※たぶん実験系的な何か
※髄所に実験としておかしいところがある
※あとがきが長い


① 実験内容


狭い水槽の中にいるのは4匹のゆっくり。
1匹は成体のゆっくりれいむ。
他に成体がいないところを見ると彼女がこの巣の主らしい。
残りの3匹は全員赤ゆっくりだった。
1匹はゆっくりまりさで、もう1匹はゆっくりれいむで、最後の1匹はゆっくりありす。

「おちびちゃん、ゆっくりしていってね!」
「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」

この巣の主のかつてのつがいはゆっくりまりさ。
つまり、最後の1匹のゆっくりありすはれいむの本当の子どもではない。
れいむと仲の良い人間が彼女にありすを預けただけである。

「れーみゅ、ゆっくちー!」
「ゆゆっ!ゆっくちちてりゅよ!」
「ゆゆーっ!まりしゃもゆっくちちちゃいよー!」

しかし、3匹の赤ゆっくりの関係は非常に良好でこの家族にこれと言った問題はない。

彼女達は知る由もないことだが、同じ環境の水槽が5つ用意されていた。
いずれも大きさも、家族構成も、かつてのつがいも殆ど同じ。
ただひとつ違う要素があるとすれば、母親であるれいむの育った環境だけだ。

どの水槽もゆっくりの力では脱出できないようになっており、人間から与えられる餌が彼女たちの命綱。
その事はありす種の養育を素直に引き受けている点から、彼女たちもとりあえず理解しているはずだ。

ここまでは用意したゆっくりについて説明してきたが、ここからは実験内容について説明して行きたい。
実験はいたって簡単で、現在定期的に与えている食料をある日から大幅に減らし、その後彼女たちがどのような行動に出るかを観察する。
この実験の目的は幼少期の環境の親ゆっくりへの影響を調べることで、彼女達の性質を評価する際には3つの基準を用いる。

ひとつは合理性。これはより健康な個体に食料を優先して与えるなど、種を残すことを優先した行動を取るとこれが高いと判断する。
二つ目は従順さ。人間から預かったありすをどれだけ優先するかがこれを測る目安になると考えられる。
最後に利己的さ。これは自分の分の食料をどれだけ確保するかや、ありすへの扱いなどがこれを測る要因になるだろう。



② 実験開始


1つ目の水槽のれいむは過酷な環境で弱い姉妹が次々死んでゆく中で生き延びた個体。
よって、彼女の気質は比較的厳しい自然環境の中で育ったゆっくりに近いものだと考えられる。

ゆゆっ!おにーさん、これじゃぜんぜんたりないよ!」
「「しょーだよ!ゆっくちできないよ!」」
「ときゃいはじゃないわ!」
「仕方ないんだ。しばらくこの量になるけど、我慢してくれ」

そう言ってれいむ達の言葉には殆ど耳を傾けず、さっさと水槽から離れた。
残されたれいむ達はすぐに抗議するのを諦め、少量の餌を皆で分け合いながら食べた。
内訳はれいむは若干多く、赤ゆっくり達はほぼ等量といったところ。

「むーしゃむーしゃ、しあわせ~!」
「でも・・・じぇんじぇんたりにゃいよ・・・」
「ゆぅ、ゆっくちできにゃいよぉ・・・」

かつて酷い飢えや恐ろしい外敵の恐怖に怯えながら生きてきたれいむは下手に動かず、余計な消耗を避けている。
が、食べ盛り赤ゆっくり3匹にとって突然の食糧難は相当辛いらしく、口々に不満を漏らしていた。
にもかかわらず、空腹感を忘れるために遊ぼうとするので、れいむはしぶしぶ動いて彼女達を叱りつける。

「おちびちゃんたち!こういうときはゆっくりするのがいちばんだよ!」
「「ゆぅ・・・でもぉ、ぽんぽんがゆっくちできにゃいよ!」」
「それでもゆっくりするんだよ!つぎのごはんさんまでゆっくりがまんしようね!」

母親の言葉をゆっくり理解した3匹は渋々その日は大人しくして過ごす事にした。
そんな彼女達に「おしゃべりはしてもいいよ!」と告げると、れいむはすやすやと寝息を立て始めた。
しかし、実はその日の食事があの1回でお終いだとはこの時のれいむが知る由もなかった。


翌日、早くもごく少量の餌しか貰えなかった彼女達の食料の配分に変化が現れ始める。
今日は母れいむの食料が赤ゆっくり1匹とほぼ等量になっており、一方で赤ゆっくり内の食事の量に明らかな差が見られた。
母れいむにとってその量は明らかない少ないが、意外と上に強い成体ゆっくりなら1ヶ月以上は間違いなく生きられるだろう。
れいむとまりさは母れいむより多いくらいの食料を受け取っていたが、ありすは母れいむよりも若干少ない。

「「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」」
「ゆぅ・・・みゃみゃ、ありしゅだけすくないわ・・・」
「ありすはれいむのこどもじゃないんだよ!おにーさんにおねがいしてね!」

れいむが人間から食料を貰うようになったのはありすを預けられるずっと前のこと。
つまり、彼女にとってありすを育てることはお世話になっている人間からの頼みを断れなかったに過ぎないのだ。
よって食糧難、それも人間がもたらしたものとなれば我が子を優先してしまうのはまあ、仕方のないこと。

「とってもゆっくちできちゃよ!」
「まりしゃはれーみゅとしゅーりしゅーりちてあしょぶよ!」
「ゆぅ・・・ぽんぽん、ときゃいはじゃないわ・・・」

結果、ありすと彼女以外の赤ゆっくりの様子にも明らかな差異が出始めた。
まりさとれいむは実験開始前ほど出ないにしてもそれなりに活発に水槽の中で遊びまわっている。
一方、ありすは先日母れいむに言われたとおりにただ何もせずにじっとしているだけだった。

「れーみゅ、しゅーりしゅーり!」
「まりしゃ、とってもゆっくちちてりゅね!」

2匹が楽しそうにはしゃいでいる傍らで・・・。
そんな日々が続く中で、ありすの食料は更に減らされ、やがて一切の食料が与えられなくなった。
それに比例するようにれいむとまりさは成長できるほどではないが、活発に動けるほど食料を得る。

「もっちょ・・・ゆっくちちたかっちゃわ・・・」
「ゆぅ!?おかーしゃん、ありしゅが!ありしゅがー!?」
「ゆっくちー!ゆっくちちてね、ありしゅー!」

やがて、空腹に耐え切れなくなったありすはずっとゆっくりしてしまった。


翌日以降、れいむ達に与えられる食料は再び大幅に減ることになった。
その量は恐らく昨日までの半分程度。

「おかーしゃん、おなきゃしゅいたよぉー!」
「れーみゅ、ゆっくちちたいよー」
「ゆっくりがまんしてね、おちびちゃん!」

何とか我が子を諌めようとするれいむ。
ありすがいた時のように誰かの食料を減らすと必ず家族の誰かが苦しむことになる。
その状況において、れいむはこれと言った手を打つことも出来ず、涙ながらに空腹を訴える赤ゆっくり達を慰めるばかりだった。
しかし、その翌朝に事件が起きた。

「ゆぅううう!もうがまんできにゃいよ!」
「ゆゆっ!まりしゃ、やめちぇね!れーみゅのごはんだよ、やめちぇね!」
「ゆゆっ!おちびちゃん、ゆっくりやめてあげてね!」

一度「誰かの食料が減れば自分がゆっくり出来る」ことを理解した赤まりさが赤れいむの食料に口をつけた。
その場は何とか母れいむは2匹が喧嘩しないように仲裁したことで収まったが、これが彼女達の食料配分を変えるきっかけとなった。

「ゆぅ・・・?おかーしゃん、れーみゅのごはんがしゅくないよ?」
「それがれいむのぶんだよ!ゆっくりがまんしてね!」
「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」

この母れいむは過酷な環境を生き抜いてきた個体である。
それゆえ、少しでも多くの食料を得た健康な、なおかつ食料を勝ち取る強さを持ったまりさを優先した。
こうなってしまえば空きっ腹を抱えたれいむとまりさの力は徐々に、しかし確実に開いてゆく。

「やめちぇね、やめちぇね!れーみゅのごはんとりゃないでね!?」
「れーみゅはゆっくちだまっちぇね!」
「ゆぴゅ!?いぢゃい、いぢゃいよおおおおおおお!?」

加えて、開いた力の差を用いて少ない食料までも奪われてしまう始末。
こうして、十分な食料を得たまりさはただ一匹水槽の中でゆっくりを我が物にした。
れいむが力尽き、更に食料を減らされてしまうその日まで。



2つ目の水槽のれいむは良好な環境の中で姉妹が1匹も欠けることなく成長した個体。
これは飼いゆっくり以上に安穏とした環境だと言え、現実にはあまり存在し得ない個性だろう

「ゆゆっ!なんだかごはんさんがすくないよ!?」
「おにーしゃん、まりしゃもっちょほちいよ!」
「これじゃゆっくちできにゃいよ!」

この水槽の4匹も同様に餌の少なさに不満を漏らした。
こちらでも先ほどと同様にしばらくこの量のままであることを告げると、すぐに水槽から離れる。
それでも4匹は人間の消えて行ったほうに向かって延々と文句を垂れていた。

「れいむ、ゆっくりおこるよ!」
「れーみゅ、ゆっくちちちゃいよ!」
「こりぇじゃゆっくちできにゃいよ!」

などなど、自分勝手な主張を繰り返しながら無駄なエネルギーを消費している。
母れいむの育った環境が恵まれていたばかりに、我慢するとかそういった意識が低いのかもしれない。
やがて、自分達の要求が通らないことを悟った4匹はようやく少量の餌を分け合い、食事を始めた。
ちなみに分配の内訳は子ども達が平等なのは先ほどのれいむと同様だが、母れいむの分がかなり多くなっている。

「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」
「でも、じぇんじぇんたりにゃいよ!」
「しょーよ!こんにゃのときゃいはぢゃにゃいわ!」

そして、あっという間に食事を終えた4匹はまた不満を口にする。
体力の温存だとか、そういった考えは保護者であるれいむすらも持ち合わせていないようだ。
温存の必要が微塵もない環境で育ったのだから当然と言えば当然だが。

「ゆぅ、おなかすいたよ・・・」
「「「ゆっくちー」」」

そうして無駄な消耗によって更に強い空腹感を覚えた4匹は歌を歌い始めた。
しかし、歌というのは消費カロリーを表示するカラオケなんてものがある程度には疲れるものである。
結果、これまた当然のように空腹感が強くなった。



その後、ようやく寝ようという結論に至ったれいむ達だったが、空腹感のせいで眠れないと騒いで更に悪循環に陥る。
次の食事までの辛抱となんとか眠りに就いたが、今までなら三食あったはずの食事が一向に来ない事に腹を立て、また騒ぎ出した。
その後のことはもはや言うまでもないだろう。

「ゆぅ・・・みゃみゃ、ありしゅのごはんしゃんしゅくにゃいよ?」
「ありすはれいむのこどもじゃないからしかたないんだよ!ゆっくりりかいしてね!」
「「むーちゃむーちゃちあわちぇー・・・だけど、たりにゃいよ!」」

翌日、先の水槽と同様に自分の子どもではないありすの食料が真っ先に削られた。
ただし、その食料の行き着く先の大半は子ども達ではなく、れいむのどこにあるのかも良くわからないお腹の中。
ここから先の事態は大体最初の水槽と同じで、そのままありすが衰弱、ずっとゆっくりしてしまう。

「ゆゆっ!またごはんさんがへったよ!?」
「「ゆえーん、おなかしゅいちゃよー」」

が、そこからの対応はずいぶんと異なっていた。
食料をまた減らされたことを把握したれいむは、何故かれいむを贔屓し始めたのだ。
もっとも、自分が一番多くの食料を確保したままではあるが。

「ゆぅうぅぅぅ!どうちて!どうちて、まりしゃはちょっとなの!?」
「まりさはそれでがまんしてね!ゆっくりりかいしてね?」
「やぢゃ、やぢゃあああ!もうがみゃんできないよ!」

そう言って赤まりさは赤れいむの食料を奪い取ろうと彼女に体当たりを仕掛けた。
突然の攻撃に身構えることの出来なかった赤れいむはころんと引っくり返り、その体勢のまま泣きじゃくる。
そんな彼女にわき目も振らず、まりさは赤れいむの食料に口をつけようとした、瞬間・・・

「ゆーっ!おしょらをとんで、ゆっぴぃ!?」
「れいむにひどいことするこはおしおきだよ!」

母れいむに髪を咥えられて高々と持ち上げられ、硬い水槽の床へと叩きつけられた。
その後もれいむに何かしようとするたびにお仕置きを受けたまりさは心身ともに衰弱し、数日でありすの後を追った。



3つ目の水槽のれいむは産まれたときから1匹で孤独に震えながら大きくなった個体。
ゆっくりにとって生まれた直後からの孤独というのは珍しいものではなく、野生でもありがちなことだ。
が、彼女の反応は先の2匹とは最初から大きく異なっていた。

「さあ、おちびちゃんたち。ゆっくりたべてね!」
「ゆぅ、でみょ・・・みゃみゃのごはんしゃんが・・・ありしゅ、おにーしゃんに・・・!」
「いいんだよ!おにーさんにわがままいわないでね!れいむのぶんをたべてね!」

この母れいむは人間に不満を訴えることをさせず、なおかつ自分の食料を分け与えるという選択をした。
その上、自分は満足に食べられなかったにも関わらず、子ども達を見守る表情はどこか満足げ。
面白い行動ではあるが、このままでは飢えに強い成体と、それなりに満足している子どもがだらだらと生き延びる展開にしかならない。
実験としてあまり好ましいことではないが、更に餌の量を減らしてみることにした。

「ゆぅ・・・またへっちぇるよ・・・」
「しかたないよ。おちびちゃんたち、ゆっくりたべてね!」
「ゆぅ・・・おかーしゃん・・・」

少しの間、赤ゆっくり達は母の分まで食べることを渋っていたが、結局3匹で全部平らげた。
しかし、それでも一応の満足すらも得ることは出来なかった。
また、それでも餌を与えれくれる相手に不満をこぼすこともせず、徐々に衰弱してゆく我が子の姿を見せ付けられるという状況に陥る。
この状況を打開する方法は1匹か2匹を切り捨てて、他の赤ゆっくりに多くの食料を与えることだけ。

「ゆぅ・・・こうなったら、おたべなさいをするよ・・・」

あまり賢くないゆっくりとは言え、流石にこの状況の不味さも、唯一の打開策も彼女は理解していた。
それでも、彼女は誰かを見捨てようとはせず、自らの身すらも我が子達に与えようと考える。
流石に「お食べなさい」をやられると実験に支障が出ると判断したので一言「お前が死んだら全員殺処分するよ」とだけ伝えておいた。



4つ目の水槽のれいむは厳しいブリーダーのしつけによって従順に振舞うように訓練された個体。
かと言って人間の役に立てるほどの能力があるわけでもなく、典型的な飼いゆっくりといったところだ。

「ゆゆっ!おかーしゃん、どうちてありしゅだけたくしゃんなの?」
「しょーだよ、じゅるいよ!」
「ありすはにんげんさんのこどもだからだよ!ゆっくりりかいしてね!」

人間のペットとして、いや奴隷として育てられてきた成果だろうか、彼女は自分の子ども達よりも人間に預かったありすを優先した。
当然、彼女の娘であるれいむとまりさは不満いっぱい。母親に向かってほほを膨らませて怒りをあらわにする。
が、母れいむにとって人間に従順であることはゆっくりの存在意義ですらあるらしく、彼女たちの言葉には一切耳を貸そうとしない。

「どうちて!ありしゅはおかーしゃんのこどみょじゃないんだよ!?」
「しょーだよ!おかーしゃんのこどみょはれーみゅたちだよ!」
「みゃみゃ・・・ありしゅ、こんなにたくしゃんいらにゃいわ」

2匹に剣幕に圧倒されたありすは自分の分を2匹に分け与えるように提案する。
しかし、れいむはありすの提案を拒否すると、自分の子ども達を舌でぴしゃりと打ち据えた。
どうやらわがままに対するお仕置きにつもりらしい。

「ゆえーん、どうぢて!どうぢぢぇぇ!?」
「おちびちゃんたちがわがままをいうからだよ!ゆっくりりかいしてね!」
「でみょ、でみょぉ・・・ゆぴぃっ!?」

その後、2匹が抗議するのを諦め、ようやく食事を取り始めた。
もっとも、ありす以外は全く空腹がしのげず、ありすも精神的に全然ゆっくり出来ない有様だったが。


「ゆゆっ!ありしゅはこっちこにゃいでね!」
「ゆえーん、どうぢぢぇしょんなこというにょおおお!?」
「しょーだよ!ありしゅなんてきりゃいだよ!?」
「そんなこというゆっくりできないこはおしおきだよ!」

先日の出来事がきっかけとなってれいむ・まりさとありすの関係は急速に悪化していた。
食べ盛りの赤ゆっくりにとって食べ物の恨みはそれほどまでに恐ろしいものなのだ。

「だっちぇ、だっぢぇっ!?」
「ゆっぐ・・・れーみゅ、おなかしゅいたよぉー」
「かんけいないよ!ありすはおともだちでしょ!おともだちにひどいことするこはゆっくりできないよ!」

こんなやり取りが繰り返されるのは実はこれで4度目。
険悪になった関係を何とか修復しようとありすが近づくたびにれいむとまりさは彼女を拒絶した。
そのたびに母れいむに叱られる2匹だったが、困ったことに拒絶しなくても結果は同じなのだ。

「ゆっぐぢりがいぢだよ・・・でみょ、れーみゅ・・・ぽんぽんがゆっくぢできにゃいかりゃ・・・あそべだいよぉ・・・」
「まりしゃもだよ・・・」
「ゆゆっ!ありしゅ、みんなとゆっくちあしょびたいよ・・・!」

と、そんなやり取りの後に母れいむが「ありすとあそんであげなさい」と彼女たちを叱りつけてくる。
もちろん、すきっ腹を抱えて一緒に遊んだからといってその日の食料の配分が増えるわけでもない。
結果、れいむとまりさは3日ほどでまとも動けないほどに衰弱し・・・

「ありすとあそばないこはおしおきだよ!」
「「ゆぐっ・・・もっぢょ、ゆっきゅちちたかったよ・・・」」

ありすと遊ばないことを咎められ、母れいむのお仕置きによって短いゆん生を終えた。


5つ目の水槽のれいむはありすにレイプされて出来た個体で母れいむに忌み嫌われ、虐待(もっと正確に言えばネグレクト)されながら育った。
これも野生のゆっくりとしては決して珍しいパターンではなく、中には特定種を無条件に排除する群れすらあると言われている。
ただし、このれいむは母親以前にレイプされた先祖は少なく、本能的に敵意を覚えるほどにありす種を嫌ってはいない。

「ゆゆっ!?みゃみゃー、ありしゅのごはんだけしゅくないわ?」
「ありすはそれだけだよ!ゆっくりがまんしてね!」
「「おきゃーしゃん、そんなのかわいしょーだよー!」」

とはいえ、過去の自分の苦労の多くがありす種に起因している以上、やはり彼女を軽んじてしまうようだ。
たとえ人間から預かった相手であろうと・・・いや、人間から預かったありすだからこそということかもしれない。
その考え方は最初の水槽のれいむと同じだが、初日から早々食料を減らす辺りには多少なりとも悪意が感じられる。
ちなみに、自分の取り分はかなり多く、その影響で多めに食料を貰っているれいむとまりさも少量にとどまっていた。

「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」
「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」
「でみょ、じぇんじぇんたりにゃいよ」
「おちびちゃんたち、ゆっくりがまんしてね!」

こんな調子で、大体最初の2つの水槽と同じようにありすが真っ先に力尽きた。
そして、翌日以降。さらに食料を減らされたれいむは・・・

「おかーしゃん、れーみゅおなきゃしゅいたよぉー・・・」
「まりしゃもむーちゃむーちゃちたいよぉー・・・」
「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」

れいむは親としての責務を放棄した。
虐待を受けて育った者が我が子に虐待をする、あるいは育児放棄するというのは人間も含む多くの動物に見られること。
どうやら、それはゆっくりにとっても例外ではなかったらしい。
もっとも、食料が不足するまでは普通に育てていただけ、幾分かましな方かもしれないが。



③ 実験結果


最初の水槽で唯一生き残ったのはまりさだった。
れいむと赤まりさだけになった後、れいむは自分の食料をすべてまりさに譲っていた。
今わの際に、自分より彼女を優先した理由をれいむに訊いたところ・・・

「だーりんがいないからだよ」

とだけ答えると、そのままずっとゆっくりしてしまった。
どうやら、次の世代に子を残すという生物としての本分を最優先したらしい。
そして、自分のつがいが健在ならば自分達とそのつがいが生き延びて子を宿す道を選んだ可能性もある。
このれいむは人間に対する従順さはきわめて低かったものの、決して利己的ではなかった。
きわめて合理的に生物として、親として最善の選択をしたと言えるだろう。
もっとも、彼女のような親に育てられたゆっくりはまりさのように他者を出し抜こうとする、いわゆるゲスになる傾向がありそうだが。


2つ目の水槽の唯一の生存者は母れいむで、赤ゆっくりは結局全滅してしまった。
苦労知らずで育ったために自制心が育まれなかったのだと考えられる。
ちなみに、赤まりさより赤れいむを優先した理由を問いただしたところ・・・

「れいむにそっくりのおちびちゃんがゆっくりできないのはゆっくりできないよ!」

との回答を得ることが出来た。
子どもの能力ではなく、自分に容姿が似ていること、そういった子どもがゆっくり出来ないのを見ているとなんとなくゆっくり出来ない。
そう言った理由で彼女は赤れいむを優先したらしい。もっとも、その赤れいむも最後には見捨てられることになったのだが。
このれいむは人間に対する従順さも、合理性も低く、きわめて利己的な性質を持っていたといえる。


3つ目の水槽の唯一の生存者は母れいむだった。
ただし、彼女もまた長期間にわたる絶食生活ですでに虫の息。
結局、彼女は誰を見捨てることも出来ず、子ども達は仲良く衰弱していった。
このれいむの合理性が低いのは言うまでもなく、同時に従順でもなく、利他的とも言い難い。
長い間ひとりで暮らしていたためか、仲間に恨まれることを嫌って非情な選択が出来なかったのだから。


4つ目の水槽の唯一の生存者は赤ありす。
しかし、れいむが姉妹のように育った赤れいむ達を殺す瞬間を目撃した彼女がゆっくり出来たはずもない。
挙句の果てに親代わりのれいむまで自分に食料のすべてを分け与えて餓死してしまったのだ。
この先、彼女はどのような思いを抱えてえ生きていくことになるのかは想像に難くない。
人間に都合のいいように育てられたれいむは従順だが、利己的でないのに合理性もないあまりにも歪な存在だった。


最後の水槽の生存者は言うまでもなく母れいむで、食料を独り占めしたことであの状況下で平然とゆっくりしていた。
しかし、真っ先にありすを見捨てたのが我が子を優先した結果なのか、ありす種憎しでのことなのかが分からない。
少なくともさほど従順ではなく、非常に利己的であることは間違いないだろうが。
ありす種以外の個体にこのれいむの母親をレイプさせるべきだったかもしれない。



---あとがき---

1つずつゆっくり視点で丁寧に書いていったほうが良かったな、これ
それはさておき、今日で初投下からちょうど1年なのぜ・・・

---Wiki収録時には省いてください---
と言うことで、他の作者の方に倣って玉男名義での投下作品一覧

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最終更新:2022年04月15日 23:33