妖精の大樹を救え
ペンタウァの外れに妖精たちの世界へと繋がる森があった。まれにしか姿を現さないはずの妖精が、このところ、頻繁に目撃されていた。
妖精たちの世界に異変が起こったことを察知したソーサリアンたちは妖精に会い、その願いを聞き届けるべく行動を開始した。
妖精たちの世界に異変が起こったことを察知したソーサリアンたちは妖精に会い、その願いを聞き届けるべく行動を開始した。
このシナリオは3人で始めます。
入手アイテム
Windows / iOS
アイテム名 | 種類 | かかっている星 | 魔法 | ||||||
火 | 水 | 木 | 月 | 太 | 金 | 土 | |||
アルアの実 | (小石) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | なし |
白い砂 | (一握りの砂) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | なし |
樹液 | (一握りの砂) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | なし |
光の糸 | (枯葉) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | なし |
小さな皮袋 | (一握りの砂) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | なし |
緑の秘薬 | (一握りの砂) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | なし |
風のささやき | RING | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | JET STORM |
プロローグ
それは月夜の晩のことでした。
銀の雫が滴ったような光の下、小さな影が踊っていました。
美しいというより可憐といった踊りです。
ふんわりと舞うようにジャンプしたかと思えば、その途中でくるりとターン。軽やかなそのステップは、かの名高いエルフの踊り子を思わせました。
違うといえば舞台が地上ではないことくらい・・・・。
そう、踊り手の彼女は妖精なのです。瑠璃色の羽が、みずみずしい春の夜気に触れるとき、あたりは青白い光を帯びます。
月光を反射しているだけではありません。彼女自身もほんのりとした輝きを放っているようでした。
弧をえがいた跳躍の果て、小さな影が月と重なります。
一枚の影絵が夜空にくっきりと映し出されました。
銀の雫が滴ったような光の下、小さな影が踊っていました。
美しいというより可憐といった踊りです。
ふんわりと舞うようにジャンプしたかと思えば、その途中でくるりとターン。軽やかなそのステップは、かの名高いエルフの踊り子を思わせました。
違うといえば舞台が地上ではないことくらい・・・・。
そう、踊り手の彼女は妖精なのです。瑠璃色の羽が、みずみずしい春の夜気に触れるとき、あたりは青白い光を帯びます。
月光を反射しているだけではありません。彼女自身もほんのりとした輝きを放っているようでした。
弧をえがいた跳躍の果て、小さな影が月と重なります。
一枚の影絵が夜空にくっきりと映し出されました。
しかしその情景は、よこしまな視線に晒されていました。
『噂には聞いていたが、本当に出やがったぜ』
『ああ、暢気そうに飛んでやがるぜ』
二人の男の密やかな会話が、森の静寂をわずかに乱します。
嬉しげな声の響きは、もちろん可憐な舞いに感動したからではありません。
丈夫そうな目の細かい網。それが彼らの狙いを雄弁に物語っていました。
『よしSPELL BOUNDをかける。お前は網だ』
『まかせろ。外すんじゃねえぞ』
どうやら呪縛の魔法で捕まえるつもりのようです。
呪文の詠唱が低く流れはじめました。ちょうど踊りが佳境に入ったのか彼女が夜空から舞い下りてきます。
にんまりとしながら彼らはその時を待ちました・・・・。
『噂には聞いていたが、本当に出やがったぜ』
『ああ、暢気そうに飛んでやがるぜ』
二人の男の密やかな会話が、森の静寂をわずかに乱します。
嬉しげな声の響きは、もちろん可憐な舞いに感動したからではありません。
丈夫そうな目の細かい網。それが彼らの狙いを雄弁に物語っていました。
『よしSPELL BOUNDをかける。お前は網だ』
『まかせろ。外すんじゃねえぞ』
どうやら呪縛の魔法で捕まえるつもりのようです。
呪文の詠唱が低く流れはじめました。ちょうど踊りが佳境に入ったのか彼女が夜空から舞い下りてきます。
にんまりとしながら彼らはその時を待ちました・・・・。
「何をしているのですか?」
背後からの唐突な声。慌てて振り返ると、月光に照らされてエルフの青年が立っています。気配は全くありませんでした。
『な、なんだ貴様ッ』
『邪魔すんじゃねぇ!』
狼狽しながらも二人は怒号を抑えました。この期におよんでまだ捕まえる気でいりのでしょう。
涼しげな声で青年は応じました。
「私はシュヴェーリン。国王陛下からこの森のレンジャーを仰せつかっています。不穏な行動は慎んでいただきましょうか」
舌打ちして男たちは剣を抜き放ちました。網を放ってエルフの青年に近づいてゆきます。ニヤニヤしながらも目には物騒な殺気が込められていました。
しかし襲いかかろうとした時、彼らの表情は凍り付きました。
「まったく。俺たちがいる事にすら気付かないとはな」
背後の闇から、武装した逞しい戦士が、凄みを効かせた笑みを浮かべて現れたのです。
「“星の御使い”と呼ばれている妖精を、よりによって惑星神の魔法で捕まえようとするとは・・・・」
「そんな恥知らずなこと、よく思いつくねぇ」
続いて現れたのは壮年のドワーフとエルフの娘でした。
身のこなし、眼光ともに並の風格ではありません。男たちは真っ青になりました。すぐさま彼らの正体を悟ったからです。
王家の良き協力者、惑星神に導かれし者ソーサリアンだと。
背後からの唐突な声。慌てて振り返ると、月光に照らされてエルフの青年が立っています。気配は全くありませんでした。
『な、なんだ貴様ッ』
『邪魔すんじゃねぇ!』
狼狽しながらも二人は怒号を抑えました。この期におよんでまだ捕まえる気でいりのでしょう。
涼しげな声で青年は応じました。
「私はシュヴェーリン。国王陛下からこの森のレンジャーを仰せつかっています。不穏な行動は慎んでいただきましょうか」
舌打ちして男たちは剣を抜き放ちました。網を放ってエルフの青年に近づいてゆきます。ニヤニヤしながらも目には物騒な殺気が込められていました。
しかし襲いかかろうとした時、彼らの表情は凍り付きました。
「まったく。俺たちがいる事にすら気付かないとはな」
背後の闇から、武装した逞しい戦士が、凄みを効かせた笑みを浮かべて現れたのです。
「“星の御使い”と呼ばれている妖精を、よりによって惑星神の魔法で捕まえようとするとは・・・・」
「そんな恥知らずなこと、よく思いつくねぇ」
続いて現れたのは壮年のドワーフとエルフの娘でした。
身のこなし、眼光ともに並の風格ではありません。男たちは真っ青になりました。すぐさま彼らの正体を悟ったからです。
王家の良き協力者、惑星神に導かれし者ソーサリアンだと。
「みなさん、ようこそおいで下さいました!」
全身で喜びを表現しながら妖精は彼らを迎えました。先程までの幻想的な雰囲気を全く感じさせない気安さです。
「ようミレット、元気だったか?」
「ちっとも変わんないね!」
「それはお前さんもじゃろうが」
ひとしきり再会を喜び合う彼らをエルフのレンジャーは微笑みながら眺めていました。そして、ふと気付いたように木々の間から見える夜空を仰ぎました。
「・・・・あと数刻もすると月神が天空の極みに達しますね」
「ええ、祭りが始まるのはそれからです。でも少し遅かったですね。シュヴェーリンさんが森の中で迷うとも思えませんし・・・・何かあったのですか?」
エルフのレンジャーとソーサリアンたちは、顔を見合わせて苦笑しました。騒ぎに気付かないくらい踊りに熱中していた妖精の天真爛漫さを微笑ましく思ったからです。
エルフの娘がいたずらっぽく問いかけます。
「ミレット、お祭りで踊るんでしょう?」
「え、どうして知ってらっしゃるんですか? も、もしかしてずっと見てらしたんですかっ」
「うん。とっても綺麗だったよ。練習してたんだね」
小さな頬が真っ赤になるのが夜目にも判りました。
そのやりとりを横目に、戦士はエルフの青年に耳打ちしました。
『どうするあの連中? 網で縛って幹に括りつけておいたが』
『構わないでしょう。祭りが終わるまでの三日間、飲まず食わずでも死にはしません』
『・・・・見かけによらずキツイねぇ』
全身で喜びを表現しながら妖精は彼らを迎えました。先程までの幻想的な雰囲気を全く感じさせない気安さです。
「ようミレット、元気だったか?」
「ちっとも変わんないね!」
「それはお前さんもじゃろうが」
ひとしきり再会を喜び合う彼らをエルフのレンジャーは微笑みながら眺めていました。そして、ふと気付いたように木々の間から見える夜空を仰ぎました。
「・・・・あと数刻もすると月神が天空の極みに達しますね」
「ええ、祭りが始まるのはそれからです。でも少し遅かったですね。シュヴェーリンさんが森の中で迷うとも思えませんし・・・・何かあったのですか?」
エルフのレンジャーとソーサリアンたちは、顔を見合わせて苦笑しました。騒ぎに気付かないくらい踊りに熱中していた妖精の天真爛漫さを微笑ましく思ったからです。
エルフの娘がいたずらっぽく問いかけます。
「ミレット、お祭りで踊るんでしょう?」
「え、どうして知ってらっしゃるんですか? も、もしかしてずっと見てらしたんですかっ」
「うん。とっても綺麗だったよ。練習してたんだね」
小さな頬が真っ赤になるのが夜目にも判りました。
そのやりとりを横目に、戦士はエルフの青年に耳打ちしました。
『どうするあの連中? 網で縛って幹に括りつけておいたが』
『構わないでしょう。祭りが終わるまでの三日間、飲まず食わずでも死にはしません』
『・・・・見かけによらずキツイねぇ』
それは月夜の晩のことでした。 森を渡る夜の風が、鞘をやさしく揺らします。 奇妙な取り合わせの一行は、かつての懐かしい冒険譚に花を咲かせながら、深い闇に消えて行きました。
冒険の目的

妖精界は人間の世界と重なるようにして幾つも存在している。その内の一つがペンタウァ近郊の森に通じていることは、ときおり妖精が現れる事からも判っていた。しかし最近になって、彼女たちの姿が頻繁に目撃され始めた。妖精界に何か異変が起こったのでは…彼女たちを“星の御使い”として大事にするペンタウァの人々は我が事のように心配する。ソーサリアンたちは深い森へ分け入っていった。
登場アイテム

- アルアの実
真っ赤な色をした、林檎にも似た果実。滋養に富み、一個食べるとその日の食事の代わりになるという。また瑞々しい芳香は妖精に非常に好まれているため、彼女らへの贈り物とされることが多い。

- 白い砂
地下の湖に沈殿した、サラサラとした砂。どうやら大樹から剥がれ落ちた樹皮が、乾燥したものであるようだ。

- 樹液
大樹の幹から滴り落ちた樹液。普通は無色透明なのだが、特別な所からわき出るものは、濃い茶色をしている。

- 光の糸
大樹に棲息する真っ白なクモの糸を紡いだもの。妖精はこれを使って、自分たちの衣服を作り上げるようだ。しかしクモは木が枯れ始めてからいなくなってしまった。

- 緑の秘薬
白い砂、樹液、光の糸を調合して作られた魔法の薬。淡く美しい緑色をしている。閉ざされた結界を開くのに必要なもの。

- 風のささやき
妖精の女王レフィーナが身につけていた指輪。“ささやき”とは程遠いような竜巻を、装着者のまわりに発生させる力を秘めている。この竜巻に触れた魔物は、遠くへ飛ばされてしまう。
登場モンスター

- キラービー
巨大な蜂蜜で、群になって行動する。本来はおとなしい動物なのだが、森に漂う不穏な気配に影響されて獰猛になっている。仲間が攻撃されたら一斉に襲いかかってくるだろう。

- ワスプ
キラービーよりも一回り大きな、巨大ジガバチ。群れになって行動している。動きはそれほど早くないが、鋼鉄よりも硬い針を持っているため迂闊には近寄れない。

- ホーネット
途轍もなく大きなスズメバチ。体長は、人間の肩ぐらいまであるだろう。その大きさにも関わらず、動きは非常に素早い。もともと攻撃的な性質であり、動くもの全てに襲いかかってくる。

- ポイゾン・ホーネット
ホーネットが突然変異を起こしたもの。針から滴る毒液を飛ばして獲物を仕留めようとする。

- トレント
古木に精霊が宿ったもので、切り株のような形状をしている。硬い種を飛ばして、森に侵入した人間を追い返そうとする。普段は水の中に潜んでいるようだ。

- エント
齢を重ねて老獪になったトレントが、エントと呼ばれている。高い知能をもっており、木こりから奪い取った斧を使って攻撃してくる。

- センティピード
巨大なムカデの化物。いつのまにか妖精界に入り込み、大樹の根を喰い荒らし始めた。体を被う黒い甲殻はあらゆる攻撃を撥ね返すため、弱点を見つける必要がある。しかし交互に吐き出される毒と石化のブレスがおいそれとパーティを近付けないだろう。
登場キャラクター

- ミレット
青紫の髪と瞳を持つ妖精の少女。四枚の羽を広げて軽やかに飛翔する姿はとても可憐である。しかし、か弱いだけでないことは、魔法使い顔負けの呪文を駆使する所からも明らかだろう。そもそも、妖精界と人間界の境を自由に行き来できるのは、力を持ったごく少数の妖精だけなのである。

- 女王レフィーナ
妖精界は人間界のあちこちに、まるで重なるように存在している。その内ペンタウァに程近い妖精界を治めているのが彼女である。輝く六枚の羽と流れる黄金の髪は、見る者に畏敬の念を抱かせずにはいられない。しかし最近その美しい横顔に、なにやら翳りがみえるようだ。

- シュヴェーリン
エルフのレンジャー。森を荒らす侵入者を懲らしめるようなことをしているので、妖精たちと仲が良いようだ。最近では妖精界に異変が起こったのではないかと心配している。森の動植物について詳しいのは言うまでもない。