LEV(Labor Energy Validation Weapon)
[解説]
モース硬度10を超える強固さを手に入れた、エネルギー伝導装甲を搭載する為に開発された有人機械兵器。
人間が操縦するには高度な演算処理が必要なため、複座型→AI搭載型→LCE搭載型という形で洗練されて行った。
人間が操縦するには高度な演算処理が必要なため、複座型→AI搭載型→LCE搭載型という形で洗練されて行った。
Labor Energy Validation Weaponを略してLEV(レヴ)と発音する。
主な武装は旧大戦以前より使用されていた科学製の重火器(ライフル、レールガン、ミサイルなど)。
しかし強力な魔導障壁を持つ幻装兵に対して、遠距離からの射撃攻撃は有効ではなく、世代を重ねたLEVはより近接戦闘に重きをおいた形にシフトしていった。
しかし強力な魔導障壁を持つ幻装兵に対して、遠距離からの射撃攻撃は有効ではなく、世代を重ねたLEVはより近接戦闘に重きをおいた形にシフトしていった。
北米に重力弾頭が投下されるより以前は飛行能力を有していたが、高高度で発生する重力異常により飛行能力を喪失する。
低空を高速で飛行する匍匐飛行と、両脚部に搭載されたホバー推進装置で高速機動を行う。
重力異常が解消された聖華暦830年現在においてはLEVは高高度飛行を可能とする。
低空を高速で飛行する匍匐飛行と、両脚部に搭載されたホバー推進装置で高速機動を行う。
重力異常が解消された聖華暦830年現在においてはLEVは高高度飛行を可能とする。
LEVの動力
LEVの駆動系
[開発経緯]
- 1:エネルギー伝導装甲の開発
- 2:格闘戦の復活
尋常でない強靭な装甲の確立により、旧来の銃砲が相対的に威力を落す事となった。事実上、エネルギー伝導装甲は動力源からエネルギーを供給されている限り、破壊は困難であった。
しかし対処する方法が無いわけではない。同じ手法で強度を強化された、打突武器がその答えである。この打突武器を有効に運用するため、打突武器運用のためのアームが装備された格闘用戦車が出現した。このシュールな形状の戦車に、当時の軍関係者は失笑を禁じえなかったと言う。しかし戦果があがるにつれ、嘲笑は影を潜めた。
しかし完全に銃砲が姿を消したかと言うと、そういうわけでも無い。砲弾はエネルギー伝導材を使ってもエネルギー源の問題があり、やむなく貫通型から衝撃ダメージタイプに変遷していく。ミサイルなどは、弾頭先端部にエネルギー伝導材を用い、ミサイル機関部からエネルギーを調達する事で解決した。
しかし対処する方法が無いわけではない。同じ手法で強度を強化された、打突武器がその答えである。この打突武器を有効に運用するため、打突武器運用のためのアームが装備された格闘用戦車が出現した。このシュールな形状の戦車に、当時の軍関係者は失笑を禁じえなかったと言う。しかし戦果があがるにつれ、嘲笑は影を潜めた。
しかし完全に銃砲が姿を消したかと言うと、そういうわけでも無い。砲弾はエネルギー伝導材を使ってもエネルギー源の問題があり、やむなく貫通型から衝撃ダメージタイプに変遷していく。ミサイルなどは、弾頭先端部にエネルギー伝導材を用い、ミサイル機関部からエネルギーを調達する事で解決した。
- 3:最初期型(第0期)LEVの誕生
格闘戦への傾倒が更に深まる。そしてついに、最初期型のLEV(この時点ではLEVという名称は定着していないが、後世の分類ではこれを第0期LEVとしている)が戦車から発展する形で誕生する。
戦車から発展したため、乗員はパイロット、火器管制、動力管制の3名。脚部にはホバーノズルではなく、ローラーダッシュ機構が装備されていた。第0期LEVは戦車の代替物あるいは後継機と見なされていた模様。純粋な戦車は徐々に姿を消す。
ちなみに戦車から発展したためか、シルエットは無駄にゴツい。
戦車から発展したため、乗員はパイロット、火器管制、動力管制の3名。脚部にはホバーノズルではなく、ローラーダッシュ機構が装備されていた。第0期LEVは戦車の代替物あるいは後継機と見なされていた模様。純粋な戦車は徐々に姿を消す。
ちなみに戦車から発展したためか、シルエットは無駄にゴツい。
- 4:ホバー機構搭載・飛行能力の獲得
ホバー機構が、ローラーダッシュ機構に代わり搭載される。一長一短はあれど、これによりLEVは尋常でない高速性能と機動力を手に入れる。
重力兵器の研究のスピンオフとして、不完全ではあるが重力/慣性制御が可能になる。この重力/慣性制御システムは従来型航空機にも採用され、更なる空戦性能を獲得したなどの話もあるが、LEVにも取り入れられ、それにかなり高度な飛行能力を付与することとなる。
なお、LEVが模擬空戦で戦闘機に撃墜判定を与えた事で、軍内部のLEV派と航空機派が一時期険悪になったと言う記録が残る
重力兵器の研究のスピンオフとして、不完全ではあるが重力/慣性制御が可能になる。この重力/慣性制御システムは従来型航空機にも採用され、更なる空戦性能を獲得したなどの話もあるが、LEVにも取り入れられ、それにかなり高度な飛行能力を付与することとなる。
なお、LEVが模擬空戦で戦闘機に撃墜判定を与えた事で、軍内部のLEV派と航空機派が一時期険悪になったと言う記録が残る
- 5:核戦争の勃発と、生体兵器による代理戦争
人類間で、核戦争が勃発。人類(旧人類)の絶対数が減少した事で、生体兵器による代理戦争が行われる様になる。この時代においては、LEVは他の兵器と共に細々と作られてはいた様ではあるが、進歩と言う面ではほとんど停滞。
- 7:生体兵器暴走と、北米エリアへの重力弾頭攻撃
生体兵器の制御が失われ、暴走して無差別に人類(旧人類)を捕食する様になる。生き残った人類は、北米へ避難/退去した。
しかし結局はじり貧だったため、衛星軌道より北米エリアへ重力弾頭投下。北米の生体兵器群を一掃。だが重力異常が発生。
しかし結局はじり貧だったため、衛星軌道より北米エリアへ重力弾頭投下。北米の生体兵器群を一掃。だが重力異常が発生。
- 8:コールドスリープとWARES(ワース)の誕生
重力異常で地球環境は激変。自らの失策で、地球上で生きていけなくなった人類(旧人類)は、コールドスリープに入って地球環境の再生を待つ。
彼らは地球環境再生後、目覚める。そしてWARES(World Assembly Reunited Earth Society)を組織した。
彼らは地球環境再生後、目覚める。そしてWARES(World Assembly Reunited Earth Society)を組織した。
- 9:第1期LEV
この時期のLEVを第1期型と呼ぶ。第0期LEVの最終型と基本変わらず3名の乗員で運用し、ホバー機能や飛行能力を持つ。
ただし飛行能力については、この時代は重力異常により高高度飛行は不可能になっており、低高度のみ可能。それにより、高高度用の補器は排除され、若干の軽量化。
ただし飛行能力については、この時代は重力異常により高高度飛行は不可能になっており、低高度のみ可能。それにより、高高度用の補器は排除され、若干の軽量化。
- 10:第2期・第3期LEVの開発
この時期のLEVの特徴は、無人格型AIによる大規模な補助の実現である。第2期型は、第1期型の三座型から動力管制をAIに任せ、パイロットと火器管制の複座型となっている。
更に第3期型に至っては更なるAIサポートで、単座型を実現。ただし単機での戦力は若干低下。
更に第3期型に至っては更なるAIサポートで、単座型を実現。ただし単機での戦力は若干低下。
- 11:新人類の誕生
WARESは、この時期に魔素(聖華)と呼ばれる力が新たに再生した世界に満ちている事を発見。それを利用できる新人類を、あくまで旧人類の道具として使うために創造した。
しかし、WARESと旧人類は、あまりに新人類を酷使し過ぎたのである。
しかし、WARESと旧人類は、あまりに新人類を酷使し過ぎたのである。
新人類たちはWARESおよび旧人類に対し、亜人達とも手を組み、一致協力して反乱を起こす。しかし反乱初期は第3期型LEVに対し、手が出せなかったのも事実だ。
だが反乱中期、新人類解放軍司令官、ヨシュア・アルカディアが駆る「機兵」が出現する。現在「始祖の幻装兵」と呼ばれているこの機体は、第3期LEVを圧倒した。WARESではその戦闘力に驚愕。軍と兵器(LEV)の強化に乗り出す事となる。
だが反乱中期、新人類解放軍司令官、ヨシュア・アルカディアが駆る「機兵」が出現する。現在「始祖の幻装兵」と呼ばれているこの機体は、第3期LEVを圧倒した。WARESではその戦闘力に驚愕。軍と兵器(LEV)の強化に乗り出す事となる。
- 13:第4期LEVの開発
第3期LEVに使われる従来型の非人格AIでは、旧人類パイロットのサポートをするに不足。人格型AIの機載用小型電脳への搭載の研究が始まった。
結果的に誕生した、人格AIを搭載して怪物的進化を遂げたのが、第4期のLEVである。だがこれでも「機兵」に対して力不足だった。
結果的に誕生した、人格AIを搭載して怪物的進化を遂げたのが、第4期のLEVである。だがこれでも「機兵」に対して力不足だった。
満足のいく人格型AIを搭載するには、機載用の小型電脳ではあまりに不足であった。故にWARESは高度演算能力を持ち、「安価」に「量産」できる人造人間LCE(ルシ)を開発し、新型LEVの「頭脳」にする事を決定。
ルシの初期生産には中央の大規模量子コンピューターが不可欠。しかし生産技術が確立すれば、中央コンピューターを用いずともルシを量産できるようになると思われていた……。
ルシの初期生産には中央の大規模量子コンピューターが不可欠。しかし生産技術が確立すれば、中央コンピューターを用いずともルシを量産できるようになると思われていた……。
- 15:第5期LEVの開発
第5期LEVの特徴は、ルシがパイロットと共に「搭乗」している事である。他にも技術が熟れスッキリとした外観になり、単純な戦闘能力も向上してはいるのだが、ルシが乗っていなければそれは第5期LEVとは言えない。
もっともWARESをはじめ、旧人類は「搭載」と言っていたが。
ルシが開発された直後、WARES側は試験的に一部の新型LEVを改造し、それにルシを「搭載」した。結果、大戦果であった。押されていた戦線を押し戻し、新人類反乱軍に大打撃を与えたのである。
WARESでは、ルシの大量生産を決定し、研究陣に発破をかけた。
もっともWARESをはじめ、旧人類は「搭載」と言っていたが。
ルシが開発された直後、WARES側は試験的に一部の新型LEVを改造し、それにルシを「搭載」した。結果、大戦果であった。押されていた戦線を押し戻し、新人類反乱軍に大打撃を与えたのである。
WARESでは、ルシの大量生産を決定し、研究陣に発破をかけた。
- 16:中央大規模量子コンピュータの停止
しかしルシの大量生産は新人類の作戦により阻止された。旧人類側都市の中央に置かれていた大規模量子コンピュータが、動力システムを狙われて稼働停止に追い込まれたのである。あまつさえ、開発最終段階の最新型ルシ「ヴァレーリヤ」が行方不明になった。
- 17:最終決戦
その後の事は、歴史に語られている通りである。少数の第5期LEVに率いられた多数の第4期、第3期LEVの軍勢と、八機神に率いられた機兵(幻装兵)の軍勢が衝突。新人類側が勝利し、LEVは旧人類と共に滅び、歴史の陰へと埋もれたのである。