ヴォル・パルディン
[解説]
通常、体格の大きな1頭のオスを中心として4〜5頭の群れで活動しているが、分布域そのものが狭く、基本的にカナド地方と同盟の高山地帯のみに生息するなどシャトーラビットよりもさらに生息地が限定されている。
このため、人の活動域での目撃例は非常に少なく、名うての冒険者であっても、目撃したことはおろか、そもそもにヴォル・パルディンという魔獣の存在自体を知らないと言う場合も少なくない。
このため、人の活動域での目撃例は非常に少なく、名うての冒険者であっても、目撃したことはおろか、そもそもにヴォル・パルディンという魔獣の存在自体を知らないと言う場合も少なくない。
基本的には草食であるシャトーラビットと異なり、このヴォル・パルディンは肉食傾向の強い雑食で、攻撃性も非常に高い。
その一方でシャトーラビットの持つ高い運動能力は本種にも同様に備わっており、本種が狩りを行う際にいかんなく発揮されることになる。
その一方でシャトーラビットの持つ高い運動能力は本種にも同様に備わっており、本種が狩りを行う際にいかんなく発揮されることになる。
なお、その肉質は、シャトーラビットと並ぶほどに上質ではあるものの、全身に毒素を含んでいるため食用には全く適さない。
カナドの一部地域に本種の肉を様々な香草、酒とともに長期間漬け込むことで毒素を抜く手法が存在するとされているが、毒素が抜ける原理は解明されておらず、素人が簡単に真似できる類の手法ではないだろう。
カナドの一部地域に本種の肉を様々な香草、酒とともに長期間漬け込むことで毒素を抜く手法が存在するとされているが、毒素が抜ける原理は解明されておらず、素人が簡単に真似できる類の手法ではないだろう。
本種は特性として、毒に対する耐性が非常に強く、毒腺を持つ魔獣を捕食することで、毒素を溜め込むという性質を持っており、身を守る術として毒を持つ魔獣や毒草を好んで摂取する傾向があることが知られている。
つまり、本種の全身に蓄積されたこの毒素は、本種が直接作り出しているものではなく、毒腺を持つ魔獣や毒草など摂取することで体内に蓄積されたものなのだ。
つまり、本種の全身に蓄積されたこの毒素は、本種が直接作り出しているものではなく、毒腺を持つ魔獣や毒草など摂取することで体内に蓄積されたものなのだ。
本種のこの盗毒素とも呼べる性質が成り立っているのは、本種が種として先天的に持つ毒素耐性ももちろんのことだが、頭部に生えた2本の角の存在によるところも大きい。
この角は、新人類の扱う魔法でいうところの術式のような役割を果たしており、摂取された毒素はまず、魔法的手段によって、一時的に角内に留められることになる。
そうすることで、その毒素に対する耐性、免疫を獲得するまで身体を慣らしているのだ。
この角は、新人類の扱う魔法でいうところの術式のような役割を果たしており、摂取された毒素はまず、魔法的手段によって、一時的に角内に留められることになる。
そうすることで、その毒素に対する耐性、免疫を獲得するまで身体を慣らしているのだ。
そのような仕組みであるが故に、本種のこの角は非常に高密度の毒素を含んでおり、錬金術や暗器の触媒や素材として非常に高額で取引されることもある。
もっとも、当然ながらに素手で触れることさえ危険なほどの代物であるため、その取り扱いには細心の注意を払う必要があるのは間違いなく、都市によっては、そもそも通常の流通経路では取り扱うことのできない危険物として規制されているケースも多い。
もっとも、当然ながらに素手で触れることさえ危険なほどの代物であるため、その取り扱いには細心の注意を払う必要があるのは間違いなく、都市によっては、そもそも通常の流通経路では取り扱うことのできない危険物として規制されているケースも多い。