ヘクター・バルボッサ
概要
カスピ海*の王と呼ばれる伝説の海賊。海賊らしい残忍さと紳士的な側面を併せもつ。
かつて、
ジャック・スパロウの
ブラックパール号に一等航海士として乗船していたが、他の乗組員たちを率いて反乱を起こし船長になった。その後、
死の島(イスラ・デ・ムエルタ)で
アステカの金貨を盗み豪遊していたところ、金貨の不死の呪いにかかっていたことに気付き、882枚の金貨すべてを戻すため、使った金貨を求めて各地の港で略奪行為を行っている。
ジャックの恨みを買ってはいるものの、利害によっては協力することもある海賊らしい間柄である。手下の
ピンテルと
ラゲッティとは比較的長い付き合いがある。
エピソード
ブラックパール号の一等航海士であったバルボッサは船長の
ジャック・スパロウに反乱を起こし、彼を
ラムランナー島へ置き去りにした。その後、船員たちは
死の島(イスラ・デ・ムエルタ)で手に入れた
アステカの金貨で豪遊するが、金貨を盗んだことで不死の呪いにかかってしまっていた。バルボッサはジャックへの裏切りに反対していた
ビル・ターナーを海中に沈めるが、呪いを解くためには金貨をすべて島に戻し、持ち出した者の血が必要だった。つまりビルが持っていた金貨1枚とターナーの血が必要であることに気づいた時には既に手遅れであった。
ジャックへの裏切りから10年後、
ポート・ロイヤルを襲撃したバルボッサ一味。手下の
ピンテルと
ラゲッティがターナーという偽名を名乗った
エリザベス・スワンを誘拐する。彼女はなぜかアステカの金貨を持っていた。エリザベスは金貨を渡すから逃してほしいと懇願するが、バルボッサは拒否する。バルボッサらはエリザベスを儀式の場である死の島へと連れて行く。
儀式が始まったが、エリザベスの血では呪いは解けなかった。海賊たちはエリザベスを逃してしまうが、気絶していたジャック・スパロウを発見する。ジャックはパーレイを宣言し、呪いを解くのに必要な血の持ち主を教える代わりにブラックパール号の乗組員となる。ブラックパール号が
ウィル・ターナーの乗る
インターセプター号に追いつくと、バルボッサはジャックを船倉に監禁する。ブラックパール号とインターセプター号の海戦が始まると、バルボッサはビルの息子ウィルを捕らえ、ジャックをエリザベスごと10年前と同じようにラムランナー島に取り残す。
死の島でバルボッサがウィルの血を使って呪いを解こうとしているところに脱出したジャックが現れ、「この島は海軍に包囲されている。奴らを全滅させてから不死の呪いを解いたほうがいい」と助言する。海賊たちと海軍の戦いが始まり、ジャックもバルボッサと戦う。しかし、ジャックも先ほど金貨をくすねたために不死の呪いにかかっていた。不死の海賊同士の戦いは永遠に続くかと思われたが、ジャックがバルボッサに銃弾を撃ち込んだタイミングでウィルが呪いを解いたため、バルボッサは血を流して絶命する。
深海の精霊
デイヴィ・ジョーンズが召喚した怪物
クラーケンにジャックが呑み込まれ、ウィル、エリザベス、
ジョシャミー・ギブス、ピンテル、ラゲッティは、ブードゥー教の呪術師
ティア・ダルマのもとへ向かう。彼女は「ジャックを連れ戻す覚悟はあるか」と訊ねる。全員があると答えると、彼らの前に死んだはずのバルボッサが現れ、「俺の船はどうなったんだ?」と訊ねるのであった。
ジャックは突如現れたエリザベスやバルボッサらを幻覚だと思うが、やがて本物だとわかると元の世界への脱出方法を模索し始める。結局、ジャックのひらめきによって皆が力を合わせてブラックパール号に乗って元の世界へ戻ることに成功する。
元の世界へ戻ると、サオ・フェンがベケット卿と繋がっていたことが明らかとなり、サオ・フェンもさらにベケット卿に裏切られる。バルボッサの策略により、サオ・フェンはブラックパール号と引き換えにエリザベスを要求する。ジャックとバルボッサは難破船入江へと向かった。バルボッサが裏切ろうとしていることを予見したティア・ダルマは「誰が蘇らせてやったと思ってるんだ」と責める。しかし、バルボッサは彼女自身が自分を必要としていることに気づいていた。
評議会の会合に9人の海賊長が集結し、メンバーはそこでサオ・フェンが死亡しエリザベスが跡を継いだことを知った。ベケット卿との戦い方についての議論が展開されたが、バルボッサは海の女神カリプソを解放する選択肢を提案した。ジャックは逃げ道を確保するために戦争を始める案を提示したが、そのためには9人の投票で選ばれた海賊王が必要だった。ジャックの作戦により、エリザベスが海賊王に任命される。
最終決戦を前にウィル、ベケット卿、ジョーンズとジャック、バルボッサ、エリザベスとの間でパーレイが行われ、エリザベスによってジャックとウィルが交換された。まもなく、カリプソの解放儀式が行われ、目覚めたカリプソは自分を封印したのがジョーンズであると知り、怒り狂って嵐と渦を引き起こした。ブラックパール号とフライング・ダッチマン号は荒天の中で激しい戦いを繰り広げた。ウィルは戦闘中にエリザベスにプロポーズし、バルボッサを後見人としてその場で戦いながら結婚式を行った。
その後、ウィルがジョーンズの心臓を刺し、永遠の命を得てフライング・ダッチマン号の船長となった。ベケット卿率いる
エンデヴァー号*がブラックパール号を襲撃しようとするが、ウィルのフライング・ダッチマン号が援護に現れた。敗北を察したベケット卿は破壊される船の中をゆっくり歩いていき、死亡した。
自由の身となったジャックはブラックパール号が無くなっていることに気付く。バルボッサらがジャックとギブスを裏切り、次の目的地を目指して旅立ってしまっていた。バルボッサは早速、海図を開くが、真ん中の重要な部分がそっくり切り取られていた。ジャックはバルボッサの裏切りを予見して海図の一部を切り取っていたのである。ジャックは海図を見て小さなボートで海に出るのであった。
ブラックパール号と右足を失い義足となったバルボッサは生命の泉を目指す
ジョージ2世*に船長として雇われ、公賊として活動していた。ジョージ2世は生命の泉の地図を持つジャックとギブスを捕らえるが、ジャックを取り逃がしてしまう。バルボッサは地図を暗記していたギブスを仲間に引き入れる。
バルボッサは生命の泉の儀式に必要な聖杯のありかに辿り着きジャックと再会するが、聖杯は既にスペイン軍に持ち去られた後だった。ジャックはバルボッサの目的が生命の泉ではなく黒ひげへの復讐であることを見抜く。バルボッサの右足とブラックパール号を失ったのは黒ひげの仕業だった。バルボッサは黒ひげが生命の泉を目指していることを知り、ジョージ2世の手先となっていた。ジャックはバルボッサと結託し、スペイン軍から聖杯の奪還に成功する。
黒ひげたちが生命の泉に辿り着くと、スペイン軍とバルボッサ率いる英国軍が乱入。バルボッサは黒ひげを毒の剣で刺し、黒ひげは娘の
アンジェリカの寿命を奪って生き長らえようとするが、ジャックの機転で逆に彼女に寿命を吸い取られ白骨化して絶命する。
バルボッサは復讐に成功し、黒ひげが遺した
アン女王の復讐号の船長として航海を続けた。
マートッグと
マルロイから海の亡霊
アルマンド・サラザールが蘇ったという報告を受けたバルボッサは魔女
シャンサに相談に行き、北を指さないコンパスを入手する。バルボッサはサラザールに殺されそうになるが、コンパスを用いてサラザールの宿敵ジャックのもとへ案内するという約束で難を逃れる。
バルボッサ一味は陸に上がれないサラザールたちの代わりに島へ上陸したジャックたちを追う。しかしバルボッサはサラザールを返り討ちにするべく
ポセイドンの槍を欲しており、目的が一致したジャックと手を組む。ジャックのボトルシップとバルボッサが黒ひげから回収した剣を組み合わせてブラックパール号を復元させる。
カリーナが星を頼りに舵を握る中、ブラックパール号とサイレント・メアリー号の戦いが勃発。ヘンリーは人質に取られてしまった。
バルボッサはカリーナが持つ地図(日記)の出所を尋ねると、彼女は孤児でありこの日記とカリーナという名前が父親が残してくれた唯一の家族との繋がりだと答えた。バルボッサとジャックはこの話を聞き、カリーナがバルボッサの娘であることを確信する。バルボッサは彼女に父と名乗ることはできなかった。
ジャックたちは旅の終着点に辿り着くと、海が真っ二つに割れ、その底にポセイドンの槍が姿を現した。そこへサラザールに身体を乗っ取られたヘンリーが現れてジャックに襲いかかる。サラザールの身体から脱出したヘンリーとカリーナは槍の謎を解読し、ポセイドンの槍を破壊した。海の呪いは解け、サラザールも人間の姿に戻った。海の裂け目が戻る中、ジャック、ヘンリー、カリーナはブラックパール号の錨に乗って海上へ脱出しようとするが、サラザールの魔の手がカリーナに伸びていた。そこへ現れたバルボッサはカリーナを守るため、サラザールもろとも海の中へと消えていった。カリーナは落ちていくバルボッサの刺青を見て彼が父親であることを悟る。
登場作品
2000年代
2010年代
実写キャスト
声
最終更新:2024年09月08日 17:07