、通常、その場合は見えないクリーチャーのルールに従ってその攻撃に不利を被る)。けれども、目標にセーヴを行わせるような、攻撃を行わないアクションの場合、そのアクションにできると明記されていない限り、クリーチャーは自分から見えない(あるいは擬似視覚のようなそれに類する感覚で知覚できない)クリーチャーをその目標にはできない。

凝視

一部のアクションは"凝視"というキーワードを持つ。凝視アクションは以下のルールに従う:

  • そのアクションを行う場合、そのモンスターは目標を見ることができねばならない。

  • 凝視アクションを行った時点で目標からそのモンスターが見えない場合、その効果はその時点では発生しない。しかし、凝視アクションを行ったモンスターの次のターン開始時より前のいずれかの時点で、そのモンスターと目標がお互いを見ることができるようになり、かつアクションを行ったモンスターが無力状態でないなら、その時点でそのアクションの効果が発生する。

  • 目標が不意を討たれていない場合、目標は自分のターンの開始時にモンスターから目を逸らすことを選べる。これは目標の次のターン開始時まで持続する。目を逸らしている間、クリーチャーはそのモンスターを見ることができない。

戦闘の戦略

各モンスターのデータ・ブロックの後ろには、戦闘におけるモンスターの戦略が書かれたセクションがある。これはそのモンスターが好む戦術である。多くの戦闘の戦略セクションにはそのモンスターが逃走したり降参するような状況の概略も含まれている。戦闘の戦略セクションはあくまでも参考であって、ナレーターを縛るものではない。

モンスターはそれぞれの状況や正確次第で多様な戦術を採用しえるだろう。

変種版とテンプレート

多くのモンスターは変種版を持つ。変種版はそのモンスターの能力の一部を追加もしくは置き換え、しばしばその脅威度を変化させるものだ。

変種版はそのグループの例外的存在を表すこともあれば、オリジナルのモンスターを再解釈したようなものもある。変種版がモンスターの脅威度を変化させる場合、そのモンスターの習熟ボーナスは変化しない。

更に、本書には様々なモンスターに適用できるテンプレートも複数用意されている。

最終更新:2025年12月21日 20:48