猿代草太

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猿代草太 - (2018/12/17 (月) 00:20:31) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/02/04(土) 16:18:05
更新日:2024/02/21 Wed 03:39:59
所要時間:約 10 分で読めます





猿代草太(さるしろそうた)とは、逆転検事2の登場人物。
第2話『獄中の逆転』における、所謂容疑者キャラ。

気弱そうな風貌の青年。前髪を上で二つに括った特徴的な髪形をしている。
見た目そのまま臆病かつかなりビビりな性格で、「ムリムリ」が口癖。
特に御剣にはビビりっぱなしで、会って間もない頃は美雲を通さないとマトモに会話も出来なかった。
本人によれば職業はサラリーマン。年齢は24歳。

服装はピンクのパーカーに膝までたくし上げたジーンズ、パーカーの下には特撮ヒーローオニャンコポンのTシャツを着ている。
ちなみに靴もピンク




以下、ネタバレ注意。























実は逆転裁判2にも登場した「タチミ・サーカス」の猛獣使い見習いで、慰問ショーのために刑務所に出入りしていた。
逮捕の理由は内藤の遺体の側に転がっていたチェスボードに草太の指紋が付いていたため。

サーカス団員としてはまだまだ下っ端で、同じく逆転裁判2に登場したミリカが上司。
操るのはサルのルーサー……なのだが、その様子は猿回しというよりは”猿回され”で、ルーサーに髪をハンドルのように握られ、逆に操縦されているようである。
彼の名前の由来はそのまま「猿が代わりに操作する」であり、彼のモーションはよく見ると「見ざる・聞かざる・言わざる」になっている。

力仕事や雑用も彼の仕事で、日々散々コキ使われている。一応ショーにも出演しているが、ポジションは悪役。
上述のサラリーマン発言については、曰く「サーカス団員だって立派なサラリーマンです!」とのこと。

更に物語が進むと、内藤とは幼馴染の間柄だったことが明かされる。

また、彼は御剣や美雲と同じく過去に親を失っており、それが自身と似た境遇にあった御剣に心を開くきっかけになった。
内藤も草太と同様にちゃんとした家族がいなかったらしく、2人はお互いにとってたった一人の幼馴染だったという。

御剣は無事真犯人を突き止めて彼を救い出すが、この事件の解決をきっかけに、検事と弁護士の狭間で自分の在り方に悩んでいくこととなる。


ちなみに甘いものが好きではないらしく、信楽に勧められた時には断っていた。




つ、追記・修正なんてムリムリ!!




























これで出番は終わりかと思いきや、なんと第5話『大いなる逆転』にも登場。
ミリカと共に2話の事件を扱った裁判の傍聴に訪れており、突如姿を消した担当検事の弓彦の捜索にも快く協力してくれる。
無事弓彦が見つかった後は、公演の準備と練習の為にサーカスに戻っている。


しかし物語が進むにつれ紐解かれていく真実、そして現れた了賢の証言によって、事件の関係者として彼が再び浮上する。
真相を確かめるべく、御剣達は彼の待つサーカスのテントへと向かうが…?



以下、作品の根幹に関わるネタバレ注意。






































































………ふうん。
やっぱり、そう来るんですね。


あのときからそうでしたけれど、
ずいぶん自信タップリなんだなあ。




でもボク、けっこう好きなんですよ。
そんな自信を…… コナゴナにするの。



今作のラスボス。

第3話の真犯人風見豊実の息子であり、『逆転検事2』における事件…第1話の大統領暗殺未遂事件から第5話の大統領殺人事件、
過去の「IS-7号事件」や「SS-5号事件」に至るまで、その全てに何らかの形で関与していた一連の事件の黒幕である。
専用BGMは「ゲームをアヤツルモノ」。タチミ・サーカスのBGMのアレンジでもあるこの曲は、作品内での本人の立ち位置をこれでもかと強調している。

御剣に事件の黒幕であることを告発されると、遂にその本性を現す。
これまでの弱気な性格から一変、特徴的な前髪を下ろして別人のように動物達をまるで手足の如く操り、鋭い眼光で逆に御剣を追い詰めていく。
ここで彼の異議ありボイスを聞けるが、やたらいい声。


◆人物像
「人間という猛獣を操る猛獣使い」を自称する、人心掌握に長けた狡猾な人物。
また、頭の回転も速く慎重で、危機察知能力や証拠隠滅能力にも優れる。
更にはサーカスの特殊な各種業務をこなせるだけでなく、ボイスチェンジャー無しでの高度な模倣、点字翻訳など、あらゆる才能を併せ持つ傑物。


◆過去
全ての始まりは18年前に発生した「IS-7号事件」。当時の草太は、コンテストに参加する父親の手伝いをする無垢な子供だった。
しかし、事件の裏側で父親(=氷堂伊作)の命令に従わざるを得なかった内藤によって車の中に閉じ込められ、凍死寸前の極限状態に。*1
この時2人を助けたのがたまたま通りかかった了賢であり、以降草太は了賢を慕うようになるが、この事件のショックで記憶喪失になってしまう。
その結果、事件の被害者である氷堂こそが自分の父親で、内藤の父親(=風見豊)が自分の父親を殺したのだと思い違いをしてしまい、
殺人者の息子として内藤の事も恨むようになる。*2

その後は美和マリーが勤め、後に所長になったと思われる児童養護施設「ハッピー・ファミリー・ホーム」で暮らし始めるが、
草太はそこで「SS-5号事件」の一部始終を目撃してしまう。*3
それが原因でマリーから連日厳しい尋問を受けることになった彼は施設を抜け出し、
事件の犯人達(=マリー,万才,王帝君)への復讐心を抱きながら、万才の放った追手からの逃亡生活を送ることになる。*4


◆彼の行動とその目的まとめ(時系列順)
話数 第3話
事件 IS-7号事件(氷堂伊作殺人事件)
行動 なし。
目的 なし。この事件に関してのみ完全に被害者。

話数 第5話
事件 SS-5号事件(王大統領誘拐事件→(真)王大統領殺人事件)
行動 児童施設で火災を起こす。
目的 自身と了賢の痕跡を消し、注意を惹いて了賢を逃走させる。

話数 第1話
事件 (偽)王大統領暗殺未遂事件→外城涯殺人事件
行動 ・偽の暗殺計画を立案し、内藤に吹き込む。
虎狼死家左々右エ門に大統領暗殺を依頼する。
目的 ・計画立案 → 偽の計画を利用し、内藤に外城を殺害させる。
・暗殺依頼 → 同じく偽の計画を利用し、(偽)大統領を殺害させる。

話数 第2話
事件 内藤馬乃介殺人事件
行動 ・内藤と了賢が行っていた「通信チェス」の橋渡しをする。
・内藤への差し入れであるチェスボードの中にノミを仕込む。
目的 内藤と了賢に繋がりがあるように見せかけ、マリーに内藤を殺害させる。

話数 第4話
事件 籠目つばさ殺人事件
行動 ・美雲の名を騙り、つばさに万才の正体を教える手紙を送る。
・美雲を誘拐し、気絶した美雲にその返事の手紙を持たせる。(→赤いレインコートの人物)
目的 ・手紙 → つばさに万才を殺害させる、あるいは万才につばさを殺害させる。
・誘拐 → 美雲を事件の容疑者にすることで、御剣に事件の真相を暴かせる。

話数 第5話
事件 (偽)王大統領殺人事件
行動 ・相沢詩紋(水鏡秤の息子)を誘拐する。
・(偽)大統領を殺害する。
目的 ・誘拐    → 脅迫によってマリーに有罪判決を出させる。(同じことを考えた万才が逆の内容で水鏡を脅迫したため、不発に終わる)
・大統領殺害 → 自身の復讐の達成。           (構図的にはやや正当防衛に近く、この事件は草太にとっては計画外のものだった。)

このように4,5話の誘拐と殺人以外は一切己の手を汚すことなく他人を意のままに操ることで目的を達成させていった彼は、
御剣の推理すらも「マリーと万才にトドメを刺すための凶器」とし、自身の計画の最後のコマとして利用していた。


◆決着
IS-7号事件にまつわる真実(=上記の思い違い)を御剣から告げられると動揺し、自身の暗躍の一部を認めるが、
自分がしたことはあくまで手紙を送っただけで、殺人は結果に過ぎず、殺人教唆をしたわけでもない」と開き直り、
4,5話で発生した誘拐事件と殺人事件については「決定的な証拠が存在しない」として容疑を否認、あらゆる手を使って追及から逃れようとする。

しかし、詩紋が誘拐されていた冷凍倉庫の管理者が自分だったこと、大統領の死体をそこに放置することで死亡推定時刻を偽装していたこと*5
更にサーカスの宣伝に使われていた巨大バルーンこそが大統領を殺害"せざるを得なかった"際に使用した凶器であると推理されると、
弾痕に加え、大統領の遺体に付着していたシシユリ*6の花粉がバルーンのカゴ部分にも発見されたことで、犯人だと断定された。

最後のブレイクモーションでは、悲鳴を上げながらタチミ・サーカスの動物達に代わる代わるフルボッコにされる。*7


◆結末と余談
その後現れた虎狼死家に、「第1話で標的に関する情報を偽っていた(=大統領が偽者であることを黙っていた)」ことを理由に殺されそうになるが、
すんでの所で了賢に救われ、最後は了賢と共に刑務所へ入ることとなった。

仮に御剣たちの追及から逃げおおせていたとしても、虎狼死家に命を奪われていた可能性が高く、(この辺りの展開はを彷彿とさせる)
そう考えるとこの結末は彼にとって良いものであったと言えるかもしれない。


自身の実の父親が判明してからも、風見のことは「オレを捨てた男」だと否定し、何の繋がりもないことを強調していたが、
死亡推定時刻の偽装に冷凍庫を使うという行動、そして"自分を守るために、他人をギセイにする"という思想は、皮肉にも風見豊そのものである。
彼が"甘いものが嫌い"なことも、父親を失ったショックに由来するものだと信楽に推測されていた。


彼の名前の由来は表向きでは「猿が代わりに操作する」というある種のミスリードで通っているのだが、
苗字を「風見」に直すと「風味腐った」とも読めるという意見や、
極めて少数だが、内藤馬乃介と合わせて「意馬心猿」という四字熟語が由来ではないかという意見も存在する。





追記・修正は刑務所というワシらの家に帰ってからお願いします。

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