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万引き

登録日:2012/09/19 Wed 21:58:51
更新日:2026/08/08 Sat 14:37:02
所要時間:約 20 分で読めます






あの本屋さん、350円損するんだ。350円といえば大金だよ。



万引きとは、小売店に陳列してある商品を会計せずに持ち去ってしまう行為。
「間引き」になんやかんやあって「ん」が入り、「万」が当て字され、「万引き」になったとされる。

まず最初に書かせてもらうが、



盗みである。


泥 棒 で あ る 。





◆概要

正確に言うと刑法235条の窃盗罪
後で返そうが、買い取ろうが、ちゃんと窃盗罪が成立するので、「見つかっても謝って金払えば大丈夫」なんて虫のいい話はない。
その辺を軽く考え、見つかっても店の裏で説教されるだけのおイタ程度にしか考えず、「あーはいはい金を払えばいいんでしょ?」と傲慢にごり押そうとする輩も多い。
もっとも、告訴された場合の刑罰は1か月〜10年の懲役、または1万〜50万円の罰金で、罰金刑になった場合は(額によるが)盗んだものの何十~何百倍もの金を支払わされる羽目になる。
20歳未満の場合は少年法での処分となる。

他にも、職場に連絡されて解雇(公務員だと免職)含む懲戒処分、学校に連絡されて停学・退学処分……などの社会的制裁もついてくる。
それだけでもダメージが大きく、有罪判決をもらえば前科も付いてしまう。
ほんの何十円の駄菓子の代金をケチった為に、その後何十年もある人生に響くのも珍しくはない。
最悪の場合、就職活動や婚活といった人生に関わるものに影響するケースも。

本当に初犯で出来心というなら、寛大な店主であれば商品を改めて購入、もしくは商品を取り上げた上で、きっちり注意された上で許される場合もあるが、普通であれば出入り禁止*1や次回来店した際に警戒されるなど、そのくらいのペナルティは覚悟しなければならない。
回数を重ねると……というより、再犯しようものなら大体が容赦なく通報されるだろう。
また、処罰が軽いと舐める*2奴が出てくる事から、初犯だろうと動機が何だろうと毅然として通報、学校・職場・保護者に連絡というスタンスの店舗も増えているので、初犯ならあわよくば……なんてバカなことを考えていないで止めろ。というか普通にレジで買え。
たまに「仲間が捕まった報復(?)として万引き→万引き犯芋づる式に捕まえました」という話もある。

店によって対応が違うので、他の店で許された奴が「この程度であんまりだ!」とか言い出す事があるが、あなたがお店の関係者なら、全然その程度では済まないことを理解させる為にも通報してあげよう。
警察からも「できる限り見逃さないで」と店に喚起されている場合もある。

日本の小売店は、陳列してある商品をレジに持って行って清算するという方式が多い。
しかし、商品を持ったままレジを通らずに出てしまえば、店にとっては商品をタダで盗まれるのと全く変わらない。
結果として窃盗罪が成立する事になる。

ちなみに、コンビニのアルバイト店員がちょろまかすのも、業務上横領とかではなく窃盗罪になる。
こちらは「万引き」というより「内引き」として呼び分けられがち。
ただ、業務形態によっては違いがあり、責任者クラスがちょろまかすと業務上横領になる事も。
普通は横領の方が罪が軽いのだが、業務上横領は信頼面の観点から窃盗より重い(窃盗罪には罰金刑があるが、業務上横領には罰金刑がない。つまり問答無用で刑務所行き)。
コンビニの監視カメラは万引きより内引き防止でつけられているという話もある。

大体これだけでも人生の難易度がとんでもなく上昇するのだが、しかし、本当に恐ろしいのは実はこの先。

もし、店員に見つかって追いかけられた時、逃げたいあまりに店員を払い除けたらどうなるか。
たちまち窃盗罪は強盗罪に早変わり*3し、5年以上の懲役になる。
さらにこの時、店員がケガをすると強盗致傷罪に問われ、6年以上の懲役に早変わりする。

不運にして店員の打ちどころが悪くて死んでしまったら……


次 に 死 ぬ の は お 前 だ


強盗致死罪で死刑か無期懲役という刑罰が待っている事になる。
万引きは、実はこんなに重い罪の入口なのだ(強盗殺人と強盗致死は殺意の有無や故意かどうかで変わるが法定刑は同じ。とはいえ、強盗致死で一発死刑は滅多にないが)。


◆万引きの方法

詳細な手口について、ここで書くような真似はしない。ここは犯罪を推奨する場ではないのでね。

いじめている奴に協力させたり、何人かでチームを組んだりと集団で行うのもいる。
といっても人にやらせれば教唆で捕まるし、チームの誰かが捕まれば残りもすぐに捕まる。
指示された奴が店にチクるという例は意外にもあまり聞かない。

手の込んだ方法を行う者もいるが、その計画性故に捕まった際に「つい出来心で…」が通じなくなり、問答無用で逮捕となる。
時にはその店で起きた別の犯人による万引きも自分のせいにされるが、やった事がやった事なので、信用してもらえない可能性が高い。
まあ「疑わしきは罰せず」なので、盗品が出てこなければ裁判で有罪にされる事はなかなかないのだが……
ただ、お金を払えば許してもらえるような状況だったら訴えられるか、他人が万引きした物を払う事になる。


デジタル万引き

2000年代のガラケー発足期に流行った言葉。
カメラ付きケータイで、雑誌の1ページのみを写真に納めるというもの。今ではスマホでも同様のことが可能であるはずである。
本そのものを盗むわけではない為、窃盗罪が成立しないのだ。
とはいえ、デジタル万引きの常習犯が建造物侵入罪で刑事告訴され、それが裁判所によって認められた例もある*4為、万引き同様にやってはいけない。


◆万引きの動機

世の中には万引きを色んな理由で犯す奴がいる。

「仕事にありつけず、貯金も底をつきました。生活保護の審査も通らずアパートも今月で追い出されます。頼る親族もいないんです。もう何日も食べてなくて、つい…」なんて、犯人に同情したくなるような王道パターンももちろんある。
中には、一度刑務所に服役した人がこのパターンから抜け出せず、出所してから万引きで再犯するという悪循環になる事も。
だからといって許されるべきではないが。

……が、世の中の万引きはそんなものばかりとは限らない。


みつかるかな? みつかるんじゃないかな?

………

(店外に出て万引き成功)

ヨッシャー! 万引き成功だ!!


という「スリルと快感を味わうのが目的で、盗んだ商品はほとんどどうでもいい」なんて事も多い。
ちょっと悪い事(何度も言うが犯罪)のステータスとしてしまう者もいるようで、最近はバカッターで自慢するような者もいる。

転売目的、趣味のものだが高額なものがどうしても欲しい、金は使いたくないけど欲しい……といったものもある。
うん、素直でよろしい。その心意気でお勤めいってらっしゃい。

雑誌やお菓子類に付いているおまけのトレーディングカードだけ抜き盗る行為も当然アウトである。
よく付録などに「雑誌を購入せずに付録だけ抜き取る行為は窃盗になり処罰されます」と書いてあるのはこれが理由である。

ちなみに、お目当ての高い物を万引きして適当に安い物を買うパターンも多いが、これは罪悪感を無くす為に行っているらしい。
万引き犯に限らず、何かそれっぽい良い事などをして罪悪感を無くそうとするのは程度の低い人間が取る行為である。それで万引きの罪が無くなるわけがないし、むしろ罪悪感を無くして楽になろうとするので逆にタチが悪いが。

金に困っていないのに、ちょっとの金をケチって万引きをするバカも少なくない。
今とは物価が違う時代だが、300万円持っていたのに25円のパンの代金をケチってパンを万引きした男もいたとか……

さらに、最近は65歳以上の高齢者による万引きが深刻になっている。
認知症の高齢者が持ち出してしまったり、家族がいなくて寂しい高齢者がやってしまうというわけで、万引きの3件に1件は高齢者の万引きである。
2013年には、65歳以上の高齢者の万引きの件数が、20歳未満と20歳~29歳の万引きの合計の件数より多くなってしまった。
家族や近所付き合いがない高齢者の中には、70年以上真っ当に生きてきたのに年を重ねてから万引きで刑務所と社会を往復する暮らしになってしまう人達や、生活苦からわざと万引きをして刑務所暮らしを選んでしまう人達もいる。
ちなみに刑務所に1年服役させると受刑者に掛かる費用は年間約50万円弱。人件費など施設の費用まで含めると300万円近くなる。もちろん、その財源は我々の血税である。

特に高齢者の万引きは、たとえ刑務所に入れても出所したら再犯してしまう場合が少なくない。
受け入れる刑務所も、高齢者は働かせる事もできない上に老人ホームのような対応をしなければならず、非常に困っている。
刑務所に入れるよりも、親族や福祉施設に監視を任せる方が再犯を防げるし安く上がるという事で、検察や裁判所もそういった監視がつくことを条件にして刑務所に入れない(入れると支援の手が切れてしまう為)対応を取る事も増えている。
高齢者に限らず、下記の病的な盗癖を持った人達についても、似たような対応が検討されているのだ。

もちろん、出来心の若者の万引きにそんな甘い対応が取られる事はあり得ないので、素直に罰金払うか刑務所でお勤めしていらっしゃい。

最近では課金の為に、警戒が薄く一気に多く取れるプリベイドカードを盗む者も増えたらしい。
「レジ通さなきゃただの紙切れ(意訳)」だって、カード自体にも書いてあるんですけどね……*5
後日「使えない」とクレームをつけた結果、御用という事も。頭が足りない児童~学生に多いらしい。


犯人は実は病気ないし障がいを抱えていたという事も最近は増えている。
特に上記の高齢者の犯行には認知症の影響は少なからずあり、特定の認知症は前頭葉が萎縮して理性が働かなくなる為、「あんなに立派な人だったのに何故か万引きするようになった」という場合は認知症が疑われる。
「窃盗症(クレプトマニア)」という病気もあるが、これは好きで窃盗をやっているわけではなく、本人も「こんな事したくない」と思っているのにやってしまう病気である。
彼らが盗むのは本人にとって大して欲しくもないどうでもいいような物を盗む事が多く、それで周囲に白い目で見られてますます傷ついていく事も少なくない。

それ以外でも、万引きの常習犯は生育や家庭環境に深刻な問題を抱えている事が多い
きちんとした教育がされていなかったり、ストレス発散や困窮などを理由に手を染めてしまうケースも考えられるだろう。
そもそも知的に低く、努力しても社会のルールが守れない(理解できない)という人もいる。
断じて盗みは良くないが、「万引きする人間は例外なく最低だ」と決めつけるのもそれはそれで早計であろう。


◆万引きの被害

「さも重罪のように騒いじゃってるけどさ、たかだか数百円とかそこらじゃん?」「1個や2個くらいあんたらの財布から出して売り上げた事にして埋めればいいっしょ?」「そんな目くじら立てんなやみみっちいww」……なんて宣う大馬鹿者も未だに湧くが、店舗の利益というのはそんな軽々しい仕組みではない。
業種にもよるが、売り上げた商品の値段で店舗の利益となるのはごく一部。しかし、1個万引きされるとその値段分の利益を丸々損失する事となる。
スーパーマーケットなどの場合は、同じ商品を5個売らないと損害を埋め合わせられないという(なお、倍率はおおよそであり、店舗や店の形態によって変動する)。
仕入れ原価が比較的高い書店業界ではさらにその倍、10冊売ってトントンである。
1人の犯罪者が1冊盗めば10冊。10冊盗めば100冊を売り上げなければならないのだ。

つまり、万引きは小売店にとってはただでさえ苦しい帳簿をきつーく圧迫するのだ。
常にたくさんの商品を売りさばくスーパーなどはまだマシな方だが、書店業界のように高い物をちょっとずつ売っていくところでは、万引きが跋扈した結果、閉店に追い込まれるほど深刻だ。
2003年には、とある書店で少年の万引きに気付いた店主が警察に通報、駆け付けた警察官が事情を聞こうとすると少年は逃亡し、遮断機の下りた踏切を突破しようとして列車にはねられて死亡するという事件が起きている。
あろうことか世間は少年ではなく店主を「人殺し」と揶揄し、最終的に店は閉店に追い込まれている。

万引きの為にGメンを雇ったり、万引き防止装置を付けている店も多いには多いのだが、そうするとさらにその人件費や設備費がかかってしまい、利益が飛んでいく。
その結果、そこで働く人達がブラック企業並の扱いを受ける事でイメージが悪くなったり、人手不足に陥ったりする。
また、利益の確保の為の商品の値上げとして消費者に跳ね返ったり、しまいには「値上げしたので買えなくなった」という理由で、普通に買っていた善良な市民が万引きに手を染めてしまうという悪循環に陥るケースも少なくない。
万引きは、一般消費者にも他人事ではないのだ。


◆万引き犯を捕まえた後

万引き犯は犯行直後*6なら万引きGメン、警備員、店員、他の客を始め、一般人でも現行犯逮捕が可能。これは別に万引きでなくとも可能。

大体、店の事務所やバックヤードなどに連れていかれる。前述の通り逃亡すれば余計に罪が重くなる。
その場で盗った商品を出させたり、住所・氏名を確認したりするのが一般的。
ちなみに一般人に許されるのは現行犯逮捕までで商品を取り返すのはともかく、個人情報の確認の強制はできないので黙秘してもいい。
もっとも、素直に喋って謝ればその場で許してもらえる可能性があったはずなのに、心証を損ねて警察に通報されて署に連行、店のそれとは比較にならない厳しい取り調べといくら黙秘しても終わらない留置所~年単位での刑務所生活に発展しうる事は覚悟しておくべきだろう。

そこからは店側と犯人とのやり取りとなり、店長がお説教や中途半端な人情で犯人を許したり、問答無用で警察を呼んだり、犯人が逆ギレ、泣き落としに走ったりと様々。

ここでの対応如何で店の将来が決まるといっても過言ではないが、相手の将来、相手の家族への影響などを考えてつい許してしまうなんて事も。
もう一つ、目撃者が警察に調書を取られるなど店側も面倒なので、買い取ってくれればよいという対応をしてしまう例も少なくない。
もちろん、警察もできる限りお店の負担を減らすようには努めているが……
そもそも反省が本物である保証もなく、許したのが別の店で捕まったら「そっちで捕まった時に通報してくれていれば」と恨まれる事にもなりかねない。

許すにしろ、通報するにしろ、身元引受人として犯人の身内が呼ばれる事が非常に多い。許すつもりでも身内の対応で結局通報する事もある。
この時「○○の人間だぞ!」と言われたらそこにも連絡を差し上げるといい。暴力団の名前を出してきたら即通報ができる。

また、警察が呼ばれると事情を聞かれる為に移動する事になり、当然パトカーに乗る事になる。
警察も暴れたりしない限りはあまり目立つ運び方はしないといわれるが、当然限度があり、知り合いやご近所の奥様に見つかればいい噂になる。
散々迷惑かけた万引き犯が周りに提供できる娯楽なので、甘んじて受け止めてもらおう。
無論、変に騒いだり、別の理由だったりすると中傷で訴えられかねないので気を付けよう。

さらには成り済ましの例もあり、家族、時には自分の引き取り依頼が来る事も。
また、
  1. 「○○が万引きした。ご家族に来てほしい」
  2. 「○○が!? そんなはずは…。もし事実だったらあいつに何かあったのかも。でも犯罪だし叱らなくちゃ」などパニックになりつつも駆けつける
  3. 実は別人でした
  4. 「……通報していいです」
……なんて展開もある。
どうも自分が一番とか、こっちを格下に思っていたり、弱みを握っていると思ってやるらしいが頭が足りないとしか……

捕まっていなくても監視カメラに映れば要注意人物として、周りの店や近くのチェーン店で写真を共有するなんて事もあるので、あなたが万引き後にお付き合いを絶たれた場合、その店のバイトやパートにばれたんじゃないかな。

どうでもいい話だが、AVや薄い本などで犯人が女で黙っている代わりにレ○プ、もしくは犯人がショタ、責任者が女性でそのままおねショタえっち……なんて展開はありがち。
実際そういった事例もあるのだが、犯人も罪を犯しているという事で普通のよりも泣き寝入りになりやすいとのこと。
まあこっちの知った音ではないので、犯罪者同士仲良くしていてください。
逆に「この人痴漢です!」の理屈でこんな事を言い出しかねないし、そうでなくとも力技で脱出を試みる事もあるので、対応する場合は異性の人間と2人でやったり録音しておくといい。


◆万引きの冤罪

万引きは、時たま冤罪が起こる。

最近あちこちのお店で推奨されているマイバッグに入れていたり、間違ってレジに出し忘れたまま店の外に出たり、別の店で買った商品を持っていたりすると、Gメンから声をかけられてしまいかねない。
子供の頃に、親から「お店の商品と間違えられるかもしれないから持ち込まないで」と言われた人も多いのではなかろうか?

間違って清算していない商品を持って出てしまった場合には、気付き次第すぐに戻って謝罪して代金を支払おう。
後から見つかった時に「忘れていたんだ」という言い分が通る保証はない。
本当に忘れていたのなら罪にはならないのだが、所詮は主観の問題で証明のしようがない。「疑わしきは罰せず」ではあるが、持って出たのが事実である以上、微妙なところである。

また、店に設置されている防犯装置には磁気カード類が反応しやすく、何も盗んでいない人がただ通ろうとしただけで引き止められて不愉快な思いをする事も。
ちなみに「引っかからなければ大丈夫」と商品を高く掲げて通った猛者もいる。装置は反応しなかったが、当然捕まった。

もし警報が鳴ってもちゃんと店員が来るまで待つ事。面倒だからと退出してしまうと、もれなく店員や正義感溢れる一般人に取り押さえられる羽目になる。
また、タグの外し忘れが稀にあるので、商品を買っていた場合は商品とレシートを用意しておこう。
一応、レシートがなくても対応してくれた店員、監視カメラで無実を証明する事はできるが、店によっては確認の手段がなかったり、時間がかかったりするのですぐに捨ててしまうような人は気を付けよう。
万引きではないが、店先でものをパクられ捕まえた後、犯人に泥棒扱いされた時の証拠にもなる。

当たり前だが、店も無実のお客さんを晒し上げたら責任を取らなければならない。
学校の手違いで万引き犯という記録が残り、先生から「万引き犯」と言われた結果、自殺に追い込まれた中学生もいる。
「ごめんで済んだら警察はいらない」という言葉は、万引き犯だけでなく検挙する店側にも言える事。
特にタグの外し忘れのような店側に責任のある冤罪の場合、名誉毀損で店が責任を問われたり、検挙した店員やGメンが名誉毀損罪として前科者になる可能性もある。


間違われたお客さんに責任を取らされるだけではない。
「せっかく店に買いに来たお客さんを泥棒呼ばわりするようなお店。自分も行ったら冤罪を擦り付けられかねないから、あの店は避けよう」と噂され、一般のお客さんに対しても店のイメージダウンにつながりやすい。
特に、最近はSNSなどで情報が広まりやすく、そうなれば最悪万引き被害は事実なのに店側が潰れてしまう可能性さえある。
この為、Gメンなどもちょっと疑わしいくらいではなかなか声をかけないようにしている。
万引きらしき行為を見かけても「一般の店員は捕まえない」という店もあるほどだ。

万引きを正義感溢れる一般人が見かけたから現行犯逮捕!というのは、確かに法律上は可能だが、冤罪だった場合、捕まった人はもちろん、店にも迷惑をかける事になる。
「自分で捕まえる」のではなく、せめて店に伝えて対処をお願いするべきだろう。
たとえ万引きを見たとしても、見てしまった一般人にどうにかする義務があるわけではないのだ。
間違えたのは自分でも、トラブルが原因で評判を下げられるのは店の方だ。

最近では周りの店で情報を共有したり、マークしたりと前より捕まえやすくはなっている。
店が「万引き犯です」と監視カメラの写真を貼ったところ、犯人が「人権侵害だ」と噛みついて御用になった事例もある。
実際、人権的には微妙なところらしく、またうっかり赤の他人の写真や商品を見ていただけの人を万引き犯として貼り出してしまったなら、店が責任を問われる羽目になる。
監視カメラの映像はテレビのようにきれいには映らないので、なかなか正確に検挙する事は難しい。

また、監視カメラの映像をチェックするのはそれなりに時間もかかり、普通は店側にそんな余裕などない。
しかし、ろくに監視カメラの確認もせず、善意で被害を届けた小学生を万引き犯扱い(警察でカメラをチェックして疑いが晴れたが、小学生は学校を休むまで追い詰められた)し、結果として全国から非難が殺到した店の例もあった。
監視カメラの確認は店にとってはひと手間だが、それをしなければ店が加害者となってしまうのである。

逆に言えば、「それくらいのリスクを負ってでも、万引き犯を捕まえないとどうしようもない」というのがお店側の本音である。


◆フィクション作品での万引きの例

ゲーム作品の中には、プレイヤーの行動次第では万引きができてしまうよう作られているものがある。
そしてその多くに極めて重いペナルティが設けられており、基本的にロクな結果にならないような構図になっている。
しかし、抜け穴を突いてノーリスクで万引きができてしまうパターンも少なからずあり、心なきプレイヤーの稼ぎの常套手段にされてしまう事も……

ゼルダの伝説 夢をみる島


あれほど、ちゃんとカネはらえっていったのに…
しかたがない

しんでもらう!


何とショップで万引きが可能。
……可能なのだが、再入店時に上記のセリフ&ボスBGMとともに店長がビームでリンクを殺害、強制的にゲームオーバーとなる。
クリアに必須の弓が超高額*7なせいで誘惑に負けてしまったプレイヤーも多いとか……

また、プレイヤー名が強制的に「どろぼー」となり、永久にどろぼー呼ばわりされる羽目になる。これは店長に殺された後でも変わらない。
罪を償っても過去の罪が消えるわけではないのだ。

タイムアタックをやる場合は言うまでもなく泥棒上等である。

ゲームボーイカラー版の追加要素である写真には、どろぼーする事で追加される写真がある。コンプの為にはどろぼーになる事を覚悟せねばならない。

この為か、移植版ではCERO:Bに指定され、コンテンツアイコンに「犯罪」がある。


実は弓を安く買う方法がある。店で商品を購入すると所持金欄の数値が少しずつ減っていく演出が取られるのだが、この時に素早くセーブして終了・再開すると、セーブした時点のルピーが残るのだ。
もっとも、そもそも購入する為に980ルピーを稼ぐ必要がある事には変わりないのだが。


ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

フィローネの森には、無人販売所で番をしている鳥が飼われており、金を払わないで出ようとすると鳥につつかれながらも物を盗れる。
狼に変身して話しかけると、飼い主に「万引き犯の事で怒られたから腹いせに商品の油の壺に水を入れてやった」と話が聞ける。
『夢をみる島』と同じくCERO:Bで、やはりコンテンツアイコンは犯罪。


不思議のダンジョンシリーズ

ダンジョン内にある店で窃盗が可能。
作品ごとに共通しているのは「金を払わず店を出ると、店主や追手が敵としてフロアを降りるまで襲ってくる」という点。
もちろん、殺されるまでに階段や落とし穴にたどり着けば自分の物。逃走の準備をしっかりしておけばタダで商品を手に入れられる立派な戦術となる。
ただし、店主を始めとした追手達はそこらのモンスターより数段強く、倒しながら階段を目指す強盗プレイは基本的に無謀。
シリーズによってはアイテムを駆使して店内に落とし穴を設置するという究極の泥棒術も可能。

風来のシレン


どろぼーだ!

大切な商品が! みんな助けて!


店主と番犬、盗賊番がやってきてフルボッコにされる。
店内にトラップがあって図らずも泥棒になったり*8、モンスターがシレンを狙って店主を傷つけたせいで強盗と間違えられたりもする(シリーズによってはモンスターの攻撃ではシレンと敵対状態にならないケースもある)。
『シレン4』から登場した高級店では、何も持っていなくとも壁を掘るだけで泥棒状態になる。
また、泥棒状態になると「番犬隊」や「取り締まり隊」といった専用のモンスターハウスが発生する事もある。
現在一番簡単にお目に掛かる方法は、『シレン5』で値札が付いたアイテムを持ったまま店内で魔物部屋の巻物を読む事。

トルネコの大冒険・少年ヤンガス


ドロボーッ!!


ガーゴイル(ドラゴンクエストシリーズ本編と違って鬼強い)が大量の仲間を呼んで、倍速で所狭しとひしめいてはトルネコ・ポポロ・ヤンガスを仲間モンスター諸共血祭りに挙げる。
うっかり間違えてぐんたいアリの開けた穴から出ちゃったり、ドルイドやげんじゅつしに飛ばされワープ先でぐーぐー眠ったり、金縛りで動けないまま迫る店主の群れにフルボッコにされるのは誰もが通る道だろう。
ポポロなら条件を整えれば低確率ながら一応仲間にできるので、そうすると非常に頼りになる。その為に倒す事が困難を極めるのだが。

チョコボの不思議なダンジョン


どろぼう…


死神が店の番人から命の番人(ファイナルファンタジーシリーズ本編に存在しないが鬼強い)へレベルアップ、同種が大量に湧き出してチョコボや仲間の首を刎ねる。
だが、店主への攻撃は5回まで許してくれるし、地雷や仲間の攻撃に至っては何度でも許す上に死んでも許す、店主が死んでも買い物OKと死神なのに菩薩のように優しい。
攻撃力は当然高いが、7ターンも待ってくれる。
ただし、警備会社に入っているのか金を払わないと店の扉を開けてくれない為、万引きには一工夫必要になる。

一方、チョコボ以外で挑戦する事になる復活ダンジョンでは普通に店の扉を開けられる為、正面から万引き可能。
どちらも大量の経験値を持っている上にバグの利用で瞬殺できてしまう為、慣れた人には手軽に経験値を稼ぐ手段としても使われる。
「みんなのチョコボはドロボーなんかしないんだよ!」というスタッフの叫びは誰にも届かない。

ポケモン不思議のダンジョン


だいじな うりものが~! みんな つかまえてぇ~!

カクレオン(本家ポケットモンスターシリーズと違って鬼強い)が大量の仲間を呼んで探検家をフルボッコにする。
へんしょくでタイプを変更される上、とんでもなく素早い。
付いたあだ名は「ポケダン界のトニオさん*9
運が良ければ仲間にできる為、天気や特性を利用して店長に挑む探検家は後を絶たない。
苦労に見合う性能はない。趣味のレベルである。


◇Fallout: New Vegas

人が近くにいても、見られていなければ棚にある本全巻だろうが小麦粉だろうが簡単に盗める。
が、見られている時に盗んでしまうとその場にいる人に一発殴られただけで死ぬ。


◇The Elder Scrolls V: Skyrim

店に限らず、他人の所持品を取ろうとしたところを見咎められると窃盗扱いで犯罪者になる。
話しかけようとしてうっかり手前のアイテムを取得してしまい、万引き扱いで通報という事故も。
なお、窃盗は見られてさえいなければいい為、その場にいる人の頭にバケツを被せて視界を奪っておく、取得はせずに持ち上げ移動で視界外に持っていくなどすれば金でも食品でも武器でも道具でも簡単に盗める。


◇Spelunky

店からこっそり商品を持ち出そうとすると、すぐさま店主がショットガンで射殺。
石を投げつけて気絶させようものならどこまでも追いかけて射殺。
銃を奪って逆に店主を銃撃して倒す事は一応可能だが、そうするとステージのゴールで店主が待ち構えている。もちろん銃所持で。


高機動幻想ガンパレード・マーチ

裏マーケットで商品を持ってから精算せずに店を出ると、万引きでゲームオーバーになる。
しかし、テレポートすると金を払わずに外に出れる。次に来た時も何事もなかったかのようにゲームは進む。
また、初期装備で靴下を持っているが、これを使うと中村光弘以外は気絶し、1日を終えるシステムを利用して商品を持ったまま家は帰る事になる。
他にも体力を少なくしてダメージを受けるアイテムを使えば同じ事が可能。


仮面ライダー剣


マァーンビキョー! オッペケテンムッキー!

スーパー「マミーマート」の店長のおばちゃんが万引き犯を発見し、バイトのムッキー……もとい上城睦月に追い掛けさせた。
このおばちゃん、独特な滑舌からオンドゥル星出身疑惑あり。
しかし、犯人は盗んだ商品の一部を通りすがりのエンスト*10仮面ライダーの剣崎一真(※主人公です)のポケットにねじ込んで逃走、剣崎はそのまま睦月に捕まりました。
完全な冤罪であるが、剣崎が金欠だと睦月が知っていた事もあり、誤解が解ける事は無かった。
必死の弁明も空しく、最後はニュースになる事を恐れた剣崎(※主人公です)が謝罪をしてどうにか事なきを得た。
(;0H0)「仮面ライダーが万引きは不味いですよ…」
ちなみに、この時万引きされたのはオロナミンC。この年から大塚製薬がスポンサーについた為、その縁で同商品が登場するのが恒例になった。


仮面ライダー響鬼

九之巻にて、足立明日夢が書店で万引きを働いていた少年少女(本名は不明。通称「万引き少年」「万引き少女」*11)を目撃。
明日夢が注意する勇気を出せずにいる中で店員に発見されたが、明日夢は少女を見捨てて逃げた少年に突き飛ばされて転ぶわ、店員に取り押さえられて抵抗する少女が振り回した鞄が顔に当たって怪我をするわと踏んだり蹴ったりな目に遭う。
おまけに、その後万引き少年が明日夢を発見し、お礼参りに殴りかかろうとしたが、通りかかった立花勢地郎の静止で事なきを得た。
しかし二十八之巻にて、明日夢は不幸にもまた万引き少年とエンカウント*12。今度は誰の助けも得られずにボコボコにされてしまった。
不幸な偶然が重なった末、見ず知らずの他人の悪意で文字通り痛い目を見た明日夢は、すっかり意気消沈してしまうのだった。
なお、万引き少年はこの後一切のしっぺ返しを受ける事なくフェードアウト。色々な意味で後味の悪い展開となった。


ジョジョの奇妙な冒険

自分のスタンド能力ジョセフ・ジョースターを人質に取ったスティーリー・ダンが、空条承太郎にショーケース内の宝飾品をスタンドを使ってギれと万引きするように教唆。
そしてショーケースから承太郎が取り出したところで、ダンは承太郎の事を万引き犯だと声を上げる。ダンはハナから承太郎を店員達に売るつもりで万引きさせたのだ。
当然、その場で商品を取り上げられた上に店内にいた屈強な男達にボコボコにされ、店から叩き出される承太郎。
一方でダンはもっといいのを盗れたと別の商品をちゃっかり万引きした事をアピールした。
どこまでも卑劣なダンの振る舞いを承太郎はメモしていたが、それがまた癪に障ったのかダンにビンタされ、静かに怒りのボルテージを上げていくのだった。


鬼灯の冷徹

ピーチ・マキがアイドルになる前、働いていた店で一日8個も万引きをする「妖怪万引き婆」の被害に遭った事がある。
その結果、店長は過労に追い込まれた上に店舗も潰れてしまったという。
その後、この万引き婆はマキ本人に〆られて御用となった。
実は作者の体験談が元ネタで、かなり生々しい話に仕上がっている。
元ネタが元ネタのためか、その話を聞いた鬼灯は「誰かの私怨混ざってません?」とややメタ気味のツッコミを入れた。

ちなみに、江口夏美先生の次回作『出禁のモグラ』では主要キャラの1人である真木栗顕のバイト先の上司・神沼清助が万引き犯の出没に悩むエピソードが存在している。


街 ~運命の交差点~

脅迫がテーマの「正志編」にて、CDを万引きした区役所職員を脅すエピソードがある。
通りすがりのうんちく少年が万引きの語源を丁寧に説明してくれるシーンも。


遊戯王

武藤遊戯を拉致して勝負を強要する口実として、彼の荷物に商品を忍び込ませるという手口が使われた事がある。


◇Grand Theft Auto V/Online

マップに点在するコンビニや酒店で回復アイテムのスナックを買う際、わざわざ『万引き』のコマンドが表示される。
当然だが、お金を払わないと警察に通報される。

……が、そこは犯罪ゲー。お金の代わりにピストルを店主に差し出せばスナック数十個分のお金が手に入る。
とはいえ、店主も黙っているはずもなく、油断して銃を降ろした途端にショットガンやマシンガンでお釣りの鉛玉を返されたりする。
勢い余って店主を殺ってしまった暁には、先の強盗致死の如くヘリコプターを混ぜた警察部隊が直葬を敢行する。


戦国BASARA X

登場キャラの1人である長曾我部元親が「貯めた小判を使って援軍のカラクリ兵器を生産する」というシステムを持つ。
しかし、「特定のタイミングで生産要請すると小判消費無しで生産できる」というバグテクニックがあり、「万引き」と呼ばれている。
なお「『万引き』をあるタイミングで行うと生産が行われず、その対戦中はカラクリ兵器が生産不可になる」という更なるバグも存在しており、こちらは「補導」と呼ばれている。


龍が如く8

序盤で春日が佐々木真哉という元ヤクザに万引きの仕事を紹介するが、これは足立調査代行によるセキュリティー調査診断のテスターである。
見事な手際で万引きをして店側のセキュリティーの穴を次々と指摘し、防犯対策の強化に貢献した。
しかし……



最後にもう一度書く。


万 引 き は 犯 罪 で あ る 。



あれほど、ちゃんとツイキ・シュウセイしろといったのに…
しかたがない

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最終更新:2026年08月08日 14:37

*1 チェーン店舗だった場合、グループに所属する店舗全てへの出禁もある。無論、各店舗などに犯人の詳細情報が赤裸々に伝えられる事となる。仮にそれを無視して入り店側の退店要求にも応じない場合はたとえ真っ当な買い物目的だったとしても不退去罪や不法侵入罪、営業妨害で通報される。

*2 「あそこは捕まっても謝れば済む」という噂が流れ、万引きが増える可能性がある。

*3 逃げる際に暴力をふるうのは「事後強盗罪」となり、強盗と同様の処罰がされる。

*4 撮影目的である事を隠して入店する行為が、店側の管理者の意思に反していると認められた為。

*5 もし使えたとしても、アカウントや番号の履歴の捜査でバレる可能性もある。

*6 商品を持って店を出た時点で万引き(窃盗罪)が成立するのだが、店内だと未遂あるいは「清算するつもりだった」と言われると証拠不十分となり捕まえにくいので、Gメンは店から出たところを捕まえる。

*7 980ルピー。リメイク前は所持ルピーの上限が999だったのでほぼ全財産をはたく必要があった。ちなみに弓入荷のフラグを建てる分も合わせると1200ルピー近くかかる。

*8 商品を持った状態でバネの罠で店外に飛ばされる、地雷で店主を巻き添えにしてしまうなど。

*9 何故トニオなのかについては、同人ゲームの話である為、残念ながらこのWikiでは触れる事ができない。

*10 なお、設定上ブルースペイダーはエンストの恐れはない。どういうことなの……

*11 東映のWebサイト『仮面ライダー図鑑』では「少年(九之巻)」「少女(九之巻)」名義

*12 なお、この時の万引き少年は明らかに以前よりもガラが悪そうな服装になっており、「以前の万引きがバレたせいで家庭や学校で制裁を受けて本格的にグレたのでは」と考察するファンもいる