ファイアーエムブレム 烈火の剣

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ファイアーエムブレム 烈火の剣 - (2020/05/10 (日) 01:54:49) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/05/13(木) 05:31:09
更新日:2024/03/09 Sat 20:00:46
所要時間:約 6 分で読めます




『ファイアーエムブレム烈火の剣』とは、ファイアーエムブレムシリーズ第7作目として、
2003年4月25日に任天堂から発売されたゲームボーイアドバンス用ソフトである。開発元はインテリジェントシステムズ。



ファイアーエムブレム 封印の剣』の続編にして前日譚にあたり、前作の20年前のエレブ大陸(今作は主にリキア地方)を舞台にロイの父、エリウッドを主人公とした物語が展開される。

日本以外では本作がシリーズ第1作となり、2003年11月から2004年7月にかけて、
北米ヨーロッパオーストラリア及びニュージーランドでも『FIRE EMBLEM』の表題で発売された。
そして、2014年5月14日からWiiUのVCにて配信される。

また19年4月17日には本編28章「勇者ローラン」をベースにしたドラマCD『ファイアーエムブレム エクストラドラマCD 烈火の剣〜ローランの継承者たち〜』が発売予定。

また、本作のCMソングはお馴染みファイアーエムブレムのテーマではなく、平井堅によるタイアップ曲となる。


基本的なシステムは『封印の剣』とほぼ変わりがなく、ゲームバランスが調整され、新クラスが追加された。
天候という余計なシステムも導入され、雨や雪が降ると移動できる距離が減少する。
またストーリーの要所要所ではCGイラストが挿入される、場面によって主人公3人の表情が変わるなどの演出も加えられた。


本作では主人公が3人おり、序章からのチュートリアル的な内容を『ファイアーエムブレム外伝』以来となる女性主人公リン
中盤以降をロイの父エリウッドと、ロイの幼馴染リリーナの父ヘクトルが担当することになる。


また、プレイヤー自身を軍師として参加させることもできる。
使わないことも出来るが、軍師がいる場合自軍の命中率の補正や軍師がいないと入手できないアイテムがあるなど、数々の特典がある他、一部イベントに変化がある。
尚、軍師のデフォルト名は『マーク』だが、変更は可能。
また、誕生日や血液型を設定でき、その組み合わせで決まる属性と同じ属性のユニットは命中・回避に補正がかかる。
ちなみにこの軍師、少なくとも三回行き倒れて助けられている。


◆ストーリー

  • リン編
見習い軍師マークは旅の途中行き倒れ、目を覚ますと草原にある一軒のゲルの中にいた。彼の目の前には一人の少女が…。
少女の名前はリン。遊牧民族ロルカ族族長の娘であった。彼女は行き倒れたマークを助け看病してくれていたのだ。
リンは幼い頃、両親や部族の仲間を山賊の襲撃で失いその時から一人で暮らしていた。
彼女はマークが軍師修行の旅でエレブ大陸を旅していると知ると、剣の腕を上げる修行のため彼についていくことを決意。こうしてリンとマークの旅は始まった。

しかしリンとマークは、旅の途中に寄ったブルガルの町で騎士セインケントに出会い、
自身がリキア同盟キアラン家の直系であり、祖父がまだ生きていること、そして祖父の弟であるラングレンによって祖父と自身の命が狙われていることを知る。

己の出生を知ったリンは祖父の待つキアランに向かうことを決意し、道中様々な出会いを果たしながら、
ラングレンからの刺客、更には山賊や謎の集団との遭遇と、様々な困難をくぐり抜けていく。


  • エリウッド編

キアラン領のお家問題から一年後のこと。
フェレ領公子エリウッドは、突然失踪した父・エルバートを探すために騎士マーカスらと共に旅に出る。
途中、親友のヘクトルやリン達と合流。父探しの旅も光が見えてきた。
しかし、この後彼らがエレブ大陸の運命をかけた闘いに身を投じるなどとはまだ誰も予想はしていなかった…。

数々の事件の中でその名が浮かぶ暗殺組織【黒い牙】、そして彼らを操る謎の魔道士ネルガル。
大切なものを守るため、影に隠れた陰謀の中で、知られざる英雄たちの歴史に残ることのない戦いが始まった。


  • ヘクトル編

エリウッドがエルバート捜索の旅に出た同じ頃。
オスティアの侯爵ウーゼルの弟・ヘクトルは、親友を助けるために密偵マシューと共に城を抜け出す。
エリウッドやリン達と合流した彼もまた、エレブ大陸の運命をかけた闘いに身を投じることになる。

基本的にエリウッド編のストーリーをヘクトル視点でたどるが、細部が異なり外伝的な部分も描かれている。またヘクトル編でしか登場しないユニットもいる。
ある条件を満たすことで物語の裏設定や秘密が語られるのも特徴。ある意味本当の本編。


本作は前日譚なのもあってFEシリーズ初にして唯一の「戦争を題材にしないストーリー」であり、ストーリーだけ見るとむしろ王道RPGのような冒険譚的な内容になっている。


◇登場人物

  • リン
リン編主人公。
サカの民ロルカ族族長ハサルとキアラン公女マデリンの忘れ形見。
『外伝』以来の女性主人公。

リン編において、軍師見習いのマークが倒れているのを発見し手当てする。そのことがきっかけとなり、お互いに自分を磨くための旅に出ることになった。

ポニテに巨乳。スリットから覗く太もももエロい15歳(海外版では18歳)。
海外版だと乳揺れもする(日本版は設定ミスの為、揺れませんちくしょー)。

成長率は技と速さが伸びる典型的な剣士タイプ。実は力も人並に伸びる。


  • エリウッド

エリウッド編主人公。
リキア同盟フェレ侯爵エルバートとその妻エレノアの一人息子。
シリーズ伝統の王子様タイプの主人公。正しくは公子だが。公式年齢は17歳。正義感が強く何事に対しても礼儀正しく生真面目だが、時には大胆な行動力も持ち合わせる。

過去の主人公に比べても強い方なのだが、成長率が平均的すぎる為によくヘタレる&上級職がやや微妙(特にCC補正)なのが難。襟木。エリなんとか。

  • ヘクトル
ヘクトル編主人公。
リキア同盟盟主オスティア侯爵ウーゼルの実弟で斧を得意とする。公式年齢は18歳。
幼い頃からの親友であるエリウッドを助けるため、周囲の反対を押し切って戦いに身を投じる。

後の主人公達に影響を与えたイケイケ気質主人公第一号。斧世界の革命児。
アーマーナイト的な成長率だが速さの成長率もそこそこ、専用武器もCC先も強いとエリウッドとは雲泥の差。まあ革命児だから仕方ないね。

ヒロインとその弟。旅の大道芸人でニニアンは踊り子、ニルスは笛の奏者。
姉弟ともに特殊な力を持ちそれ目当ての怪しげな連中に狙われていて、リンやエリウッドらに助けられた縁で一行に同行するようになる。

恒例の踊り子とバード。味方の再行動が非常に便利だが、残念ながら同時に使えるのは片方だけ。


前作では支援レベルによる後日談変化は主人公ロイの恋人しかなかったが、本作では味方キャラほぼ全員に複数の後日談が用意された。
また、主人公エリウッド(ヘクトル編の場合はヘクトル)とある女性との支援レベルがAに達している場合、終盤のストーリーが多少変化する上、一枚絵の追加がある。

章の総数は多いものの、実質10章の下積み期間がある他雑魚敵のステータスも前作より低くなっているなど難易度は低めに抑えられているのでシリーズ未経験者にもおすすめ。
特に、今作より敵増援出現のタイミングが「敵フェイズ開始時」から「敵フェイズ終了時」が、難易度に大きな影響を与えている。どういう事かと言うと、出現した増援が動き出すまで1ターン分猶予が設けられているのである。
(ただし、これは突然湧いた援軍に奇襲されるという醍醐味を削いでいると言えなくもないが)
主人公が三人もいる配慮なのか、今作に限り上級職を倒した時にもらえる経験値が非常に多いのも特徴。


また各編にはそれぞれハードモードが用意されており、各編をクリアする毎に対応するハードモードがプレイできるようになっている。

リン編は難易度そのものは変わらず、チュートリアルで余計な行動を取らされないだけで、むしろハードの方が都合が良いこと多々。特にワロ…ワレスさんの騎士の勲章とか。

しかしエリウッド・ヘクトル編では従来のようにただ敵が強くなったり増えただけでなく、
敵の初期配置や増援が全く異なっているステージもあり、ノーマルで通じた戦術がハードでは通用しないことも多い。
さらに、出撃人数が少なくなったり獲得経験値が少なくなったりと味方を育てにくくなっているため、前作よりもクリアが困難である。

特にヘクトル編ハードはシリーズ屈指の難易度。
リン編経由前提のバランスなため、経由しなければ確実に詰む。それなりの覚悟を持って挑め。

また今作でも戦績評価は存在し、前作よりも項目がより細かくなっている。
そのためやりこみ度は高く、各難易度で総合S評価を獲得するのがある意味最終目標といえる。

…がこの基準はバグ等の影響のため非常にシビアであり、ハード以上になると前述の難しさと相まって、極めて高度なプレイングが必要となる。
特にヘクトル編ハードで評価Sを掴むのは、トラキア近年作品の最高難易度を普通にクリアするより遥かにキツい。




追記・修正はヘクトル編ハードをクリアしてからお願いします。

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