アットウィキロゴ

狼と香辛料

登録日:2009/07/10 Fri 07:22:53
更新日:2026/06/07 Sun 21:15:00
所要時間:約 4 分で読めます




レーベル:電撃文庫
著者:支倉凍砂
イラスト:文倉十

【概要】

第12回電撃小説大賞の銀賞受賞作品。
中世ヨーロッパ的な世界での経済活動に争いの舞台を置いた、「剣も魔法もないファンタジー物語」という異色作。超常存在による奇跡は頻繁に起きるけど
題名も、実在の経済史書『金と香辛料―中世における実業家の誕生』(著: ジャン・ファヴィエ)が元ネタ。
経済史や商取引の世界に踏み込んだ作品として各所から評価されており、読売新聞朝刊の「ビジネス5分道場」において、担当した公認会計士の話に挙げられたこともある。

既刊は22巻。
第一シリーズは全17巻で完結し、うち4巻が短編集。
5年の空白期間を挟んだ後に、次世代の物語である『狼と羊皮紙』シリーズの開始に伴って本編も再開した。
マグダラで眠れ』新刊マダー?


シリーズ累計発行部数は435万部を超え、このライトノベルがすごい!「作品(シリーズ)部門ランキング」において2007年度版1位、2008・2009年度版5位にランクインしたほか、
「キャラクター女性部門」においてもヒロインのホロが2007年度版で1位、2008年度版で4位、2009年度版で2位、2010年度版で10位と4年連続トップテン入りした。

メディアミックスも盛んであり、1巻発売からわずか1年と11ヶ月後、2008年1月からテレビアニメ化。二期も2009年7月から放送された。更に2022年には再アニメ化が発表され、2024年4月から放送。
またゲームも複数出ており、2008年夏にオリキャラ主人公がホロと恋愛する「僕とホロの一年」が、2009年秋には「海を渡る風」が発売された。
作者がVR系に興味津々なこともあってか、2019年には『狼と香辛料VR』なんてものも出ていて、続編も製作中らしい。こちらはゲームと言うほどゲーム性もないが、この手のVRで版権モノは貴重。久しぶりにわっちわちにされたい人は是非。
小梅けいと画で漫画化もされており、コミカライズでは屈指の成功例の一つと評価される。だいぶ話すっ飛ばしてるけど。


【あらすじ】

旅の行商人クラフト・ロレンスは商取引のために訪れたパスロエ村を後にした夜、荷馬車の覆いの下に眠る一人の密行者を見付ける。
それは『ヨイツの賢狼』ホロと名乗る、狼の耳と尻尾を持つ少女であった。

ホロは遙か北の故郷『ヨイツ』を離れての放浪の中、パスロエ村の麦に宿った狼であった。
ホロは神と呼ばれ、長年村の麦の豊作に尽くしていたが、農業技術の進歩によってないがしろにされるのを感じ、望郷の念を募らせていた。
そしてついに収穫祭の日、通りかかった荷馬車の麦束にのり移って村を脱出したのであった。

ホロが狼の化身であることを知ったロレンスは彼女を旅の道連れとする。
二人は行商の途中、様々な騒動に巻き込まれながらホロの故郷を目指して旅をすることになる。



【主な登場人物】

◇クラフト・ロレンス
CV:福山潤
ローエン商業組合に所属する25歳の行商人。
将来どこかの街に店を構えるという漠然とした夢を描くだけの孤独な行商人生であったがパスロエ村でホロと出会い共に旅をする。
ホロの言動に翻弄され、時には衝突しながらも共に様々な出来事を乗り越え、次第に絆を深めていく。
商人として頭の切れる方ではあるが、自ら窮地を招きホロに助けられたり、会話で一泡吹かせようとするも軽くあしらわれ「可愛い仔」扱いされたりもする。
商売相手としての女性の扱いは決して不慣れな方ではなく挨拶程度にお世辞も使うが、肝心な所で女心が分からず自分に対する好意には非常に鈍感である。
ホロとは友達以上恋人未満といった仲で旅を続けているが、もはや夫婦に見えてもおかしくない。


ホロ
CV:小清水亜美
亜麻色の長い髪、赤い琥珀色の瞳そして先の白い尻尾と立った獣耳を持つ10代中頃の少女の姿をしている。
しかしその正体は、何百年も歳を重ねた巨大なである。
「わっち(私)」「ぬし(貴方)」「~ありんす」「~かや」などの廓詞(くるわことば)を使い、達観した物言いをする。
相手の声色から嘘を見抜いたり、触れあった硬貨の音から純度の差を聞き分ける程の耳や、鋭い洞察力を持つが、
ロレンスと出会うまで何百年もパスロエ村に「麦の神」として拘束されていたため、世間からズレたところがある。
教会からは迫害を受けて追われ、村人からは神として扱われ、対等に話せる相手に恵まれぬ半生であった。
そのため畏敬されることを好まず、ロレンスが張り合ってくることを内心では喜び、老獪な知恵で助けようとする。
狼の習性で丸呑みすることもあるが基本的には美食家で、特に甘い物には目がなく林檎は大好物。その上、大酒飲みでもある。


◇ヤレイ
CV:杉田智和
物語開始時までホロが居たパスロエ村の住人。
ロレンスが駆け出しの頃からの友人で、伝授された商売の心得を活かして今は村の特産物である麦の値段交渉を請け負っている。
ここ数年は領主からもたらされた近代的な農業技術のお陰で豊作が続いており売れ行きも好調。
古の神であるホロの加護も過去の迷信、もはや不要と言い、当時から続くしきたりも途中で抜け出している。村長も黙認している辺り彼に限らず形骸化しているらしい。
なお2008年のアニメではクロエ(CV.名塚佳織)と言う女性が代役を務めた*1ため、ヤレイはアニメ未登場キャラクターだったが2024年のアニメでは原作通り登場。

◇ゼーレン
CV:浪川大輔
ロレンス達が雨宿りした教会にて話しかけてきた若い商人。
近々とある銀貨が再発行されると言う情報を元に、儲け話に乗らないかと誘ってくる。

◇リヒテン・マールハイト
CV:大塚芳忠
ゼーレンの儲け話の裏取りを兼ねて、ロレンスが供託を持ち掛けたミローネ商会のパッツィオ支店長。
異国の地で商売を成功させた商会の支店長をしているだけあって優秀な人物。


◇ノーラ・アレント
CV:中原麻衣
リュビンハイゲンを拠点とする年若い娘の羊飼い。愛犬エネクとの息の合った羊飼いとしての腕はホロがお墨付きを与える程だが、孤児出身の為教会に安く雇われている。
年若い娘で腕も立つとあって商人の中でもしばしば話題に挙がるが、最終的に教会に目を付けられるのを恐れてか具体的な副業には繋がらない。
羊飼いは見下され街の人間からは距離を置かれているのもあり、将来はどこかの街の一員として仕立て屋になるのが夢。


◇フェルミ・アマーティ
CV:千葉紗子
元は裕福な商家の生まれだったが、兄達の下に付くだけの将来を嫌がって家出をしクメルスンで商人となったと言う少年。ロレンスと同じローエン商業組合所属。
まだ若いが魚の商売で成功し、甘いマスクもあって将来有望と目されている。

◇ディアン・ルーベンス
CV:渡辺明乃
クメルスンで錬金術師たちの区画に居を構える年代記作家。
彼女自身、錬金術師としての顔も持ち、周囲からは主に「ディアナ」と呼ばれる。


◇エルサ・シュティングハイム
CV:Lynn
テレオの村の教会を取り仕切っている女性。故フランツ司祭は教会内の人脈を活かし、本来格上であるエンベルクの街との間にテレオの村有利な取り決めを行ったため村から尊敬を集めていたが、今夏に亡くなっている。
エルサはフランツ司祭が引き取った養女で正式に教会の運営を引き継いでいるものの、まだ年若い女性なため村人達からは侮られている。


◇エーブ・ボラン
CV:朴璐美
レノスの街とそこを流れるローム川流域で手広く商売をしている商人。
ロレンスとは当初は単に同じ宿を利用していたと言う関係だったが、後に長くかかわることになる。
少々特殊な出自を抱えており、それを活かして大きな商売に関わったり逆に変なしがらみに縛られたりする。

◇トート・コル
北部の村出身の放浪学生。詐欺に会って無一文になったところを、咄嗟の機転でロレンス達に助けを求めて以降しばし同行することになる。
まだ幼いながらも物覚えが良く、何より素直で勤勉なのでいろんな大人たちから可愛がられる。
特にホロからは気に入られていて、コルが加わって以降はロレンスが揶揄われるバリエーションが増えた。
そして彼が持ち込んだ詐欺の書類が後々まで大きな意味を持ってくる。
続編「狼と羊皮紙」では二十代半ばになった彼が主人公を務める。



なぁ? ぬしさまよ……どうか追記・修正してくりゃれ♪

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年06月07日 21:15

*1 序盤はホロ以外の女性キャラクターが少なすぎたためのテコ入れと思われる