転売屋

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転売屋 - (2023/05/21 (日) 16:50:15) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/12/07 Wed 17:16:12
更新日:2024/04/22 Mon 04:27:28
所要時間:約 33 分(説明を含めると62分、さらに注釈も含めると71分)で読めます






転売

意味:ある人から買ったものを、そのまま他の人に売ること。

三省堂の国語辞典より






【概要】

転売屋とは、上記の意味通りにそのものを楽しむのではなく、他者に転売する目的で同人誌、限定グッズや流行の品、需要が供給を遥かに超えた商品などを買占め、
専門店やヤフーオークションなどのネットオークションサイト等に売る業者を指す。
「転売」と「バイヤー」をかけて「転売ヤー」と呼ばれることもある*1

全ての転売が悪とは限らない

まず最初に知って欲しいことは、「転売」と「転売屋」は解釈次第で非常に広い範囲を指すということ。
従って転売=違法、転売を行う人=転売屋、のように単純にイコールで結び付けられるものではない
買ったものを他に売って利益を出すという行為だけで定義した場合、我々の日常に欠かせないスーパーマーケット等も転売と解釈する事ができるからだ。


野放し状態の悪質転売

だが転売行為に悪質さが伴えば立場は一転し、本来その物やサービスを欲する人から、業者・個人を問わず忌み嫌われる事になる。


【何が悪質?なぜ嫌われているの?】

まず前提として、日本の資本主義経済においては、消費者が商品─というか娯楽品を購入する権利は完全には保障されていない。
生活必需品の類については、国民の生存権に直結するので一定の国による介入が行われるが(「公共料金」の存在はその分かりやすい例である)、生活に直接影響しない娯楽品の買い占めや転売については「基本的には」法律や国の介入する対象とはならず合法である。

これは娯楽品はあくまで欲しい人だけが買えばいい上に、売り方の性質も多種多様であるため。
転売という言葉の範囲がせどりや一般の小売まで含むため、画一的な法規制が現実的ではない事情もある。
言ってしまえば
「そういうものが転売されて買えない客が出たとしても、販売側が対策を取るか、消費者側で頑張って買いなさい」
という話になるのだ。

「所用などで店に並ぶことができないが買いたい人」がいるので、誰かが代理で買ってきて商品を渡し、その手間賃を受け取る範疇にとどまっているのであれば、特に誰も困るわけではない。*4
子供にお使いをさせて小遣いを渡すのと同じ原理だが、これを問題視する人はいないだろう。

そんな風に考えた結果、転売がダメな行為だといくら言われても、単なる「商売の失敗」「出遅れた者の買いそびれ」「単なるお使いやバイト」程度に考えてしまい、実感を持てない者も少なくない。
本来は転売に困っている側の立場なのに、転売否定側に挑発的な発言をして炎上してしまったり、転売屋を筋違いな意見で擁護したケースもある。
では、何故「いわゆる転売屋」が問題行為なのか、以下に書き記していこう。


買い占め

最も問題視されているのはこれだろう。というか、これを発端に連鎖的に様々な影響が出ていると言った方が正しいかもしれない。
「転売屋」と呼称するから「正当な転売だ」「単なるお使い役だ」「大人買いしてるだけ」と強弁する者が出るのであって、「買占め屋」と呼んだ方がいいという意見もあるほどだ。


以下、転売屋による買い占めについて、よく上がる話題と疑問についていくつか取り上げる。


誰が買っても売り手にとっては同じでは?

メーカー側の立場からすると、「買い占め」行為をされても売り上げになるのは同じで、誰が買っても問題が無いかのように見えるが、実はそう単純でもない。

メーカーとしては、一つの商品を買った人が同じジャンルの関連商品や、後に続くシリーズ商品まで買ってくれることを期待し、先を見据えた販売戦略を立てていることが往々にしてある。特に嗜好品の類はその傾向が強い。
また、メーカーや商品のジャンルによっては、そうした後に続く商品を利益の要に置くため、最初に販売する商品をあえて原価割れ寸前の価格で販売するという戦略を用いることもある。
が、転売で最初の商品を割高で売られてしまう事で、消費者が後続商品を買うための資金が外へ流れてしまったり、消費者が転売価格を敬遠した事で商品が行き渡らなかったりすると、メーカー側の戦略は崩れてしまう(後者については転売屋側も不良在庫で自滅するが)。
その結果、メーカー側は最終的に得られる利益が減ってしまう。
「売っても売っても大して利益が上がらない」ならまだしも、下手をすれば「売れば売るほど損をする」という事態にまで陥りかねない。
転売屋の存在は深刻な問題なのだ。


元の価格が安すぎるんじゃないの?

しばしば聞かれる転売屋の言い分として「売り手が実態の需要に合わせた値付けをしてないだけ」というものがある。
確かに、転売屋が狙うような商品に設定されているのは「希望小売価格」となっており、これは目安であって強制ではないため、小売はこれを外れた価格で売ってもよい(相応な理由があれば尚更)。
また電化製品などはメーカー側が希望額すら出さず小売店に完全に任せる「オープン価格」になっている場合も少なくない。
そして希望小売価格にせよ、オープン価格で小売店が決めた場合にせよ、すぐ売れた場合は生産者と小売店の両者が儲かる数字を付けるという大前提がある。
つまり転売屋に買い占められたとしてもひとまず満足できるほど利益が出ているはずで、そうでなければ「変則的な商法をしている」とみなされる。
個人の財産をどんな値付けで売ろうが個人の自由、それを国や第三者が制限する方が法や社会通念上はるかにまずいという原則があり、これが生活必需品でない品の転売を国が基本的に規制しない理由となっている。

しかしだからといって問題がない訳ではない。


もちろんメーカーや小売店で値段を決めているのも結局は人間なので、希望小売価格や(オープン価格の場合の)実勢価格が必ずしも最適な価格に合致しているとは限らない。
だがそれでも簡単には価格を変えられず、後述の転売対策においても抽選や受注生産など公平性確実性を重視した方式が多用される理由はここにある。
当然、曲がりなりにもプロが算定している価格より、アマチュアの転売屋が決める価格の方が適切だったという事態はそうそう滅多にあるものではない。
またそうした価格は卸や小売りと言った既存の流通を前提につけざるをえないため、転売屋が現れることを前提に価格を付けることは難しいのである。

※例外
なおリサイクルショップなど中古商品を主力とした業種(古物商)になると話は全くの別で、これらの特殊な事情を考慮した販売をすることはごく当たり前にある。
中古品を扱う店は、しばしば絶版・廃盤になった商品を扱うためだ。
小売ルートでの入手方法が絶たれ、なおかつ欲している人が未だに少なくない品物であれば、小売店に並んでいた頃の小売希望価格や実勢価格を超えても買い手が現れる(プレミアが付く)ためだ。*6

転売屋の買い占めの理由として説明した「強引にプレミアを付ける」とは、この状況を力業で作るということ。
数量限定品なら新品市場から一瞬で消し去り、数量限定じゃない品も供給が追い付かない速度で買い集め、小売ルートでの入手方法を絶ち、消費者が不満のある価格に従わざるをえなくして儲けることが目的なのだ。*7
規模は違うが、事業者が連合を組んで価格を決めることで価格を決めて値段をつり上げる「カルテル」や官公庁の仕事などを請け負うに当たって値段を決める「談合」と構図は同じである。
もちろん両者とも原則として違法である。

生産量が足りないから問題になるんじゃないの?

よく「買い占めできるような少量しか作れないメーカーが悪い」と開き直る転売屋が少なくないが、たとえ供給量が不十分だとしても「最低限の供給分だけは即座に品物を欲しがる消費者の手に渡る」という事実を無視した完全なる暴論でしかない。


やってることは普通の業者と同じじゃないの?

悪質な転売屋ほど自らの行為を「健全な経済活動」であるかのように主張するが、言うまでもなく詭弁である
買い占めから生じる二次的な影響として、確実に正常な流通が滞るからだ。
メーカーが生産した商品は普通は「メーカー→卸売業→小売店→消費者」と段階を経て消費者へと渡る。
一見すると無駄に見えるこの多段的な取引は、冒頭でも「取引単純化の原理」として触れたように、実は素早い流通を成立させるために生まれた流れであるし、小売価格もこの流れを前提に組まれている場合が多い。

が、ここに転売屋が現れると、小売店から消費者へ商品が行き渡ろうとしている、いわば流通の最終段階に来ていたのにそこに割り込む形で転売屋のもとに商品が集められ、そこから消費者を再度募る形となる。


でもでも遠方やお店が近くにない人は買えなくて困っているから、転売屋が救済措置になる筈だよ?

これも詭弁である。
そもそも古来から通販や最寄りの店に配送してくれるサービスが存在したし、近年ではAmazon等の大型通販サイトで送料と手数料を付加するだけで発売日に配送してくれる形態が確立されたので第三者の妨害が無ければ何事もなく少ない手間で商品が買えるのだ。*8
転売屋はこうした遠方やお店に行けない忙しい人に売り付ける為、こうした販売手段に対しても強引に買占めを行い、売り付けてしまう。
実際ネット販売形式のホビーは、注文解禁と同時に自動注文ツールを用いて一時間にも満たない内に転売屋のみに届くという結果で完売させてしまい、転売価格で販売されてしまうケースが多発している。

ただし、「地域限定商品」「テーマパーク・イベントのグッズ」「店舗限定特典」などの転売はこの限りではない。
実店舗に行かせることを目的にしていることから公式がネット販売することは少ないし、「世界中どこでも限定品が買える」「地域外からの需要を増やす」という立派な付加価値を生み出しているからだ。*9

販売している店舗が大幅値引きしなくても在庫処分できるよ?

とある模型雑誌社の編集担当者がTwitterで言い放って大炎上、自分を退職処分に追いやった転売擁護理論である。

小売店にとって、仕入れた商品が在庫となってしまい抱えこまざるをえないという状況は確かに痛い状況である。値引き販売するにしても、その分店の得る利益は減少する。
転売屋が本当に在庫を始末してくれる存在ならば、確かに小売店にとって転売屋が助けになる側面もないわけではない。

しかし、現実には転売屋が小売店の在庫リスクを解消する可能性は限りなく低い。

というのも、店舗が抱えて困る在庫品は、高額な値付けなど見込みようもない品物ばかりである。
これに対し、転売屋が狙うのは高額な値付けでも売れることが見込める品物。
当然、そんなもの小売店でもあっという間に売り捌けるもので、在庫になることはない。
つまり、転売屋が普通に活動したところで在庫がはけたり、店側の利益になる可能性はない。
あるとすれば、転売屋が人気を読み間違えて不人気商品を買い占めたときくらいである。ざまぁ

加えて、前記したとおり小売店にとっては集客道具でもある目玉商品がすぐになくなる、管理のために手間がかかるなどのデメリットも多い。
「在庫がはけるから店舗にとっては助かる」という理論は、転売屋の実態に全く即していないのである。

購入後のサポートが失われる

電化製品や精密機器の場合、もし転売屋から購入した製品に何らかの初期不良が発生していた場合、正規ルートで購入した商品ではないのでメーカーから「中古品」と見なされてしまい、無料修理保証の対象外になってしまうケースが多い。
このようなケースの場合、返品や補償を要求しても転売屋はその時その時で商品を売り切ればいいと考えており、もし仮に(悪質転売をしている時点で真っ当とは思えないが)真っ当に対応しようとしたところでメーカーや卸業者から代品を手配できるようなパイプがある訳でもないので、十中八九突っぱねられる。
契約に当たって「ノークレーム・ノーリターン」と書いてあるのはそれが目的というケースも少なくない。
酷くなると、連絡すら取れなくなってしまう場合も……。
なので結局は購入者が泣き寝入りするしか無いというのが実情。
酷い時は転売屋から購入した商品のクレームを製造元へぶつけると言うケースも発生する。

結論

これらすべてをひっくるめて一言で表すと

悪質転売屋とフリマサイト等も含めた個人売買サービス以外、誰も得をしない

これが悪質転売が悪質たる所以である。


そして、このような転売屋(及び擁護してる人)は利害関係者全員に損害を与えておきながら、自身の正当化のために
  • 「転売は正常な経済活動である」*10
  • 「売り手から正常価格で買っているのだから問題ない」*11
  • 「買い手に購入のチャンスを広げているのだから悪く言われる筋合いはない」(買占めによって店舗での購入チャンスは確実に減るし、高額出費を強いるのだから悪く言われるのは当然。)
  • 「プレミア品を扱うせどりやリサイクルショップだって適正価格より高く売っているのに、俺達だけ叩かれるのは不公平だ!」*12
  • 「会社の備品を横流し等よりは金を払ってるから、正当だろ?」*13
  • 「先に買えなかった奴が悪い」*14
  • 「俺が速く多めに買ってるから企業も感謝してる!」*15
  • 「転売屋だってリスクを取っているのだから儲けて当然!」*16
  • 「深夜から並ぶなり、努力をしないからだ」*17
  • 「購入者もブームが過ぎ去ったり、入荷数が安定したら飽きて店の棚の肥やしにするんだろ?なら、転売屋は店にも貢献してるだろ!」*18
  • 「転売屋はプラモデルやおもちゃといったニッチな人しか買わない物しか取り扱ってないから迷惑はかけてない!」*19
  • 「問屋や卸売業者や小売店だって問屋を介しているから、実質転売屋だ!!何故俺たちだけ文句言われるんだ!!」*20
  • 「転売屋だって生活がかかっているんだ!それを規制するのは可笑しいだろ!!」*21
  • 「俺が金を払って手に入れた商品を俺がどう処分しようが、そんな物は俺の自由だろ。」*22
  • 「別に法に抵触するような行為は犯していないので問題無い。」*23
  • 「ファンは複数個買ってるのに俺らは駄目ってか?」*24
  • 「俺達、転売屋がいるからお前らは楽して欲しい品物が買えるだろ?むしろ、感謝するべきだろ!」*25
  • 「転売屋は小売りの役目を果たしている!!」*26

などと大抵は、「自分は悪くない。正当な商売だ」「買えなかったそいつらが悪い」等買えなかった消費者の神経を逆撫でするようなことを正論を言うかの嘯くのだ。
黙っていればいいのに(良くないが)こんなんだから多方面から、疫病神や蛇蝎の如く忌み嫌われるのである。

転売屋が命にかかわる事態を招いた歴史

戦後の食糧難の時勢には、国に食料備蓄がなく配給食糧では到底足りない所を狙い、食料品を扱う転売屋が現れた。
農家などにあった食料品を買い占め、配給食糧では到底足りない人々に闇市で売りつけたが、その値段は公定価格の数百倍にも及んでいた。
闇市の売人も、自分自身が悪質な転売屋からでも買うために金が必要で、自分だけ安値で売っては干上がってしまうので高値を付けざるを得ず、値上がりの悪循環が発生してしまった。
ただでさえ国民全体に食料が行き渡らない中、こうした転売屋の値段の釣り上げを契機とした物価上昇によって闇市の食料は飢えた人々にますます行き渡らなくなった。
それでも買うだけの金や物々交換に出す品物がある者は闇市で命をつないだが、金の無い者は繁華街ですら餓死する事態となった。

当時、食糧管理法で国の関与しない食料品の売買は違法とされており、買っただけでも処罰対象であった。
実際飢えて闇市の品物を買っただけで処罰された人も少なくないし、闇市の食料を拒否した結果餓死した裁判官もいた。
これらを取り締まることは法律上は全く問題なかったのだが、敗戦に伴って国が代替的な経済政策を打てず、強硬に取り締まることが難しくなってしまったために起こった例でもある。

食料品のような生活必需品に転売屋の手が及べば、いよいよ人々は「買わない」という選択肢がなくなり、転売屋の言いなりの高額な費用を出すしかない。
最近でもコロナウイルス対策のためのマスク(現在は法規制済)や病気のペットの専用食と言った必需品が転売屋に狙われ、転売屋の標的になった品物を必要とする人々は泣く泣く高額を出すか、買えずに大きな被害を受ける羽目になっているのだ。

【対策】

消費者側の対策

転売屋の社会問題化が深刻になったことを受けて、近年では消費者一人ひとりに出来る対策として

「悪質転売屋から新商品を買わない、そして転売屋だと思われる者と関わらない」

という意識が浸透し始めている
誰も買ってくれないなら、転売屋は在庫を抱えて大損させられるのだから。
終戦直後の食糧管理法でも、ヤミ米は買うだけでも犯罪だったし、今でも泥棒から盗品を盗品と知りつつ買えばそれも犯罪である。
転売屋が基本的に犯罪でない以上転売屋から買っただけで罪ということはないが、「買うことが転売屋を助けている」ということは意識しなければならないし、転売屋を罵ったところで買った者が転売屋に養分を与えたという事実は消える訳ではないのである。

ただし、上記の様に転売自体は悪では無いし絶版品や市場に出回りにくいマイナーな品を対象に個人転売をしているケースもある。 「転売は悪だから」と決めつけてこうした転売屋も不買運動で排除すると今度は生産中かつ店舗でしか商品が入手できなくなり後から商品が欲しいと言う客層に不利になってしまう。

また、「転売屋経由とはいえ曲がりなりにも買ってくれている」のと比べるとメーカー側の転売被害は全く収まっていないかむしろ悪化しているのも確か。
上記のゲーム機の例なら、転売屋経由の購入でもメーカーとしてはとりあえずある程度のソフトの売り上げの受け皿は期待できるが、誰も買わないと受け皿自体がなくなってしまいもっと損をしてしまう。
購入者達が涙を呑んで転売屋からの購入を我慢しても商品自体は買い占めた転売屋の手の内で流通は止められてしまうし、企業側に財力が無いと増産されないケースも多いので結局は転売屋経由で手に入れなければならないと言う事も多いのだ。

実際、転売屋は例え相手が悪質だと理解しても買いたくなってしまうほど魅力的・必要性の高い商品を標的にするため、「言うは易く行うは難し」の見本のような話である。

一方で転売屋に関わらないというのは当たり前に見えて意外と盲点なので注意が必要である
転売に手を染めるのは安易にお金を儲けたいから…即ち今現在お金が無く、判断や思考も鈍い者が大半である。
そんな転売屋が元手を用意できるケースは稀であり大抵は「儲けを出せば簡単に返せるから」と安易に知人友人から借りるか家族の貯金に手を付けて軍資金として転売を始め、そして大抵は在庫をさばけず盛大に爆死するのだ
こうなると転売屋本人の自己責任だけでおさまらず、身内や軍資金を与えた者達も共犯者として周囲に白眼視されてしまう可能性が高いのだ。
下手をすれば
  • 自分が貸したお金で、自分が買いたかった物を転売目的で買い占められた結果、自分が買えなくなった
  • 特定の集団(学校や会社)の何人かが転売行為を行ったせいでその集団全員が店舗の出入り禁止対象になる
  • 家族の一人が勝手に家の貯金に手を付けて転売行為を行って貯金を使い込み、更に周囲にバレて白眼視された結果、決まっていた進路がパーになったり会社をクビになって一家が崩壊してしまった
…など、もはや金銭だけでは済まされない問題も発生してしまうのだ。

但し、転売屋と思われる人物を直接非難したり周囲に拡散して伝える等の行為は絶対にやってはいけない
上記でも述べられているが商品の購入自体は(店側の規則を守って買い方に問題が無ければ)たとえ転売屋であっても合法で購入権利は与えられるべきであり*27店舗運営に関わっていない周囲が他の購入者(転売屋含む)を個人感情や安易な正義感で非難し、購入を阻害できてしまったらそっちの方が問題であり、下手をすれば経済活動を阻害している転売屋と同類となってしまうのだ*28
安易に拡散した結果、身辺情報を特定されて上記の通り本人だけでなく身内も多大な被害を被る、下手をすれば無関係の人間をレッテル貼りしてその人物や周囲に多大な被害を与えてしまう可能性さえあるのだ。
こうなると最早転売屋の糾弾では済まされず誹謗中傷として罪状が課されてしまう、覚えておこう。

また、転売ヤーはその商品を商材としか見ておらず、内情等は基本的に把握していないため過去には転売ヤーに大損させて撤退させるためにファン同士で結託して、不人気商品を「転売ヤーに買い占められた」「どこに行っても売り切れている」等とツイッターで呟き、更に手の込んだものになると事前にその不人気商品をメルカリ等で数万円で複数出品し、その画像を乗せて公開するなどしてあたかも人気で品薄な商品に見せかけ、転売ヤーに不良在庫を抱えさせた例もある。
とはいえ、このやり方は製作側にとっても「不人気商品前提にされている」「まるで、ファンから腫れ物みたいに扱われている」「例えそれが失敗作だったとしてもそんな更に評価を貶めるような道具に使っていいのか」「楽しんでもらいたいと思って作った商品を他人への攻撃に使われる」ということで、あまり気持ちのいいものではない。
最悪転売ヤーではない一般消費者がこうした情報の巻き添えとなって不人気商品をつかまされてしまい、「制作側のステマ」という疑惑が立って無関係の制作側が攻撃される事態を招くことも考えられるので控えるべきである。


販売店&メーカー側の対策

値上げをすべきだ、増産をしろという指摘は転売屋が言うのはおまいうではあるが、メーカー側の対策としては決して間違っていない。価格が上がれば、転売屋にとってもそれだけ多くの買い占め資金が必要になるからだ。
もちろん転売屋対策のためだけに値段を設定するわけにはいかないし、完全な値段設定はもとよりあり得ないが、まずはそこから考える必要はあるだろう。
+ 実際に行われた転売対策
なるべく転売屋に買い占めを難しくさせつつ本来の客層には極力負担にならないように値上げする方法として、標的になりそうな商品とそうでない関連商品を抱き合わせて合算分の価格にするという方法がある。
実際に転売対策として行われた例としては、とある野外音楽フェスで「入場ゲートに最も近い駐車場券」が狙われたのに対抗して、
ある年を境に駐車場券の単体販売が廃止され「入場券*29+駐車場券」のセット販売に限定されるようになった。


販売店は先着順ではなく抽選券の配布などで公平性を出そうと努力している。
企業によっては不自然に購入回数が多い人間は指名手配すらしている。

販売店によっては、クレジットカードに限らせることもある。
クレジットカードは第三者与信による信用販売であり、取引は第三者によって記録されているため、転売行為がマネーロンダリングと見做され目を付けられやすい。
また、高額商品の場合に現金を持つリスク面では本来の購入希望者においてもメリットがある。
似たようなパターンでは、使用履歴のあるポイントカードを必須とする店舗もある。

怪しげな客には売らないという店も。
この場合怪しげな客とは、大量購入をする者や人海戦術要因の疑いがある外国人*30・中高年*31などである。
しかし当然だが外国人の客や複数人に配るため数がいる客、よく知らないものを親類友人の代わりに買いに来た客もいる。それらをどこまで見抜けるかという点には疑問符のつく作戦である。

策を練った販売店では、店舗での購入履歴による購入可否の都度判定や、「商品名を正確に言えない場合は購入できない、させない」という対策を取ったケースもある。

ライブや遊園地の場合は、オークションサイトを監視、高額で転売されたチケットは利用できなくするようにしている。
さらにチケットを電子制にして本人以外は入場できないようにし、そもそも転売できなくするようにする試みも。

同人界隈においては、一部のサークルなどでは限定本を出さない、1人1冊のみ販売などの販売制限対策をとっている。

TCGなどのブラインド商品では、購入時に店員が箱のシュリンク(外袋)を開封し、未開封ボックスの転売価値を下げると言う事も行っている。
開封品のボックスは、サーチ(レア抜き)やシャッフル(複数のボックスを混ぜる事)がされていない事が証明できなくなり、
TCGはボックスを未開封で保存しておくコレクターも多い事から、シュリンク開封済みボックスは価値が大きく下がる。
ただし、TCGの場合はBOXで売るよりも、開封して売った方が高額になる事もある為、完璧な対策とも言い切れないのが難しい所だが……

また2021年9月、客がプラモデルをレジに持ってきた際、その場で外箱を開封してランナーを梱包している内袋をズタズタに破り、さらにニッパーでランナーをバキバキに破壊する、それを拒否する客には販売しないという画期的な転売対策を行う店がネット上で話題に上り、称賛されるケースも発生。
内袋やランナーが傷付いてしまえば再販価値が激減してしまうものの、いずれにせよ最終的には廃棄物であり、プラモデルを組む際には全く何の問題も無く、商品本来の価値は損なわれていないという事実を巧みに利用したケースだと言えるだろう。

ゲーム機等は現在購入時に販売店の刻印措置を行うようにしており、刻印が無い場合保証は一切無しというスタンスである。
転売屋の売り付けるゲーム機は事実上「中古」となる。
(これについての問題は後述)

全く逆の対策として購入・転売を制限しない対策もある。
販売前に注文を募る事で、数量限定にしつつも欲しい人に確実に行き渡らせる「受注生産」が分かりやすい例だろう。
例え転売されても被害は軽微だし転売屋も商売として成り立たなくなるが、反面敷居が高くなってしまってライトなファンを客層としにくくなるデメリットもある。
また、コロナ禍などによって受注生産体制が崩壊した結果受注販売が出来なくなってしまい、抽選制に切り替わったケースも存在する。

また、さらに大胆なかつ単純な方法として「買われる限り製造を続ける」ことを対策とする企業も存在する。この場合、企業の側から頑張って作ってます!とばかりに再販のアナウンスがあることが多い。
「転売屋から買わなくても手に入る」のであれば皆が割高な転売からは離れていくという寸法だ。
ただ、「多少遅くても手に入ればよい」消費者には効果があるが、「一刻も早く手に入れたい」というスピード勝負な消費者には効果が乏しい。
また、企業体力が無いと増産が出来ないし、「本来予定の無かった生産を急遽行う」と言うケースに陥った場合、企業にとっては勿論製造材料や部品を取り扱うメーカーの生産ライン、卸売業者に悪影響が出る可能性も無いとは言い切れない。

そもそも、転売対策は基本的にメーカーが過剰生産したり購入を抑制したり商品価値を落とすと言う商品に関わる全ての者(製造者、流通業者、販売者、購入者)に負担がかかるやり方である事に変わりは無いので
シリーズの商品展開に悪影響が出たり、製造業者の労働環境の悪化を招く可能性がある事、
新規購入者が購入の敷居の高さを煩わしいと思ってその商品から手を引く、或いは「購入の際の手間を省く経費と割り切って初めから転売屋で買う事を選択する」と言った逆効果になる可能性、
プレゼント用や当日行けない購入者の代理で購入した際に開封、上記のランナー切断措置を取られたせいで「勝手に開けた」、「同じ商品を買ったから中身を入れ替えた(TCG)」、「ワザと壊した」と疑われて人間関係にダメージが発生したと言う一般購入者にとっては酷いとばっちりも起こる諸刃の剣でもある。

転売屋側の抵抗

しかし転売屋もさるものでそういった対応すら、すり抜けようとあの手この手を用いてくるのだ。
+ 転売屋の抵抗
  • 使い捨てのアカウントを作りアカウントごと売り渡す
アカウント製の販売形式に用いる。同一アカウントで商品を買い占めるとブラックリスト入りして購入をブロックされてしまう。
複数のアカウントを用いても住所や届け先が同じだとやはりブラックリスト入りは免れない。
そこで「ダミーアカウントを作成→ダミーアカウントで商品購入→転売相手に商品付きダミーアカウントを売る」と言う形式で販売するのだ。
  • 人海戦術で買い漁る
整理券や先着順、「お一人様一つまで」の時に用いる手段、文字通りバイト*32や家族*33友人知人を総動員して力技で買い占めてしまうのだ。
またゲリラ販売に対しても用いる事が出来る手法で一人を斥候として向かわせ目当ての商品を見つけたらすぐに仲間を呼んで買い占めるのだ。
  • IP匿名化ツールを利用してダークウェブで密売する
転売対象商品が法的措置によって転売禁止及び収益没収などの措置が取られた際に用いる手法。
一般の目に留まりにくいダークウェブ内でそう言った商品を転売するのだ。
言うまでも無く犯罪行為である。
  • 店員とグルになって商品を横流しさせる*34
店員にコネがある場合にとる事が出来る手段。
店員側も「転売屋が転売目的であることを隠し知人たちが欲しがっていると嘘をつかれる」、「店員に人間関係を利用して圧力をかけて強引に共犯者にする」と言った手段を取られると断り切れず、割と有効な手段である。
  • 増産、新モデル販売に対抗して買占めを続ける
上記の転売対策の様に増産や新モデル販売は販売側にも負担がかかるので容易に行える事ではない。
その為に増産を見越した買い占め体制を確立させて再販する度に買い占めてしまうのだ。
この方法が確立されると「再販する度に買い占めれば容易に儲けられるからビジネスチャンスが増えて好都合」となる可能性もあるのだ。
  • 匿名で苦情を訴えたり悪質な店舗だとデマを流して扇動し、自分の負担が少ないやり方を強引にねじ込ませる或いは購入に踏み切る
実はあらゆる対策に対応し、最も効果的かつ下準備も不要な方法。
転売屋も購入時点では店舗にとって「一般客」であり、「一般客」と店側が揉めれば店のイメージダウンに繋がり客足が遠のいてしまう。

店員は客とのトラブルを避ける傾向があるので「どうして「お客様」に商品を売ってくれないんですか~? ここのお店はお客様を差別するんですか~?」と「店先でスマホを向けて質問」或いは「Web上で投稿」すれば大抵は折れて転売対策を撤回したり購入を行えてしまうのだ。

更に現在ではスマホなどで簡単に音声や映像を記録、編集が容易な為にやろうと思えば捏造や虚偽投稿を動画サイトへ投稿することが簡単に行えるのだ。
実際に上記の「商品名を正確に言えない場合は購入できない、させない」と言う対策に対して、第三者が動画サイトやブログで「日本人にしか売らないと言い張り孫の為に並んだ商品名を覚えるのが困難な老人を排他する差別店舗」と言う様にとれる形で情報を配信したり答えられなかった外国人(の転売屋)と思われる客が店先で「人種差別だ!」と猛抗議して店側を困らせたというトラブルが実際に発生している。

勿論、これらは「威力業務妨害」に該当する可能性が高い*35のだが、店員からすれば悪いイメージが拡散されてしまう事は堪ったものではない。
転売屋が社会的な制裁を受けたからといって、迷惑行為によって発生した店舗へのマイナスイメージや店員への精神的苦痛が全て回復する訳では無いのだ。

今現在では悪質転売(特にホビー)は世間に広く認知されていない、大した問題と思われていないのが現状で*36あり、転売屋どころか状況を認知できない一般購入者までもが徒党を組んで「購入者を不当に差別したり商品を傷つける嫌がらせを行い、商品購入の権利を侵害している。」と訴えて国側が「転売対策を行っている店舗が商品流通を妨げているとして改正を強いる」と言う展開にならないとも言い切れないのだ。

(特に熟練の)転売屋にとって商品は「飯のタネ」「金づる」でしか無いので転売対策を行っても対策が無かったりゴリ押しが効きやすい小規模、個人店舗で集中購入するか儲けが出ない、割に合わないと感じたら即座に別の商品に乗り換えるだけであり、
転売屋と転売対策のいたちごっこの結果、製造側は予定の変更や増産で商品展開プランをズタズタにされ、各店舗は全購入者を転売屋だと断定して対策せざるを得ず、顧客も新規者は勿論、常連も購入しづらい状況のせいで店側と顧客との関係がギスギスした物になり、残されたのは荒廃した商品市場だけと言う最悪の展開も考えられる(このケースの例は情報商材の項で後述)。


情報商材ビジネス化

更に、こうした高額転売のノウハウをまとめ、情報商材として売り捌くことがビジネスになっている。
どのような商品に目をつけるべきか、買い占め対策をどのように掻い潜るかなどといった情報を数万円程度で売り、それらを実行するための支援ツールを月額いくらでレンタルするという方式であるらしい。

…本当に法律に違反していないの? 法改正される可能性は無いの?

上記の通り転売自体は違法ではないのだが、悪質転売屋は悪質、不正手段で商品を入手しているケースが大半であり、そこを突かれて逮捕されるケースがある。
+ 説明
まず、販売側が「転売禁止」をうたっているのに転売目的を隠して購入するのは、詐欺罪に当たる場合がある。
対価をきちんと払っていれば、店側の販売条件を破るような問題行為でも詐欺罪とまでは言えない、という考え方が裁判所で通用しなくなってきつつあるのだ。*37
どの程度の店側の提示した条件を破れば詐欺罪か、というのはまだまだ線引きが難しい所もあるが、転売目的のチケット購入に詐欺罪の成立が認められた事例はある

また、卸売りを介さない転売屋の扱う商品は「古物」に当たる可能性がある。
(ここで言う古物とは「一度使用された物品」及び「使用を目的として入手した新品」が該当する。)
というのも転売屋の大半は業者では無く個人であり、一般客として店舗で購入しているため、購入した品は「使用を目的とした新品=古物」に分類され、実質的には新品では無く「古物」売り付けているという理屈が通ってしまうのだ。
そして日本には「古物営業法」と言う法律があり「古物の売買を営業する」には許可が必要なのだ。
今現在はネット上での転売については法律に触れてはいない*38(但し、「古物の売買」である事も否定できないのでかなりグレー*39)が転売による被害が悪化すれば法改正や国家措置でネットでの個人販売を「古物商」に加える可能性も否定できないのだ。

更に無在庫転売は直接取り締まる法律はないものの、メルカリやヤフオクといったネット個人売買サービスでは利用規約で禁止されている場合が多く、違反すれば「偽計業務妨害罪」「不正アクセス禁止法」違反の罪に問われる可能性がある。
仮に規約違反を隠して無在庫転売がなされていたとしても、製品の仕入れができなければ「債務不履行責任」により損害賠償請求がされる場合がある他、もし入手の当てがないのに金だけ集めていたとみなされれば詐欺罪が成立して逮捕及び10年以下の懲役になる場合もある。
覚えておこう。

前述の買い占めbotについてもそれ自体は法的な問題はないものの、captcha*40をすり抜けるような細工をしているならこれもアウト。botでないことを偽装してアクセスしているので、「偽計業務妨害罪」「不正アクセス禁止法」違反の罪に問われる可能性がある。
たとえ使っているbotに知らずに組み込まれていたとしても、不正アクセスをしているのはbotを使っている本人であるし、これは直接的な判例を待つ他ないが、botを使っているのにcaptchaの存在を知らない/通販サイトに採用されていることが想像できないはずがないと判断される可能性がある。知らなかったという言い訳は通用しないのだ。

また、買った側もいつまで被害者として扱われるかは予断を許さない。
もし詐欺罪が成立するとなれば、転売屋からその品物を購入する行為も盗品等有償譲受罪、転売屋に販売場所を提供するフリマサイトも盗品等有償処分あっせん罪になる可能性があるのだ。
品物が転売屋の買い占めによるものか一般消費者にはなかなか分からない場合が多く、単なる売買だと思って買ったなら故意がなく罪にはならない。
しかし、異常な高額をつけていたり、店舗でもないのにいつも売っているような輩から購入すると、「店から騙し取った品物だと薄々でも気づいていたのに買うことで、店が品物を取り返す権利を侵害した」と判断される可能性もありえる。
今の所は買った側が処罰されたという件は見当たらないようであるが、いつ第1号が発生するかは分からないし、第1号だから無罪ということにはならないので、転売屋から買う行為は本当に慎まなければならない。

税務署が腰を上げた!?

そして2020年頃になってから、新型コロナウイルス感染拡大のせいで「人と触れずに儲かる副業」として販売ビジネスが流行し始め、その中には悪質な転売屋も現れてきている。
多くの人々が求めたマスクも、国が法で禁ずるまでは買い占めて販売するビジネスが後を絶たなかったのだ。
一方でコロナのせいで査察に行けずヒマになった税務署がいよいよ本格的に動き出し、悪質な業者を調査・摘発・追徴課税するケースも増えている。

一例として2019年7月~2020年6月の調査では、対象となった業者だけでも約9割に申告漏れなどがあったという。
一般的な会社で普通に働いた場合は、会社側が源泉徴収と年末調整をやってくれるので、年収2000万円を超えない限りは確定申告の必要は無い。
だが転売で得た利益は副業による雑所得として扱われるので、年間20万円以上の利益が発生した場合は確定申告を行い、適切な金額の所得税を税務署に納税する義務が発生する。
それを怠った、あるいは知らなかったという者たちが、これだけ大量に存在したというのだ。
なお税務署が摘発しているのは納税義務の違反であって、転売そのものではない。ここは勘違いしてはいけない。
だが言い換えれば「転売屋は自分達の商売にどんな法律が絡むのかも知らないで物を売っていた」ということだ。
ここまで転売屋側の言い分もいくつか挙げてきたが、それらを語っていた連中が最低限の法律すら守っていなかった上で自らの行いを正当化していたことを知ってしまうと、もはや噴飯物ではないだろうか?

ともあれこうした結果、転売屋も一気に大量転売することが難しくなり、少数単位でこっそりと売るようになった。
そのせいか、転売屋の手から商品が長期間動かないことが増えているという調査報告もある。


【実際に儲かるの?】

甘い言葉で惑わす者も多いが当然ながら転売はかなりリスクがある
新作のゲーム機やプラモデルなどだと競争相手が沢山いて同様に儲けが無かったり、モデルチェンジや定価の値下げで大損したり、メーカー側の供給が追いつき在庫がダブついたりと「誰でも簡単にぼろ儲け」などできはしない。
特に同人誌・グッズはまず商売として買い集めるのが難しい上に、思った以上に売れなくて骨折り損になるケースも。それに著作権法的にもマズい。

また、個人で転売を行う場合は、仕入れから発送業務までを一人でこなす必要があり、普通に労働やバイトする方がマシな場合も多い。
それと個人売買サービスを介して転売を行う場合、販売金額に応じて手数料を取られるのでさらに儲けが減る。
つまり個人売買サービスは転売屋の利益を何の苦労も無く掠め取れるという事で、これが個人売買サービスが転売屋を安易に潰さない理由である。 一番儲かるのは場を取り仕切る胴元と言うのは転売の世界でも同じ様だ。

更に悪質転売の情報が拡散された事で転売行為そのものが悪と断定され*41買占めや転売対策が講じられる様になった為に転売屋は一つの商品で儲けられる期間が少なくなりつつある。
オマケに人を使ったり代行を頼む際に購入させた商品や代金を持ち逃げされる等の対人トラブルもあると言われている。
後述する情報商材の費用で赤字、なんて笑えない話もある。

安易かつ誰にでも出来る方法で、まして他人を不幸にまでして楽して儲かる話などある訳が無いのだ。 外国では、転売に失敗して大損してしまったために自殺してしまった人もいる。

ちなみに経済を扱ったライトノベル狼と香辛料』でも、主人公の旅商人、ロレンスが自分に詐欺を働こうとした相手を見抜き、その弱みをつかんで武具を大量に仕入れてぼろ儲けしようと試みたが、情報不足だった結果として自ら不良在庫をつかんでしまい、破産のピンチに陥るという展開がある。


【色々な転売屋】

ダフ屋

主に人気アーティストのライブチケット、サッカーワールドカップなどスポーツ試合の観戦チケットなどのチケットを買い、開催場所周辺やオークションで買いたい人や買えなかった人に売りさばく者を指す。
アーティストのライブやスポーツ観戦チケットはファンからすれば「代わりのアーティストのライブでは意味がない」ことが多いだけに、転売屋にとっては絶好のカモなのである。
少し昔の漫画やアニメでよく見かける、サングラスやマスクを装備して「チケット売るよ〜」と声掛けしてくる怪しい風貌のアレである。当然こんな人は今ではかなり減ったが。
ちなみにダフとはチケットの符丁。チケット→札(フダ)→ダフとなっているのである。*42

県条例で取り締まられていたがそれに加えて特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(チケット不正転売禁止法)が2019年に施行されて摘発例も出ている。
なぜ生活必需品ではないチケットの転売を狙い撃ちで取り締まっているのかというと、昔から反社会的勢力の資金源になっていたためというのが本音だが表向きは「舞台とか興行の座席は数が決まっていて容易に増やせないので、他の商品と違って生産数を頑張って増やして転売を防ぐのは限界があるから」となっている。

これは、もしも明らかな問題行為が蔓延って業界がピンチになった場合、国が法規制という手に打って出るという実例でもある。

なお、友人などの分までチケットを買ったはいいが、当日に急病になるなどして無駄になってしまうということもある。
その場合は単発で、(落選したが雰囲気だけでも味わいたいなど)チケットなしで会場に来ているファンに売る分には余程つり上げるなどしなければ問題視されないことが多く、法律上も単発である分には禁止されていない*43
とはいえダフ屋との明確な区別が難しく、余計な疑いをかけられないに越したことはない。
それにチケット転売が深刻化して以降、このように本当に泣く泣く手放す人への救済措置として、運営側が公式転売サービスなどを用意してくれることが増えた。これを利用した方が無難だろう。


窃盗

もはや論外。
転売屋自体が迷惑な行為だが、さらに酷い連中は高額で売れる商品を万引きして売ろうとする。
元手はタダだからどんなに買い叩かれても利益が出るが、無論 立派な犯罪であり処罰される
ただし犯罪が発覚するのはまだ恵まれているほうで、物によっては犯人が見つからず泣き寝入りすることもしばしばある。
高級自転車がこれに当てはまり、パーツごとに分解されて売られると防犯登録も意味を成さず、全て取り戻すのは困難になってしまう。

例としては、
  • 本屋から万引きした本をその足で古本屋に売りに行く(酷いものだとビニールのカバーがついたまま売られていることも)
  • ゲームセンターの筐体の部品を分解・窃盗し、高値でオークションサイトに売り付ける
  • 無関係の他人の家の庭に侵入して停めてあるバイクの写真を撮る→それの写真を使ってオークションサイトに出品する→購入者が現れたら改めて侵入、バイクを盗み購入者に引き渡す
  • 転売価値のある品を目一杯積んだ販売元のトラックを転売屋と繋がった強盗団が襲撃、ドライバーを負傷させてトラックを奪い去る強盗致傷事件まで起こす(海外事例)
  • プリウスのマフラーを分解・窃盗しようとし、ジャッキで持ち上げた車体に潜り込んだがジャッキが外れて挟まれて死亡する(海外事例)
という、とんでもない輩がいた。

近年ではポケモンカードゲームを始めとした高価なトレーディングカードを狙って、転売目的の窃盗団がカードショップを襲撃するというとんでもない事件が頻発している。そもそもTCGが近年高騰した理由に先述の転売屋による買い占めが多分に含まれており、ある意味転売屋に立て続けに被害を被った形になっている。

転売屋自体褒められた行為ではないが、その中でも絶対に手を出してはいけない行為の一つである。


海賊版

もはや転売ですらない。こちらも論外。
悪質な連中の中には、高額で売れる商品の偽物を売ろうとする者もいるのだ。
無論、 海賊版の販売も立派な犯罪であり 、主に「不正競争防止法違反」「商標法違反」「著作権法違反*44」などに該当し処罰される。
更に2022年10月1日には、「特許法等の一部を改正する法律(令和3年5月21日法律第42号)」が施行され、海賊版の輸入行為全般が規制されるようになる*45など、年々と海賊版に対する規制、取り締まりは厳しくなっている。

よくある例としては、DVD等から抽出した映像データを販売している海外のサイト*46の「商品」をオークション等に出品し、落札されたらその違法サイトに誘導するという手口で、自己啓発系等の高価なDVDが1000円程度の極端な安値で出品されているのは大抵がこれ。
もちろんそのような不正なデータがまともに見られないことなど珍しくないのだが、サポートなど期待できないのは言うまでもない。
また、違法サイトにアクセスすることによってマルウェアなどに感染するリスクもある。

その他にも、ブランド品やアニメグッズ、漫画、ゲームソフト、フィギュア、TCGなどの海賊版を販売する者が後を絶たず、実際に逮捕者も多数出ている
悪質な場合には「海外版」「海外輸入品」「詳細不明」などと記して、本物を装っているケースや、TCGの場合は「オリカ(オリジナルカード)」「観賞用」などと称して、海賊版のカードを堂々と出品するケースが増えており問題となっている。
いずれにしても違法な物を出品していることに変わりはない。

プレミアの付いている商品が標的とされることも多く、例えばCDでは希少なゲームミュージック、数量限定生産品などの海賊版が確認されている。
曲名や歌詞の間違い、印刷のズレ、形の似た文字の混同、一部の漢字が簡体字(中国語)になっているなど、大半は本物と比較すれば容易に判別できる程度の作りなのだが、そもそも供給が少ないからこそプレミアになるのであり、「本物と比較する」こと自体が困難なため、多少おかしな箇所があっても気づかないケースも少なくない。
一時は大手リサイクルショップ等も海賊版を気づかずに販売していたほどで、騙されたことを知らないまま海賊版の売買に関与してしまった者も相当いると思われる。
また、創刊号や有名漫画連載開始時の少年漫画雑誌、アニメのBD特典小説など、これまでは考えられなかった商品が海賊版の標的となる事例も確認されている。貴重なはずの商品が急に出回り始めたら飛びつく前によく確認するべきだろう。

写真などから一目見て偽物と判断できる物もあるが、素人には判断が難しい物も多い。
特に、相場よりも極端に安い価格で出品されている商品や、発送元が海外になっている*47商品、実物の画像が一切ない商品は注意が必要。
また、万が一被害にあった場合は、相手の情報を記録して警察に通報すべきである。

転売屋自体褒められた行為ではないが、その中でも絶対に手を出してはいけない行為の一つである。


情報商材

転売屋が急増した背景には、情報商材業者や悪質なインフルエンサーなどが「短時間で誰でも楽に必ず稼げる方法」や「物販業で起業し年収○千万」「お金や時間の苦悩から解放」「学歴も経験も無関係の簡単な作業」などと謳って、転売のノウハウなどを纏めたマニュアルを有料で売りさばいていると言うものがある*48
近年では動画サイトへ配信する(宣伝、教材費などのコストが浮く)と言うやり方で広めるケースも存在し、動画サイトを閲覧していたら広告動画で「転売、せどりのやり方」や「儲かる商品情報を極秘公開」と言った謳い文句で登録*49や個人情報の配信を呼びかけるケースも出始めている。
+ 説明
この手の情報商材では転売ビジネス自体を「合法で健全な仲介業」「せどり(実際は悪質転売)のやり方」「多くの人が容認している」などと美辞麗句や他の業種に言い換えるやり方を並べてごまかし、転売行為を正当化どころか美化さえしているものがほとんど。
批判や疑問の声に対しても耳を貸そうとせず、一部の大成功した実業家*50の言葉を都合よく切り取ったりして押し切ってしまう。
その有様は凄まじく悪い言い方をすれば「洗脳」に近い。

どんな世代の人間でも引っかかる恐れがあるが、彼らの標的としては
  • 貯蓄など元手となる資金が準備しやすい。
  • 一方で、収入は少なく、遊興費が不足している(自由に使える金が少ない)。
  • 事業がどんなものか足下を見ない傾向が強く、警戒心が低い。
  • 地道な努力を嫌い、楽して金を稼ぎたいという考えを持つ。
  • その一方で独自に起業したいと考えるなど、現状に満足せず自立志向が強い。
  • 契約や法律の知識、社会経験が少ない。
と言った人間が狙い目であり、特に大学生くらいの若者なんかは彼らに狙われていると思った方がいい。
彼らは親族の資産やアルバイトの給与などである程度資金を準備できる場合が多い。最悪学生ローンなどを借りることもできる。
だが現状に満足せず自立志向が強い割に社会経験に乏しく地に足のついていない、いわゆる「意識高い系」と呼ばれる若者たちにとってはこうした転売屋というビジネスもある種の「起業」で格好良く見えやすい。
更にそういう若者は人脈大好きでSNSなどのネットワークを持っていることが多く、彼らが広めることでさらに仲間を増やせるという意味でも、若者は狙い目なのだ。
副業に関する就業規則が緩和されてきた現代では、社会人もターゲットにされており、特に就職難や低賃金、長時間労働に悩む人がターゲットになっている。

猛威を振るうマルチ商法もそうやって人を取り込んでいったのである。
…というより勧誘の語り口がマルチ商法の勧誘そのままのケースも多く、マルチ商法をやっていた者が情報商材に鞍替えしたと考える方が自然か。
実際…
  • 上記の通り勧誘の語り口はマルチ商法時代のノウハウがほぼそのまま使用可能。
  • マルチ商法の場合、自身も商品を取り扱う必要があるので販売用の商品調達のコストがかかるが情報商材の場合、ネットで仕入れた情報やプログラムをコピーした物を商品として使用できるのでマルチ商法より元手が抑えられる。
    • 取り扱うのは情報なので極端な話、直接会う必要が無く商材はネット経由で送り出せる。その為にセミナー会場の借り賃は勿論情報やプログラムなら送料さえも節約できる。
  • ネットを介した転売の為にコミュニケーションが苦手な者も参入しやすく勧誘の敷居も低い。
  • 情報商材に乗せられた転売屋が商品を買い占めるので、結果的に商品の値段が吊り上がったり転売経由で購入する者も増加し、「この情報は本当だった」と錯覚しやすく悪質だと判断されにくい。
  • マルチより逮捕しづらい
と、マルチ商法に比べて商材を売る側にメリットが大きいのだ。

だが、当然前述のように明らかな迷惑行為でしかなく、場合によっては幾つかの法律に抵触しているケースもある。
さらにこの手の情報商材では転売ノウハウの詳細やFAQをわざと省いて、それらの情報を求められた場合に高額で追加情報を売りつけて利益を得ることも多々ある。
更に転売屋の数が増えすぎたり転売屋の跋扈で購買層が弱体化すると、転売屋自身も当然のごとく利益を出せなくなってしまう。

これだけだと別に「転売屋は悪い奴だから自業自得じゃん」と思われがちだが、上記でも述べられている通り転売自体は犯罪でも悪でもないので、健全なせどり転売をやっていた真っ当な先行者が情報商材に踊らされた大量の悪質な新規者によって、同類とレッテルを張られてしまい収入が減るだけでなく、社会的信用や人間関係まで破壊される可能性さえもあるのだ。
結果、最終的に得をするのは顧客から多額の情報料を巻き上げた情報商材業者だけとなるのだ。
後になって業者に詰め寄っても「それは君のやり方が悪かったんだろう」「私はただ教えただけ」とかで切り抜けられるか業者自体が無くなっておりほとぼりが冷めたら別の教材を販売するのがオチである。

実際にカメラ業界では、あるインフルエンサーが発端となって複数の情報商材が出回り、それら情報商材を買って教えを実践した無数の転売屋*51がオークションサイトを用いた悪質な中古カメラや中古部品の転売を行った。
その結果オークションサイトでのカメラの中古部品市場が彼らに乗っ取られ、状態を偽って出品された劣悪な商品が溢れかえり、市場が事実上壊滅するなどの最悪レベルの実害も報告されている。


試供品転売

新しい商品を売り出す際、商品について人々に知ってもらおうと無料、あるいは低価で提供される「試供品」。それを集めて転売する。
基本的に試供品は一人当たりは少量しか手に入らないものだが、名を変え住処を偽ることでこれを何回もかき集め、まとまった量を入手し商品として販売してしまうのだ。
中には「自分はファンがたくさんいる有名人だ。新商品についてレビューしたいから無料で商品を提供して欲しい」と企業に連絡し、タダで有名人に宣伝してもらえると思い込んだ企業が商品を提供した所、レビューも紹介もせず転売するという被害報告も少なくない。
特にインディーズのPCソフトやゲームソフトが狙われる事例が急増している。
もちろん、本当にレビューする人もいるが、そういう人は大抵辛口なのであまり企業やクリエイターのためになってくれない場合がほとんど。
基本的にはこういった人達をアテにするのは控えたい所である。

同様の例として、無料で配布されているフリーペーパーや販促用の小冊子などを転売する例も報告されている。
読み終わったものを出品する程度ならもちろん問題ないのだが、転売屋はそれらの配布物を一人で根こそぎ持っていくため、本来入手できたはずの人が入手できず、配布している企業や団体にとっても大きな損失となっている。


無在庫転売

また、転売対策や法的措置によって在庫を抱えて大損するケースも出てきた事から、転売屋は新たに「無在庫転売」なるものを始めるケースも出始めている。
+ 説明
無在庫転売とは、「先に転売の取引を行った後に、製品の仕入れを行う」という転売方法で、転売屋側が在庫を抱えずに損することはないとされている。

もし製品の仕入れができなければ強制的にキャンセルさせればいいという寸法であるが、消費者側からすれば「ただでさえメーカー希望価格より高い金を払わされているのに、そもそも商品が手元に届かない可能性もある」ので、このような転売屋との取引をするなど、まさに百害あって一利なしである。*52
しかしながら、消費者側から転売屋側が無在庫転売をしているかどうかの見分けがつきにくいため、無在庫転売による被害を被ることを避ける意味でも、そもそも「転売屋から物を買わない」という選択は重要視すべきであろう。

更に別サイトの商品を無在庫転売する方法もある。
こちらは新商品の無在庫転売とは異なり、
通販サイトやネットオークション等に出品されている商品を、他のサイトで転売するという手口。
もちろん一つ一つ価格を調べていては相応の労力を要するため、ツール等で商品名すら確認せずに大量出品しているケースが多いとされる。
こういったツールも上記の情報商材の一種なのであろう。

  • 手数料等を差し引いても利益が出る価格設定となっているため高額。
  • 確実に入手できるとは限らないため、一方的にキャンセルされる可能性がある。

といった問題点は新商品の無在庫転売と同じだが、それに加えて、

  • 発送は元の出品者(大多数は個人)任せのため、商品到着までにかなりの時間がかかる場合がある*53
  • 商品は大半が中古品だが、転売屋は実物を確認しないため、説明とはかけ離れた状態の商品が届く場合もある。
    商品説明を使いまわしているため、元の出品者がダメージあり、付属品欠品などとして出品しているものを完品であるかのように表記していることも。
  • 当然、トラブルが発生しても対応しない(できない)。
  • 元の出品者に購入者の、購入者に元の出品者の住所などを無断で流出させている。トラブル発生時、購入者から元の出品者にクレームが届いて転売と発覚することも。

といった具合に一般的な転売に輪をかけてトラブルの温床となっている。
無在庫転売の特徴と購入してしまう前に見抜く方法としては、

  • ジャンルもばらばらな商品を異常なほど大量に出品している。価格は端数があるなど中途半端。
    ツールで大量出品を行い、価格は元の値段+利益の上乗せで機械的に決定しているため。
  • 商品画像はイメージ画像で実物の画像がない。もしくは実物の画像はあるが、写真の画質や背景などに統一感がない。
    画像はメーカーの画像や元の出品者の画像をツールを用いて盗用しているため。
  • 送料は全国一律で大抵は1000円以上。発送方法の指定はできず、発送までの日数も長期間となっている。
    発送は元の出品者に丸投げのため。安価な商品の場合は送料から利益を得るために高額な送料を徴収する。商品の価格を1円等の異常な低価格に設定し数万円の送料を徴収するといった古典的な手口も未だに横行している。

等が挙げられる。

こうしたトラブルを防止するためか、無在庫販売を禁止しているサービスも見られる。
通報項目にも「無在庫での販売」といった内容があることも。

なお、無在庫転売屋が出品しているということは、ネットのどこかでは同じ商品が転売屋よりも安く出品されているということでもある。
流通量が少ないレアな商品を探すのに役立てられる……かもしれない。

ちなみに、転売屋がこのケースによる無在庫転売を行っているのが元々の商品の出品者にバレた結果、転売屋の商品を元々の商品出品者自らが購入し、転売屋が自分から商品を購入して仕入れる直前に、転売屋の出品額よりも高い金額へと自分の商品の出品額を釣り上げることにより、転売屋側がどうあがいても損する状況へ追い込むという形で天誅を下すというケースも最近ではよく見られている*54
もっともそうやっていくつかのアカウントを機能停止に追い込んだとしても、前述の通り「在庫リスク無く稼ぐ方法」等と称した情報商材やツールによって出品を行っているため、別アカウントや新たに商材を購入してしまった人が雨後のタケノコのように出現し、無在庫転売を禁止しているプラットホーム側も対応が追い付かず、抜本的な対策になっていないのが現状である。


最後に……

繰り返すが、消費者が出来る一番の転売屋対策は



「欲しい新商品が市場に出回らないからと言って悪質転売屋から買わないこと」



時には欲しい商品を我慢する、諦めるといった余裕を持った心も大切である。





追記・修正は転売屋から物を買った事が無い人がお願いします。

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