登録日:2012/02/26 Sun 22:41:01
更新日:2025/08/14 Thu 10:28:50
所要時間:約 15 分で読めます
ちょっと待って。マネージャーさんに聞いてみるから。
CV:内匠靖明(アニメ版)
【概要】
職業は俳優(アクションスター)であり、特撮番組「
大江戸戦士トノサマン・丙!」の主役、トノサマン・丙役を務めている。
「春風のようにさわやかなアイツ」がキャッチコピーであり、赤い
バイクスーツが特徴的。
人気俳優であり、特に「トノサマン・丙」は子供だけでなく女性にも好評で、その年のヒーローグランプリを受賞したほど。
名前の由来は、
荷星三郎(ニボシ)との対比で「大トロ」から。ゲーム内での表記は「オートロ」。
【劇中の動向】
第4話「さらば、逆転」にて、
ライバル俳優・藤見野イサオを殺害した容疑をかけられた被告人として登場。よって
成歩堂は彼を弁護することになるのだが、
今回は
殺し屋に真宵を誘拐され、真宵の命と引き換えに無罪判決を要求されるという、今までに類を見ない形の依頼となる。
緊急事態ということで、
イトノコ刑事も積極的に情報を流してくれる。
被害者の藤見野イサオとはデビューが近かったこともあり何かと張り合っていたが、いつも僅かな差で王都楼が勝っていたらしい。
実際、今回のヒーローグランプリでも彼が主演を務めた「忍者ナンジャ」は王都楼の「トノサマン・丙」に敗れている。
警察も、王都楼と藤見野のライバル関係が事件の動機であると考えていた。
ただ、成歩堂に弁護を依頼した殺し屋曰く、彼が殺人を犯していないのは間違いないとのこと。
非常に頼りない性格で、自分の担当マネージャーである
華宮霧緒にもいいように使われているほか、
ことあるごとに腕にはめている
携帯電話で誰かに相談しようとする。
面会室で堂々と
ピザを注文しようとしたこともある。
ちなみに、本来はグランプリ受賞後にトノサマンが記者会見を行い、ある事実を告白することになっていたが、
彼は「マネージャーさんに任せているし、自分は知らない」と、全く関知していない様子であった。
俳優としてだけではなく
バイク乗りとしても有名で、自宅の天井からバイクを吊り下げて飾っている。
ちょっと待って。1日目探偵パートのネタバレを聞いてみるから。
成歩堂への弁護の依頼を渋っていた王都楼だが、何故か殺し屋の名前を出した途端に態度が一変し、協力的になる。
釈然としないものはあったが、成歩堂が「藤見野イサオを殺害したか」と質問した時にもサイコ・ロックは現れなかったため、
とりあえずは安心して捜査を進めることに。
イトノコ刑事らから情報を集める限り、凶器に使われたホテルのナイフに王都楼の指紋が残っていたほか、
王都楼が着ていたトノサマンの衣装に忍者ナンジャ(藤見野)のボタンが挟まっていたなど、状況は極めて王都楼に不利であった。
1日目の探偵パート中盤では失踪していた
御剣怜侍が登場し、今回の事件に関する情報を与えてくれる。
曰く、王都楼のマネージャーである霧緒は一件有能でしっかりした女性であるが、信頼する人物に盲従する「依存」の性癖があること。
霧緒は、彼女に仕事をイチから教えこんだ先輩である天野由利恵に依存をしてたが、由利恵は2年前に謎の自殺を遂げてしまったこと。
そして被害者である藤見野イサオがその遺書を処分した疑いがあるとのことであった。
成歩堂はこれが今回の事件の動機なのではないかと、霧緒に対する疑いを強めていく。
また、成歩堂が留置所で王都楼に対して由利恵に関する情報を求めた所、
「余計な詮索はしないでもらえるかな」と、面会を打ち切られてしまった。
彼女の存在はこの事件において如何なる意味を持っているのか…。
ちょっと待って。1日目法廷パートのネタバレを聞いてみるから。
殺し屋が成歩堂を有利にするために担当検事であった
狩魔冥を狙撃したため、命に別状こそないが出廷できなくなってしまう。
そのため、御剣が担当検事となって審理が進行することとなる。
審理を進めていくと、決定的と思われた王都楼の有罪を揺るがす情報が明らかになる。
王都楼より身長の低い何者かがトノサマンの着ぐるみを着て現場を移動していたことに加え、
王都楼の指紋のついた
ナイフや衣装に挟まっていたボタンは藤見野の死亡後に細工されたと判明する等、
何者かが王都楼に罪を着せようとした可能性が浮上したのである。
また、王都楼が知らないと言っていた記者会見は藤見野がセットし霧緒が手配したことが判明。
藤見野が2体目のトノサマンの着ぐるみを着て、王都楼になりすまして会見をしようとしていたという。
つまり、記者会見は「告白」ではなく、王都楼にとって不利な事実を「告発」するものであった。
成歩堂は「由利恵の死を探る」という動機に加え現場の状況や一連の彼女の行動から、霧緒が真犯人であることを確信する。
しかし、霧緒は王都楼に罪を着せようとしたことは認めたものの、
藤見野殺害については最後まで認めず、「王都楼が真犯人である」という主張を取り下げることもなかった。
それどころか、「今度こそ罪を償わせてやる」と王都楼を憎悪するような意味深な発言も見られる始末。
結局、1日で無罪を勝ち取ることはできず、成歩堂は次回の法廷に望みを繋ぐことに。
閉廷間際、御剣は霧緒がその手に奇妙なカードを持っていることに気がつく。
サザエのマークがついたそのカードを確認した御剣は、急に狼狽するのだった。
ちょっと待って。2日目探偵パート中盤までのネタバレを聞いてみるから。
御剣の情報によると、カードは「
虎狼死家左々右エ門」という殺し屋の名刺であり、
依頼人に殺人容疑が掛からないように義理として残していくものらしい。
今回は霧緒がカードを持ち去ってしまったため、警察に発見されなかったようだ。
成歩堂は御剣に真宵誘拐の件を打ち明け、御剣は救出のために捜査班を編成してくれることに。
御剣は殺し屋に藤見野殺害を依頼したのは、王都楼真悟であると言う。
内容こそ不明だが、藤見野が王都楼の弱みとなる情報を公表しようとしていた以上、王都楼に動機があるのは確かであった。また、虎狼死家が誰にも依頼されていないと考えるのも不可能だった。
しかし、王都楼の有罪を信じるわけにはいかない成歩堂はさらに調査を進めることに。
殺し屋に藤見野殺害を依頼したのは霧緒なのか、それとも王都楼なのか。
御剣の便宜もあり、成歩堂は留置所で王都楼と霧緒に話を訊くことに。
王都楼に対して藤見野の記者会見や由利恵の死について尋ねるが、彼は知らぬ存ぜぬで全く協力してくれない。
だが、同時にサイコ・ロックが出現。彼が何かを隠しているのは明らかであった。
一方、霧緒に対しては王都楼に悪意を抱く理由を尋ねるも、こちらもサイコ・ロックに閉ざされ情報は得られず。
御剣の紹介状を頼りにホテルの調査を進めた際、
藤見野の控え室に置かれていたクマのぬいぐるみに盗撮用のカメラがセットされていたことが判明。
さらに御剣とイトノコ刑事の調査の結果、ぬいぐるみを購入したのは王都楼であることも明らかに。
王都楼は何故、藤見野の部屋を盗撮していたのか……不安を抱えながらも成歩堂は再び彼を問い詰めることに。
実際、この一連の流れでは弁護側に不利な情報ばかりが集まるため、かなり重苦しい雰囲気で面会に向かうことになる。
‥‥そろそろいいだろう、って。2日目探偵パート終盤と2日目法廷パートのネタバレを言っても‥‥
彼こそが今回の事件の真犯人であり、つまり逆転裁判2のラスボスである。
藤見野の部屋を盗撮した理由を
問い詰めた結果、彼が口を滑らせたことで、
殺し屋に藤見野殺害の依頼をしたのは王都楼だったことが判明。
つまりこの第4話は、「依頼人は無実」というシリーズの前提を逆手に取ったシナリオだったのだ。(一応、直接手を下したのは彼ではなかったが。)
それまで見せていた、多少イヤミではあったが大人しげな態度から一変、
髪で隠れていた部分には鋭い傷があったことも判明し、まるでヤクザのようなあからさまな悪人面に変貌する。
(この状態の彼は片手に大きなブランデーグラスを持っているが、一体どこから出したのだろうか?)
なお、豹変前でも電話でピザを頼もうとして断られて「‥‥断りやがった」と毒づくという、地味な
伏線がある。
王都楼は以前から自分に対抗心を燃やす藤見野の存在を目障りに思っていたが、
特に今回の記者会見で藤見野が王都楼の弱みを暴露しようとしたことがきっかけとなり、殺し屋に彼の殺害を依頼。
また、それと同時に用心深い王都楼は
殺し屋に依頼をネタに脅迫された時の保険として、彼の犯行をカメラで録画していた
。
それどころか、この映像をネタに
自分の方から殺し屋を脅迫し金を搾り取る
ことまで考えていたらしい。
そのあまりの悪逆非道ぶりは、あの成歩堂をして「キ‥‥キサマ‥‥‥‥」と激憤させるほどであった。
殺し屋は無事に藤見野の殺害を遂げるものの、いくつかのアクシデントや霧緒の工作により、王都楼に殺害の容疑が掛かってしまった。
そこで殺し屋は依頼人である王都楼への義理を果たすため、独断で真宵を誘拐し成歩堂に無罪判定を要求したのであった。
他人ってのはね、コキ使うモンだ。‥‥使い捨てだな。
ちょっとアマいカオすりゃあいい。‥‥チョロいもんさ。
豹変後、成歩堂に自分が犯した罪を暴露しても、殺し屋が誘拐した真宵の命を盾にしてどこまでもシラを切ろうとする。
成歩堂は王都楼が犯人であるとを知っていながら、真宵を助けるために彼の弁護を続けることを余儀なくされる。
御剣は警察と共に真宵の救出を試みるが、殺し屋がアジトにしていた王都楼の屋敷は既にもぬけの殻であった。
最後に再び霧緒と面会し彼女のサイコ・ロックを解くと、
藤見野の記者会見の内容と、王都楼と藤見野の因縁が明らかになる。
元々王都楼と藤見野は同期のライバルということもあり水面下で激しく対立していたが、
特に今回の事件の背景には霧緒の先輩である由利恵の存在が大きく関わっていた。
由利恵は元々王都楼の恋人であったがアッサリと捨てられ、後に藤見野と出会って婚約するも、今度は王都楼が藤見野にその過去を暴露。
プライドを傷つけられた藤見野が婚約を解消してしまい、これにショックを受けた由利恵は自殺してしまった。
後に藤見野は由利恵の遺書を発見するも、それを隠してしまう。
彼は忍者ナンジャがグランプリ受賞を逃した場合、トノサマンのグランプリ受賞後という最も注目の集まるタイミングで記者会見を開き、
王都楼に酷い仕打ちを受けた由利恵の遺書の内容を暴露することでそのイメージを傷つけてやるつもりだったようだ。
霧緒は由利恵の死を弄ぶ王都楼と藤見野を憎んでおり、
今回、王都楼に藤見野殺害の罪を着せる工作をしたのもそのためであった。
2日目の審理では殺し屋の存在が明らかにされ、その依頼人が誰であったかが議論されることに。
成歩堂が王都楼を弁護し時間を稼いでいる間に、イトノコ刑事と警官隊に真宵の救出を任せることになった。
成歩堂は証人である荷星の細かい証言にケチをつけたり、霧緒を真犯人として告発する事で強引に時間を稼ぐ。
だが、王都楼は殺し屋と接触した場面を荷星に見られていた上、
殺害の動機を裏付ける証拠品として、王都楼の仕打ちを糾弾する由利恵の遺書が提出されてしまう。
藤見野が記者会見でこの遺書の存在を公表しようとしたために王都楼は殺害を依頼したのだ、と。
成歩堂は追い詰められながらも何とか時間を稼ぐが、頼みの綱のイトノコ達は真宵の救出に失敗してしまう。
当初の方針を変更し、証拠品として使えそうな殺し屋の遺留品を法廷に届けて貰うまでの時間を稼ぐことになった。
弁護側が筆跡鑑定を要求した結果、遺書の筆跡は由利恵ではなく藤見野のものであることが判明。
証拠品による証明が出来なくなった検察側は王都楼の有罪を証明する証人として、なんと
トランシーバーを通じて殺し屋本人に証言させることに
。
『
1』4話のオウム召喚に続く、前代未聞のトランシーバー召喚である。
だが、殺し屋は御剣を裏切り、殺害を依頼したのは
華宮霧緒であると証言。
それによって一気に状況は弁護側に有利に。
しかし、成歩堂は霧緒に罪を着せることはせず、御剣と共に遺留品が届くまでの時間を稼ぐために殺し屋への尋問を行う。
だが、殺し屋はあくまで無罪判決を受け取らず尋問を続ける成歩堂の態度に不信を強めていき、遂には交信を打ち切られてしまう…。
遺留品の到着が間に合わず、成歩堂は弁護士としての究極の決断を迫られる。
「王都楼を有罪にして、真宵の命を諦めるか」
「王都楼を無罪にして、霧緒に罪を着せるか」
この選択はプレイヤー自身の手に委ねられることになる。
(ちなみにここで選択した「答え」は、その人にとっての「弁護士とは何か」を象徴しているとのこと。)
だが、成歩堂が答えを口にする直前、遂に法廷に遺留品が届けられる。
その中の一つであるビデオテープには、王都楼が保険として撮影していた、おそらく他に見た人がいないと思われる殺し屋が藤見野を殺害する姿が記録されている事を説明する。なおテレビアニメでは実際に再生して見せる。
……
王都楼が殺し屋を脅迫する
為の道具として。
これが王都楼が殺し屋の信頼を裏切っていた証拠となり、「裏切りというものを最も憎んでいる」と公言する殺し屋は王都楼との契約を打ち切り、
静かだが激しい怒りをもって
王都楼を次のターゲットとして認定
。同時に人質となっていた真宵も解放されることとなった。
こうして、王都楼は有罪なら殺人の共謀の罪で重罰、無罪放免なら殺し屋に命を狙われるという、どう足掻いても絶望な状況となり、震えながら汗を流し始める。
(殺人に限らず、刑法60条により共謀者は実行者と同等に重い刑罰を科される。下手したら実行犯より重くなるケースもある)
この時、再び王都楼を有罪にするか無罪にするかの選択肢が出る。(状況は上述の場面とは全く逆だが)
どちらを選んでも結果は同じだが、無罪を選ぶと
ナルホド君のドSっぷり
が拝めたりする。
最後の断末魔は
「……………………うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお有オオ罪おオオヲ有ヲお罪ヲヲヲヲおおヲヲオ有オおお罪ォォォ有ォォ罪ォォォォォ有罪ォォォ有罪ォォォ有罪ォ有罪ゥ有ゥ罪ッ」
である。ざまぁ。
真犯人恒例のブレイクモーションは、上記の断末魔と共に俳優にとって命とも言うべき自分の顔を掻きむしってズタズタにするというもの。
仮に2度目の有罪無罪選択で無罪を選択しても、「無罪判決を受けちまったら‥‥殺される‥‥!!」と王都楼自ら自供し、結果的に有罪となる。
外の世界で殺し屋に狙われ続けるよりは、刑務所に匿って貰った方がマシだという判断なのだろう。もちろん刑務所にまで乗り込んでくるだろうし、下手したら連行中に殺されて生きたまま刑務所にたどり着けないかもしれないが
なお、成歩堂は最後の証拠品提出前に千尋から
「『王都楼本人が無罪判決を求めなくなる』『殺し屋が王都楼との契約を解約する』の2つが現状を打破する方法」とアドバイスされており、
後者を選択したことによって、最終的には前者の方も達成した事になる。
【人物像の評価と考察】
この王都楼真悟という男、シリーズの
ラスボスが
『3』の人物を除きどこかしら身勝手な外道な要素を大なり小なり有しているなかで
- 元交際相手を深く傷つけ死に追いやっても反省する素振りを全く見せない
- ライバルを執拗に監視するために大掛かりな盗聴・盗撮の装置まで自室に備えていた
- 己は手を汚さずに自分以外の誰かに殺人の罪を着せようとする
- 挙句の果てには、被害者はおろか自分が依頼した殺し屋や弁護人すらコケにして嘲笑する
などの
自己中心的で卑劣極まりないその態度から、ラスボスどころか
逆転裁判シリーズの犯人の中でも屈指の救いようのない極悪人と言える。
だが結果的にそんな彼を追い詰めたのは、
他人を信頼しない自分自身の性格
だったというのも皮肉な話である。
もっとも、霧緒がカードを持ち去らなければ容疑を掛けられなかっただろうが
そして対する成歩堂が逆転の決め手となる証拠品を勝ち取ったのは、
本来対決する立場にあるはずの検事を含む、多くの人々との間に結ばれた「信頼」によるもの
だったのだから、これ以上なく因果応報の敗北を迎えたことになる。
ただし藤見野も藤見野で、上述のように王都楼への対抗意識という自分勝手な理由から由利恵を捨てて、
それが元で彼女を自殺に追い込んだばかりか、本物の遺書を隠蔽して偽物の遺書をでっち上げ、
挙句の果てには
王都楼を失脚させるための材料として由利恵の死すら利用しようとしていた
ことからも分かるように、こちらもどうしようもないクズと言える。
霧緒は藤見野の計画に加担していたのだが、それは彼を利用しての王都楼への復讐などではなく、由利恵の名誉のために遺書を探し出して破棄することが真の目的であった。
この経緯から王都楼ともども「最低の男たち」と吐き捨てており、王都楼に罪を着せる工作として彼の指紋付きのナイフを藤見野の死体に突き立てた事さえ全く罪悪感を抱いてなかったと語るほど、藤見野についても激しい憎悪を顕わにしていた。
善悪双方共に多様な被害者が登場する逆転裁判シリーズだが、藤見野はスケールはともかく悪辣さの面ではシリーズでも屈指の外道被害者と評して過言ではなく、
王都楼が後述のように劇中描写から同情の余地を考察されるのに対して藤見野側にそういった材料がほとんどないこともあり、王都楼より嫌うファンも少なからずいる。
前作に引き続き、こんなのに入れ込んでいたオバチャンの立場は……
とどのつまり、この事件の発端は
クズ男2人の喧嘩
だったといえるわけである。
こんなクズ共が人気を争う特撮ドラマの主演アクション俳優というのは何とも酷い話である。
王都楼は英都プロダクションから莫大な損害賠償を請求されたであろう。こんな不祥事の後でもさらにトノサマンシリーズが続くあたり、英都プロダクションも凄いバイタリティだが
前述の通りなにかしら張り合っていた二人だが人間としての醜悪さや最終的に物理的または社会的に殺されるという点も含めて皮肉にもこの二人は非常に似たよった点が多い。
また、このシナリオの展開自体が非常にややこしい上に、
2日目は真犯人は分かっているのに真宵を人質に取られているせいで何もできないという極限状態にあるため、プレイヤー自身も多大な苦労を強いられる。
その分、最後の最後に得られるカタルシスは他に類を見ないものであり、その苦労を越えるに値する価値があると言えるだろう。
ちなみに、彼は珍しく主要人物たちと過去に何の因縁も持たないラスボスだったりする。
それに加え、(例外こそいるものの)大きな社会的権力や地位によって成歩堂達を追い詰めるというパターンが多い逆転裁判シリーズのラスボスの中では、
本人のスペック自体は優れた容姿やそれによる人気俳優という立場であるものの、他のラスボスと比べれば飛び抜けたものは見当たらない。
しかしその悪辣さにより作り出された今回のケースは極めて成歩堂の勝算が絶望的であり、仮に王都楼が脅迫の材料を用意していなかった場合、確実に膝を屈することになっていた。
逆を言えば、彼はそのどうしようもない悪意だけで他の強大な権力や能力を有するラスボスと釣り合うだけの恐ろしさを秘めているラスボスであり、とにかく強さよりも嫌らしさや質の悪さで主人公達を苦しませるという、異質なベクトルのラスボスだと言えるだろう。
なお「依頼人が本当に犯人、または何らかの形で事件に関わっていた黒幕」という要素はその後もたまにシリーズに取り入れられており、油断ならない。
以上のように基本的には擁護の余地がない下衆と言える人物像だが、由利恵との関係・互いの感情については曖昧にされている部分が存在し、ファンから様々な謎が指摘されている。
まず根幹となる由利恵を振った件について、
実は原作では明確な証拠は存在しない。
霧緒が見たとされる王都楼の仕打ちが書かれたという遺書も藤見野が改竄してでっちあげた代物であり、
由利恵は王都楼への恨みを(本物の遺書に)一切残さなかった
と千尋からも推測されている。
王都楼は捨てた女であるはずの由利恵の写真(愛をこめてというメッセージ付き)を現在でも自宅に所有しており、
霧緒の言によると、王都楼が由利恵を振った理由に「爽やかなイメージで売っていたから」というのがあることや、
交際時期から考えると現在の時点で21歳の王都楼は当時未成年の可能性が高いことなどから、破局は本人の意志ではなかった、
それどころか後述の思い通りにならなかったただ一人の女という供述から霧緒の推測とは逆に
実際は由利恵が王都楼を振ったのでは
とする考察もある。
劇中では藤見野が遺書を偽造したことを知っていた可能性が示されているが、にも拘わらず遺書の回収を虎狼死家に命じている辺り、由利恵を自分が殺したという罪悪感は多少なり抱いていたのか、
あるいは純粋に由利恵を愛していたが故に、霧緒と同じく由利恵の死をも利用する藤見野が許せなかったのではないかという意見もある。
探偵2日目でも由利恵の名前を呟く描写があり、証拠品をつきつけるなどして彼女のことを話題にすると途端に不機嫌になる、
上記の「他人ってのはね、コキ使うモンだ。」の発言でも、現在のマネージャーの霧緒と虎狼死家については述べながらも由利恵のことは全く示さない、
荷星によると実は女癖が悪いというゴシップはあり、ただ一人思い通りにならなかった女がいたと語っているらしいことなど、由利恵に対して含みを持たせた言動は多いのだが、
公式からこの点について回答がされたことはなく、そこをどう解釈するかはプレイヤー次第だろう。
またこれらの情報を明確にすると、王都楼に同情の余地が生まれてしまうので、どうしようもない外道ラスボスとしてプレイヤーに倒させるために語らなかったのではという推測もされている。
そもそも被害者とされる由利恵もまだ10代の担当俳優に2回も手を出している大概な男癖である。
【原作以外のメディアでの扱い】
『1』をベースにした実写映画版においてもまさかの登場を果たしており、演じているのはリポーターの阿部祐二氏で、台詞も一応少しだけある。
阿部氏が出演している『スッキリ!!』では逆転裁判の特集が組まれた。
こちらでは所在不明ながら凶器と推測される忍者ナンジャの赤ギターを検察が持ち出したことに驚くという内容で、事件の実態が原作と大きく異なっている可能性が高く、彼が犯人だったのかどうかは定かではない。
アニメ版では尺の関係もあってか勾玉とサイコ・ロックが登場しないため、面会時に無実かどうかを問われた際の演出も変化しており
(一応、王都楼の秘密が暴れた時のみイメージ映像として登場するが)、
「藤見野とは良いライバルだった」「正義の味方なのにアイツを死なせてしまったのが悔しい」と涙ながらに語る演技で成歩堂を欺いている。
もっとも、人気俳優なので本来これぐらいの演技はお手の物なのかもしれない。
だが、同時に「もし弁護ができないと、コロシヤが…!」という言葉に対して「今何と言いました?コロシヤ…?」と反応するが、
この時に二人の「コロシヤ」の発音が違うという伏線が張られている。
字幕でも成歩堂は「コロシヤ」表記に対し、王都楼は「虎狼死家」表記である。(この時点で成歩堂はコロシヤの漢字は知っていない。)
流石にブランデーグラスは出さなかったが、豹変後の落差の激しさは健在。
ドスの利いた声で「もし俺が有罪になったら…分かってるよな?」と脅したり、「頼みますよ、大先生ー!」と嫌味ったらしく声を掛けてくる。
また、法廷で虎狼死家にビデオ録画の件が伝えられるシーンでは、パニックになって成歩堂に飛びかかろうとして係官に取り押さえられていた。
原作と同じく冥から証拠品が届けられる直前に有罪か無罪か決断するシーンがあり、
この時に成歩堂は一度弁護士バッジを外そうとしてからそれを止め、王都楼を指差そうとしていた。
また、前述通り原作での由利恵の遺書は藤見野による偽造であったことなどから、由莉恵が王都楼に対し抱いていた感情が曖昧にされているが、
アニメ版では本物の遺書に変更されており、由利恵の絶望と王都楼への憎しみが真実となったことで、原作以上に擁護の余地がない設定となっている。
ちなみにブレイクモーションは、判決が出る前と後で二回披露している。
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ追オオオオオオ記ををををををををを修おおおおおおおおおお正ヲヲヲヲヲヲヲヲヲをオヲオヲヲヲお願いオオオオオオオオしますをををおをををオヲヲヲをヲヲヲオオオオヲをっっっっっっ!!!!!!
最終更新:2025年08月14日 10:28