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戦闘の手順

典型的な戦闘遭遇は二勢力間の衝突であって、武器が振り回され、フェイント、受け流し、巧みな移動、呪文の発動などなどが慌ただしく行われる。このゲームにおいて、戦闘のごたごたはラウンドとターンの繰り返しとして整理される。1ラウンドはゲーム内世界の約6秒に相当する。ラウンドごとに、戦闘に参加している者はターンを1回ずつ行う。ターンを行う順番は戦闘開始時に全員がイニシアチブ・ロールを行うことで決定される。全員が自分のターンをとり終えた時点で、いずれかの勢力がもう一方の勢力を負かしていない限り戦闘は次のラウンドへ進む。

戦闘の各ステップ

1.不意討ちの判断:GMはその戦闘遭遇に参加している者の中に不意を討たれた者がいるかどうかを判断する。

2.位置の決定:GMは全キャラクターと全モンスターがどこにいるかを判断する。すなわち、GMは冒険者たちが移動時にどう並んでいたかや、彼らが部屋ないしその他の場所で自分はどこにいると宣言していたかに基づいて敵の位置関係(どの方向にどれだけ離れているのか)を決定するのだ。

3.イニシアチブのロール:戦闘遭遇に参加している者全員がイニシアチブをロールして、それぞれがターンを行う順番を決定する。

4.ターン処理:戦闘の参加者はそれぞれイニシアチブ順通りにターンを行う。

5.次のラウンドの開始:戦闘に参加している者全員がターンを行った時点でそのラウンドは終了し、戦闘が終了するまでステップ4を繰り返す。

不意討ち

冒険者一行が山賊の野営地に忍び寄り、木陰から飛び出して襲いかかる。ゼラチナス・キューブはダンジョンの通路を滑らかに移動し、冒険者たちは仲間の一人がキューブに飲み込まれるまでその存在に気づかない。これらの状況においては、戦闘に参加している一方がもう相手方を"不意討ち"したことになる。

誰が不意討ちされたのかはGMが判断する。どちら側も隠れようとしていなかった場合、両者はお互いの存在に自動的に気づく。そうでない場合、GMは隠れている者それぞれの【敏捷力】〈隠密〉判定の結果と、その者の相手側のクリーチャー全員の受動【判断力】〈知覚〉値を比較する。脅威の存在に気づけなかったキャラクターやモンスターは、その戦闘遭遇の開始時に不意を討たれたことになる。

君が不意を討たれた場合、その戦闘において君は自分の第1ターンに移動やアクションを行えず、自分の第1ターンが終了するまではリアクションを行うこともできない。ある集団に属する者のうち一部は不意を討たれなかった一方、他の者は不意を討たれたということもある。

イニシアチブ

戦闘中、ターンの順番はイニシアチブによって決定される。戦闘開始時、戦闘に参加している者はそれぞれ【敏捷力】判定を行い、自分がイニシアチブ順の中でどこに来るのかを決める。この際、同一のデータを持つクリーチャー集団に関してはGMがまとめて1回だけロールする。従って、その集団のクリーチャーは全員同時に行動することになる。

GMは戦闘の参加者を【敏捷力】判定の結果が最も高い者から、最も低いものまで順番に並べる。そしてこの並び(これをイニシアチブ順と呼ぶ)が、各ラウンドでそれぞれが行動する順番となる。イニシアチブ順はラウンド毎に変化したりはしない。

イニシアチブで同値が発生した場合、GMが操作するクリーチャー同士での同値ならGMが行動順を決め、キャラクター同士での同値ならプレイヤーたちが決める。モンスターとプレイヤー・キャラクター間での同値はGMが決定できる。あるいは、GMは同値だったキャラクターとモンスターそれぞれにD20をロールし、高い目が出た順に行動するということにしてもよい。

君のターン

自分のターンにおいて、君は自分の移動速度に等しい距離までの移動と、1回のアクションを行うことができる。移動とアクションのどちらを先に行うかは君が決める。君の移動速度──歩行移動速度と呼ばれることもある──は君のキャラクター・シートに書かれている。

"戦闘中のアクション"のセクションには、君がよく行うであろうアクションのことが書かれている。多くのクラス特徴やその他の能力は、君が行えるアクションの選択肢を増やす。

"移動と位置"のセクションには、移動に関するルールが書かれている。

君は移動せずにアクションだけ行うこともできるし、まったく何もしないことも選べる。自分のターンに何をするか決められない時は、"戦闘中のアクション"のセクションにある、"回避"や"待機"のアクションの使用を検討するとよい。

ボーナス・アクション

様々なクラス特徴、呪文、その他の能力は、ボーナス・アクションと呼ばれる追加のアクションを君が行えるようにする。たとえば、ローグは"巧妙なアクション"によってボーナス・アクションを行うことができる。ボーナス・アクションを行えるのは、特別な能力、呪文、あるいはその他のゲーム的な特徴に「君はボーナス・アクションとしてなになにを行える」といった記載がある時だけだ。そうでない場合、君はボーナス・アクションを持たない。

君はボーナス・アクションを自分のターンに1回だけ行える。従って、ボーナス・アクションの選択肢を2つ以上持っている場合、君はどれを行うか選ばねばならない。

ボーナス・アクションの説明に明記されていない限り、君は自分のターンのどのタイミングでボーナス・アクションを行うか選べる。加えて、どのような理由にせよ、君がアクションを行えない状況下にある場合、君はボーナス・アクションも行えない。

自分のターン中の他の行動

自分のターン中、君はアクションも移動も必要としない様々な行動を行うことができる。

君は自分のターンを行いつつ、(君が可能な範囲ではあるが)発声や身振り手振りを用いて意思疎通を行うことができる。

君はアクションや移動の最中に物体1つかその場のものごと1つを何も費やすことなく"扱う"ことができる。たとえば、君は敵の方へ移動する途中で扉を1枚開けることができるし、あるいは攻撃を行うのと同じアクションの一部として剣を1本抜くことができるのだ。

2つ目の物体を扱いたい場合はアクションを使用する必要がある。一部の魔法のアイテムやその他の特別な物体の使用は常にアクションを要する(そのアイテムや物体にその旨の記載がある)。

これらの行動であっても、特に注意を必要とする場面や、普通とは異なる障害が存在する場面で、その行動にアクションが必要であるとGMが判断することもある。たとえば、"立て付けの悪い扉を開ける"、"跳ね上げ橋を降ろす用のクランクを回す"といった行動にはアクションが要るというGMの裁定は合理的だろう。

周囲の物体を扱う

移動ならびにアクションと同時に行える行動の例を以下に示す:

  • 剣を1本抜くか、鞘に収める
  • 扉を1枚開けるか、閉める
  • 背負い袋からポーションを1本取り出す
  • 落とした斧を1本拾う
  • テーブルの上にある雑貨を1つ取る
  • 自分の指から指輪を1つ外す
  • 自分の口に食べ物を詰め込む
  • 地面に旗竿を1本突き立てる
  • 自分のベルト・ポーチから貨幣を数枚取り出す
  • ジョッキ1杯のエールを飲み干す
  • レバーかスイッチを1つ動かす
  • 壁についた燭台から松明を1本取る
  • 手の届く範囲にある本棚から本を1冊取る
  • 小さな火を1つ消す
  • 仮面を1つつける
  • 被っていたフードを首の後ろまではねあげる
  • 扉1枚に耳をあてる
  • ちいさな石を1つ蹴飛ばす
  • 鍵穴に刺さっている鍵1つを回す
  • 10㌳棒(長さ3mの棒)で床をつつく
  • 他のキャラクターにアイテムを1つ手渡す

リアクション

特別な能力、呪文、あるいは状況などによって、君はリアクションと呼ばれる特別なアクションを行えるようになる。リアクションは何らかの"トリガー"に即応するもので、トリガーは自分のターンに発生することもあれば、別の誰かのターンに発生することもある。最も一般的なリアクションは機会攻撃だ。

リアクションを行ったなら、君は次の自分のターン開始時まで別のリアクションを行うことができない。リアクションによって誰かのターンが中断された場合、そのクリーチャーはそのリアクションの直後からターンを再開できる。

移動と位置

戦闘中、キャラクターとモンスターは頻繁に動き、しばしば移動と位置を駆使して優位を得ようとする。

自分のターンにおいて、君は移動速度に等しい距離までの移動を行える。君は以下のルールに従う範囲で、自分のターンに移動速度いっぱいまで移動することもできるし、それより少なく移動することもできる。

君の移動には跳躍、登攀、水泳も含まれている。これらの様々なモードは歩行と組み合わせてもよいし、君の移動すべてを1つのモードが占めてよい。どのような移動であれ、君は移動を行うたびに、その距離を自分の移動速度から差し引く。移動速度を使い切るか、それ以上移動する必要がなくなった時点で君の移動は終了する。

移動を分割する

君は自分のターンに行う移動を好きなように分けて、アクションの前後で移動することができる。たとえば、君の移動速度が9m(30㌳)の場合、君はまず3m(10㌳)移動してからアクションを行い、しかるのち6m(20㌳)移動することができる。

攻撃の合間の移動

2回以上の攻撃を含むアクションを行う場合、君は移動をさらに細かく分割して、それらの攻撃の間に移動することもできる。たとえば、移動速度が7.5m(25㌳)で、"追加攻撃"の特徴によって2回の攻撃が行えるファイターの場合、そのファイターは3m(10㌳)移動して1回の攻撃を行い、その後4.5m(15㌳)移動して再び1回の攻撃を行うことができる。

異なる移動速度を組み合わせる

(歩行移動速度と飛行移動速度といったふうに)2つ以上の移動速度を持っている場合、君は移動の最中にそれらの移動速度をあちこち切り替えて移動することができる。移動速度を切り替えるたびに、それまでに移動していた距離を新しい移動速度から差し引くこと。この結果が移動できる残りの距離となる。結果が0以下である場合、君はその移動において、もはやその新しい移動速度を使用することができない。

たとえば、君が歩行移動速度が9m(30㌳)で、ウィザードが君に対して発動したフライ呪文によって18m(60㌳)の飛行移動速度も得ている場合、君は6m(20㌳)飛行してから3m(10㌳)歩行し、さらにそこから空中へ飛びあがって9m(30㌳)飛行することができる。

移動困難な地形

すっからかんの部屋や平坦な草原で戦闘が発生することは稀だ。岩が転がる洞窟、茨の繁茂する森、あるいは足場のしっかりしていない階段。典型的な戦闘の舞台は"移動困難な地形"を伴う。

"移動困難な地形"では、0.3m(1㌳)移動するごとに移動速度が追加で0.3m(1㌳)分消費される。これは、あるスペースを"移動困難な地形"にする要素がそのスペース内に複数存在する場合でも同様だ。

低い家具、瓦礫、やぶ、急な階段、ユキ、浅い沼などは"移動困難な地形"の典型だ。また、敵対的であろうとなかろうと、他のクリーチャーが占めているスペースも"移動困難な地形"として扱われる。

伏せ状態

戦闘の参加者はしばしば地面に伏せる。打ちのめされてそうなることもあれば、自ら進んでそうすることもある。このゲームにおいて、これらは付録PH-Aに記載がある"伏せ状態"として扱われる。

君は移動速度を使用することなく伏せ状態になることができるが、伏せ状態から立ち上がるのには労力がかかる。すなわち、立ち上がるためには自分の移動速度の半分に等しい移動を費さねばならない。たとえば、移動速度が9m(30㌳)なら、君は立ち上がるのに移動を4.5m(15㌳)分消費せねばならないのだ。十分な移動速度が残っていなかったり、移動速度が0である場合、君は立ち上がることができない。

伏せ状態のまま移動するには、這い進むか、瞬間移動のような魔法を使用せねばならない。這い進む場合は移動0.3m(1㌳)ごとに、0.3m(1㌳)分の移動が追加で費やされる。そういう訳で、移動困難な地形を這い進む場合は、移動0.3(1㌳)ごとに計0.9m(3㌳)分の移動を消費せねばならない。

他のクリーチャーをすり抜ける

君は敵対的でないクリーチャーのスペースをすり抜けて移動することができる。一方で、敵対的なクリーチャーのスペースをすり抜けられるのは、そのクリーチャーのサイズ分類が君より2段階以上小さいか2段階以上大きい場合だけだ。他のクリーチャーのスペースは君にとって"移動困難な地形"であるということを忘れないように。

そのクリーチャーが味方でろうと敵であろうと、君は自分の意志でもって他のクリーチャーのスペース内で移動を終了することはできない。

移動中に敵対的なクリーチャーの"間合い"を離れる場合、君はそのクリーチャーからの機会攻撃を誘発する。

飛行移動

飛行しているクリーチャーはその機動性の利益を享受できるが、落下の危険にも対処しなければならない。飛行しているクリーチャーが、伏せ状態になるか、移動速度が0に低下するか、その他なんらかの形で移動能力を奪われた場合、(ホバリング能力を有しているか、フライ呪文のような魔法で浮いているのでない限り)そのクリーチャーは落下する。

クリーチャーのサイズ分類

クリーチャーが占めるスペースの大きさはそれぞれ異なる。『サイズ分類』表には、各サイズのクリーチャーは戦闘中にどれくらいのスペースを占めるのかが書かれている。時に、物体に関してもこのサイズ分類を用いることがある。

サイズ分類

サイズ スペース
超小型 0.75m×0.75m(2½㌳×2½㌳)
小型 1.5m×1.5m(5㌳×5㌳)
通常 1.5m×1.5m(5㌳×5㌳)
大型 3m×3m(10㌳×10㌳)
超大型 4.5m×4.5m(15㌳×15㌳)
巨大 6m×6m(20㌳×20㌳)以上

スペース

クリーチャーのスペースは、戦闘中にそのクリーチャーの支配が明確に及んでいる範囲をm(㌳)単位であらわしたものであり、その物理的な大きさを表すものではない。たとえば、典型的な中型サイズのクリーチャーは幅1.5m(5㌳)もないが、幅1.5m(5㌳)分のスペースをしっかり支配している。中型サイズのホブゴブリンが幅1.5m(5㌳)の戸口に立っているなら、他のクリーチャーはそのホブゴブリンの許可なくそこを通ることはできない。

また、クリーチャーのスペースはそのクリーチャーがまともに戦うために必要な広さも表す。そのため、戦闘中に1体のクリーチャーを取り囲めるクリーチャーの数には限りがある。戦闘参加者が全員中型サイズである場合、1体のクリーチャーから1.5m(5㌳)以内の場所にいられるクリーチャーの数は最大でも8体だ。

より大きなクリーチャーは占めるスペースも広いため、大きいクリーチャーで1体を取り囲もうとすればその数は少なくなる。大型サイズのクリーチャー4体が中型または小型サイズのクリーチャーを取り囲む場合、他の誰かが入りこむ余裕はほとんどなくなる。対照的に、巨大サイズのクリーチャーを中型サイズのクリーチャーが取り囲む場合は20体が上限となる。

狭い場所に無理やり入り込む

クリーチャーは自分より1段階小さいクリーチャーが入れるスペースであれば"無理矢理入りこむ"ことができる。そのため、大型サイズのクリーチャーは幅1.5m(5㌳)しかない通路に無理やり入りこんで通過することができる。スペースに無理矢理入りこんでいる間、クリーチャーは移動0.3m(1㌳)ごとに、移動速度を追加で0.3m(1㌳)分消費せねばならなず、攻撃ロールと【敏捷力】セーヴィング・スローに不利を被る。くわえて、狭いスペースに無理矢理入りこんでいるクリーチャーに対する攻撃ロールは有利を受ける。

戦闘中のアクション

君は自分のターンにアクションを行う時に、(1)以下に記載されているアクション、(2)自分のクラス特徴や特殊な特徴から得たアクション、(3)その場で思いついた即興のアクション、のうちいずれか1つを行える。ほとんどのモンスターは行えるアクションの選択肢がそのデータ・ブロックに書かれている。

君がルールのどこにもないようなアクションをしたいと宣言した場合、GMはそのアクションが可能かどうか、可能なのであればそのアクションの成否を決めるためにどんなロールを行うのか(あるいは行う必要がないのか)を決定する。

援護

君は他のクリーチャーの何かしらの試みを援護できる。援護アクションを行った場合、君の援護を受けたクリーチャー1体は、君が援護した試みのために行う次の能力値判定に有利を得る。ただし、有利を得るにはその判定が次の君のターンが始まるまでに行われねばならない。

あるいは、君は自分の味方が"君から1.5m(5㌳)以内にいるクリーチャー1体"に対して行う攻撃を援護できる。君はフェイントしたり、目標の気を散らしたり、その他何らかの方法で味方の攻撃をより確実にするのだ。君の次のターンが始まるまでに君の味方のいずれかがその目標を攻撃する場合、そのうちいちばん最初の攻撃ロールは有利を得る。

回避

回避アクションを行った場合、君は攻撃の回避に専念する。次の君のターン開始時まで、(1)君から攻撃者が見える限り、君に対して行われるあらゆる攻撃ロールは不利を受け、(2)君が行う【敏捷力】セーヴィング・スローは有利を得る。君が無力状態(付録PH-A参照)であるか、君の移動速度が0にまで減少している場合、これらの利益は得られない。

隠れ身

隠れ身アクションを行った場合、君は隠れ身のルールに従って、隠れるための【敏捷力】〈隠密〉判定を行う。成功した場合、君は"見えない攻撃者・見えない目標"のセクションに書いてある通りの利益を得る。

攻撃

戦闘中に最もよく行われるアクションは攻撃アクションである。剣を振るう、弓で矢を放つ、拳で殴る。これらは全て攻撃アクションである。

攻撃アクションによって、君は近接攻撃または遠隔攻撃を1回を行うことができる。攻撃に関するルールの詳細は"攻撃を行う"のセクションを参照のこと。

特徴の中には、ファイターの"追加攻撃"のように、このアクションによって2回以上の攻撃を行えるようにするものもある。

呪文の発動

ウィザードやクレリックをはじめとする呪文の使い手、そして多くのモンスターは呪文発動能力を持ち、戦闘でもそれらを使用して絶大な効果を得ることができる。各呪文には発動時間の記載があり、その呪文の発動に要する時間──アクション、リアクション、数分間、数時間──が書かれている。それゆえ、呪文の発動それ自体はアクションであるとは限らないが、それでも多くの呪文の発動時間は1アクションであるため、戦闘に際して呪文の使い手は呪文の発動にアクションを費やすことが多い。

捜索

捜索アクションを行った場合、君は何かを見つけることに専念する。君が探すものの内容に応じて、GMは【判断力】〈知覚〉判定または【知力】〈捜査〉判定を行わせるだろう。

待機

時として、君は敵に先んじたいとか、特定の状況が起こるまで行動をせずに待ちたいと思うことがあるだろう。そのような場合、君は待機アクションを自分のターンに行うことができる。待機アクションを行うことで、君は次の自分のターン開始時よりも前のどこかでリアクションを使用して行動できるようになる。

まず、君は自分のリアクションのトリガー(作動条件)となる状況を決める。次に、そのトリガーに対応して行うアクションを1つ選ぶか、そのトリガーに対応して移動速度までの移動を行うことを選ぶ。たとえば、「あのカルト教団員が落とし戸に足を置いたら、自分はレバーを引いてその落とし戸を開く」や「あのゴブリンが自分の隣まで来たら自分は移動して離れる」といった風である。

トリガーとして指定していたことが実際に発生したなら、君はそのトリガーの処理が終了した直後にリアクションをとっても良いし、そのトリガーを無視してもよい。君がラウンドごとに取れるリアクションは1回だけということを忘れないように。

呪文を待機する場合、君は通常通りその呪文を発動するが、そのエネルギーを保持し続け、トリガーが発生した時点でリアクションとしてそれを解き放つ。待機できる呪文は発動時間が1アクションのものでなければならず、呪文の魔力を保持し続けるためには精神集中を要する。精神集中が途切れた場合、君が保持していた呪文は効果を発揮することなく消滅する。たとえば、君がウェブ呪文に精神集中している時にマジック・ミサイル呪文を待機しようとした場合、君のウェブ呪文は終了する。そして、君がリアクションを使用してマジック・ミサイル呪文を解き放つ前にダメージを受けた場合、君のマジック・ミサイル呪文への精神集中も途切れる可能性がある。

早足

早足アクションを行った場合、君はそのラウンド中に追加の移動を行える。この追加の移動量は、あらゆる修正値を加えた後の君の移動速度に等しい。たとえば、君の移動速度が9m(30㌳)なら、君は早足アクションを行ったターンに合計で18m(60㌳)分の移動を行えるということになる。

君の移動速度が増加あるいは減少した場合、早足アクションによる追加の移動も同じだけ増減する。たとえば、君の移動速度が9m(30㌳)から4.5m(15㌳)にまで減少した場合、君は早足アクションを行っても合計で9m(30㌳)分しか移動を行えないということになる。

物体の操作

通常、君は何か別のことを行う過程で"物体を扱う"ことが多い。たとえば、剣を抜くのは攻撃の一部である。しかし、物体を使用するのにアクションが必要になる場面においては、物体の操作アクションの出番がくる。このアクションは自分のターンに2つ以上の物体を扱いたい時にも出番がある。

離脱

離脱アクションを行った場合、そのターンの残りの間、君の移動は機会攻撃を誘発しなくなる。

攻撃を行う

近接武器を叩きつけるのであれ、遠くから武器で矢弾を撃ち込むのであれ、あるいは呪文の一部として攻撃ロールを行うのであれ、攻撃それ自体は単純な構造を持つ。

1.目標の選択:君の攻撃の射程内にいる目標を選択する。目標には、クリーチャー、物体、あるいは場所が含まれる。

2.修正値の決定:GMは目標が遮蔽を得ているかどうか、目標に対する君の攻撃に有利または不利がついているかを判断する。加えて、君の攻撃ロールは呪文、特殊能力、その他の効果によって、ボーナスやペナルティ、有利や不利を得ることがある。

3.攻撃の解決:君は攻撃ロールを行う。ヒットしたなら、君はその攻撃に特殊なルールが指定されていない限りダメージ・ロールを行う。一部の攻撃は、ダメージと一緒に、あるいはダメージの代わりに特別な効果をもたらす。

自分が行おうとしていることが攻撃に含まれるかどうか分からない場合、その法則はしごく単純である。すなわち、君が攻撃ロールを行うなら、君は攻撃をしているということになる。

攻撃ロール

君が攻撃を行う時、その攻撃がヒットするかミスするかは君の攻撃ロールによって決まる。攻撃ロールを行うには、d20を1つロールして適切な修正値をそれに加算すること。この結果が目標のアーマー・クラス(AC)以上なら、その攻撃はヒットする。キャラクターのACはキャラクター作成時に決定され、モンスターのACはそのデータ・ブロックに書かれている。

攻撃ロールへの修正値

キャラクターが攻撃ロールを行う時、最も頻繁に加算される修正値が2種類ある。すなわち、そのキャラクターの能力修正値と習熟ボーナスである。モンスターが攻撃ロールを行う場合は、データ・ブロックに書かれている修正値をそのまま使用すること。

能力修正値:近接武器攻撃に使用する修正値は【筋力】であり、遠隔武器攻撃に用いる修正値は【敏捷力】である。"妙技"や"投擲"の特性を持つ武器はこのルールの例外となる。

一部の呪文もまた攻撃ロールを要求する。呪文攻撃に使用する能力修正値は、その呪文の発動者の呪文発動能力値によって決まる。

習熟ボーナス:自分が習熟している武器を使用して攻撃を行う時や呪文による攻撃を行う時、君はその攻撃ロールに習熟ボーナスを加える。

1の目と20の目

時に、宿命の祝福や呪いが戦闘に参加している者に降りかかり、新米の攻撃がヒットして熟練者の攻撃がミスすることもある

攻撃のd20ロールで20の目が出た場合、その攻撃は修正値や目標のACに関係なくヒットする。これをクリティカル・ヒットという。

攻撃のd20ロールで1の目が出た場合、その攻撃は修正値や目標のACに関係なくミスする。

見えない攻撃者・見えない目標

戦闘に参加している者たちはしばしば敵の注意から逃れようとして隠れ身を行ったり、インヴィジビリティ呪文を発動したり、暗闇に潜もうとしたりする。

自分から見えない目標を攻撃する時、君はその攻撃ロールに不利を受ける。目標がいそうな位置をあてずっぽうで攻撃するのであれ、音は聞こえるが姿は見えないクリーチャーを目標として攻撃するのであれ、この不利を受けるのは変わらない。君が狙った位置に目標がいない場合、君の攻撃は自動的にミスするが、GMは基本的に「その攻撃はミスした」とだけ言い、君が推測した目標の位置が正しかったのかそうでないのかは明らかにならない。

あるクリーチャーから君が見えない場合、君はそのクリーチャーに対する攻撃ロールに有利を得る。攻撃時に君が隠れていた場合──すなわち、姿を見られることも、自分がたてた音を聞かれることもなかった場合──君は自分の攻撃がヒットあるいはミスした時点で位置がばれてしまう。

遠隔攻撃

遠隔攻撃を行う時、君は弓やクロスボウを撃ったり、ハンドアックスを投げたりして、敵に何かしらの射出物を飛ばすことになる。モンスターの中には尻尾からトゲを飛ばす者もいる。遠隔呪文を伴う呪文も数多い。

射程

遠隔攻撃は、特定の射程内にいる目標に対してだけ行える。

(呪文による遠隔攻撃をはじめとする)単一の射程だけを持つ遠隔攻撃の場合、その射程より遠くにいる目標を攻撃することはできない。

一方、ロングボウやショートボウなどによる遠隔攻撃は2つの射程を持つ。小さい方の数字は通常射程であり、大きい方の数字は長距離射程である。通常射程より遠くにいる目標に対する君の攻撃ロールは不利を被り、長距離射程より遠くにいる目標には攻撃できない。

近接戦闘における遠隔攻撃

敵が隣にいる場合、遠隔攻撃の狙いを定めるのは困難になる。武器、呪文、その他の手段を用いて遠隔攻撃を行う時、敵対的なクリーチャーが君から1.5m(5㌳)以内にいて、そのクリーチャーから君が見え、そのうえそのクリーチャーが無力状態でないなら、君はその攻撃ロールに不利を被る。

近接攻撃

接近戦で間合い内の敵を攻撃するのが近接攻撃である。多くの場合、近接攻撃は剣、ウォーハンマー、斧などの手に持った武器を使用して行われる。モンスターの中には爪、ツノ、牙、触手、その他身体の一部を駆使して近接攻撃を行う者も多い。数は多くないが、近接攻撃を伴う呪文も存在する。

ほとんどのクリーチャーの間合いは1.5m(5㌳)であり、自分から1.5m(5㌳)以内にいる目標に対してだけ近接攻撃を行える。ただし、一部のクリーチャー(サイズ分類が大型以上であることが多い)はデータ・ブロックにある通りに、1.5m(5㌳)よりも長い間合いを有している。

君は武器を使用して近接武器攻撃を行うかわりに、素手打撃を行うこともできる。素手打撃には、拳、蹴り、頭突きをはじめとする、力を込めた打撃である(いずれも、武器としては扱われない)。素手打撃がヒットした場合、それは(1+君の【筋力】修正値)に等しい[殴打]ダメージを与える。君は自分の素手打撃に習熟している。

機会攻撃

戦闘中は誰もが機会をうかがっていて、敵が逃げ出したり、自分の近くを通ろうとしたらば一撃喰らわせようとしている。このような一撃は機会攻撃と呼ばれる。

君から見える敵対的なクリーチャーが君の間合いを離れる時、君は機会攻撃を行える。機会攻撃を行うには、リアクションを使用してその機会攻撃を誘発したクリーチャーに1回の近接攻撃を行うこと。この攻撃はそのクリーチャーが君の間合いを離れる直前に発生する。

君は離脱アクションを行うことで機会攻撃の誘発を回避できる。くわえて、君が瞬間移動した時や、誰かや何かが、君の移動、アクション、リアクションのいずれも消費させるることなく君を移動させる場合も機会攻撃は誘発しない。たとえば、君が爆発を受けて敵の間合い外へ吹き飛ばされたり、重力で敵の間合いを通過して落下したりした場合、君は機会攻撃を誘発しない。

二刀流

君は攻撃アクションによって、1本の手に持った"軽武器"特性を持つ近接武器で攻撃を行った時に、ボーナス・アクションとして別の手に持っている"軽武器"特性を持つ別の近接武器で1回の攻撃を行える。このボーナス・アクションで行った攻撃のダメージには能力修正値を足すことができない。ただし、修正値がマイナスである場合はその限りでない。

二刀流を行う時、手に持っている武器が"投擲"特性も有している場合、君はその武器で近接攻撃を行う代わりに、その武器を投擲することができる。

クリーチャーをつかむ

クリーチャーをつかんだりクリーチャーに組みついたりしたい場合、君は攻撃アクションとして、特殊な近接攻撃である"つかみ"を行う。1回の攻撃アクションで複数回の攻撃を行える場合、君はそのうち1回をこの特殊な攻撃1回に置き換えることができる。

君のつかみの目標は、君のサイズ分類より1段階大きいかそれ以下のサイズでなければならず、かつ君の間合いにいなければならない。君は空いている手を少なくとも1本使い、攻撃ロールを行う代わりにつかみ判定を行って目標をつかもうと試みる。つかみ判定は君の【筋力】〈運動〉判定と目標の【筋力】〈運動〉または【敏捷力】〈軽業〉判定(どちらを使うかは目標が選択する)との対抗判定である。君が勝利した場合、君は目標を"つかまれた状態"にする(付録PH-Aを参照せよ)。この状態が終了する条件は状態の説明にあるとおりであり、君は自分が望むタイミングで目標を放すことができる(アクションは不要)。

つかみからの脱出:つかまれた状態のクリーチャーはアクションを使用して脱出を試みられる。そうする場合、つかまれた状態クリーチャーは自分の【筋力】〈運動〉または【敏捷力】〈軽業〉判定と君の【筋力】〈運動〉判定との対抗判定に勝利せねばならない。

つかんでいるクリーチャーを移動させる:君が移動する場合、君は自分がつかんでいるクリーチャーを引きずって運ぶことができる。ただしこの場合、つかまれているクリーチャーのサイズ分類が君より2段階以上小さいのでない限り、君の移動速度は半分になる。

クリーチャーを突き飛ばす

君は攻撃アクションを使用して特殊な近接攻撃を行い、クリーチャーを突き飛ばして伏せ状態にするか遠くへ押しやろうとすることができる。1回の攻撃アクションで複数回の攻撃を行える場合、君はそのうち1回をこの特殊な攻撃1回に置き換えることができる。

君の突き飛ばしの目標は、君のサイズ分類より1段階大きいかそれ以下のサイズでなければならず、かつ君の間合いにいなければならない。攻撃ロールを行う代わりに、君は自分の【筋力】〈運動〉判定と、目標の【筋力】運動または【敏捷力】〈軽業〉判定(どちらを使うかは目標が選択する)との対抗判定を行う。この対抗判定に君が勝利した場合、君は目標を"伏せ状態"にするか、目標を君から遠ざかる方向へ1.5m(5㌳)押しやる。

戦闘中の対抗判定

戦闘中は君と敵とが腕を競い合うという状況がしばしば発生する。この種の争いは対抗判定によって表現される。このセクションには戦闘中にもっともよく用いられる、アクションを要する対抗判定、すなわちつかみと突き飛ばしだけが解説されている。GMは即興で他の対抗判定を作る際にこれらのルールを参考にすることができる。

遮蔽

戦闘中、壁、木、クリーチャー、その他の障害物が遮蔽をもたらし、それによって目標を傷つけるのがより困難になる場合がある。目標が遮蔽の利益を得るのは、攻撃やその他の効果の起点が遮蔽物を挟んで目標と反対側にある場合だけだ。

遮蔽には段階が3つある。目標が複数の遮蔽物の陰にいる場合、防御的な効果が一番大きい遮蔽だけが適用される。くわえて、遮蔽の段階が足し合わされたりすることはない。たとえば、目標が½遮蔽を提供するクリーチャーの陰におり、かつ¾遮蔽を提供する木の幹の陰にもいる場合、目標は¾遮蔽を得ていることになる。

½遮蔽を得ている目標はACと【敏捷力】セーヴィング・スローにそれぞれ+2のボーナスを得る。目標は遮蔽物によって自分の身体が少なくとも半分以上隠れている場合に½遮蔽を得る。このような障害物としては、低い壁、大きな家具、細い木の幹、(敵味方関係なく)クリーチャーなどがある。

¾遮蔽を得ている目標はACと【敏捷力】セーヴィング・スローにそれぞれ+5のボーナスを得る。目標は遮蔽物によって自分の身体が¾以上隠れている場合に¾遮蔽を得る。このような障害物としては、鉄格子、射撃孔、太い木の幹などがある。

完全遮蔽を得ている目標は攻撃や呪文の直接的な目標に選ぶことができない。ただし、呪文の効果の範囲内に目標を含めることで目標に効果を及ぼすことができる場合もある。目標は障害物によって完全に覆い隠されている場合に完全遮蔽を得る。

ダメージと回復

ファンタジー・ゲームの世界を探検する者たちにとって、負傷と死のリスクは離れがたい悪友とでもいうべきものだ。剣の突き刺し、当たり所が悪い矢、ファイアーボール呪文による炎の炸裂などはいずれも、頑丈極まるクリーチャーさえ傷つけて、ついに息絶えさせるだけのポテンシャルがある。

ヒット・ポイント

ヒット・ポイントは肉体と精神両面の打たれ強さ、生きる意志、そして幸運を組み合わせた概念である。ヒット・ポイントが多いクリーチャーほど殺されにくく、ヒット・ポイントが少ないクリーチャーほど脆い。

クリーチャーの現在ヒット・ポイント(通常は単にヒット・ポイントと呼ばれる)は、クリーチャーの最大ヒット・ポイントの値から0までの範囲の値を取りえる。クリーチャーがダメージを受けたり回復されたりするたび、現在ヒット・ポイントの値は頻繁に変化する。

クリーチャーがダメージを受けるたび、そのクリーチャーのヒット・ポイントは受けたダメージに等しい値だけ減少する。ヒット・ポイントが0にならない限り、ヒット・ポイントの減少でクリーチャーの能力が影響を受けることはない。

ダメージ・ロール

武器、呪文、モンスターが有する有害な能力にはそれぞれ、それが与えるダメージの量が書かれている。君はダメージ・ダイスをロールして、然るべき修正値を全て加えてから、目標にそのダメージを適用する。魔法の武器、特殊能力、その他の要素がダメージにボーナスを与える場合もある。ペナルティーによって、与えるダメージが0になる場合はあるが、ダメージが負の値を取ることはない。

武器で攻撃する場合、君は(その攻撃ロールに使用したのと同じ)能力修正値をダメージに加える。呪文の場合、そのダメージを決めるためにどのダイスをロールすればいいのかにくわえ、何かしらの修正値を加算するかどうかがその呪文の説明に書かれている。

呪文やその他の効果が同時に2体以上の目標へダメージを与える場合、ダメージ・ロールは1回だけロールして全目標分とする。たとえば、ウィザードがファイアーボール呪文を発動した場合や、クレリックがフレイム・ストライク呪文を発動した場合、その呪文のダメージは1回だけロールされ、その爆発に巻き込まれたクリーチャー全員にそのダメージが適用される。

クリティカル・ヒット

君がクリティカル・ヒットを出した時、君はその攻撃の目標に対するダメージに追加のダイスをロールして加える。その場合、その攻撃の全ダメージ・ダイスを2回ずつロールし、それらすべてを足し合わせたのち、適用すべき修正値を通常通り加算すること。プレイの進行を早めるために、全ダメージ・ダイスをいっぺんにロールしてもかまわない。

たとえば、君はダガーでクリティカル・ヒットを出したなら、(1d4ではなく)2d4をロールしてダメージとし、そこに関連する能力修正値を加えること。その攻撃に(ローグの"急所攻撃"特徴などで)他のダメージ・ダイスが含まれるなら、君はそれらのダイスも2回ロールすること。

ダメージ種別

様々な攻撃、ダメージを与える呪文、その他の有害な効果は、各々異なる種別のダメージを与える。ダメージ種別それ自体に固有のルールはないが、ダメージ抵抗をはじめとする他のルールはこのダメージ種別を参照する。

以下はダメージ種別を並べたものであり、GMが新しい効果のダメージ種別を決定する助けとなるような例も含まれている。

[殴打]:ハンマー、落下、締めつけといった鋭さのない純粋な力による攻撃は[殴打]ダメージを与える。

[光輝]:クレリックのフレイム・ストライク呪文や、エンジェルの武器等によって与えられる[光輝]ダメージは、炎の如く肉を焼くにとどまらず、その力によって魂を圧倒する。

[酸]:ブラック・ドラゴンの腐食性のブレスや、ブラック・プディングが分泌する溶解酵素は[酸]ダメージを与える。

[斬撃]:剣、斧、モンスターの爪などは[斬撃]ダメージを与える。

[刺突]:槍やモンスターの噛みつきをはじめとする、突き刺したり貫いたりするような攻撃は[刺突]ダメージを与える。

[死霊]:特定のアンデッドや、チル・タッチ呪文のような呪文が与える[死霊]ダメージは物質を腐らせ、魂を衰弱させる。

[精神]:マインド・フレイヤ―のサイオニック攻撃をはじめとする精神的能力は[精神]ダメージを与える。

[電撃]ライトニング・ボルト呪文や、ブルー・ドラゴンのブレスは[電撃]ダメージを与える。

[毒]:毒針や、グリーン・ドラゴンの毒ガスのブレスは[毒]ダメージを与える。

[火]:レッド・ドラゴンの炎のブレスや、炎を喚起する多数の呪文は[火]ダメージを与える。

[雷鳴]サンダーウェイヴ呪文の効果をはじめとする、轟音の炸裂は[雷鳴]ダメージを与える。

[力場]:力場は純粋な魔法エネルギーをダメージを与えられる形態にまで凝縮させたものだ。[力場]ダメージを与える効果のほとんどは、マジック・ミサイル呪文やスピリチュアル・ウェポンといった呪文である。

[冷気]:アイス・デヴィルの槍が発する地獄の冷気や、ホワイト・ドラゴンの凍てつくようなブレスは[冷気]ダメージを与える。

ダメージ抵抗と脆弱性

一部のクリーチャーや物体は、特定の種別のダメージでは傷つけるのがひどく困難だったり、逆にひどく傷つきやすかったりする。

クリーチャーや物体が特定のダメージ種別に対する抵抗を有している場合、それに対して与えられるその種別のダメージは半分になる。対して、クリーチャーや物体が特定のダメージ種別に対する脆弱性を有している場合、それに対して与えられるその種別のダメージは2倍になる。

ダメージに対する他の修正値を全て適用した後、まず抵抗が適用され、それから脆弱性が適用される。たとえば、[殴打]ダメージに抵抗を有するクリーチャーが25[殴打]ダメージを与える攻撃のヒットを受けたとして、そのクリーチャーが全てのダメージを5ポイント減少させるような魔法のオーラの範囲内にいたならどうなるか。この場合、25ダメージから5が差し引かれた上で半分になるので、そのクリーチャーは計10ダメージ受けることになる。

同一のダメージ種別に作用しえる抵抗ないし脆弱性が複数ある場合、それらは1つしかないものとして扱う。たとえば、あるクリーチャーが[火]ダメージに対する抵抗と"あらゆる非魔法的ダメージ"に対する抵抗を有する場合、そのクリーチャーに対して与えられる、"非魔法的で種別が[火]であるダメージ"は半分になる(¼にはならない)。

回復

死にさえしない限り、あらゆるダメージは一時的なものだ。そのうえ、強力な魔法なら死でさえ覆すことができる。クリーチャーは休憩を取ることでヒット・ポイントを回復することができ、キュア・ウーンズ呪文やポーション・オヴ・ヒーリングといった魔法的な手段があればダメージを即座に取り除くことができる。

どんな種類であれ、回復を受けたクリーチャーは回復するヒット・ポイントの数値を自分の現在ヒット・ポイントに加算する。クリーチャーのヒット・ポイントがその最大ヒット・ポイントを超過することはないため、超過した分の回復は無駄になる。たとえば、ドルイドがレンジャーのヒットポイントを8回復した場合、レンジャーの現在ヒット・ポイントが14で、最大ヒット・ポイントが20であるなら、レンジャーはドルイドの手によって(8ポイントではなく)6ポイントのヒット・ポイントを回復する。

死亡したクリーチャーはリヴィヴィファイ呪文のような魔法によって蘇生されない限り、そのヒット・ポイントを回復することができない。

ヒット・ポイントが0になる

ヒット・ポイントが0にまで減少した時、君は即死するか気絶状態になる。くわしいことは以下のセクションで説明されている。

即死

あまりに多量のダメージは君を即死させる。ダメージが君のヒット・ポイントを0にまで減少させ、さらにそのダメージの"余り"がある場合、その余ったダメージの量が君の最大ヒット・ポイント以上なら君は即死する。

たとえば、最大ヒット・ポイントが12で現在ヒット・ポイントが6であるクレリックの場合、そのクレリックが1回の攻撃で18ポイントのダメージを受けたなら、そのクレリックのヒット・ポイントは0になるが12ダメージ分の"余り"があるということになる。この"余り"はクレリックの最大ヒット・ポイントに等しいため、そのクレリックは即死する。

気絶

ダメージによって君のヒット・ポイントが0にまで減少したが、即死するには至らなかった場合、君は気絶状態になる(付録PH-A参照)。この気絶状態は何ポイントであれ君がヒット・ポイントを回復した時点で終了する。

死亡セーヴィング・スロー

自分のターンを0ヒット・ポイントで開始するたび、君は死亡セーヴィング・スローと呼ばれる特殊なセーヴィング・スローを行わねばならない。これは君が死に近づいたか、それともいまだ生にしがみついているかを決めるものである。死亡セーヴィング・スローは他のセーヴィング・スローとは違い、いずれの能力値とも結び付いていない。君は今や運命に身をゆだねているのであり、君を助けてくれるようなものがあるとすれば、それはセーヴィング・スローの成功確率そのものを上昇させるような呪文や特徴だけなのである。

死亡セーヴィング・スローを行う時はd20をロールすること。そのロール結果が10以上ならその死亡セーヴィング・スローは成功、そうでないなら失敗である。成功も失敗もそれ自体には何の効果もない。死亡セーヴィング・スローに3回成功した時点で君は容体安定化(後述)し、3回失敗した時点で君は死亡する。成功や失敗は連続している必要はない。成功失敗のどちらかが計3回になるまで、成功と失敗の回数を記録し続けること。成功および失敗の回数は、君がヒット・ポイントを回復するか、君が容体安定化した時点で0にリセットされる。

1または20の目が出た場合:死亡セーヴィング・スローでd20をロールして1の目を出した場合、君は2回失敗したことになる。d20をロールして20を出した場合、君は1ヒット・ポイントを回復する。

0ヒット・ポイントでの被ダメージ:0ヒット・ポイントの状態でダメージを受けた場合、君は死亡セーヴィング・スローに1回失敗したことになる。受けたダメージがクリティカル・ヒットだった場合、君は2回失敗したことになる。受けたダメージが君の最大ヒット・ポイント以上なら、君は即死する。

容体安定化

ヒット・ポイントが0になったクリーチャーを救う最善の方法はヒット・ポイントを回復することだ。回復方法がない場合でも、死亡セーヴィング・スローに失敗して死ぬことを避けるために、少なくともそのクリーチャーを"容体安定化"させることはできる。

君はアクションを使用して気絶状態のクリーチャー1体に応急手当を施すことで、そのクリーチャーを容体安定化させるために難易度10の【判断力】〈医術〉判定を試みることができる。

容体安定化したクリーチャーはヒット・ポイントが0でも死亡セーヴを行わないが、依然として気絶状態ではあり続ける。容体安定化したクリーチャーがダメージを受けた場合、そのクリーチャーの容体安定化は終了し、再び死亡セーヴィング・スローを行わねばならなくなる。容体安定化はしたが回復はされなかったクリーチャーは、1d4時間後に1ヒット・ポイントを回復する。

モンスターと死

ほとんどのGMは、モンスターのヒット・ポイントが0にまで減少した時点で、(気絶状態にして死亡セーヴィング・スローを行わせたりすることなく)それが死んだものとして扱う。

しかし、強力な悪役や特別なNPCはその例外としてよくあるものだ。すなわち、GMはその種のクリーチャーについて、ヒット・ポイントが0にまで減少した時点で気絶状態にし、プレイヤー・キャラクターと同じルールを適用してもかまわない。

クリーチャーを気絶させる

時に、攻撃者が敵を殺さずにおいて、無力化するにとどめようとすることがある。攻撃者が近接攻撃によってクリーチャーのヒット・ポイントを0にまで減少させた時、その者はそのクリーチャーを気絶させることができる。この選択はダメージが適用された瞬間に行うことができる。気絶させられたクリーチャーは気絶状態になり、容体安定化する。

一時的ヒット・ポイント

一部の呪文や特殊能力はクリーチャーに一時的ヒット・ポイントを与える。一時的ヒット・ポイントは本物のヒット・ポイントではない。一時的ヒット・ポイントはダメージに対するバリアのようなもので、君を負傷から守る"予備"のヒット・ポイントなのだ。

君が一時的ヒット・ポイントを有している状態でダメージを受けた場合、一時的ヒット・ポイントが先に失われ、その後残りのダメージが通常のヒット・ポイントから差し引かれる。たとえば、君が一時的ヒット・ポイントを5有している時に7ダメージを受けた場合、君は一時的ヒット・ポイントを全て失い、それから2ダメージを受ける。

一時的ヒット・ポイントは君の本当のヒット・ポイントとは異なるので、君の最大ヒット・ポイントを超過することもある。そういう訳で、ヒット・ポイントが全く減っていないキャラクターも一時的ヒット・ポイントを有することができる。

ヒット・ポイントを回復する効果で一時的ヒット・ポイントを回復することはできず、複数の一時的ヒット・ポイントを足し合わせることもできない。君がすでに一時的ヒット・ポイントを有している時に別の一時的ヒット・ポイントを得ることになった場合、君は既に持っている方と新しい方のどちらを保持するか選ぶ。たとえば、君がすでに一時ヒット・ポイントpを10有している時に、なにかしらの呪文が君に一時的ヒット・ポイントを12与えることになった場合、君の一時的ヒット・ポイントは12か10のどちらかになる。22になるということはない。

君のヒット・ポイントが0である場合、一時的ヒット・ポイントを得ても君の気絶状態が終了したり、容体安定化したりするということはない。君のヒット・ポイントが0である間、一時的ヒット・ポイントは君が被るダメージを肩代わりしてはくれる、しかし君を救うことができるのは本物の回復だけである。

君に一時的ヒット・ポイントを与える特徴に持続時間が書かれていない場合、その一時的ヒット・ポイントは失われるか君が大休憩を終えるまで持続する。

騎乗戦闘

軍馬にまたがって戦場へ突撃する騎士、グリフィンの背に乗って呪文を発動するウィザード、ペガサスにまたがって大空へ高く舞い上がるクレリック。いずれもみな乗騎がもたらす速さと機動性の恩恵を受けている。

君よりサイズ分類が1段階以上大きく、同意していて、かつ乗騎に適した身体構造を有するクリーチャーは以下のルールに従って乗騎とすることができる。

乗騎への乗り降り

自分の移動の間に1回まで、君は自分から1.5m(5㌳)以内のクリーチャーに乗るか、乗騎から降りることができる。ただし、そうするためには君の移動速度の半分に等しいだけの移動を要する。たとえば、君の移動速度が9m(30㌳)なら、君は馬に乗るために4.5m(15㌳)分の移動を費やす必要がある。したって、残りの移動が4.5m(15㌳)未満だったり、移動速度が0になっている場合、君はその馬に乗ることができない。

いずれかの効果が君の乗っている乗騎を乗騎自身の意志に反して移動させようとする場合、君は難易度10の【敏捷力】セーヴィング・スローに成功せねばならず、失敗するとその乗騎から落下して、それから1.5m(5㌳)以内のスペースに伏せ状態で着地する。君は乗騎に乗っている状態で伏せ状態になった場合も同様のセーヴィング・スローを行わねばならない。

乗騎が伏せ状態になった場合、君は自分のリアクションを使用することで、倒れかけている乗騎から飛び降りて自分の足で着地することができる。そうしない場合、君は乗騎から降ろされ、それから1.5m(5㌳)以内のスペースに伏せ状態で着地する。

乗騎の制御

乗騎している間、君は2つの選択肢を持つ。すなわち、君自身が乗騎をコントロールするか、乗騎に独立行動を許すかの2つである。ドラゴンのような知性の高いクリーチャーは必ず独立行動を行う。

君が制御できるのは、乗り手を乗せる訓練を受けた乗騎に限られる。家畜化された馬やロバといったクリーチャーはいずれもこのような訓練を受けているものとして扱う。君が制御している乗騎のイニシアチブは、君がその乗騎に乗った時点で君のイニシアチブと同じになる。乗騎は君の指示に従って移動するが、アクションは以下にある3種類のいずれかしか行えない。すなわち、速足、離脱、回避である。君に制御されている乗騎は君がそれに乗ったターンから移動と行動が行える。

一方、独立行動している乗騎は元のイニシアチブ順を保持し続ける。乗り手の存在は乗騎が行うアクションを妨げず、乗騎はそれ自身の望むように移動して行動できる。この種の乗騎は戦闘から逃げ出そうとしたり、重傷の敵を攻撃して食べようとしたり、あるいは乗り手である君の意図に反するような行動をとる可能性がある。

いずれの場合においても、君が乗る乗騎が機会攻撃を誘発する場合、攻撃者は乗り手と乗騎のうちどちらか望む方を機会攻撃の目標として選ぶことができる。

水中戦闘

サフアグンを水中にある彼らの住処まで追いかけたり、古の難破船の中でサメの群れと戦ったり、ダンジョン内で気がつくと水中にいた場合、冒険者たちは過酷な環境での戦いを強いられることになる。水中での戦闘は以下のルールが適用される。

水泳移動速度を持たないクリーチャーが近接武器攻撃を行う場合、使用している武器がダガー、ジャヴェリン、ショートソード、スピア、トライデントのいずれかでない限りその攻撃ロールは不利を被る。

隔武器の通常射程より遠くにいる目標に対して行われる遠隔武器攻撃は自動的にミスする。くわえて、目標が通常射程内にいる場合でも、使用している武器がクロスボウ、ネット、もしくは(スピア、トライデント、ダーツのような、)ジャヴェリンに類似していて"投擲"特性を持つ武器でない限りその攻撃ロールは不利を被る。

完全に水中にいるクリーチャーや物体は[火]ダメージに対する抵抗を有する。

最終更新:2026年09月10日 19:50