登録日:2011/01/28(金) 17:35:36
更新日:2024/04/29 Mon 20:39:31
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搭乗機
イアン・ヴァスティからは「
宇宙物理学、モビルスーツ工学、再生治療の権威で操船技術や料理に長け、おまけに美人」と評されるほどの逸材。
その正体は、
リボンズ・アルマークによってスパイとして送り込まれた
イノベイド。ただし、当人は自分の素性にある時まで自覚が無かった。
作中に出てくるイノベイドは戦闘用タイプばかりなので無性、つまり性別の概念を持たない者が殆どだが、アニューはその目的から女性として生み出された。
小説版等の記述から勘違いされ易いが、彼女はマイスタータイプではなく世界全体に存在する端末タイプ。
あくまで
ツインドライヴや
トランザム等の情報を仕入れる事が目的で派遣された為、戦闘は専門外。
その為戦闘能力は低く、彼女の搭乗するガッデスには様々なサポート用の改造が施されている。
ぶっちゃけ、リボンズは戦力としては彼女には期待しておらず、殆どチームプトレマイオスに対する嫌がらせ兼余興として出撃させた。
【劇中での活躍】
当初はラグランジュ3の秘匿ファクトリーでイアンの妻、リンダ・ヴァスティと共に支援機の開発を行っていた。
支援機が完成した後、イアンの推薦でプトレマイオスに同乗する。
アロウズにプトレマイオスの位置が的確に知られている事を不思議に思っており、
外部と連絡を取るなど度々不審な行動をする
ロックオン・ストラトスに疑いの眼差しを向けていた。
しかし、彼に本名を含めた素性を明かされると次第に親密になっていく。
聡明で博識だが、恋愛関係には疎いようでロックオン=ライル・ディランディの優しさは「新任の自身を気遣ってのもの」だと考えていた。
トレミーに来て間も無く、周りから少し浮いていると感じていた二人はお互いに惹かれていき、恋人になる。
しかし、ヴェーダの所在の情報を得る為にアロウズに所属するイノベイター、
リヴァイヴ・リバイバルを捕虜にすると状況は一変する。
アニューはリヴァイヴと同じ塩基配列パターンを持つイノベイター(イノベイド)だった。
※これ以前にも瞳の虹彩が金色に輝く、両親の事を訊ねられて言葉に詰まる、時折意識が飛ぶ等の出来事があり、ライルはその素性に薄々気付いていた。
リヴァイヴの脳量子波で思考が繋がるとライルにも語れなかった自身の過去、リボンズによって与えられた使命を思い出す。
再びダブルオーと
オーライザーの奪取に専用機のガッデスに搭乗して現れる。
しかし、トレミーのクルーを裏切った自身を再び受け入れ、「もう一度お前を…俺の女にする!嫌とは…言わせねえ!!」と言ってくれたライルの手を取ろうとする。
彼女自身、人間味溢れるクルー達の事が好きであり、それまでの記憶を保持したままイノベイターへと覚醒し、仲間を裏切ってしまった事に罪悪感を抱いていた。
ところが、意識をリボンズに乗っ取られてしまい、ライルの乗る
ケルディムガンダムを再び攻撃してしまう。
最終的にはライルの危機を感じた刹那の
ダブルオーライザーに機体を狙撃されてしまう。
だが、量子空間内で互いに解り合えた二人――。そして、アニューは最期の力でケルディムを突き飛ばし、ガッデスと運命を共にしたのだった……。
それまでライルは、自分にとって完璧だった兄・ニール程には家族の死に対して熱くなれず、
それを「兄は自分より人間が出来た完璧な人だから」と捉えて劣等感を掻き立てるのみだった。
が、自分が何も手を尽くせないままアニューに死なれた事で、目の前で家族に死なれた兄の無力感や積憤を初めて感じ取り、
兄も自分と同じ人間でしかないと理解し、皮肉にもコンプレックスが解消される切っ掛けとなった。
戦いが終結した後にディランディ家の墓の隣に彼女の名を刻んだ墓石が立てられ、
ガンダムマイスターとして生きていく決意を固めた彼がロックオン・ストラトスではなくライル・ディランディとして帰ってこられる場所となった。
死後もライルが何か間違った行動をしようとした際に、彼の良心を代弁するかのように彼女の姿がフラッシュバックする描写があり、
ライルにとって大切な存在として彼の心に残っている。
劇場版においても、ライルはアニューとのツーショットの写真を大切にしている。
【ゲームでの活躍】
GジェネではWORLDで初登場。CB服とアロウズ服の容姿変更キャラとなっており、
CBは操舵向け、アロウズはパイロット向けのアビリティ構成なので好みで選んで構わない。因みに戦闘台詞は意外と強気な物が多い。
「邪魔をしないで!!」
「しつこいのよ!!」
本編では一回しか戦わなかったが、やる時はやるタイプなのだろう。あとアロウズのパイロットスーツの立ち絵は意外とエロい。
カットインではメット被るけどね。
また、Gジェネ3Dでの立ち絵はアロウズの制服姿という本編でも見られなかったレアな衣装となっていた。
『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』でスパロボにも参戦。
戦死したリヒティの代わりに加速要員としてプトレマイオス2に同乗。
原作通りにリボンズに操られ、敵に回ってしまう。
しかし、一定条件を満たすと刹那が『コクピットを撃ち抜かずに機体の動きを止める』という離れ業を披露し、アニューが生存する。
あまりに人間離れした技術に驚愕した
沙慈・クロスロードに刹那は「
ロックオン(ニール)に射撃を習ったから」と答えていたが、
刹那の変革を感じ取っていた
アムロ・レイの態度から、これはイノベイター化が始まっていたことによって為し得た神業と推察出来る。
そもそも、ちょっと教えた程度で教え子にこんな事されたらニールも商売上がったりである。
また、プトレマイオスをメインに運用するなら他のキャラは覚えない「加速」等の優秀な精神コマンドがある為、プレイング的にも出来れば生存させた方が便利。
なお、第3次Z時獄篇では木星のCB基地で働いている事がライルの口から語られ、生存ルートが正史になった。
【台詞集】
「ですが…補給と整備には最短で5日を要します」
「あなたは?」
「見かけない顔だな」
「初めまして。活動再開と同時にソレスタルビーイングにスカウトされた、アニュー・リターナーです」
「スカウト?」
「一体誰が?」
「王留美に紹介されてな。アニューは凄いぞぉ。宇宙物理学、モビルスーツ工学、再生治療の権威で操船技術や料理に長け、おまけに美人だ。どうだ、なかなかの逸材だろう?」
「あ…宜しくお願いします……」
「これでお別れか…。アンタとは、もう少し話をしてみたかったが……」
「それが、お別れしないんです」
「ん…?」
「イアンさんの推薦を受け、プトレマイオスに乗船する事になりましたから」
「へぇ、そいつは……」
「そろそろ、ブリッジに行ったほうがいいんじゃないか?――どうした?」
「えっ!?あっ、何も……」
「緊張してんのかい?」
「そうですね、少し……」
「行こうか」
「はい……!」
「どなたと通信してたんですか?」
「野暮用だよ」
「気になるんです…」
「ん?」
「アロウズがプトレマイオスの位置を、何故あれ程までに正確に把握出来たのか……」
「……成程。リターナーさんは俺を疑ってんのか?」
「まさか…!疑問に思っているだけです。あ、それと…呼び名はアニューで良いですから」
「だったら俺もライルで良い」
「“ライル”?」
「ライル・ディランディ。俺の本名だよ」
「情報をくれたカタロンに、感謝しなきゃ…な?」
「ッ…!言っとくよ」
「ライルにも……」
「こんな状況で、全てが一つに纏まってゆく……!」
「ねぇ、ライル、聞かせてくれる?」
「何を?」
「あなたのお兄さんの事」
「……思い出なんか無いよ。俺は、ジュニアスクールの時から寄宿舎にいたんでね……」
「どうして寄宿舎に?」
「出来の良い兄貴と、比べられたくなかったんだよ…。戦う事より、逃げる方を選んじまった……」
「でも、あなたはお兄さんと同じ、ガンダムマイスターになった」
「ハッ、動機が違うって……。そういや聞いた事無かったが、アニューの家族は?」
「私の、家族……?」
「ああ」
「……私は、その……」
「フ…言いたくないなら言わないで良いさ。アニューは今此処にいる。俺は、それだけで良い」
「ライル……」
「アニュー、聞いてるか?」
「どうかしたの?」
「愛してるよ」
「ええっ?」
「おお〜ッ!」
「まさに狙い撃ちだな!」
「ていうか、何時の間に!?」
「凄いですぅ!恋の花が咲いたですぅ〜ッ!!」
「おめでとうございます」
「えぇ…っ、あっ、い、いいから行って!」
「オーライ!ケルディム、ロックオン・ストラトス、狙い撃つぜぇ!」
「何をする?そんな事決まってるわ。だって私は…イノベイターなんだから」
「リ、リターナーさん、止めないですか?今なら皆も……」
「黙って」
「は、はいです…!」
「フッ、あなたの存在を失念していたわ。Cレベルの脳量子使い。出来損ないの超兵……」
「止めとけよ、アニュー!」
「ライル……!」
「フッ、俺を置いて行っちまう気か?」
「……私と一緒に来る?世界の変革が見られるわよ」
「私を撃つの……?」
「ホント、愛してるのよ……。ライル……」
「興奮しないでライル!いい男が台無しよ!!」
「行きなさい!ファング!!」
「何故だ!?何故俺達が戦わなければならない!?」
「それはあなたが人間で…私がイノベイターだからよ!!」
「分かり合ってた!!」
「偽りの世界でね!!」
「嘘だというのか?俺の思いも、お前の気持ちも!!……ならよぉ!!!」
「アニュー、戻ってこい……。アニュー……!」
「ライル…私、私は……。愚かな人間だ……」
「アニュー…?」
「イノベイターは、人類を導く者……。そう。上位種であり、絶対者だ。人間と対等に見られるのは、我慢ならないな。
力の違いを見せ付けてあげるよ……」
「ライル…私、イノベイターで良かったと思ってる……」
「何でだよ……?」
「そうじゃなかったら、あなたに逢えなかった…。この世界の何処かで擦れ違ったままになってた……」
「いいじゃねえか、それで生きていられるんだから……」
「あなたがいないと生きてる張りが無いわ……」
「アニュー……」
「ねぇ…私達、分かり合えてたよね?」
「……ああ。勿論だとも」
「良かった……」
ライル…私、Wiki篭りで良かったと思ってる……。
何でだよ……?
そうじゃなかったら、この項目に逢えなかった…。このWikiの何処かで擦れ違ったままになってた……。
いいじゃねえか、それで追記・修正していられるんだから……。
あなたがいないと追記・修正してる張りが無いわ……。
アニュー……。
ねぇ…私達、分かり合えてたよね?
……ああ。勿論だとも。
良かった……。
- タグ介入できないやめろww -- 名無しさん (2013-09-28 15:54:59)
- スパロボで助かってよかった -- 名無しさん (2014-02-10 12:26:01)
- 第三次ZでロックオンをエースにするとDトレーダーの会話イベントで生存が仄めかされてて良かった良かった。 -- 名無しさん (2014-04-19 09:31:22)
- 木星基地にいるらしいが、是非加速して戻ってきてください精神コマンド的にw -- 名無しさん (2014-04-19 09:49:33)
- ↑続編に期待だな。え?劇場版にはいない? ハハッ、劇場版ダイコウジ・ガイを作ったスパロボならなんとかなるだろう? -- 名無しさん (2014-04-19 16:20:47)
- ↑おい聖戦士ショウ・コハ・ザマが睨んでるぞw -- 名無しさん (2014-04-21 21:19:56)
- イノベイドだから外見劇場版仕様用意する必要ないしな -- 名無しさん (2014-08-08 10:16:22)
- ↑ただし今更TV版を参戦させる必要があるという。そういや参戦させる必要が皆無だったのに参戦させられたガンダムがいたような…確かKで…うっ、頭が -- 名無しさん (2014-11-01 21:30:30)
- 木星基地ってのが良くも悪くも怖えよな……イノベイドだから間違いなくELSが追い回してくるし、救出ミッションでもやらされるかね -- 名無しさん (2014-12-21 02:13:43)
- ロックオンと彼女がデートするなら、由比ヶ浜の浜辺で夕日を眺めながらキスしたい -- 名無しさん (2015-12-25 23:30:17)
- あの時は本当に殺すしか彼女を救う方法がなかったんだよな…!!(彼女自身の意識は乗っ取られてほぼ生きながら死んでる状態、乗っ取ってるリボンズもあの時点ではどこにいるか分からないから刹那側は完全に詰んでる) -- 名無しさん (2016-03-24 23:33:38)
- ↑何等かの処置で、アニューの脳量子波の送受信能力を常人並みに落とすというのじゃダメかな? -- 名無しさん (2016-04-28 15:14:36)
- ↑確かスパロボの生存ルートで洗脳対策として脳量子波を遮断するヘルメットつけてた稀ガス。 -- 名無しさん (2016-05-10 21:38:09)
- ↑ ピーリスが自分の経験談から用意してくれました。…まぁ、アレスパロボだから即座に用意できたけど、原作じゃピーリスは製造技術までは知らないだろうなぁ、とは思う -- 名無しさん (2016-05-17 12:40:14)
- ↑×4 根拠のない理想に縋らず、有言実行で撃墜する刹那がCパートで黙ってライルにボコボコにされるとこまで含めて凄い・・・と思った。主人公と敵の強化人間のロマンスはもうシリーズでは使えないネタになったんだなって思った瞬間。 -- 名無しさん (2016-05-18 23:14:41)