フェイトガールズ(魔法先生ネギま!)

登録日:2016/08/31 Wed 0:20:00
更新日:2023/01/03 Tue 09:25:50
所要時間:約 20 分で読めます




フェイトガールズとは、フェイトがちゃっかり築いていたハーレム漫画「魔法先生ネギま!」に登場する敵キャラクター、フェイト・アーウェルンクスの部下の5人の少女達の作中総称である。
なお、彼女達が自ら名乗った訳ではなく、人物紹介テロップで称されたものであり、正式名称は完全なる世界(コズモエンテレケイア)に相違ないと思われる。

5人共、元々は魔法世界に住む普通の少女だったが、
大国同士の紛争に巻き込まれ戦争孤児となった所をフェイトに救われ、好意にも近い恩義を感じ、戦士となって彼の計画に協力している事が共通している。
また、フェイトに並ぶ幹部であるデュナミスには「部下にお前達のような小娘しか居ないとは」と嘆かれつつも、アスナ姫奪取により計画が大きく推進した事に対して感謝を受けており、
その感謝の言葉を受けてからは、彼女らもデュナミスに対して忠誠心を強めている。

全体的な実力としては、一般の魔法使いよりは強いものの、上司のフェイトら『造物主の使徒』達には劣る、と言ったところ。

また、劇場版限定の単行本0巻のオマケ漫画にて、フェイトが普段飲むコーヒーを作っているのは彼女達である事が判明。フェイトも「完璧だ」と太鼓判を押す出来なのだとか。

尚、以下で紹介する彼女達の名前は、
全員が能力に沿った名前である事、調と栞に関しては別に本名がある事が明らかになっている事から、全員通名である可能性が高い。


【※以下、本編中での活躍のネタバレを含みます】











◆【焰(ホムラ)】


「貴様のような男に…何が分かる!!!」


炎の力を操る、ツインテールの少女。よく名前の字が『』と『』でコロコロ変わったりする。
シルチス亜大陸・パルティアの村に住んでいたが、かつての大戦後も止まぬ紛争により両親を失って呆然としていた所を、フェイトに拾われる。
睨むだけで強力な炎を発生させる事が出来る上、『炎精霊化(チェンジ・ファイア・スピリット)』により自身を炎の精霊化出来る程の強力な炎の使い手だが、
その属性故かやや直情型で、相手に食って掛かろうとする所をフェイトやデュナミスによくたしなめられている。
自身が充分な戦闘能力を持つ為か、5人の中で唯一アーティファクトを持たない

また、『炎化』する時に身に纏うローブが燃えてしまう為よく全裸になる

<本編での活躍>

オスティアでのネギ達との戦いでは、明日菜を奪取する役を栞と共に担当。
睨みによる発火攻撃に明日菜が気を取られている隙を栞が突き、作戦に成功し明日菜を連れ帰った。

ラカンとの戦いでは、任務中の栞を除いた他の3人と共に炎化して全力で戦うも、
いかんせん相手が悪く、5分で他の3人と共に全滅した上に、心を読まれ戦争孤児である事を見透かされてしまう。
その際に上記のセリフと「恵まれた英雄の貴様に何が分かる」と激昂したが、
元々自分が戦うつもりだったフェイトに「彼も奴隷剣士から這い上がった身だから」とたしなめられた。

最終決戦の地・墓守人の宮殿では、上層部へ向かうネギ達と交戦。
だが闇の魔法【マギア・エレベア】で更に魔力がアップしていたネギの相手にはならず、
更に大抵何でもアリな祐奈の『七色の銃』の魔弾・精霊化解除弾を受けてしまい炎化を解かされたりと、ネギ達白き翼に翻弄されがちな結果となった。


<番外編>


「オイロケだと!?よしそれだ!!」


単行本0巻では、フェイトが京都での作戦から帰還した直後の時系列として番外編で登場。
ネギやエヴァに計画を狂わされてやや不機嫌なフェイトの機嫌を治そうと他のメンバーに提案し、
環のトンデモ提案を受け裸エプロンを装着。
当然そんなものには欠片も興味のないキャラであるフェイトには「そういうのいいから」と無碍にされてしまい落ち込んだが、
「よく分からないけど気持ちは嬉しい」との言葉で他のメンバー共々表情を明るくしていた。

<余談>

炎の使い手である事、髪型が似ている事、直情型である事などから、魔法世界編直前にて登場したネギの幼馴染・アーニャと似通う部分が多分にあり、
焰本人も「髪型が似ている」程度には認識している。


◆【暦(コヨミ)】


「返してくださ――――いッ わわわ私のパンツ――――ーッ」


ネコ耳おかっぱ頭の少女。時空ノーパンコンビその1であり、魔法世界編における脱がされキャラ
5人の中ではどこか抜けてるというかロクな目にあわない(大抵コイツのせい)役回りであり、大抵いつもあたふたしているドジっ娘。
ネコキャラらしく、時折口調に『ニャ』が混ざる事があり、デュナミスからは『猫』呼ばわりされている。

100年じゃ解消出来ない程酷い紛争地域』(フェイト談)の出であり、重傷を負っていた所をフェイトに救われる。
フェイトからはアリアドネーの寮に入る事を勧められたが、感謝の念から「どこまでもついて行く」とフェイトと共に歩む事を決意、仲間となる。

自身のアーティファクトで、相方の環と組んだ時空コンボが可能となるが、
その相方の環共々、ラカンと対した時は必ずセクハラ攻撃をされまくっており、
いつしか読者の間だけでなく作中でも早乙女ハルナから『時空ノーパンコンビ』という不名誉なあだ名を頂いてしまった。
アーティファクトの力のみならず、自身も『狗族獣化(チェンジ・ビースト)』にて黒豹のような姿に変身出来、大幅なスピードアップが可能となる。


アーティファクト【時の回廊(ホーラリア・ボルティクス)】

効果:時間の流れを加速・減速出来る効果範囲を作り出せる。
   加速・減速の度合いは術者が任意に決定可能であり、またいつでも効果を解除出来る。


時空コンビの『時間』を担う強力なアーティファクト。
……なのだが、その強力な効果ゆえか、大抵発動前に潰される悲しい運命を背負っており、
「時の……」と言いかけた時に何かしら妨害されるのはもはや様式美。

<本編での活躍>

オスティアでは、フェイトの作戦中のラカンの助太刀を防ぐ為、足止め役として相方の環と共に登場。
『お金と交渉で穏便に済ませる』予定だったらしいが、いきなりスカートめくりされてパンツの色をバラされた上に、
「似合わなかったから」と何といつの間にかパンツを脱がされノーパン状態に。彼女のノーパンキャラ定着はここから始まってしまった。
セクハラ攻撃に怒った彼女達はアーティファクトを発動、まず暦が隙を突いて『時の回廊』を発動させラカンの動きを鈍らせ、
環のアーティファクトで『脱出不可能』の罠に嵌める事に成功。
本人達はいつの間にか幻術体を置いて立ち去っており、無口な環に代わって、彼女のアーティファクトの効能を勝ち誇って説明した。

……のだが、ラカンが懐から取り出したのは先程脱がした彼女のパンツ。しかもニオイを嗅ぎだしたんだからさあヘンタイタイヘン。
幻術体が光の速さでツッコミに来て、上記のセリフと共に散々泣いて慌てふためくのも虚しくカモくんにまでニオイを嗅がれ、
ニオイで位置を特定されてしまい追いつかれてしまう。
改めてアーティファクトを発動させようとするも、スカートめくりで技の出を潰される&ノーパン姿をカモくんに激写されるというハレンチコンボを喰らいまくり、
精神的ダメージをもらい続け遂にギブアップ。

舞踏会会場の外でラカンと再戦した際には、狗族獣化の変身&アーティファクトによる自陣加速能力を用いて本気で戦ったが、
流石に本気を出したラカン相手には分が悪く、他のメンバー共々5分で全滅してしまった。
また、この時も開幕に焰、栞と共に無音めくり&脱がし術にてノーパンにされており、相方と共にすっかりノーパンキャラが定着してしまった。

そんなノーパンキャラな彼女も、シリアス真っ只中である墓守人の宮殿での決戦時は流石にノーパンになることは無かったものの、
アーティファクトをまき絵の『自在なリボン』にて発動前に奪われたり、狗族獣化のスピードを亜子の『不思議な注射器』によるドーピングですっかり捉えられてしまう等、
新戦力のアーティファクトに振り回される結果となってしまった。


<番外編>


「また何か言い出したニャこの子!」


フェイトの機嫌を治す作戦の思案中、相方の環がとんでもない事を言い出した為、
環と共にミニスカメイド服で彼の飲むコーヒーを持参。
時系列的にはまだノーパンキャラになる前なので、「ち…ちらっ」何故か新鮮なパンチラを披露したが、
そういう事に全く興味の無さそうなフェイトは見向きもせずコーヒーを受け取るのであった。
だが、その後のフェイトの言葉には他のメンバー共々表情を明るくしていた。


◆【環(タマキ)】


「…お覚悟を」


立派な2本の角を生やし、額にどこぞの竜魔人のような竜の紋章を持つ、竜族の少女。時空ノーパンコンビその2。
他のメンバーがよく喋る(特に焔、暦)為か、よく一緒にいる彼女はとても無口でセリフも数えられる程度。
単体では5人の中でも特に影が薄いかもしれないが、暦と組んでの『時空ノーパンコンビ』は印象深いことだろう。
下記のように強力な効果を持つアーティファクトを持つが、彼女自身も本気の戦闘時には『竜族竜化』によってマジモンの竜に変身出来る(やや小型ではあるが)。
また、彼女のみフェイトの部下となった経緯が描かれていない。何故……

ちなみにやたらとノーパンキャラが定着してしまった2人だが、彼女の方はラカンに脱がされるどうこうではなく、初登場時からノーパンであった。


アーティファクト【無限抱擁(エンコンパンデンティア・インフィニータ)】

効果:無限の広がりを持つ結界空間を術者の周りに展開させる。
   術者の精神状態に影響されるが、気絶した程度では解除されず、術者が死なない限り解除されない。
   だが、その機能は旧世界における相対性理論の発表前、近代以前の呪術的文化体系に基づいた場所観念の下に設計されている為、
   空間内に無限の大きさを持った時空の歪み、物質の密度(要するに超重力→ブラックホール的なモノ)が存在する事は想定されておらず、
   内部にそういったモノが発生すると理論が破綻し、空間は解除されてしまう。

時空コンビの『空間』を担う強力なアーティファクトであり、理論上は破る事は不可能……なのだが、
その理論とは上記の通り相対性理論の存在を含んでおらず、相対性理論によってその存在が認識されたブラックホール、
それに準ずるモノを一瞬たりとも作れる強大な重力魔法には弱い。

<本編での活躍>

オスティアでは、フェイトの作戦中にラカンを足止めする為に暦と登場。
暦のアーティファクトでラカンの時間を遅らた隙に無限空間を発動し、ラカン(と木乃香・カモくん)を閉じ込める事に成功。
……なのだが、暦の項目で触れた通りラカンに位置を特定され追いつかれた後は、スカートめくり&激写のコンボを喰らいまくり降参。
更に無限空間を「適当にやった」という『大次元破り』(実際は、上記の通り強大な重力魔法の応用術と思われる)で突破されてしまう等、相手が悪すぎた故にロクな目にあわなかった。

更に舞踏会会場の外でラカンと再戦し、今度は竜化も発動させ本気の勝負を挑むも、
本気を出したラカンには他のメンバー共々5分で全滅させられた上に、ラカンには再び空間を破られてしまった。

墓守人の宮殿では、上層部へ向かうネギ達と交戦。
時間稼ぎではなくガチンコ勝負の様相であった為、アーティファクトは使わず竜化にて戦闘……
したのだが、竜化しきる前に楓の『縛鎖爆炎陣』を喰らったり、
完全に竜化した後も焰、暦共々古菲1人に相手取られてしまう等、残念ながら戦闘による活躍という点では見せ場なし。
無限空間もノーパンも無いとこうなるという事なのだろうか。あんまりである。


<番外編>


「お色気要素が足りないのではないかと思う」


上記の通り、フェイトの機嫌治し計画をトンデモ方向に導いた立役者であり、
番外編というメタ空間を用いた普段言わなさそうな発言により、本編中でなかなか活躍出来なかった鬱憤を晴らした。
彼女自身もノーパンコンビの相方暦と共にミニスカメイド服を着用してコーヒーを持参。
だが、当然フェイトには見向きもされなかった。無念……
だが、その後のフェイトの言葉には他のメンバー共々表情を明るくしていた。


<余談>


ネギまの世界から82年後を描いたUQ HOLDER!にて、『カレン・ダ』と『サクレ・ト』という魔法世界出身の少女のコンビが登場するが、
『カレン・ダ』の方はネコ耳少女で素早い動きを得意とし、
『サクレ・ト』の方は能力こそ披露していないものの2本の角と額の竜の紋章を持つ。
そして何より、2人とも縁のある名前である(カレン・ダ→カレンダー→ サクレ・ト→サークレット、円)ため、
彼女らノーパンコンビの子孫である可能性が非常に高い。あのセクハラオヤジが居ない(後に意外な形で登場するのだが)為ノーパンになってはいないが。


◆【調(シラベ)】


「その現実の一端 味わってみますか?」


美しい角と綺麗なロングヘア、丁寧な口調、と5人の中では一番お姉さんっぽさを感じさせる『音』使いの少女。
『調』は本名ではなく、のどかの『いどのえにっき』により『ブリジット』という本名が明らかになっている。

真っ黒な国・メガロメセンブリア連合の駐留軍が煽った部族対立が引き金となった戦禍に巻き込まれ、彼女の一族は『1瓶100万ドラクマの万病の妙薬』としてその角を狙われる事となる。
戦火が燃え広がる森の中で恐怖に震え泣いていた所に、子供ゆえに柔らかく高値の付く角と、奴隷としても高く売れる身を狙った対立国の人間達に襲われそうになるも、
フェイトの手により救われ、『復讐には手を貸せないが世界を変えよう』と誘われ、彼の下に付く事に。

非常に小声で、彼女のセリフは上記のように他人のそれより文字が小さく書かれている。

下記のアーティファクトにより音を用いた強力な攻撃が可能だが、彼女自身も『樹木を自在に操る能力』を有しており、
『木精憑依』により、樹木の上位精霊である樹龍をその身に憑依させ使役する事まで可能。


アーティファクト【狂気の提琴(フィディクラ・ルナーティカ)】


効果:バイオリンを演奏することで、指向性を持った特殊な強力音波を発射する。
   石壁程度なら砂粒くらいになるまで粉々に粉砕され、人体が受ければひとたまりもない。

まあ、よくある音波攻撃系の道具であるが、純粋な火力がなかなか高く、活躍の場は意外と多い。
ちなみに攻撃時の彼女の演奏は、いかにも上手に演奏出来そうな雰囲気に反してとても下手っぴである。かわいい
上記のように彼女は樹木を操る能力も有しているが、ネギ達には『音使い』の印象を強く持たれていたようで、
下記の通り交戦したハルナにより『殺人音波娘』のあだ名を付けられている。
<本編での活躍>

オスティアでのフェイトの作戦中、ネギの周りの人物の足止め役として登場。
作戦会議をするのどか、千雨、ハルナの元にやってきて、上記のセリフと共にアーティファクトを召喚。
ちなみに、敵キャラが初めてアーティファクトを披露するシーンでもある*1

下手な演奏と強力な音波攻撃でのどか達を驚かせるも、
いどのえにっきにより本名と情報を引き出されてしまい、ここでやっとのどかがフェイトの言っていた読心術士と察知。
ハルナの召喚した防御用ゴーレム『盾の乙女』を正面から打ち破る程の全方位攻撃『救憐唱』で圧倒し、3人を追い詰めるも、
駆けつけた小太郎が予想以上にクレバーな対応を見せ、結果逃がしてしまう。

舞踏会会場の外でのラカンとの戦いでは、救憐唱の一撃によりラカンをその場に釘付けにしてしまう程の威力を見せたり、
『木精憑依』により樹龍をその身に憑依させ凄まじい質量の樹を操ったが、
流石に本気を出したラカンには分が悪く、他のメンバー共々5分で全滅。

『墓守人の宮殿』での最終決戦時には、儀式のオペレーターとしてフェイトと共に儀式の間にて行動。
フェイトが再奪取した明日菜を祭壇へ再配置しようとした所を、古菲、アーニャの襲撃を受ける。
音波攻撃でアーニャを、『救憐唱』で古菲をダウン寸前にまで追い込むも、更に高音、佐倉、コレットの追撃を受け、
その隙に復活した古菲の『神珍鉄自在棍』の一撃を無防備で受けてしまう等、半ばリンチ状態に陥るハメに。
しかし、かつての自分の境遇、そして『完全なる世界』の一員として、名も無き敗者達の為に譲れぬ想いを爆発させ、
息も絶え絶えながら樹木の力により明日菜を祭壇へ戻し、更に樹霊結界を施す事に成功。
他のメンバーが戦いの中でリタイアしてしまう中、彼女はボロボロになりながらも最後まで仕事を遂行してのけた。
フェイトガールズの中でも、最も戦闘面で貢献出来たと言えよう。


<番外編>


「そういう部分が足りないのかもしれませんね…」


環の『お色気が足りない』発言に上記のように賛同し、
フェイトの機嫌を直す作戦として焰と共に裸エプロンでコーヒーのおかわりを持参。
だが、そういうのに興味のないフェイトは(ry
珍しく他の3人のノリに付き合う一幕となった。


◆【栞(シオリ)】


「ましてや…『恋』をすることなどがあっては…」


ウェーブのかかった髪とエルフ耳が特徴的な少女。
調同様、『栞』は本名ではなく、ネギのある手段により『ルーナ』という本名が明らかになっている。

後述の理由により、フェイトガールズの中でもかなり異質な存在と言える。
詳細は後述するが、フェイトが最初に助けた戦災孤児である。
作中ではある作戦の為、長らくネギの側に居つく事になるが、その間に彼女の心は……

<本編での活躍>

オスティアでのフェイトの作戦の中軸を担う役目として、明日菜の前に登場。
焰の攻撃に気を取られている内に背後から明日菜に近づき、いきなりキスをかまして……


アーティファクト【偸生の符(シグヌム・ビオレゲンス)】

効果:キスを交わした人間(及びそれに準ずる生物)の外見・内面を完全再現が可能。
   『スイッチ』(物体的なモノではない)を入れる事によって再現が始まり、再現中は術者ですら対象者本人だと完全に思い込む。
   アーティファクト等の能力は、外見以外は再現不可能。
   なお、術者の感情が何らかの理由により大きく揺らいだ時、術は解除される。

フェイトが10年をかけて完成させたアーティファクトであり、フェイト達の作戦の肝とも言えるシロモノ。
能力以外は性格まで完全に対象者本人になり切ってしまえる為、術者に『化けている』という自覚は『ほぼ』無く、故に言動によってボロが出る事はほぼ無いと言える。
『ほぼ』と記述したのは、対象者に変身中に受けた感情が術者にまで波及してしまい、術者の感情が揺れ動く事がある事、それによって変身中に術者の意識が半分目覚めてしまう事がある為。
例えば、対象者に変身中に、その対象者が意中としている異性に心ときめくような事を言われた場合、そのときめきと感情は術者にまで影響してしまうのである。


この能力を用いて、明日菜にほぼ完全に化ける事に成功。
気絶した明日菜を焰が連れ帰った事により、しれっとネギ達白き翼の中に溶け込む事に。

さて、ここで入れ替わられた明日菜の、魔法世界での動向を簡単に振り返ってみよう。
上記の出来事が、単行本で言うと25巻での出来事。そして、入れ替わられた明日菜本人が再びネギ達と対面するのが36巻。
魔法世界編は21~36巻、中でも22、23巻は数コマ程度の出番である。
……つまり、どういう事かと言うと、
魔法世界編での『神楽坂明日菜』はほぼ栞が化けていた存在であるという事である。
『完全なる世界』の計画のキーパーソンであるが故仕方ないとも言えるが、
それまでメインヒロインとしてかなり出番の多かった明日菜の存在を変則的な形で喰ってしまったのだ。

そのようにして長らく誰にもバレずに『神楽坂明日菜として』ネギ達の間に溶け込んでいたのだが、
ネギと共にゲーデルに怪我を負わされた時、大怪我にも関わらずネギが明日菜の治療を優先させた事、
更には二人きりの時に手を握られながら「二度と危険な目には遭わせない、僕が必ず守る」とナチュラルジゴロトークを炸裂された為、
顔が赤くなるのがおさまらない程赤面し、『休憩』と称し一時変身を解除。
『神楽坂明日菜』としてネギと接し受けた感情に感化され、彼女の心もまた揺れ動き始めていた。

そして、フェイトと他のフェイトガールズによるラカンへの襲撃時、
造物主の掟(コード・オブ・ライフメイカー)』の力により消えゆくラカンが「造物主の掟の力が渡った=本物の明日菜も敵の手に渡った」と推察し、
ネギに言い遺した事で、遂にネギ達にも正体を疑われる事に。

半裸姿でネギを洗ってあげていた所、いきなりネギに正体を問われるだけでなく、

  • 闇の魔法【マギア・エレベア】の侵食が進み息も絶え絶えのネギに寄りかかられ、体を密着された
  • 強引に正体を暴こうとする龍宮に対し、ネギに『例え偽者でも大切な人』と庇われた
  • 『誰も傷つけずに見破る方法』としてパクティオー(=キス)をさせられた

という怒涛の攻勢(ネギに自覚無し)により遂に陥落、明日菜からは出るはずのない新しいパクティオーカードにより、真の姿を見破られただけでなく、
遂にネギへの想いが極まってしまった為に術が解け、ネギ、龍宮、千雨、のどかに正体を見られてしまう事となった。

混乱を避ける為、ネギ達の計らいにより全員に正体をバラされる事は無かったものの、
正体がバレて以降は術の力が弱まった為か、明日菜の姿にはなっているものの2つの人格がせめぎ合う二重人格のようになり、祐奈達にツッコまれていた。

墓守人の宮殿での決戦時では、突入時にポヨ・レイニーデイの『幻灯のサーカス』により精神を完全なる世界へと飛ばされたが、
彼女が見たものはなんとネギとフェイトを両脇に、楽しそうに街を歩く逆両手の花の風景。何を夢見てるんだこの娘は。

その後、ネギ達とデュナミスの真っ向勝負の対決時には、
デュナミスをマギア・エレベアの力で圧倒し戦闘不能に追い込むも、暴走し庇う焰まとめてトドメを刺そうとしたネギに対し、
変身を解き、焰とデュナミスを庇った。

その暴走の反動による瀕死の状態から脱し、6(セクストゥム)を圧倒し最終決戦の地へ赴くネギを見送る場面で彼女の出番は終わる。


……のだが、ネギとフェイトの決戦時に、垣間見えたフェイトの記憶の中で再び登場する事になる。

<フェイトとの出会い>

12年前、造物主の力で『3(テルティウム)』として復活し、『2(セクンドゥム)』と共に『魂狩り』の任務に就いていたフェイト。
しかし、心を持たぬはずの彼は、自らの任務に疑問を抱いていた。
そんな折に、飛行中に突然核(コア)に痛みを感じ、帝国の外れにある小さな村へと落ちてしまう。

そんな彼を助けたのは、エルフ耳を携えた、柔和な雰囲気の姉と、その姉の後ろに恥ずかしそうに隠れる幼き妹。
姉が淹れるコーヒーが気に入り、1日10杯も飲むのを3日間続け、
回復したフェイトは、『いずれ何か礼をしに来る』とその場を立ち去る。

だが暫くして、彼女達が住んでいた村が燃えているのを発見。
到着したフェイトが見たものは、彼女らの能力、『肌接触による強力な読心術』を疎んだ人間達による襲撃を受け、
血を流しながら倒れる姉妹だった。

そんな状況でも「今日はコーヒーはちょっと……」と申し訳無さそうに笑う姉は、彼の前で塵となり姿を消した
丁度同じくその場に降り立っていたセクンドゥムが、造物主の掟の力により消し去ったのだ。

その能力を疎まれたからには彼女らに生きる道は無かった」と笑い、恐怖から逃げようとする妹をも消し去ろうとするセクンドゥム。
その彼の首を、フェイトはその手で跳ね飛ばした
なおも喚くセクンドゥムを、今度は完全に消し飛ばすフェイト。

救われぬ全ての魂を救うには、彼のようなやり口しかない事は分かっているつもりだった。
しかし……もう、「あのコーヒーは飲めない」……


……言うまでもなくこの『妹』は幼き日の栞であり、つまり彼女は『フェイトが仲間を殺してまで助けた存在』というワケである。
これ以降、彼は栞と共に戦禍の地に降り立ち、彼女と同じく、行き場の無くなった57人にも及ぶ子供達を、
寮のあり、学ぶ意思ある限り絶対安全であるアリアドネーの学校へと送っている。

もしセクンドゥムから逃げようとする彼女が居なければ、フェイトが行き場の無くなった子供達をその手で助け始める事は無かったであろう。
ある意味、フェイトの心、そして生き様を多少なり変える事になったきっかけとも言える存在と言えるのである。


<番外編>

彼女たちフェイトガールズの日常(?)が描かれた番外編は、彼女の少し前の日記の内容、という設定であり、
彼女自身はフェイトのご機嫌取り作戦には参加していなかった模様だが、
フェイトが「完璧だ」と太鼓判を押すコーヒーは、かのコーヒーの味を昔から知っている彼女が主導で作っているモノかもしれない。


追記、修正は救世主の人形に恋をしてからお願い致します。






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最終更新:2023年01月03日 09:25

*1 まほら武道会でのアルビレオをカウントするなら別