仮面の男(ポケットモンスターSPECIAL)

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仮面の男(ポケットモンスターSPECIAL) - (2016/01/06 (水) 14:43:20) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/07/04(水) 14:21:24
更新日:2024/04/19 Fri 23:29:57
所要時間:約 7 分で読めます




「すぐにヤツの後をおわせてやる」




ポケットモンスターSPECIAL』第3章・金銀水晶編の黒幕。通称「マスク・オブ・アイス」。

不気味な仮面と白い長髪の鬘、そして黒いマントで身を隠す謎の人物。
行き場を無くしたロケット団残党をまとめ上げ、その新首領としてジョウト地方で暗躍している。
性格は冷徹で、目的の為なら手段を選ばず他者を「道具」と称し、刃向かう者には一切容赦しない。

(3章から)9年前にブルーシルバーを誘拐した本人。
ある目的のために優秀な手駒を育てるべく、各地からトレーナー素養の高い子供たちを誘拐し、
その中でも特に目をかけた6人を「仮面の子供たち(マスクド・チルドレン)」として修行を強要していた。
そのためブルーとシルバーにとっては師匠にあたるものの、彼らにとって「心に巣くう忌まわしい過去」そのものである。

ポケスぺならではのオリジナル展開に合わせたオリジナルキャラだが、正体はジムリーダー(ポケットモンスターSPECIAL)のひとり(以下後述)。


初登場はウバメの森。
たまたま森を通りかかっていたゴールドに「この森から出て行け」と襲い掛かる。
この時はウバメの森の祠に用があっただけで、ゴールドの妨害で目的が果たせず去って行った。

ゴールドでも全く手が出せない程の実力者である事と、更に炭を取りに森に来ていた炭職人の青年とカモネギをゴースで操ってゴールドに襲わせた事から、
傷害事件としてウツギ博士が調べるようになる。

この時の戦いでゴールドのエーたろうが仮面の男のマントに掴みかかった際、マントの下で尻尾が何かに触れて金属粉がついたため調べてもらっていたが、
その成分がジムリーダーのジムバッジ(一般に配布するものではなく身分証明用の純正バッジ)の成分と一致し、
正体がジムリーダーのひとりである事が判明した。



【実力】

かなりの実力者である事は最初から示唆されてはいたが、話が進むに連れて化け物クラスのトレーナーである事が判明していく。


いかりの湖でのゴールドとの戦いでは、かつての弟子シルバーが捕まえた赤いギャラドスと無理矢理進化させられた野生のギャラドスたちに追い詰められる。
しかしデリバードでギャラドスごと湖を一瞬で凍り付かせ、ゴールドとシルバーを湖に沈めた(二人はその直後にエンテイに助けられた)。

その三週間後に、首領不在で活動しているロケット団残党の事を調べに来た元ロケット団幹部のマチスと対峙。
同じジムリーダーでありながら、デルビルだけでマチスを追い詰め、彼が命の危険を感じる程の殺気を放つ。
しかも、後のマチスとゴールドとの会話で専門は「こおり」であり、マチスとの戦いでは全く本気を出していなかったという事が判明する。


「…本気を出していなかったのか!?あの威力で!? まさか!!」





そして、セキエイリーグではホウオウルギアを連れて襲撃し、スイクンライコウエンテイに選ばれたカスミ、マチス、カツラと対峙する。
単独で各地のジムリーダーを倒す程の実力を持つスイクンたちの登場に、仮面の男もいよいよ劣勢になるかと思われたが…



「あなたは9年前も伝説のポケモンホウオウをその手に捕らえていた!そしてホウオウが見定めた各町の「トレーナー能力の高い子供たち」を連れ去った!」

「でもそんなあなたの計画を、ホウオウを使って悪事を働く計画を許せないと思うポケモンたちがいた!それがこのスイクン、ライコウ、エンテイだった。」

「その戦いによってスイクンたちはみごとホウオウをあなたの手から解放させることに成功した!
 …でもそのかわりあなたに封印されてしまった!焼けた塔の片すみに!!」

「フハハハハ!そこまで知っているのなら今回の結果もわかるだろう?」

「かつて私にかなわなかったものたちだ!! 同じことよ!!」


何と単独で各ジムリーダーを超える実力を持つスイクンたち三匹がかりでも、仮面の男には適わなかったという衝撃の事実が明らかになる。


ジムリーダーを上回る伝説のポケモンすらものともせず、本来ならトレーナーに付くポケモンではないホウオウとルギアを、
特別な道具に頼らずに純粋に自分の実力だけで捕獲し自力で支配している*1などから、
いかに飛び抜けた実力を持つ敵であるか伝わって来る。
本作では殆どバグったような実力を誇るワタルですらバッジの力を利用してもルギアを完璧に制御するには至らなかったことを考慮すれば分かり易い。



以下、ネタバレ








【正体】


正体は、ジョウト地方チョウジジムリーダー・ヤナギ。

仮面の男がこおりの専門である事、9年前の時点でホウオウを捕獲し誘拐した2~17歳の子供たちに英才教育を施していた事でかなりの年配である事などから、
大体正体はこの人に絞られる。そもそもヤナギ自身も、他のジムリーダーよりも飛び抜けた実力を披露している。
ジムリーダーとしてのヤナギは表向きは謙虚で優しげな老人だが、仮面の男としての顔が本性。
目的は「時の支配」。若い頃はオーキド、キクコ、育て屋夫婦、ガンテツとは仲の良い親友同士であった。
しかし、自らの不注意で可愛がっていた「ラ・プルス」「ラ・プリス」という二匹のラプラスを氷原で失い、
そのことをずっと悔やみ続け親友たちとも疎遠になった。
そして二匹の遺児である「ヒョウガ」というラプラスを両親に会わせたいと思うようになり、時を超える方法を模索するようになる。
そうして行き着いたのがセレビィと、時のはざまに入り込む事のできる「にじいろのはね」と「ぎんいろのはね」だった。
彼にとってポケモンとは愛すべき大切な存在であり、それを貫く為の方法全てが「道具」なのである。


手持ちの主力はウリムーとデリバード。

ウリムーは普段のジム戦も主力にしている他、ヤナギ自らが「仮面の男」として出撃する際に氷人形を形成し、
空気中の水分の凝固と分解を繰り返して氷人形を自由自在かつ素早く動かすという常識離れの技を披露している(公式サイトでも超絶能力と紹介されている)。
また図鑑所有者主力8匹+三犬の総攻撃を、ウリムーの作った氷の壁だけで防ぐという化け物じみた強さを見せつけた。
しかもヤナギのポケモンが作る氷は自己再生を繰り返すため、エンティ等の特別なポケモンの炎でなければ完全に溶かす事ができない。

デリバードは仮面の男としての主力。
相性最悪のホウオウを相手に、ヤナギが杖に仕込んだモニターの映像を見た上でのモールス信号の指示だけで相手にした。
その脅威を身を持って知っていたゴールドはデリバートをニョたろうの「ほろびのうた」で倒していた。
現実では埋葬ポケの代表格なだけに、「デリバードの皮を被った何か」だのと言われる。

他のポケモンはデルビル(あく・ほのお)、ゴース(ゴースト・どく)、アリアドス(どく・むし)。
デリバード(こおり・ひこう)も含めると全て目的のポケモンであるセレビィ(くさ・エスパー)の弱点を突いた構成。


小細工せずに自分のポケモンだけで伝説系や図鑑所有者たちを相手に優勢でいられる程の圧倒的な実力者のため、
連載中の現在でもポケスぺ界における最強のトレーナーと言われている。


最終的にはセレビィを手に入れ時のはざまに入るも、ゴールドのピチュが放った電撃「超ライジングサンダー」にセレビィの入ったボールを破壊される。
しかし、ヤナギの思いを汲んだセレビィによって、ヒョウガは亡き両親と再会。

そして、かつてラプラスを失った自分の為に当時は悲しみのあまり心に届かなかったが、
オーキド達がヤナギをイメージして作った歌「ラプラスに乗った少年」に感銘を受け、
気を失ったゴールドに「ポケモンと過ごす時間を大切にな」と言い残し、時のはざまへと消えていった。歌が心に届いた彼の表情はとても穏やかだった。
以来消息不明で、ジムの状態も明かされていない。


第5章では、かつてブルーとシルバーが脱走した際の回想で登場。
シルバーの事は「サカキの息子」と知っていた上でホウオウに誘拐させていた事が判明する。
また、目的の為に全てを「道具」として割り切って利用してきたヤナギだが、
ブルーとシルバーの脱走を聞いた際に、本人も今まで気付かなかった子供たちへの愛情があったと自覚した。
自身と誘拐した子供たちが仲良く集合している氷の像を作成しており、家族に憧れを持っていたと思われる一面を見せている。



長らく生死不明だったが、42巻にて1章の黒幕サカキ、2章の黒幕ワタルと共にまさかの再登場を果たす。
いきなりの登場に、全ポケスぺ読者が驚愕したのは言うまでもない。
さらにディアルガの「ときのほうこう」を喰らっても余裕綽々と、実力は全く衰えていないどころか更に増したと言える。


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